2000年 極寒のCanada Tour


00.02.07(月)

 太喜之丞は現在カナダのモントリオールにおります。シカゴ経由でただいま到着いたしました。いやぁ、寒いです。非常に。マイナス15度とか言ってます。

00.02.08(火)

 お天気は良いのですがとっても寒いです。

 午前中、当地の打楽器プレイヤー、パトリックを交えて「颯踏」のリハーサルをいたしました。時差ボケで眠いです。

 ホテルでE-mailも確認できるようになりました。

 夜は在モントリオール総領事のご招待で夕食をご馳走になりました。こちらのお宅、実は8年くらい前にもうかがったことはあるんです。もちろん総領事は違う方でしたけど、懐かしい気持ちになるものですね。寒い中、紋付きを着用して行きましたけど、道が凍ってて歩くのが恐かったです。

00.02.09(水)

 今朝はまた、もの凄い雪であることよ。本日もリハーサルです。待ち合わせは13時45分なので午前中は部屋にて過ごしました。昼食に初めての「蕎麦茹で」を敢行。

00.02.10(木)

5時頃には目が覚めてしまいました。8時頃、近くのカフェに朝食に出かけて午前中は部屋でごろごろと過ごしました。

 午後は昨日までと違い、ちょっと遠いところのバレエスタジオ(Studio Bizz)を借りての練習でした。リハーサルは18:00までかかり、いったんホテルに帰りまして。西川夫妻は空港へ作曲家のローブさんを迎えに。20:00過ぎ、やって来たローブさんと4人で、夕食は中華をいただきました。

00.02.11(金)

 本日は雪。午前中は部屋でゴロゴロしてましたが、思い立ち、ニフティのチャットに5分ばかり参加。みんな驚いてました。

 鼓の調子を見てみました。思った通り、今日もハってるなぁ。

 雪の中、昼食に出かけがてら、少し表を歩いてみますと街は石造りの建物ばかりできれいなんだけどそれだけのことでした。

 14時、領事館から迎えが来ました。ローブさんとシェン・リーも一緒に「St.Valentine」へ。1時間ほどで着きました。チャーターしたバスの、カナダ人ドライバーの飛ばすこと飛ばすこと...地吹雪の中を100キロ出してるんですから。

 「St. Valentine」でのパフォーマンス。とうとう地の果てまで来たような気持ちになりました。太鼓の裏張が剥がれているらしく少しビンついていましたが、本番はそのままやってしまいました。終演後、水で修理。パフォーマンスが終わってからモントリオール市内に戻りワークショップへ。帰り道の橋の上からモントリオール市街を望むと、まるで街が雲の上に浮いているようでした。

 サワイさんは我々をホールまで送ると帰ってしまう。それにしても美人だなぁ。シモンが待っていました。アドリブをいっぱいかましてしまい、西川氏を慌てさせてしまいました。21時半に終了。食事に出ました。金曜日のせいか街はにぎわっています。食事中ローブさんとシモンと西川氏、議論を始めるも私は時差ボケによる睡魔に襲われ、何が何やら...

 部屋にかえって洗濯をしました。

00.02.12(土)

 早起きしてしまった。10時くらいまで部屋でゴロゴロして、これではいかんと思い立ちPlace d'artsの現代美術館へ。たいしたものではない。アニメーションの作品が少し面白かったくらい。こちらの地下鉄は駅間の距離が短いのでホテルまで歩いて帰る。

 14時にGailyを手伝って会場へ。ここで昨日スタンドを忘れたことに気づく。領事館の石田氏に連絡をとろうとするもかなわず。結局コンサートの時に直接スタンドの捜索を依頼す。終演後、石田氏から見つかったとの報告あり。バンから降ろし忘れた模様。明日、ホテルに預けてもらう。

 演奏会は大盛況。座席が足らず、ホールの裏の部屋まで開けて客席とす。

00.02.13(日)

 朝8時に集合するも結局出発したのは8時半近くでした。「Quebec City」へ向かいます。12時に到着。会場でパトリックの奥さんの作ってくれたサンドウィッチをいただきました。ざっと段取りだけ練習して本番。小鼓の表皮の十六がイってしまったので別の組み合わせの表皮とコンバート。何とかいけそうなのでこのまま演奏することにしました。しかしハルなぁ。「一調一管」の後、なんだかのどが痛かったです。「とうとう風邪をもらっちまったかな」と思ったら血が出てきました。のどが切れてしまったようでした。

00.02.14(月)

 本日は移動のみです。モントリオールの町は吹雪いており、心配しましたが、なんの、カナダの鉄道はそんなに軟弱ではなかったです。吹雪の中でもガンガン走ります。それでも20分ぐらいは遅れたんだけど、日本の新幹線だったら目的地に着かないよ。

 VIA鉄道の「UNION Station」に着いて荷物を大騒ぎでタクシーに乗せてホテルに運ぶ。「The Alexsandra Apartment Hotel」615号室。今度は風呂付きです。ゴキゲン!電話も部屋にあるし、嬉しいのは市内通話が何分かけても一回分の料金なことでした。

 喉が痛いです。

00.02.15(火)

 OFF

 ナイアガラツアーに移行稼働しようか散々迷ったが結局、街を歩くことにしました。西川氏には「バカだなー」と言われましたが、観光地を観るよりも私には街歩きの方が性に合っている。

 ちょっと歩いて、路面電車に乗りたいなと思って、路面電車の停留所とおぼしきところに行きました。乗り方が解らず、ウダウダしてたら東洋人のお姉ちゃんが来たので、話しかけてみたら案の定、日本の方でした。電車の乗り方を教えてもらいました。

