ニッポン放送の送信所は千葉県木更津市の郊外にあります(ここ)。木更津から100kWの出力で送信していますが、東京都足立区にも左図の様な送信所(予備)を有しています。木更津に送信所を移設するまで(木更津の送信所は1971年6月から運用されています)はここより(1,310kHz・50kWで)送信していたそうです。

 空中線は最近見る機会が多いダウンリード方式かと思いきや、塔頂部に7条分ある棒状碍子より2条がやや傾斜して空中に展開されていました。左図は鉄塔(ダウンリード)部分です。


 左図は鉄塔最上部のダウンリード処理部分です。他のダウンリード型式のものと同様、棒状碍子の下側で他のリードと環状接続されているのは確認できました。環状接続されている部分はダウンリードの間隔が狭く(1つの棒状碍子で2条吊っている)、鉄塔下部(地上部)では別個の棒状碍子で引かれています。

 環状に接続されているワイヤーは傾斜展張されている2条にも接続されています。しかしながら傾斜展張されている線条は他のリードと異なり、各条に棒状碍子が与えられ、2条のワイヤーが平行に張られています。

 ちょっと風変わりな型式の空中線のためか、塔頂に函が設置してあり、その下側には局舎の壁にて良く見かける半球状の碍子がありますので整合回路が収納されているのでしょうか?碍子の先は各リードを接続している環状線につながっています。

 左図は傾斜展張されている終端側から鉄塔を見たものです。傍目で見ると鉄塔から手前の電柱に展張されている部分のみが空中線といった感じでしたが、鉄塔の周囲にダウンリードもありますよ、という目で見ると奥に見える鉄塔に沿って上下にある線条も併せて空中線、と見えます…。

 鉄塔は下部が広がったもので、鉄塔の中央部に各線条が集線されています。その中心部へ整合函の半球状碍子からの給電線が接続されています。

 鉄塔に沿って張られている線条は棒状碍子の部分で折り曲げられ鉄塔中心に向かっています。

 鉄塔に沿って張られている他の線条は鉄塔下部の給電部で集線され短絡されていましたが、空中に展張されている線条は電柱側数m手前に棒状碍子が挿入されており、ここで短絡されていました。

 左図は敷地内に設置されている局名が示された碑です。塀に囲まれた敷地内にトンと置かれていました。碑自体は敷地内にありますが、格子状扉のおかげで良く見えました。


撮影:2009.06.12 13時頃
初稿:2009.06.28

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