局全景 諏訪湖(ここ)を源流とする天竜川は左図の局から600m先で太平洋に注いでいて間もなく約213kmの長旅を終えます。画面に向かって左側が天竜川、背中の方が太平洋(遠州灘)になります。局は左岸にあり、右岸(川向こう)は浜松市となります。

 天竜川には途中に幾つも大きなダムがあります。これらのダムが放流すると一時的に川の水位が上昇するため、ダム下流でサイレンを鳴動させ放流を知らせる施設があります。左図のものがその一例です。サイレンとトランペットスピーカーを主に見るか、八木宇田アンテナを見るかでその人の趣味がわかるのですが、私は後者です(が、こういった施設を見るのも好きです)。

 この警報局は河口から約30キロ上流にある船明(ふなぎら)ダムの放流の際にサイレンが鳴動し、塔頂の回転灯が点灯するそうです。2段の八木宇田アンテナはその指令回線用でしょうか…


上段の八木宇田アンテナ 画面右上の方に鳴動するサイレンと回転灯(パトライトみたいの)が見えてます。その下に各方向に向いたトランペットスピーカがあります。サイレンの鳴動以外に音声による警報もあるのでしょうか?本題のアンテナはVHF帯下の方で波長5m前後のものの様です。放射器は折り返し式でVHF帯の八木宇田アンテナでは比較的良く見かける構造です(川沿いのテレメータ局、防災無線局、FM放送受信用アンテナ、VHFテレビ受信用アンテナなど)。


下段の八木宇田アンテナ 下段のものも5素子です。上段のものとほぼ同じ方向を指向していますが上段のものと併せてスタック式としているのか、それとも別系統のものか、ダイバーシチなのかは不詳です。


局の役割 上流の船明ダム放流中にサイレンが鳴動するとあります。もうこの付近は水の色が海の色とほぼ同じになっていますが、まだ「川」なんですね。


局の看板 局舎に貼り付けてあった看板です。竜洋警報局となっています。磐田郡竜洋町は平成17年4月に周辺町村と一緒に磐田市と合併しました。付近の竜洋海洋公園の住所は(磐田市)駒場ですので、町の名前が天竜川が太平洋に注ぐ場所で竜洋…とわかりやすい地名だと思ったのですが、この局でしかと確認できました。また、天竜川沿いの最後の無線設備のある局でもあるかと思います。


撮影 2006.12.30 12時半頃

初稿:2007.01.04


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