ターミナルビル屋上 新千歳空港の展望デッキに出ると結構近くにこの様なアンテナを見ることができました。また美々駅の近くや南千歳駅の近くでも鉄塔に搭載された、これと同じ様なアンテナを見ることができます。ひとくくりに「垂直系」と言っても手前からホントに棒状のもの、その隣には地線のあるもの、その一つ先には異様に太いの、傘型(ディスコーン)等、垂直アンテナの展示会場の様でした(入場料もロハでしたし…今はどうか知りませんが。ただし冬季は閉鎖されてました)。


ブラウンアンテナ その中の一つにこんなのがありました。地線が3本のブラウンアンテナだそう。グランドプレーン(GP)と呼んだ方がしっくり来ることもあります。ものの本によればこの様に放射部分を折り返すと放射部が等価的に2本になったためアンテナ電流の合計は2倍になるとのこと。これにより折り曲げない場合に比べて給電点インピーダンスは4倍になるそうです(P=R・I^2より、放射部のアンテナ電流が2IになるとP=4R・I^2となり、折り曲げ前のRと比べ4倍とのこと)。

 このアンテナは…

・放射素子と地線の長さは、共に約1/4波長である。
・地線は、同軸ケーブルの 内部 外部導体に接続されている。
・地線は、同軸ケーブルの外部導体に漏れ電流が流れ出すのを防ぐ働きをする。
・入力インピーダンスは、地線の取り付け位置及び取り付け角度によって変わる。
・放射素子を大地に対して垂直に置いたとき、水平面内の指向性はほぼ全方向性である。

などの特徴があります。上から2つめ、「内部導体」として誤文選択問題に使用されていました(2002年7月の二陸技工学BのA-9)。



撮影 2000.09.30、フィルムスキャンです(白いスジが見えるのはご容赦下さい)。



 先日御茶ノ水駅のホームの天井を何気に見てたらホームの天井から吊り下げられた様な格好でこの形式のアンテナが設置してありました。なんかかなり埃は付着していたので一見アンテナとは思えなかったのですが、どうもグランドプレーンをさかさまにしてるのが気にかかりました。またそこから青梅線直通快速で帰る際、西立川駅(進行方向左手側)で4本ある地線のうち1本だけが途中から90°上方に折り曲げられているアンテナが目に止まりました。同じグランドプレーンアンテナでも亜種がいろいろあるみたいです…。


本稿は次の書籍を参考にしました。
・アンテナ工学ハンドブック(電子情報通信学会;1992.12.30 第1版第7刷)
・上級ハムになる本(CQ出版社;1997.05.15 改定版第1刷)

ひとつもどります