【東名高速】
送信してるところ (中波)放送の中で交通情報が時々流れて いますが、今居る場所の情報というのは報じられないことがあります。左図の様なアンテナが張られている区間ではその 場所の交通情報を送信していますので1,620kHzに同調させれば聞けます。左図は東名高速大井松田→御殿場の区間左ルート 鮎沢パーキングエリア付近の放送区間の終端に近い部分です。

 ラジオは広範囲に同じ内容を伝えるイメージがありますが、道路(走行レーン)といった限られたエリアだけに電波を 照射するために、路側ラジオの送信アンテナはエレメントを道路に沿って敷設しています。以前はワイヤーを張っていた そうですが、最近では漏洩同軸ケーブルを使用している様です。同軸の場合メッセージワイヤに吊って布線できますので ワイヤー使用時に必要だった碍子が要らなくなります。また地中に埋設設置することも可能とのことで、中央分離帯にあ る植物の剪定時に邪魔になることもなく放送エリアを確保することができるとのことです。


終端部らしい 放送区間は延々続く訳ではないので、どこかでアンテナを 切る必要があります。その切る部分(終端部)が左図です。ちょうど鮎沢パーキングエリアから本線に合流する付近(72KP)で 切られており、ここを通過すると急激に放送が聞けなくなります(それだけエリア外に電波が漏れないということでしょうか)。

 電線メーカーのカタログを見ると路側放送用、ないしはトンネル内ラジオ再送信用のアンテナ(漏洩同軸ケーブル)の 詳細がありますのでそちらを参照するといいかと思います。ケーブル中心部分に磁性体を使用していたりしてよく見る同軸 ケーブルとちょっと構造が異なっているということです。終端部は抵抗だそうなのですが、給電部の説明があまり記載されて いませんでした。また外部導体にスリットが開いているわけでなく、また中心導体は磁性体に巻いて・・・とある点も 同軸ケーブルとは似て非なるものかな?とも思ってしまいます。なんか基部接地形アンテナのダウンリードを密にして横に設置した様な感じがしないでもありません。


参考になりました:
SWCC昭和電線ホールディングス株式会社
企業情報→SWCCグループ研究開発→昭和電線レビューVol.52(普通論文)から、「低結合損失型らせん漏洩同軸ケーブルの開発」がありました。

日立電線株式会社
カタログ→pdfファイルがでかいのでここから近道です。
ハイコックスという名称でした。


【中央道】
放送案内 高速自動車道の場合、左図の様な案内標識があり間もなく放送区間であるということがわかります。標識によっては電光式のものがあったり、標識上部に点滅するランプがあったりするものもあります。

 左図は中央道下り線釈迦堂パーキングエリア付近の92KP付近のものです。この標識の先の放送区間のアンテナは確認できませんでしたが(…とは言うもの運転中に気にして見れるものでもありませんが…)逆方向(帰路)初狩パーキングエリア付近の放送区間は中央分離帯のガードレール上に太い線が展張されてました。たぶん同軸。

給電部分 左図は中央道上り線原パーキングエリア付近のものです。この付近の放送区間原パーキングエリア前後です。ちょうど(上り)原パーキングエリアからみえる中央分離帯のガードレール上に太い線が展張されてました。同軸らしきケーブルが路面からあっさり出てきて、上り(左手側)、下り(右手側)双方に展張されています。

送信機 送信機(が収納された函)も見ることができました。パーキングエリア内にありました(撮影者の背後に非常電話があり、通路もあります)。この送信機から路面地下を通って中央分離帯までケーブルが走っているものと思いますが、上図においては地下部分からの引き出し部からガードレール上に展張されている部分までにつなぎ目とかそいうった部分がなく、地下から出てきたケーブルがそのまま上り下り方向に走っていってます。

局名 送信機自体は函の中に収められています。その函は直射日光からの温度上昇を回避するためか、函の周りに数センチの隙間をあけて金属の板が設置してありました。正面上部に局名と思われる銘板がねじ止めしてありました。文字の部分の塗装が剥げていましたが、さすが業務用かつ屋外装置のもので判読不能になることはありませんでした。「どうろこうだん ろそく すわ」。

銘板 送信機製造メーカーの銘板です。機器名が(写真では見難くなってしまいましたが)ハイウェイラジオ送信機とあります。この銘板には無線の方の周波数の表記はありませんでした。その代わり電源電圧と周波数の表記がありました。この付近は60Hzなのですね。



初版:2005.03.21
訂正:2012.12.27 昭和電線ホールディングス(株)、日立電線(株)へのリンク訂正しました。また、PA誤記訂正しました(長い間申し訳ございませんでした)。

ひとつもどります