第2部 未来編

Book of the Future

初出 COM 1967年12月号〜1968年9月号

人類の最期から新たな生命の再興までの30億年に渡る、壮大なる、2作目にして完結編です。

ストーリー

西暦3404年、地球は死にかけていた。
自然は破壊し尽くし、人間はコンピュータに管理された地下都市で暮らしていた。
人類戦士の山辺マサトは、飼育を違法とされている異星生物ムーピーをかくまっている事が発覚し、ムーピーと共に地上の荒野に逃亡する。
吹雪の中行き倒れになったマサト達を救ったのは、地上の辺境に住む世捨て人の猿田博士だった。
猿田は、絶滅した動物を復活させるため人工生命の研究をしていた。
人間の住む地下都市では、各都市のコンピュータが対立をし、戦争となるが、全ての都市が核爆弾により破壊され、一瞬の内に戦争は終わり、人類は滅亡する。
ある日、生き残ったマサトの前に火の鳥が姿を現し、火の鳥の力で不死の体にされ、地球を復活させるよう命じられる。
猿田博士が死んだ後も、猿田博士の研究を引継ぐマサトだが、研究は失敗する。
最期の手段として、マサトは有機物の液を海に放ち、生命が一から進化していくのを見守る決意をするのだった。
 

NOTE

人類の滅亡から新たな生命の発展までを描く壮大な物語です。
政治の全てがコンピュータに任されていて、そのコンピュータが戦争を起こすという話は、最近の映画『ターミネーター2』等でも見受けられますね。
現代のコンピュータ社会を予見していた、などと大袈裟な事は言いませんが、これは予想されうる未来ではあります。
物語の終わりは第一部の冒頭に繋がっていて、終わりの無い物語という構造が興味深いです。つまりは何度も同じ轍を踏むという皮肉のような意味であるのですが、物語の最期に「いつか人類がこの間違いに気付いて、生命を大切にしてくれると信じたい」と結ばれています。
この作品が発表された時代は、まだ高度経済成長の最中で、暗い未来を描くものは今ほど多くはなかったと言っておきましょう。

『火の鳥』の宇宙観

『未来編』の作品中、主人公が火の鳥に連れられて、ミクロの世界から超マクロの宇宙の外側までを旅する件がありますが、宇宙も更に大きな世界の細胞の一部であるという、これは手塚治虫が持つ宇宙観です。
最近注目されているフラクタル理論では、小さな形が集まってその形と相似形の集合を作るという事が唱えられていますが、この宇宙もそうであると、実際に一つの仮説として考えている科学者もいます。(人類はまだこの宇宙の存在理由すら解明してはいないですが、、)
手塚治虫のこの宇宙観は、後年作られる実験アニメ『ジャンピング』(1984)で再び語られています。
 

現在手に入る単行本

手塚治虫漫画全集(講談社)『火の鳥』3〜4
朝日ソノラマコミックス(朝日ソノラマ)『火の鳥』2
ハード・カバー(角川書店)『火の鳥』2
角川文庫(角川書店)『火の鳥』2


 
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Last Modified 10,Sep.1997  takeboh@gem.bekkoame.ne.jp