第8部 望郷編

Book of Nostalgia

初出 マンガ少年 1976年9月号〜1978年3月号

一人の女性の地球への望郷の旅を描く作品です。

ストーリー

銀河の辺境の惑星エデン17を買い入れた若い夫婦、ロミとジョージ、だがこの星は過酷な環境の星だった。
夫のジョージを事故で失い、男の子の赤ん坊と取り残されたロミはその子との間に子を作り、子孫を残す道を選ぶ。
だが、ロミの生む子は全て男の子だった。
ある時、眠るロミの前に火の鳥が姿を現すと、ロミにこのまま彼女の子供との間に子をもうけても女の子が生まれる事はないと告げ、ロミに他の星の人との混血を作るように提案する。
火の鳥が岩石の宇宙船に乗せて連れて来たのはムーピーという不定形生物で、どんな環境でも生き延び、またどんな種族とでも子供を作る事が出来る生物だった。
こうしてロミの子等とムーピーのとの間に出来た子は新しい種族として増えて行き、町が出来、栄ていった。
ロミはその星の女王として街を統治し、年をとっていった。
だが、ロミの胸に去来する物は亡き夫のジョージへの想いと遥かなる地球への望郷の念だった。
街の少年、コムは女王ロミが地球への望郷の念に駆られている事を知り、彼の母であるムーピーにこの事を話した。
母は昔自分が岩石で出来た船に乗ってこの星にやってきたこと、そしてムーピー一族にはその船を操る力があることをコムに話す。
ある夜コムはこっそりとロミを連れ出すと、その宇宙船の場所へとロミを誘った。
コムの念波により飛び立つ宇宙船。岩石の宇宙船はエデン17を後にして地球へと向かった。
途中、様々な星にたどり着き様々な体験をする二人、そして旅の途中で出会い仲間となる人々。 雌雄同体生命のノルヴァ、宇宙飛行士牧村、宇宙商人ズダーバン。
彼らを乗せた宇宙船はやがて地球へと近づく。
だが、地球は他の星の移民者の地球への入国を禁止していることをロミとコムは知らされるのだった。
 

NOTE

一度はCOM誌に連載されたものの、雑誌の休刊により中断した物を新たな構想のもとにマンガ少年誌上で発表されたエピソードです。
「望郷編」には4つのバージョンが存在しますが、それについては別の項”4種類の「望郷編」”で詳しく述べたいと思います。
前作の「羽衣編」より発表年が空いた事もあってか、私には火の鳥のカラーがかなり変わった様に感じられた作品でした。
同じマンガ少年に同時期に連載されていた竹宮恵子の傑作「地球へ…」がやはり地球への望郷の旅を描く内容であった事もあり、そちらにくわれていたようにも感じました。
雑誌連載では結末も唐突な結末を見せ、あっけない終わりかたになっていましたが、単行本化にさいしては全面的に改稿されました。
 

現在手に入る単行本

(完全版)朝日ソノラマコミックス(朝日ソノラマ)『火の鳥』6(98.1発売予定)
     手塚治虫漫画全集(講談社)『火の鳥』9〜10
(改訂短縮版)ハード・カバー(角川書店)『火の鳥』6
       角川文庫(角川書店)『火の鳥』6


 
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Last Modified 10,Sep.1997 takeboh@gem.bekkoame.ne.jp