 まずイートン・センターを一通り見て回ります。スーツケース(ソフトなやつ)が安かったので、思わず欲しくなっちゃったんですが、ホテルまで引きずって持ち帰ることを考えてやめておきました。あのVIA鉄道の階段をどでかいスーツケースを二つももって上がることを考えるとばかばかしい。149カナダドルだから1万2千円くらいですか。

 それから美術館へ行きました。何だか今回のツアーは美術館ばっかりです。

 美術館を出て北にむかって歩くと見覚えのあるところに出ました。議事堂の前。屋台のホットドッグをかじりながら、思い出しました。ここに来たことがあります。前回、トロントに来たときにトロント大学の講堂で演奏したではないですか。議事堂の前の公演のリス達も健在です。あのリス達は以前見たリス達の子孫であるに違いないでしょう。次に博物館に行きました。これはハズレ。エジプト展なんかやってました。こんなの、こないだカイロで観たっちゅうの!

 この辺でだいぶ疲れてきました。「Yange St.」の「スタバ(Star Back Coffee)」でコーヒーを飲む。それから地下鉄に乗って「St. Patlick」まで行き、西川氏に教えられた「Art gallery」を探します。なんのことはない、昼間に行った美術館でした。ナンダヨー!これも何かの運命かと、昼間目をつけていた湯飲みを買いました。湯飲み?そう、どう見てもこれは湯飲みだ。あとはチャイナタウンを冷やかしながらホテルに帰りました。

 9時過ぎに西川氏、迎えに来まして、チャイナタウンへ。テンコ盛りにいただく。出るときには雪が降り始めてました。トロントの雪はモントリオールに比べて湿った感じがします。

 どうも風邪をひいたようでした。

00.02.16(水)

 朝眼が覚めたら、雪はまだ降っています。喉が痛いのでとりあえずお湯を沸かすことにしました。

 お昼ごろまでズルズルして、「ウォーターフロント」に行こうと思い、熱っぽかったんですけど結局出かけることにしました。「Queen st.」の電車がなかなか来ないので、「Spadina Ave.」まで歩いて南向きの電車に乗ります。この電車、広島市内の路面電車「広電」みたいで、なかなか好きなのです。乗る電車を間違えたらしく元に戻ってしまったので、結局歩いてゆくことになりました。大マヌケ!

 「ウォーターフロント」の骨董品マーケットを覗いてみることにしました。ここで小鼓の胴でも出ていたら笑うんだけどな。下手な博物館へ行くよりよっぽど面白かったです。四〜五十年前の雑誌の切り抜きとか、広告なんかが結構いい値段で売られています。昔の飛行機の絵なんか欲しかったなぁ。

 チョコレートをかじりながら、次に「Harbour front centre」へ行く。ハンバーガーを買うときに店のお姉ちゃんから「日本語でありがとうは何というのか」と聞かれたので「オオキニ」と教えてあげました。ここのショッピングセンターはたいしたことなかったです。

 戻りは電車に乗りました。「Queen St.」でのりかえて「Eaton centre」に向かおうと思ったのですが、今度は事故のため電車が迂回してしまい「King St.」に行ってしまう。仕方がないので2ブロック歩いて「Eaton centre」へ。昨日見たスーツケース、やはり重たいので買いませんでした(まだ迷ってた!)。ホテルには、やはり電車に乗って帰りました。

 5時に英子さんが迎えに来ました。偶然、リシェン夫婦が乗ってきたタクシーで会場へ。「Qeubec city」よりセコイ会場とは聞いていたがこちらの方が都会的で好きです。「Work shop」の打ち合わせを軽くして、開演までは会場のオジさん(ポールさん)とおネエちゃん(クリスチーヌ)とおしゃべりしながら時間を潰しました。

 「Work shop」は「Montreal」の時よりも客が少なかったです。今日はトロントのどこかで「鼓童」の「Work shop」も開催されてるらしいのでみんなそっちに行っちゃったのかな?

 終演後、リシェン夫婦にロン・コーブも加えて6人でチャイナタウンへ。メニューに駝鳥料理を見つけたのでオーダーしました。私、駝鳥の肉が大好きなんです。西川氏、リシェン、ロンがすっかり話し込んでしまってなかなか終わリません。もう、喉が痛いのと眠いのでボロボロになって1時半ごろ帰りました。

00.02.17(木)

 朝からなんだか喉が痛いです。

 15時楽屋入り。今日はトロントのコンサートである。本日は作曲家シモン・ベルトランの曲、詩の朗読を担当。なぜかシモンのフランス語よりも私の日本語の方が評判が良い。きっと何を語っているか解らないからいいんだろうな。「颯踏」良いできでありました。

 打ち上げにてゲイリーからプレゼントとCDを貰いました。嬉しかったです。

00.02.18(金)

 6:00頃ホテルをチェックアウトしてVIA鉄道駅へ。モントリオールへ移動。今日がいちばん辛いんじゃないか?と思いました。喉は痛いし...

 懐かしのホテル「Villard」に帰ってきました。14時頃チェックインして西川夫妻は会場へ、私は部屋で蕎麦をいただきました。

 18時、楽屋入り。今日は作曲家シモン・ベルトラン主催の演奏会です。私は「着到」、詩の朗読、「調べ(一調一管)」の三曲。非常に好評で、シモンはゴキゲンであります。私なんかの詩の朗読があんなに受けるのはカナダならではのことだろうな...

00.02.19(土)

 本日は帰国であります。早起きして空港へ。モントリオールの空港は中に米国のイミグレーションが出張してきていてここでカナダを出国と同時に米国入国の手続きを済ましてしまうんですね。

00.02.20(日)

 おかげさまで無事に帰国しました。

00.03.25

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