about old hanger

●ハンガーの非ハンガー的機能

  • ハンガーはコンセプトである

高級なブティックやテーラーのハンガー、高級なホテルのクローゼットに据えられたハンガーには、やはりそれに見合った高級感があります。ハンガーにこだわりのないブティックは、店自体のこだわりのなさを象徴しているようです。ハンガーとしての機能がどんなに満たされていても、です。

ハンガーの材質や形状は機能以上にそれを選んだ人の衣服や生活に対する姿勢や思想を反映しているといっていいでしょう。

ハンガーは、ライフスタイルのコンセプチャルな結晶といっても過言ではありません。

  • ハンガーはメディアである

今でこそ、クリーニング店ではワイヤー製の簡単なハンガーを使っていますが、昔、木製のハンガーを使っていた頃にはそこに店の名前や住所、電話番号などが書かれていました。(アンティーク雑貨では、素朴な雰囲気を持つクリーナーのアドバタイジングハンガーが人気です。ちなみに電話番号の桁数が少ないものほど古く、価値があるようです。これは、おおよその年代を割り出す上でも手がかりになります。)

高級なブティックやテーラーのハンガーには、その店の名前が刻まれています。(今でも有名ブランドのハンガーは、コレクションの対象になっているようです。)

こうした店にとってハンガーは衣服を掛けるだけではなく、宣伝メディアのひとつとして機能していました(ます)。

  • ハンガーはアートとなる

ハンガーは、芸術作品の材料にもなります。
ダダイズムからシュルレアリズムの作家であるマン・レイは、ハンガーを材料としたオブジェを作りました。
また、ワイヤーハンガーを材料に彫刻を制作している作家もいるようです。