対衛星 六地蔵駅から地下鉄で蹴上(けあげ)まで移動し、疎水記念館とインクラインを見た後、再度地下鉄に乗り京都市役所前駅まで進みます。乗った電車がこの駅止まりでしたのでこの駅で降ろされます。で、烏丸線(京都駅方)の乗換駅・烏丸御池駅まで(500mほど)歩こうと思い地上に出て目に入ったのが左図です。駅出口のまん前には駅名どおりの格調高そうな京都市役所の建物がどっしりと構えていましたが、その建物越に白亜の空中線群がありました。

 当日は快晴で、青空を背景に白い塗装の施されたカセグレンアンテナやグランドプレーン(ブラウン)アンテナがとても目立ちます。左図の主題はカセグレンアンテナとしました。このアンテナは主・副の2つの反射鏡で構成されるもので、中空に設置される副反射鏡の凹凸によりアンテナの名称が変わります。凸形状(左図)のものはカセグレンアンテナです。

 主反射鏡は衛星方に開口していますが、その開口面に副反射鏡とそれを支える支柱4本があるのでブロッキングが生じています。また、副反射鏡直径(s)の主反射鏡直径(m)に対する比(s/m)が大きくなるほど開口能率が低下し、指向性が劣化します。一方、主反射鏡直径は要求利得によって定まりますが(mが増加すると利得が上がる)、副反射鏡直径と波長の比(s/λ)が小さいと副反射鏡としてうまく動作しない(主反射鏡からの漏洩電力が増大し雑音温度が高くなることが生じる)ので使用する周波数(λ)と必要な利得と主・副反射鏡直径(m・s)をバランス良く決めて行く必要があるそうです。

 (電気的にも機構的にも)複雑な設計が必要なアンテナの一つではありますが、1次放射器の直近に送受信機(ないしはコンバータ)を設置できる構造、副反射鏡の漏洩電力(スピルオーバー)が天体方向(上方向)に向くため、雑音を受けることが少ないなどの特徴を有することから対衛星用アンテナとして広く用いられている様です。


空中線群全景 御池通から市役所の建物越に見たものです。設置されている建物は京都市消防局であり、円柱鉄塔に数個のパラボラが設置されてはいますが、大半が無指向性アンテナであるグランドプレーンとなっています。移動局相手の基地局はできる限りの高利得アンテナを設置し、アンテナ設置(状況)に不利な移動局側との(特に上り)伝播路損失を賄っていると思います。

撮影:2007.10.21 15時頃




電電宮 京都には寺院が沢山あり、いろいろな参拝目的で訪れる方が多いです。たくさんあるということは、左図の様なものも御座います。地味ですけどね。電気とか言うと凡そ参拝と言う事には無縁そうですが、有る所にはやっぱりあります。落雷除けの神様と言うのは聞いたことがありますが(昔は雷の正体が不明な頃は非常に恐れられていたため、除雷というのも一つの信仰になっていたものと思います)、電波のまもり神とストレートに表記されると妙に親近感が出ます。

 嵐山にある法輪寺に併設されています。特に京福嵐山駅から渡月橋を渡って渡月亭脇から参拝する経路は途中で京都の市街地が良く見える場所がありお勧めかもです。


撮影:2007.10.20 15時半頃


初稿:2007.12.16

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