鉄塔全景 国道18号バイパスを県境から西進して行くと軽井沢市街地を迂回する格好となります。国道18号(旧道)は軽井沢駅近くを通過しますが、左図の歩道橋のもう少し先(西側)で合流します。この歩道橋の上から西の方を見ると浅間山が良く見えますが、そのまま回れ右をすると輪っかの付いた白い鉄塔が見えます(下図)。


鉄塔 鉄塔は周囲の林に阻まれ、おそらく乗用車の目線の高さでは見えないと思います。幾度か国道18号バイパスを東西方向で通過しましたが結局見えず終い(…というか、ここに在ることすら判りませんでした)で今回やっと見ることが出来ました。軽井沢駅から徒歩では結構距離がありました(が、林の中に点在している建物を見ながらの散歩でしたのでそんな疲れはしませんでした)。

 当日は快晴に近い青空でしたので白い鉄塔が際立っていましたが、秋特有の刷毛で掃いたような雲も見えちょうどいい取り合わせだと思います。鉄塔はNHK上田と同じく白い鉄塔(SBC佐久と上田は紅白の鉄塔)でしたが、ここは3方4段の支線があり、一番上の支線の碍子にはチョークコイルが接続されていました。


頂部負荷 頂部負荷はSBC上田と同じ様な構造でしたが、1段目の支線への碍子が2個直列になっています。送信出力は100Wと上田局と同じですが片や1つ、こっちは2つ、で差異があります。


アンカー 支線碍子のチョークコイルは上田局と同じ様な格好でしたので、支線絡みということでアンカーを観察してみました。張力を調整するターンバックルにビニールが巻かれてあり、その姿が見えなかったのがちょっと残念です。


局舎 局舎も鉄塔と同じく白い…と思うのですが、ちょっと年季も感じられました。鉄塔はこの局舎の上に設置してあり、基部の状況が良く見えませんでした。


看板 局舎の道路沿いのフェンスに設置してありました。こと細かく記載されていましたので興味深く読んで見ました。鉄塔は45m長、局舎の上に設置してあるので頂部負荷まで約50mとなっています。この界隈ではかなり高い建造物ですが、周囲の木々の高さも結構あるので付近の道路からはよっぽど注意して見ないと見つけられません(…というか、観光地ですから却って幸いなのかも知れませんが)。

 また上田局のプログラムを有線で受けている旨ありましたが、ここでは長野局とありました。ただ、有線と無線は左記の様に使い分けているとのことで勉強になります。佐久局は1,458kHz、ここ軽井沢は1,485kHzと5と8が入れ替わっているだけの違いだけで27kHzしか離れていません。けど27kHzも離れているとも言えますが。

(数値の一部を消していますが、現地ではキチンと表示されています)


 1,485kHzは1,584kHz・1,602kHzとともに小電力チャンネルと称されます。長・中波を利用する放送局はその伝播特性から送信する電力や周波数、送信所の設置場所がアジア・オセアニア地域で設置のための協定が結ばれています。このため国内の放送局であってもかなり煩雑な手続きをふまないと新設や変更ができません。そこで中継局などのためこの手続きを(いくぶん)簡素化するために輻射電力が1kW以下の専用チャネル(LPC)を設けています。


撮影 2006.10.09 16時半頃
初稿 2006.10.20


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