ここのリテイクになります。

NTT西日本舞鶴別館遠景 (東)舞鶴へ行く機会がありました。今回も東舞鶴駅周辺の散策で終わってしまいましたが、駅前の鉄塔がパラボラ付きで健在でしたのでもう1回レビューしてみました。左図は高架の東舞鶴駅を挟んで見えるその鉄塔です。


鉄塔全景 駅から海側方に進むと直ぐに鉄塔全景が見える場所に到達します。鉄塔の頂部にステージがあり、そこにマイクロ回線の開口アンテナが搭載されている様相は地方都市の電話局でよく見るパターンです。レドームに収納された垂直アンテナも健在でした。

 鉄塔の中ほど左側と局舎の右側(水道タンクらしきの)の付近にループアンテナが見えています。背景が空になっていて比較対象物がないのでループ径がイマイチ不詳でどんなシステムに使われているのかわかりませんが、電話局にあるということは通信事業用でしょうか?すが、(小電力)テレビ中継所のアンテナとのことです。鉄塔中央付近のもので中継局からの放送波を受信し、別チャンネルに変換して局舎屋上のアンテナから2方向に対して送信しているものだそうです(*)。


鉄塔中間部に設置 鉄塔中間部に設置されていた、16素子ループアンテナ2パラです。鉄塔側から給電線(見た感じ同軸ケーブル)が出てきており、2重ループになっている一番鉄塔側のループ素子をくぐって鉄塔側から2つめと3つめに接続されている様に見えます。この3つのループはそれ以外の13個のループより少し径が大きくなっています。


局舎屋上に設置 左図は局舎屋上に設置されていたものです。こちらは5素子、垂直スタックで2方向に指向しています。給電部は鉄塔中間部に設置されていたものと同様、鉄塔(ポール)側の3つのループ素子が少し多きめとなっています。

 鉄塔(ポール)側から2つめのループ素子に八木宇田アンテナの放射器に見られる様な整合バーがあります。ブームとの接合部にT整合の様な形状が観察されます。同軸(不平衡)ケーブルでの給電であればΓ(ガンマ)整合では?と思えるのですが、黒い太い部分にバランが入っているのでしょうか…?

 1波長のループアンテナとすれば、このアンテナ1基で同じ素子数の八木宇田アンテナをスタックにしたものと等価の利得が得られます。これは各ループ素子に1波長の定在波が存在することになり、半波長素子が2つあると等価になると考えられます。またループ長が1波長より長い(径が大きく見える)と誘導リアクタンスとして、短いと容量リアクタンスとして動作し、給電されているループから見てループ径の大きい方は反射器として、小さい方は導波器として動作することになります。

 上図の場合は16素子の八木宇田アンテナが2段2列、左図の場合は各指向方向に5素子の八木宇田アンテナが1列4段並んでいるのと等価になるようです。


局舎看板 局舎の玄関にあった、「舞鶴別館」と記されたものです。


記念碑 別館局舎の脇には寺川という川が流れています。この川に沿って少し海方に行くと関西電力舞鶴営業所があります。その建物の前に左図の様な記念碑が建立されていました。1908年、今から101年前ですか…。


「鉄塔」でも送信鉄塔 寺川の向こうにNHKの中波送信所があります。舞鶴市にはこの局の他、京都放送の送信所もありますが、これは舞鶴湾口にあるそうで、クレインブリッジなどを経由して行かないとダメの様です。


撮影:2009.05.01 12時〜14時の間
初稿:2009.06.01

追記:2009.06.14 (*)ループアンテナの件、お教えいただきました。くぼた様、原田様 ありがとうございました。


ひとつもどります