『火の鳥』少女クラブ版

初出 エジプト編 少女クラブ 1956年5月号〜10月号   
   ギリシャ編 少女クラブ 1956年11月号〜1957年7月号
    ローマ編 少女クラブ 1957年8月号〜12月号   

シリーズ番外編、西洋を舞台にした少女漫画版『火の鳥』です。

ストーリー

エジプト編

紀元前のエジプト。王子クラブは病に伏せた王の命を救う為、火の鳥を捕獲し ようとエチオピアへの旅に出かける。
奴隷の少女ダイアは、王妃の陰謀を知った事から捕らえられるが、逃走し、 王子の一行に巡り会う。
一行は嵐にあうが、その中で、火の鳥の卵をクラブとダイアが守った事から 火の鳥の親に感謝され願をきいてくれることになり、火の鳥を母国に連れて 帰る。
しかし、王の死には間に合わず、クラブとダイアが火の鳥の血を飲む事にな るが、2人の婚礼と即位式の最中、謀反にあい、クラブは傷を負って川に落 ちる。
昏睡状態になったクラブを追って、ダイアも自ら傷をおい眠りに入る。
二人の体はナイル川の氾濫で川を流されていく。
火の鳥は卵が孵り、子のチロルが誕生すると、3匹の動物、ノロ、ヨタ、ポ ポに子を託し、自らは燃え尽きて死ぬ。

ギリシャ編

ナイル川の河口を流れていたダイアはトロヤの軍船に拾われ、息を吹き返す。
一方クラブはスパルタ国の海岸に打ち上げられ、スパルタの兵士のもとへ身を寄せる 事になる。
偶然の巡り合わせで二人は再会を果たすが、記憶を失っていたため、相手の事 が判らない。
しかし、お互いの絆を強く感じ合い、二人は惹かれ合う。
二人は行動を共にするようになるが、戦乱の中、ダイアは傷つき息絶える。(眠り にはいる)、ダイアが死んだものと思ったクラブはダイアの体と共に海に身投げ をする。

ローマ編

それから300年後のローマ。
二人はパン屋の主人に引き取られていた。
時のローマ皇帝の王子はダリアを見初め、宮中に連れていこうとするが、反抗した ため、クラブ共々ダリアは宮中に拉致されてしまう。
奴隷小屋でダリアは火の鳥の話を聞く。
王子の出す難関を突破したダリアは1週間の猶予を得て火の鳥を探しに行き、ダリ アに再会した火の鳥はダリアとともにローマに赴く。
ローマ王子は毒をクラブに盛ろうと企むが、あやまって自分が飲んでしまい、クラブ とダリアは解放される。
 

NOTE

漫画少年廃刊後、2度目に書かれた話です。
舞台設定こそ西洋に変わっていますが、火の鳥の設定や3匹の動物の登場など、 基本的なプロットは漫画少年版黎明編を周到しています。
全集のあとがきによれば、当時立て続けに公開されたハリウッドの史劇映画に魅 せられて、あのようなものを描きたかったということで、きらびやかな印象が残 ります。
ギリシャ編の連載6回目(1957年4月号)は、50頁の別冊付録にとして発表されました。(毎月の連載は平均7ページ)
この為、当時としては50ページという大量の枚数をこなすにはかなりのハード スケジュールだったようで、全集のあとがきによると、他の人の代筆もかなり入 っているようです。
戦場の場面などは松本零士さんの筆によるコマもあるそうです。
 

現在手に入る単行本

手塚治虫漫画全集(講談社)『火の鳥・少女クラブ版』
ハード・カバー(角川書店)『火の鳥』12
角川文庫(角川書店)『火の鳥』13
朝日ソノラマコミックス(朝日ソノラマ)『火の鳥』別巻


 
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Last Modified 24,May.1998  takeboh@gem.bekkoame.ne.jp