1997年秋
昨年に引き続き一号客車を使用した
お召し列車が運転されました。
初秋の岩手路を行く一号客車と
試運転の模様をお伝えします。

なお、写真が多いため非常に重い頁となっていますのでご了承下さい。

1997年7月、2両のDD51が土崎工場に入場した。
その2両は高崎運転所所属DD51842・895号機。



8月下旬、全般検査を出場した2両は吾妻線での試運転を開始した。

吾妻線/小野上-祖母島を行く訓練運転列車


運転区間は高崎-羽根尾。一日一往復の運転であった。
12系客車4両をプッシュプルで牽引する光景は9月半ばまで見られた。


9/4、一号客車も試運転を開始した。

東北本線/栗橋-東鷲宮


大崎-小山間をEF8189の牽引で一往復。
悪天候の上、御料車にはカバーが掛けられていたが、
その光景はお召し列車の運転を実感させた。


9/19、高崎の旧型客車が試6992レで尾久に回送。
翌9/20、同じく試6992レでわずか十数分ではあ
るが十数年ぶりに上野駅にDD51が入線した。
尾久に到着した旧客とDD51は同日中に組成され、
翌21日、回9101〜8101レで盛岡へと発送された。

東北本線/杉田-本宮


これを牽引したのは田端運転所のEF81 95。
同機は復路の回送も担当した。

現地での訓練運転は9/24から行われた。

9/26山田線/川内-箱石


山田線では、9/24〜26・28・29に行われ、
29日以外は旧客を842号機が牽引、
29日のみ895号機が12系5両を牽いた。
特筆すべきは25日で842号機の次位に
DE10を連結した重連となる。
各日とも盛岡-宮古を一往復の運転であった。

一方釜石線は9/25から訓練運転が始まった。

9/30釜石線/足ヶ瀬-平倉


運転日は9/25〜27・29・30。
最初の二日間のみ895号機が12系5両で、
以降は842号機+旧客である。


同じ頃、一号客車も盛岡へと向った。
9/26、EF8181に牽かれた一号客車は
回9001レで真昼の東北本線を北上。
大崎6:17発、盛岡15:45着
550kmを長駆した一号編成は10/1山田線、
10/2釜石線での試運転を行い本番に備えた。

山田線/平津戸-川内


そして10/4、山田線は曇り時々晴れ。
お召し列車に先立つこと2時間前の7:50
救援用予備機の回送を兼ねた露払い列車が
宮古に向かう。

山田線/陸中川井-腹帯


そして天皇皇后両陛下を乗せた新一号編成
を牽いてDD51 842は9:50盛岡を後にした。
区界高原へと駆け上がり、閉伊川に沿って東に向かい
宮古に到着したのは11:54
折り返し回9624レ(宮古12:36発)で盛岡に回送され、
この日のお召し列車は終了した。


翌々日10/6、陛下は釜石より遠野に向かわれる。

釜石線/平倉-足ヶ瀬


これを迎えるための回送は同日の朝であった。

釜石駅/発車20分前


釜石発12:42。釜石の天候はまたしても曇り時々晴れ。

しかし仙人峠を越えた遠野盆地は午前の
晴天とはうって変わり完全な曇りであった。
遠野着13:45
二時間ほどの停車の間に、この日は釜石で待機していた
救援用予備機DD51 895はお召し列車を追い抜き花巻に移動。
遠野で2時間程のご訪問を終えた両陛下を乗せた列車が
再び西に向かったのは15:50

釜石線/柏木平-宮守


西の空に覗いた晴れ間はわずかだった。
花巻着16:41
ここで両陛下は下車され、車で花巻空港へ向かわれた。
新一号編成は、一度北上に回送され、17:54北上から
盛岡へと回送されこの秋のお召し列車は終わりを告げた。

追記

大役を終えた2両のDD51と試運転に使われた
旧型客車は10/7の回8102レで盛岡を後にした。

一号編成も10/8回9002レで大井工場へと返却されている。



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長谷川 智紀:tomoki@bekkoame.ne.jp