全景 圏央道入間−青梅間(内回り)に設置されていたVICSビーコン局です。圏央道のこの区間は大半が茶畑などを切削した区間になっています(高架ではない)ので、比較的外部(側道)からこういったものを観察しやすいです。反対側の車線の側道から見た感じで、ビーコン局の後方に防音壁があり、それに沿ってやはり側道があります。防音壁がある…ということは住宅なんかもあったりします。

空中線部拡大 ここで見た空中線の形状と比べ、レドームが円筒形のものとなっていました。

側道で反応(受信) 側道を防音壁に沿ってこの付近を走るとこのアンテナの所で反応しました。

撮影:2005.11.20 13時前

受信アンテナユニット 本題と外れてしまいますが、時々行ってみる秋葉原のジャンク屋さんでカーナビのVICS受信ユニットと銘打って出物がありましたので興味本位で買ってみました。モノはPanasonic製で結線情報などありませんでしたが、琴線に触れたのが受信部分とアンテナが分離していた点です。2.5GHzのアンテナの一つ…としてなんかできるかな?と思いほんの少し期待してました。

 で、アンテナユニットの方を開いてみたのが左図となります。ケースは光を通さない黒いプラ製でしたのでアンテナユニットの中にLEDや受光部品があったのが意外でした。目的のアンテナは左側のういろうみたいなヤツで、同軸ケーブルとはチップコンデンサを介して接続されていただけでした。大半の部品が「光り物」用の様でした。中央のコイルと右の電解コンデンサはその「光り物」の電源用でしょうか?同軸に直流重畳して給電しているみたいです。本体ユニットの方の同軸ケーブルコネクタ部分に電源回路があったのでもしかしたらアンテナユニットに2.5GHzのプリアンプでもあるのか…と期待はしていたのですが、残念でした。でもなんで「光り物」が光を通さないケースに入っているんでしょうか?

 本体の方は当初の目的通り分解(部品取り)用にします。ただ、電子部品の方はチップ部品(と、殆ど数値だけ刻印されているIC)なので部品を外したとしても転用などはできませんが…


受信アンテナ ユニット内のアンテナ部品を拡大してみました(…このページのカテゴリに入れるべく)。2.5GHzの波長は12cm程度なので(波長に比べて)かなり小ぶりです(たて×よこ×高さ:約7mm×15mm×5mm)。F形アンテナの様にも見えますが立体的なのでちょっと違うかも知れませんし、半透明の物質(誘電体)の効能もあるでしょうし、これで指向性が出るのかも興味のあるところです。

 同軸ケーブルへは右側のチップコンデンサを通して接続されています。このアンテナが実装されている基板にはICやらTrやらの能動部品が両面に実装されていたのですが、みんな「光り物」用でした…けどこの程度のアンテナで、よくもまあ100キロで移動する物体(自動車)のナビ画面に情報を出させるのに必要なデータを受け取れるもんですね…とちょっと感心しました。

撮影:2005.11.20 夜半


地上子 一般道の路上に設置されているVICS光ビーコンです。撮影場所は(タイトルの)入間市で無く、京都市の八坂神社前(四条通)です。目では見えませんが、写真上では車上器との光通信のためのLEDが発光しているのが見えました。なおこの日は宵山のためこの地上子のある道路は車両通行止めでしたが、黙々とデータを送っているのでしょうか?健気。

 上の方で光り物が光を通さない云々と書きましたが、赤外線透過素材というものがあり、黒く見えても(可視光を外れている)光を通すものがあるそうです。可視光外で通信しているので見た目真っ黒でも関係ないのですね…。光の一種である電波もこのケースを透過するんですから。

撮影:2005.07.16 19時頃(宵山真っ盛りでした)

 光ビーコンでは光通信の性格上、(電波方式に比べ)ものすごい指向性が得られますので車線を走行しているクルマなどどの通信では反対方向から来るクルマなどはあんまし考慮することはないと思います。以前国道20号を走行した際に片側1車線の道路に電波方式のビーコンが幾つも設置されていましたが、進行方向のデータにしか反応しませんでした。ビームの幅を絞ってもムリでは…?と思っていました。

 これの仕組みはデータ信号とは別に、振幅変調された方向識別信号を復調して、データ信号の位相と比較することによって走行方向の識別、路上機直下の検出を行うとありました。データ信号の位相と比較、どんな構成で(最終的に)走行方向の決定をしているのか、課題は尽きません。

初稿:2005.11.20
追記:2006.07.25

ひとつもどります