中継局全景 JR水戸線と関東鉄道(常総線)と真岡鐡道の乗り換え駅である下館駅(筑西市中心部)から南西方へ約5キロほど離れた場所にある、茨城放送の中継局です。ここから直線距離で50キロも離れていませんが両局の間にある加波山(標高709m)から北側に延びる丘陵(標高4〜500m級の山もあります)に地表波の伝播が阻害されていることから設置されたのでしょうか?

 周囲に建物があまりないので鉄塔が目立っていますが、中波送信所の鉄塔(空中線)としては小振りなものでした。周波数は中波帯域で高い方の1,458kHz(λ≒206m)、1kWで送信しています(JOYL土浦局と同期放送)。4方4段支線のある鉄塔ですが、ダウンリードのある基部接地型の空中線のため円柱よりワイヤーが賑やかな感じでした。

鉄塔塔頂拡大 基部接地型空中線の塔頂部を拡大して見ました。遠目では容量冠(わっか)にも見えないこともないですが、地上から引き上げられているダウンリードの終端が棒状碍子を経由してこのリングに接続されています。また塔の先端には避雷針の様な針状の素子があり、これも基部絶縁型のものでは見かけなかった構造です。

鉄塔中間部拡大 円柱とダウンリードの離隔を一定に保つためにあるのでしょうか、円柱より2本のステーで固定された碍子の部分は電車の架線設備にも見えるほどダウンリードをしっかりと保持しています。碍子部分で折り返されているダウンリードも八木宇田アンテナの折り返し放射器の様に綺麗な長円形をなしています。

鉄塔基部拡大 基部付近では局舎の椀状碍子から出てきた給電線がダウンリードへ均等に接続されている様子、コンクリートの基台の上にどっしり乗っかっている円柱、その円柱に接地線らしき数本の太いケーブルが接続されている様子が見えました。

 接地線と言えば局舎の壁面にも(椀状碍子の下あたりに)見えています。椀状碍子からの給電線と平行に展張され、ダウンリード接続部手前の碍子の下側に接続されています。

給電線 局舎の椀状碍子から出てきた給電線、その下側に架線してある接地線の様子です。


局舎にあった表札 局舎正面扉の上にある、木製の表札です。

基部にあった銘板 こちらは鉄塔基部(コンクリート)に貼付してある空中線名称も記載されている嬉しいものです。ここは関城中継所となっています。建設された20年前(…もうふた昔ですか…)は真壁郡関城(せきじょう)町でした。

 関城町は2005年3月に下館市・明野町・共和町と合併して筑西市となりました。筑西市は茨城県西部に位置し、八俣送信所を擁する古河市と並び県西部の中核都市とのことで、そのことから県西中継局と改称したのでしょうか?

中継局周辺 中継局から少し離れた位置から見てみました。画面右側に筑波山が見えています(ここから山頂まで直線で約15キロほど離れています)。



 この後帰途につきます。中継局から東進して関東鉄道を渡り国道294号(旧道とバイパス)を経由して下館駅方に向かいます。これを見て国道50号を少し西進し、再度往路で通った県道(23号筑西三和線)に戻り古河方へ進みます。往路で見た下館別館にあったカセグレンの開口方向に向かって走行しているので、途中に鉄塔(マイクロの局)があるかと思ったのですが、見つけることはできませんでした。

 そのうちに古河市三和に到達しました。冬の時期ですので16時を回ると夕暮れとなり写真が撮りにくくなります。折角八俣送信所の鼻っ面を掠めているのですが、そのまま通過して県道(56号つくば古河線)に入り久喜方へ進路をとります。この県道と国道4号線が合流する先にある県境である利根川橋を通過しましたが、とっぷり暮れた時間に走行正面に富士山のシルエットとNHK菖蒲久喜の鉄塔が見えたのが印象的でした。ここから更に菖蒲を通過し、川島町まで、ここで圏央道を利用して青梅まで埼玉県を縦断して都下羽村まで戻ります。この時点で圏央道、桶川北本ICまででした。今は圏央道青梅ICから東北道、境古河IC(八俣送信所近い)、常磐道、東関東道まで行ける様になっています。

利根川橋近くの堤防から 左図は日を変えて、国4利根川橋付近の堤防より見たものです。車道(片側2車線)から若干目線位置が異なりますが、筑西からの帰路、夕刻に見た富士山+菖蒲久喜鉄塔はこんな感じでした。

国道4号線利根川橋から 左図は日を変えて、今度は朝方に国4利根川橋(上り線側)の歩道より見たものです。同じく車道(片側2車線)から若干目線位置が異なりますが、富士山+菖蒲久喜鉄塔はこんな感じでした。

菖蒲久喜鉄塔:左側NHK東京第一、右側NHK東京第二の送信アンテナ

撮影:2010.12.18 14時頃
(富士山込みの写真は、夕刻は2010.12.29の17時頃、朝方版2010.12.25の08時前に撮影したもの)
初稿:2011.01.05
追記:2020.04.18

ひとつもどります