GF003便

GF003便搭乗記

ガルフエアーロゴ
これは97年4月11日から12日にかけてバーレンに行ったときに、niftyの香港フリークホームパーティー向けに書いたものです。

 ドーハ空港ビザが切れたのであたらしいビザ取得の為に、バーレーンへ一時出国する事になりました。いつも(今度が5回目)は日帰りなのですが、今回は思い切って1泊することにしました。バーレーンは『中東のハワイ』(ちなみにドバイは『中東の香港』です)と言われているので行ってみたいし、同僚とも会いたかったのです。
片道の所要時間は45分。Y2クラスで600QRです。運賃ですが、色々な割引制度があり、特に安いのが週末割引です。水、木、金の3日間に往復するとたったの240QRです。でも今回は帰りが土曜なので高いのです。そして今気がつきましたが、この600QRというのは、ノーマル料金だったのです。1週間以内に往復すると安くなるケットがあったのです。Y2ノーマルの600QRは、Cクラスと同じ値段なのです。大失敗です。

1カ月ぶりにドーハの空港に行ってみると、チェックイン カウンター前にゲートが出来ており、乗客でないと入れないようになっています。(--メ
 ゲートの内側には、真っ黒の衣装を着た上に顔までベールで隠した女性たちがうじゃうじゃいます。見たことのない人には想像もつかないでしょうが、ハッキリいって不気味なんです。写真を撮りたいところですが、アラブでは女性の写真はご法度です。先日もとある場所で写真を撮っていたら、後ろにいたおばちゃんにえらい剣幕で怒られてしまいました。(後でみたら影すら写っていなかった)
 チェックイン カウンターの前にも、アラブの人達で溢れ返っています。中にはウォータクーラーを抱えた人も目立ちます。どうしてかな?と考えてみると皆さんもご存じの、メッカの巡礼が始まったのです。新聞の報道によると、4月16日がクライマックスで約200万人もの人が、メッカに集まるそうです。そのせいで、アラブの国々は16日から一週間休日になってしまい、我々の仕事も止まってしまうのです。(この時期に休まれると、アウト)
 イミグレを通過し、階段を上がってコーヒーを飲みにいきます。免税店もここにあります。ここの免税店に売っているものといえば、金、時計、煙草、キオスクでしょうか。金屋を除けば、日本のローカル空港の方がよっぽど豊富な品ぞろえでしょう。 いよいよ搭乗です。この空港にはゲートが4つしかなく、しかもバスで搭乗機まで向かいます。たった30m程の距離ですから歩いた方が、いいような気がします。ちなみに、CやFクラスの人は専用のバスが用意されています。

さて僕の乗るGF(ガルフエアー)003便は、どうやらバーレーンを経由してロンドンまで行くようです。使用機材はB767。今日のバーレーン行きはこの便しか空席が無かった割りには、半分程しか席が埋まっていません。
 ガルフエアーは皆さんは馴染みが薄いと思いますが、たぶん中近東では一番のネットワークを持っている会社ではないでしょうか。バーレーンに本社が有り、バーレーン、アブダビ、カタール、オマーンが出資して出来た会社です。そのため、機材も新しいし、サービスもいい(お酒もでますよ)、CAのおね〜さん達も芝麻ちゃん並に綺麗だしなかなかの会社です。香港便も飛んでいるので、皆さんも見かけることがあると思います。
定刻直前にインドの団体さんが、どどっと乗り込んできました。今頃なにやってんだ!と言いたいところですが、別嬪さんが多いので我慢しましょう。僕の席は30A。主翼の真後ろです。エンジンがスタートしタキシング開始です。ここの空港は日本のローカル空港のような感じです。到着した飛行機はエプロンでくるっとUターンして止まるため、出発時にはプッシュパックの必要がありません。 右手に民間の敷地、左手に軍用のエリアを見ながら、ランウエイ34(『34』は滑走路両端に番号が書いてありますよね。あれは方位を示しており『34』というのは、340度、北北西の方向に向かって離陸する事になります。)へ向かってタキシングしていきます。軍用のエリアには、米空軍がイラクの飛行禁止区域の監視の為に、駐留しています。その数30機。先日の新聞にはこの戦闘機のお陰で、カタール唯一のリゾートホテルである、シェラトン ドーハが騒音の被害を受けているとの記事も掲載されているした。
 ドーハ・シェラトン滑走路に入るとエンジン全開で滑走開始です。機はドーハ湾の上を越え、シェラトン ドーハの上を越えていきます。上空から見るこのホテルは、リゾートというだけあって、プライベートビーチ等が眼下に見えます。他の国では珍しくないでしょうが、この国ではこのようなホテルはここしかないのです。ちなみにこのホテルは、余りにも貧弱なこの国のホテル事情を打開すべく、国の肝入りで出来たのです。そのため他国の要人が来ると必ずここに泊まります。昨年末行われた、GCC(湾岸協力会議)サミットには各国のVIPが滞在したため、一般客の宿泊を断っていました。結構な値段なんですが、普通日本のビジネスマンもここに泊まるようです。(僕は4000円のホテル)

 左手にカタールの海岸線を見ながら機は進んでいきます。カタールの海岸線は遠浅で複雑な形をした砂浜が広がっています。海の水は石灰分が混ざっているためか、乳青色をしています。水自体は綺麗なのですが、砂や石灰分のせいで濁ってみえます。北部にはカタールの稼ぎ頭、カタールガスのLNG積み出し港が見えます。カタールは石油も採れるのですが、産出量が年間47000バーレルと少ない代わりに、天然ガスで稼いでいるようです。一月程前第二の積み出し港が完成し、日本の船が一番船として、報道されていました。
 早速機内サービスが始まりました。飛行時間はたったの25分ですから、パック入りのオレンジジュースと、ちょっとしたスナックです。スチュワーデスさんは後ろまで配りおわるともう、ゴミの回収に入りました。既に機は降下しています。  フラップが目一杯下がり、脚も出たころバーレーンが見えてきました。この国はアラビア湾に浮かぶ小さな島国です。地図をよーく見ないと見落としてしまうでしょう。イギリスはカタールやUAEと一緒に独立させたかったようですが、王様が反対したため、今のような国家ができたのです。
 たった25分のフライトの後、いよいよ着陸です。主翼についているエルロンを見ていると、パイロットが強風で煽られる機体を一生懸命真っ直ぐしようとしているのが、わかります。そして到着です。この空港はカタールとは違い、国際空港としての雰囲気を持っています。ボーディングブリッジだってちゃんとあります。
B767-300さていよいよ入国手続きです。この国はGCCには珍しく、ビザが必要ありません。というか、ビザはお金を払って買うのです。係の人にパスポートを出し、お金を払うと終わりです。金額は5BD(バーレーンディナール)です。僕はまだ両替が終わっていなかったので、「カタールリアル OK?」と聞くと「50リアル」と言ってきました。つまり10QR=1BDQなのです。入国カードは書きはしたものの、出さなくても済んでしまいました。
 次は税関ですが預けた荷物がないので、リックをX線にかけるだけ。GCCの国々は酒類の持ち込みを監視するため、必ず手荷物はX線の検査を受ける必要があります。なんなく税関を抜けて、ホテルの人を探しましたがいません。その間に両替に行くことにします。1万円両替して、28.6BD返ってきました。1BD=350円ですね。ようやくホテルの人が現れ挨拶すると、「他の人がまだなので待っていてください」とのこと。40分程して漸く現れました。この間僕はこの文章を書いていたのです。

GF0003便搭乗記はここまで。

次はバーレーンで遊ぶぞ!編です。