いぬぼう(銚子市)の続きです。

空中線見上げてみました 犬吠埼灯台敷地内は比較的オープン状態でしたので灯台以外にも事務所棟や灯台放送の送信機のある小屋とか間近で見物することができました。左図はその小屋から灯台の間に展張されているワイヤーアンテナです。

 送信周波数の1,670.5kHzの波長(約180m)から垂直接地アンテナもどきだと約45mのアンテナ長が必要になりますが、このワイヤーアンテナの正体はイマイチ不詳です…地上30m弱の位置から張られていましたので曲がっていることから50m弱くらいでしょうか。

小屋 小屋の給電部分を見てみました。半球状の碍子から白い線が引き出され、屋根の直下に設置されている棒状碍子に渡り、ここから空中に張られていました。どの部分が給電点でしょうか?球状碍子の下には危険高電圧とありました。50Wでも電圧給電だと結構な電圧になるのでしょう…

 小屋の後方に長細い小屋があり、その屋根にはらっぱ(青い物体)が設置されていました。海の方に開口していました。このらっぱが霧信号を送出するもので、濃霧などで視界不良の時に音で灯台の位置を知らせるべくえらい音量で吹鳴するそうです。

案内看板 霧信号所の小屋の前に設置してあった案内看板です。当初は鐘(霧鐘)を鳴らして位置を知らせていた旨の記載もあり、原始的なのですがそれがまた確実な方法でもあると思いました。

 犬吠埼は中波の無線標識局(これ)や灯台放送、マイクロ波のレーマークビーコン、夜間は110万カンデラの光(これも電磁波の仲間)によってその位置を沖ゆく船に知らしめていますが、それに加え音波により航行の安全を提供しています。


撮影:2005.04.09 13時半頃


信号所と無線標識 上から1年ほど経過した霧信号所です。らっぱや屋根の塗装色が変わっていました。この日はどんよりとした曇り空の天候で少し荒れ気味の様でしたので灯台の参観はお休みでした。ただ、参観がお休みというだけで後方に見えているレーマークビーコンや灯台放送の各空中線からは規定の信号が送信されています。ラッパは吹鳴してませんでした。


らっぱ パッと見でホーンレフレクタアンテナになんとなく似ている感じがしないでもないラッパです。大きく開口しているので鳥などが入って来ない様にでしょうか、網が張ってありました。開口アンテナのレドームに相当するものでしょうか…

 後方に中波無線標識の空中線が見えています。音波と電波で犬吠埼の位置を沖合の船舶に伝える任を担っていますが、音波の方、この霧信号所は2008年3月末をもって閉鎖となったそうです(3月末で終了って、短波JJYを思い出してしまいます…)。


撮影:2006.05.02 16時頃

鉄塔 銚子市内から利根川沿いに北西方向に進むと成田線椎柴駅付近を通ります。この付近にはかつて銚子無線電信局の送信所があり、長中短波の各バンドで船舶向け電報を送信していたとのことです(受信所は犬吠崎に近い銚子市小畑とのことです)。

 送信周波数より線状アンテナが数多く展張されていたことでしょう…3年前ですが、この時は別システムの鉄塔がぽつんと設置されていたのと一面の畑の緑と空の青がきれいだったと記憶しています。


看板 敷地の入口には窓口業務を終えました旨の表示が目立っていましたが、その看板の下に往時を偲ばせる銚子無線(無より右側判読不能)の表札がありました。

(看板の電話番号は一部消していますが撮影時はキチンと表示されていました)

撮影:2005.10.23 15時半頃


初稿:2008.12.06 3年以上前の写真をもってきてしまいました…現地の状況は変わっていることと思います。
追記:2008.12.15 初稿上げた後に霧信号所の閉鎖を知りました。ラッパはどうなっているのでしょうか?
追記:2019.03.13 最初の追記から10年以上経過してしまいましたが、この間に無線方位信号所(レーマークビーコン)が2009(平成21)年4月10日に廃止されています。
(レーマークビーコン局は2007(平成19)年度から3ヵ年計画で廃止が進められ、ここ犬吠埼の局は3ヵ年計画最後の年に廃止となりました。)

ひとつもどります