送信所全景 常磐道を友部JCTから少し北上すると水戸北スマートICがあります。このまま進んで行くと90キロポスト辺り進行方向左手方に中波送信所が見えると思いますが、このスマートICで降り、国田大橋で那珂川を渡り、常磐道高架をくぐって国田小中学校付近に至ると左図の様な田圃の中に鉄塔、と絵に描いた様な中波送信所…茨城放送の送信所が視界に入ってきます。

 この時期、稲刈りが終わり乾いた田圃となっていましたが、田植え時期前の水だけ引いてある状態の時は鉄塔が水面に映り込んでいるのが見えるかも知れません。

鉄塔拡大 近くに寄って見ました。3方7段の支線がある鉄塔です。この局は紅白ではなく、銀色モノトーンの渋いものでした。最上段の支線の各碍子には避雷コイルが挿入されています。

 水戸市街地からやや内陸部に位置しますが、那珂川沿いに広がる水田の中に設置してありますので、接地型空中線にとって快適な環境かと思います。

頂部負荷+グリッドパラボラ(H) 鉄塔の上部に2基のグリッドパラボラアンテナが設置されています。開口方向は上部と下部で若干異なる様なので、一つはSTL、もうひとつはTTL…でしょうか?

 頂部負荷は良く見かける環状のもの、内周が6角形・外周が円形となっています。フレームの一部を碍子等で絶縁している様子はなく、2つの環状素子が鉄塔(円柱)に電気的にも機械的にもガッチリ接続され、容量を形成している様です。

グリッドパラボラ(V) 左図は下側に設置してあるグリッドパラボラを拡大したものです。上部のものはグリッド部が(殆ど)水平でしたが、左図のものは垂直になっています。使用している偏波の差異でしょうか?例えばグリッド部の向きが偏波面と一致しているとか。

鉄塔給電部(基部) 基部絶縁型空中線の特徴である絶縁碍子とオースチントランス(知恵の輪)がありました。基部碍子はスカートが大きく、一部分しか見えていません。また、基部碍子(スカート)の上方に鉄塔(円柱)径より2回りほど大きいひさしの様なものがあり、雀がとまっていました。このひさしの下側にがあります…この函には数本のケーブルが出入りしていたのは見えたのですが、イマイチ何のパーツか不詳です。

 画面左側の建物の壁に椀状碍子があり、ここから出たワイヤは途中碍子のある柱に支えられて基部碍子の上側に接続されています。中波送信機の出力、周波数1,197kHz・5kWの電力を空中線に供給する給電線ですが…なんか地味に見えてしまいます。

局舎全景 局舎は3棟構成で、中央の建屋は瓦葺でした。左右の建屋はどこででも見かける平屋のものでしたが、三角屋根の建屋とうまくバランスが取れている様に思えました。基部を見た際には左図右側の平屋に送信機が設置されてそうでしたが、三角屋根の建屋に2つの排気ダクトの様なものがあったので、送信機本体はこっちで、平屋は整合部とかでしょうか?で、左図左側の平屋は自家発電設備…とか?

 局舎が常磐道から少し離れた位置にあったり、付近が田圃ということで…放送局の局舎です、という主張をした看板がなかったのが少し寂しい気もします(電柱のプレートにもそれらしき名称なし)。しかしながら3方7段の支線に支えられ、鉄塔上部に2基のパラボラを設置した銀色の垂直アンテナはしっかり目立っていました。

撮影:2010.10.02 14時半頃
初稿:2010.10.17

ひとつもどります