秋田に出かけた際、投宿したホテルの近くに電話局がありました。紅白の鉄塔に長距離回線用と思われるオフセットアンテナが数基設置してあり、県庁所在地の電話局らしさが醸し出されています。また衛星通信用のアンテナもあり、朝から良いものを見た…という感じがします。
ビル屋上に鎮座していた、オフセットパラボラです。複反射鏡(Duai Reflector or Multiple Reflector)アンテナのカセグレン型に分類されるもので、紅白鉄塔になっている単一反射鏡(Single Reflector)アンテナに対して2または3以上の反射鏡を有するものです。
この種のアンテナではパラボラの焦点付近に置かれる一次放射器や複数の反射鏡及びこれらを支持する構造物はアンテナ開口面に対して遮蔽物になりアンテナ利得の低下と乱反射によるサイドローブの増加につながります。このためオフセット型式を採用することで、特に後者の影響を排除しているとのことです。(*)
ビルの周りを歩いて見てこのアンテナを横から観察できる位置があったので撮って見ました。手すりの位置にある一次放射器から一つ目にあるパラボラ反射鏡に向かって放射、ここで反射されハイパボラに向かい、更にここで反射され一番大きいパラボラ反射鏡で反射されて静止軌道衛星に向かって行きます。衛星からの電波は逆ルートで一次放射器に至ります。
一番大きいパラボラの背面に電線が布線してあるのが見えますが、これは反射鏡融雪ヒーターでしょうか?高周波のケーブルの設置とはちょっと異なるように見えましたので…
撮影 2007.03.26 07時半頃
(*)参照: 改定 衛星通信技術(宮 憲一監修 電子情報通信学会;1995.05.20 第7版)