血尿について
がんセンターを受診する患者の中で一番多いのが血尿の精査です.
血尿には,大きく別けて
肉眼的血尿と顕微鏡的血尿
そして
症状のある症候性血尿と症状のない無症候性血尿に分けられます
健康診断などの検査ではテステープで潜血反応を調べます.
まず±,1+ はほとんど心配いりません
2+ 以上が出たら尿を顕微鏡で調べて赤血球の有無を確認してください
顕微鏡的血尿ではまず貧血になることはありません
なぜなら肉眼で血尿と判断できる濃度は0.1%以上(つまり一日の尿量が1500 mlとして,1.5ml/一日以上の出血)なので,顕微鏡的血尿はそれ以下だからです
潜血反応と尿中の赤血球の関係を表にしてみました
だいたい合っているようです
若い人で症状のある血尿もほとんど心配いりません
(心配でしたら泌尿器科専門医を受診してください)
問題なのは 無症候性肉眼的血尿ですが
血尿の種類から予測される疾患を頻度の高い順に並べてみました

顕微鏡的血尿では,それほどがんの患者さんがいないことがわかります
肉眼的血尿でもがん以外の疾患も多いものです でも
症状がなく肉眼的血尿が出たら泌尿器科専門医へ
血尿,潜血反応陽性から膀胱癌の診断までの手順
1)職業>年齢>性別>喫煙歴>遺伝子多型>家系 を考慮する
2)潜血反応陽性(尿蛋白の意義)陽性の場合はまず尿沈査(血尿との相関)
3)無症候性顕微鏡的血尿(尿沈査:円柱、赤血球の形、白血球数)の場合
(いくつ以上を陽性とするか
頻度の高い疾患順では
特発性(43%)>BPH(13%)>尿路結石(5%)>尿路感染症(4%),膀胱癌(4%)
ここで膀胱鏡検査を行うか? まずすぐには行わない
尿細胞診、IVP、エコー(腎,膀胱も):これで異常がなければ、経過観察
(4) 無症候性肉眼的血尿(尿沈査:円柱、赤血球の形、白血球数
頻度の高い疾患順では
尿路感染(33%)>膀胱癌(15%)>BPH(13%)>尿路結石(11%)
ここで膀胱鏡検査を行うか? 原則は行うべきである
同時に尿細胞診、IVP、エコー、CTなどを行う
問題は、
1)他の疾患が膀胱鏡を行う前に診断された時膀胱癌を見逃す可能性がある
(例:尿路感染症、BPH、膀胱結石など
2)受診時肉眼的血尿が認められない時
尿細胞診、IVP、エコー(腎,膀胱も) これで異常がない時
ここで膀胱鏡を行うか? 患者の年齢,性別 そして担当医の判断が大切
結論
1)高分化移行上皮癌では,肉眼的血尿が出現する時点で見つけても遅くはない
一般に肉眼的血尿を認めたら早めに泌尿器科専門医に受診することが大切
尿潜血反応陽性(それも1+ぐらい)あまり意味がない,尿細胞診検査は陽性とならないことがあるので過信しない
2)低分化移行上皮癌では,早期に細胞診検査で診断し生検で確定診断することが大切 尿潜血反応陽性(1+以上)ならまず細胞診
膀胱鏡検査は特に男性では苦痛を与えるのでその適応は慎重に
ただし
高分化移行上皮癌患者の経過観察では膀胱鏡が重要である(細胞診では陽性となりにくい)
(以上)
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