rousai 労働保険の話
労 働 保 険
目次
労災保険
労働保険とは労働者災害補償保険(労災)と雇用保険とを総称した言葉であり 保険給付は、両保険制度で別個に行われていますが保険料の徴収などについては、両保険は、労働保険として 原則的に、一体のものとして取り扱われています
労災保険は
50年4月から全面適用
例外
国の直営事業と非現業の官公署
任意的用事業
(1)農業を行う事業のうち、労働者5人未満の個人経営の事業
(2)林業
(3)水産業
雇用保険は
個人経営の5人未満の農林水産業については当分の間暫定的に任意適用とされています
労働保険の加入手続き
労働保険に加入するには、労働保険の保健関係成立届けを所轄の労働基準監督署、または公共職業安定所に提出します そして、その年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う賃金の総額の見込額に保険料率を乗じて得た額となります)を概算保険料として申告・納付します
加入手続きを怠っていた場合は (Hさんへ)
労働保険は、政府が管理運営している強制的な保険ですので、原則として労働者を一人でも雇っていると、事業主は労働保険の加入手続きをとり、労働保険料を納めなければなりません 労災法第3条 雇用法第5条
もし加入手続きを怠っていますと 労働保険料を2年度遡及し徴収されるのみならず労働保険料額の10%を追徴金として徴収されることになります又、事業主が故意又は重大な過失により労災保険にかかる保険関係成立届けを提出していない期間中に労働災害が生じ、労災給付を行った場合は、事業主から遡及して労働保険料を徴収するほかに労災給付に要した費用の一部を徴収することとなっています
労働事務の代行制度として労働保険事務組合や社労士の制度があります
なお 労災保険、及び雇用保険の保険給付に関する請求などの事務は労働保険事務組合は行うことはできません 社労士の業務になります
労務安全情報センター のホームページを 訪問してしてみたら リンクです
労務に関して詳細の記載有り 労働省出先機関の所在地電話番号も記載有り
労務安全情報センター 労災 ・ 労働実務Q&A アドレス HTTP://WWW.campus.ne.jp/~lavor/
労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見まわれたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族の方に必要な給付を行います
長野地裁 1999.0312 業務が心因性精神疾患を発症させる一定程度以上の危険性があり この精神疾患が自殺を招いたと認められれば 因果関係を認定すべきである
請求手続き
業務災害の療養の給付の請求
療養補償給付たる療養の給付請求書を会社(事業主)の証明を受けて病院経由で労働基準監督署長へ提出
建設業では 一括して労災加入している元請け事業主が使用者とみなされます
労災保険給付
負傷又は疾病
(1)療養補償給付
「療養補償給付たる療養の給付請求書」 事業主の証明 第三者行為災害届 死傷病報告
イ療養の給付
ロ療養の費用の給付
(2)休業補償給付
休業した最初の日から3日間は、事業主が労働基準法条の休業補償費(平均賃金の60%)を支給 しなければならず休業補償給付は、4日目から支給される。
支給額=給付基礎日額ラ60/100ラ(休業日数−3)
休業特別支給金
=給付基礎日額ラ20/100
「労働者死傷病報告」 これを提出しないと労災の各種の給付が全て受けられない
(3)傷病補償年金
1級〜3級まで
労働者が療養を開始してからT年6カ月を経過しても治らず、なお引き続き療養を必要とする 場合で廃疾程度が第1級から第3級の程度に該当し、その状態が続く限り、傷病補償年金を受 けることになります
この傷病補償年金は、他の給付と違い、労働者の請求によってなされるのではなく、政府が傷 病補償年金の必要を認め、支給を開始することになったときは、療養を受けている労働者にそ の旨が通知されます。そして、療養の給付または療養の費用による支給と年金とが支給される ことになります。
「傷病の状態などに関する届」を提出して支給の決定を受ける
傷病補償年金が支給される場合は、休業補償給付は支給されず、療養開始後3年を経ていると 労基法81条の打切り補償を受けたことになり解雇の禁止が解除される
傷病特別支給金(一時金)
傷病特別年金
障害補償給付
(4)障害補償給付
障害特別支給金(一時金) 障害特別年金、一時金
業務上の理由によって負傷し、又は病気になった者が治療を受けて一応治った後にもなお身体に障害等が残ったときは、障害補償給付が受けられます。
遺族補償給付
(5)遺族補償給付
遺族特別支給金 遺族特別年金、一時金
遺族補償給付の受給資格者と受給の優先順位
労働者が死亡した当時その収入により生計を維持されていた人で次に掲げる要件を満たす人が受給 資格者となるが、全員が受給の権利を持つわけでなく、次の順位でも先順位の人だけが受給権者に なる。厚保の遺族年金と違いいわゆる転給ができます。
給付基礎日額には最低限度額と最高限度額が設けられている。又厚生年金又は国民年金より遺族に年金が併給される場合は労災の年金給付額が減額される。
前払一時金(希望により)
遺族補償一時金とは
@遺族補償年金の受給資格者がいない場合
A遺族補償年金の受給権者が死亡したり再婚したりして受給権を失い、他に年金の受給資格者がな く、かつすでに支給された年金の額の合計額が給付基礎日額の1000日分に達しない場合に支 給される。
支給を受けられる者は、次に掲げる者のうち、最優先順位にある者です。
@配偶者
A労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた子父母孫および祖父母
B
C
葬祭料
(6)葬祭料とは
葬祭料の額 280000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(又は60日分)
未支給の保険給付
死亡した受給権者の親族などが未支給の保険給付を受けようとするとき
未支給の保険給付の請求権者
@遺族補償年金以外の給付については、死亡した受給権者の配偶者
A遺族補償年金の給付については、死亡した労働者の遺族である配偶者
請求権者の順位
保険給付の特例
事業主の申請により労災保険の保険関係成立前に発生した業務災害についてその怪我又は病気が保険関係成立後に発生したものとみなして全ての保険給付が受けられる制度が設けれている
年金額の調整
障害補償年金73% 遺族補償年金80% 傷病補償年金73%
労務安全情報センターrousai リンク
労災保険 労働者の取り扱い (年度更新手続きのパンフッレトから)
法人の役員など
(1)法人の取締役・理事・無限責任社員などの地位にあるものであっても、法令・定款などの規定に基づいて業務施行権を有すると認められる者以外のもので、事実上業務執行権を有する取締役・理事・代表社員などの指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を受けている者は、原則として 労働者として取り扱います
(2)法令、又は定款の規定によって業務執行権を有しないと認められる取締役であっても 取締役会規則その他内部規定によって業務執行権を有する者と認められる者は 労働者として取り扱いません
(3)監査役及び監事は法令上使用人をかねることをえない者とされていますが、事実上一般の労働者と同様に賃金をえて労働に従事している場合には労働者として取り扱います
短時間労働者(パートタイマー) アルバイト等 すべて労働者として対象
同居の親族
原則として労災保険条の労働者には該当しませんが 一般の労働者と同様な労働者性があれば労災法上の労働者として取り扱います
労働保険事務組合が 労働保険 特別加入などの事務をおこないます 労災保険は国の制度です
静岡SR経営労務センター 労働保険事務組合 会員
静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹
E-mail:tk-o@bekkoame.or.jp