2003年 太喜之丞的10+1大ニュース
今年も押し迫って参りましたねー。皆さん、いかがお過ごしですか?
太喜之丞的にはこの不景気の中、とりわけてたいした出来事もなかったんですけど、師匠も走るという師走なので感じたままに、今年(2003年)の10大ニュースをあげてみたいと思います。
と、発表した10大ニュースですが暮も半ばを過ぎて大ニュースをお知らせすることになってしまいました。
最新+1ニュース 広島稽古場、来年早々に移転
急に決まったことなのですが、来年2月より広島の稽古場を移転することになりました。新しい稽古場は広島市の繁華街「本通り」に近い、紙屋町というところにあります。
10年前の2月に、私は広島の稽古場を開きました。10年目の、まさに記念すべき月ということで6日〜8日の三日間はライブやワークショップを開催することになっていた上に、新しい稽古場に移ることができるというのは非常に感慨深いものがあります。
年が明けましたら、またいろいろとお知らせすることができると思います。引っ越しの模様でもレポートしましょうか。
カナダ・ツアー(2月)
私は現代音楽の演奏家としてスタートして、そろそろ15年になります。ほとんどが日本音楽集団の団員としての活動だったのですが、このツアーでは、邦楽器を扱う現代音楽の演奏家としての実感をあらためて持つことができました。
これからも私のライフワークとして現代音楽の演奏に力を入れていきたいと思っています。
2003年2月 前回よりもっと極寒のカナダツアー > Essays タキノ庵世界紀行
フィリピン歌舞伎、大成功のうちに千秋楽(3月)
私、この本番の時はカナダにいたので観ることができなかったのですが、後にフィリピンから送られてきた本番のビデオを観て、目頭が熱くなってきました。今年の10大ニュースどころか、私のこれまで25年間にしてきた仕事の中でベスト3に入ります。生涯私の心の記念碑として残ることでしょう。
フィリピン歌舞伎の準備のために昨2002年の11月と本年の1月の2回にわたって、渡比しました。滞在期間は都合2週間とちょっと。その短期間で、完全でもうまくもないにせよ歌舞伎の「勧進帳」の長唄囃子の演奏をフィリピン大学の学生達はほぼ壱通り一通りマスターしてしまいました。私が行くまで三味線や小鼓など触ったことはおろか見たこともなかったというんですから、驚きです。
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2002年 タキノ庵紀行 <奮闘!フィリピン大学ワークショップ編> / Pictures
2003年 タキノ庵紀行 <奮闘!フィリピン大学ワークショップ編 その2> / Pictures
イラク戦争勃発&終結(3月〜5月 12月)
アメリカはきっと戦争が好きなんですね。ブッシュさんなんか戦争に持ち込もうとして一生懸命でしたものね。あれ、もしかして戦争にならなかったら、ケネディさんみたいに暗殺されそうなんで必死だったかな。
さきごろ映画「the Last SAMURAI」を観て、ちょっとそんなことを思いました。あの映画、何だか見事に今回の戦争を批判しているように思えるんですけど、そんな風に感じたのは私だけでしょうか?
そういっていたら、本日(12月14日)フセイン大統領が拘束されたとのこと。地下の野菜倉庫で見つかったそうですが、奇しくも本日は赤穂浪士が討ち入りをした日ですね。くたびれたフセイン大統領の顔が吉良上野介とダブって見えます。イヤ、私、吉良さんの顔を知ってるわけではないんですけどね。
新型(実はもう旧型)PowerBook12inch購入(4月)
「アーティストはやっぱりマックじゃなくちゃ!」
…というわけで(何が!)私が買った5台目のマック。初めてのMac OS Xです。いまだに慣れません… なんてやってるうちに本体は「旧型」になっちゃうし「Panther」が出ちゃうんだもの。
初の男性内弟子誕生(4月)
広島からまた一人、芸大にチャレンジする弟子がやってきました。内弟子としては初の男の子です。今までズーッと女の子だったので「太喜之丞は女の子しか弟子にしないのでは」という疑惑を持たれてきましたが、これで晴らすことができるというものです。
後楽園LaQua完成(5月)
まさかあんなところに温泉が出るとは思いませんでした。温泉そのものはあまり興味がないんですけど、あのジェットコースター! 凄かったです… 久々に絶叫してしまいましたです。
弟子の結婚(8月)
嫁に出す娘の父親の気持ちをとくと実感することができました。ショックでしたねー。一ヶ月くらいは立ち直れなかったですもん。
「センセイ、ウチの父親より落ち込んでましたね…」
「バカヤローッ!」
エクアドル・ツアー(9月)
おなじみ日本音楽集団の第27次海外公演です。エクアドルは12年ほど前にバレエ団の主席打楽器奏者として訪問したこともあります。日本からはあまりに遠い国なので、当時は自分の生涯のうちに二度と来ることはないだろうと思っていました。ですから、今回のツアーは感慨深いものがありました。
カナダ・ツアーの時もそうでしたが、再訪して「懐かしい」と思える場所が海外にある、というのはなかなか善いものです。
2003年 9月 懐かしのエクアドル・ツアー > Essays タキノ庵世界紀行
階段から転落、尾てい骨を痛める(11月)
こないだの定期の打ち上げの会場を出たところで足を滑らせて、階段から落っこっちゃったんです。酔っぱらってたのもあるんですけど、雨で階段が滑りやすかったんですね。5段くらい、ズデデーッて落ちて、腰を強打してしまいました。痛さのあまり一週間ぐらいは上を向いて眠れませんでした。
私、普段は病気もケガもほとんどしない人間なので、とてもビックリしたんです。自戒の意味も込めて10大ニュース入りです。
日刊工業ホール閉館(12月)
この知らせを最初に聞いたのはもう半年くらい前でしょうか。りそな銀行の問題で、日刊工業新聞社が九段の社屋を明け渡すことになり、ホールもそれにともなってこの暮で閉館します。
私がデビューしたのはこのホールでした。それから25年、楽しいことも辛いこともこのホールでおこりました。私にとっては非常に思い出深い場所であります。大切な友人を無くすような、寂しい気持ちでいっぱいです。
03.12.20