水源地管理センター 左図は国道16号線沿いにある横須賀市水道局走水水源地管理センターに設置してあった、いわゆる低い位置にあるパラボラです。この日は京急馬堀海岸駅から国道16号へ出て、観音埼灯台方へ歩いていました。以前この付近でフィールド試験のため車で日夜往復走行をした思い出があり、この付近も幾度か往復してました。もうかなり以前のことですので、ここにこの様な空中線が設置してあったかと言うのは記憶にありません(もっとも運転してたので風景は記憶に入っていませんが…)。

 今日は敢えて馬堀海岸駅から観音埼灯台まで工事中の横横道路馬堀海岸ICを横目に、今にも降り出しそうな天気の中歩いてました。IC工事の少し先から車線が絞られます。それでも歩道がしっかりしているので散策には一向に支障がありません。走水という地区に入ると左図です。思わず撮ってみました。もっともこの付近はヴェルニー水という名所で有名だそうです(と地図にある)。建物に平べったいレドーム(屋根つき)を有するマイクロ波帯機器も設置してありました。傍目で見てアンテナと通信機器が一体化した様な構造でした。

 ヴェルニー水の「ヴェルニー」はここ走水の湧水を横須賀造船所へ送水する事業を開始した人物(フランス人)のことですが、この方は4キロほど先にある観音埼灯台の設計者でもあるそうです。その灯台へはあと4キロ…この管理センターの前に(伊勢町)バス停があり、あと5分ほどで観音崎行きのバスが来るみたいなので待ってました。


灯台案内看板 バスが着いたのは観音崎レストハウス…フィールド試験時の待機場所であった記憶がかすかに蘇りますが、それは置いておき天気も徐々に宜しくなくなってきたので灯台方へ急ぎます。で、40mもの高低差のある崖道(灯台への歩道として整備されています)を登りきると(映)喜びも悲しみも幾年月で物語の出発点であった観音埼灯台が正面に現れます。

 左図の看板にヴェルニーの名前が登場しています。日本初の洋式灯台で、二度の地震で壊れてしまい(二度目は関東大震災)、今目の前にあるのは三代目で84年を経過した今も健在です。

※電話番号は現地ではキチンと表示されています。

レンズ 灯台のらせん階段を昇りきると光源(メタルハライドランプとフレネルレンズ)とモーター(意外と小型)が直近で見ることができます。



灯台からの眺望(房総半島上総湊方面) 海面から7056mくらいの高さからの眺望です。対岸の房総半島が浦賀水道を挟んで少しかすんで見えています。ここから富津岬にかけて約10キロほどの幅になる、東京湾のチョークポイントです。さらに航路は狭く設定されていてこの狭い水路を貨物船やタンカー等たくさんの船舶が行き来しています。


東京湾海上交通センター案内看板 灯台とそう離れていない位置に東京湾海上交通センターがあります。灯台から310mほど歩く(ただし少し上下のある遊歩道)距離にあります。今回はレストハウス(バス停)から灯台経由で来ましたが、レストハウスから先にここに来て「灯台→」と書かれた案内看板を進んで灯台へ行くこともできます。

 この案内看板によりますと、海上交通情報が1,665kHzと2,019kHz(後者は英語)で定時放送されているとのことです。またVHF帯(国際VHFの13,14,16,22ch、156MHz付近)で安全のための通信・港湾通信のための業務なども行っているとのことです。この中で16ch(156.8MHz)は重要通信と呼出しにだけ使え、通話には利用できないと定められています(電波法第65条 聴取義務 他、無線局運用規則など)。


主塔 主塔を下側から見上げてみました。レドーム付きのパラボラとなしのパラボラが塔頂に、少し小さいレドームなしのパラボラが塔の中ほどに設置されていました。また犬吠埼灯台で見かけた灯台放送(中波)と酷似したワイヤーアンテナが展張されています。ここでもエレメントの中ほどでベンドされています。

 案内看板によると浦安・13号地・本牧・剣埼・洲崎・伊豆大島及び海ほたるとのリンクがあります。塔頂左側のレドームつきとそうでない各パラボラと塔の中ほどのレドームのないパラボラはきたほぼ同じ方に開口しているので前3ヵ所が対向局でしょうか?ただ東京湾のいちばん奥にある浦安まではほぼ全区間が海上伝搬となりますが…いや、すべてがここからだと海上伝搬区間になっている様です。

 手前に見えているのは携帯電話基地局のアンテナです。この基地局は局舎の函がなく、電源装置とか通信機器それぞれが屋外に設置してある状況でした。もちろん一般の人が容易に触れることができない様にフェンスで囲まれていました(事業用電気通信設備規則 第14条、第15条など参考)。

ワイヤーアンテナ給電部付近 携帯電話のアンテナ柱の隣に海上交通情報放送送信用のワイヤーアンテナの整合函(らしきもの)がある柱があります。この函(の碍子)に接続されたワイヤーはそのまま放射エレメントになり、主塔塔頂にあるパラボラアンテナ直下付近でベンドされ、敷地端にあるもう一つの柱まで張られていました。


パラボラ2基搭載の柱 主塔の隣にパラボラが2基搭載された柱がありました。この方位だと対向局がここの様です。

 この位置で空中線(パラボラやワイヤーアンテナの整合函、携帯電話基地局)を見つつつづら折りの遊歩道を下って行くとバス停(レストハウス)の近くに行き着きます。天候が今にも降り出しそうになってきましたので観音崎公園の北半分しか回らなかったことになりますが、それでも1時間程度の散策(…高低差50mあり、急ぎ足だとすこし息が荒くなってしまいましたが…)と相成りました。


     東京湾海上交通センター




撮影:2009.03.08 10時〜11時頃
初稿:2009.03.09

誤記訂正:2009.11.01 ×70m ○56m ごめんなさい

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