COM版「羽衣編」

Book of Hagoromo("Com" Version)

初出 COM 1971年10月号

羽衣編のオリジナル版です。

ストーリー

平将門の時代、遠州美保の松原の浜に一人の女、おときがやって来た。
おときは服を脱ぐと泳ぎ始める。
浜の漁師、づくなしが木にかけられている女の服を見つけ、その見たこともない 衣服に見とれ、自分のものにしようとする。
それに気づいたおときは服を返してくれるよう頼む。
遠い空の国から来たというおときの話しに、づくなしはおときを何でも願いをき いてくれるという天女だと思いこみ、3年間だけ一緒に暮らすという願いを きいてくれたら服を返すと言う。
こうしておときは3年の間だけ暮らすことになった。
時がたちいつしか情も通うようになった二人の間には子供も生まれ、3年が 経った。
このまま暮らすか去るか迷うおときであったが、そんな時、いくさの徴用で づくなしは兵隊に取られそうになる。
おときはしまっていた服を都からの使いに差し出し、づくなしを見逃してくれる よう懇願する。
づくなしは、おときが止めるのも聞かず、服を取り返しに行く。
それから更に1年、おときはづくなしの帰りを待ち続けたがづくなしは帰って来なか った。
おときは千5百年の未来から来た未来人であった。
未来の植民星で核戦争に巻き込まれたおときは、混乱のさなか、彼女の父が 開発中だった超時空間移動機「スワープ」を動かし、この時代に逃げて来た のだった。
おときは核戦争によって放射能被爆を受けていたが、自分の赤子にも放射能 の影響が出ている事を知り、我が子を殺そうとするが、出来ず、赤子を連れ てこの時代を去る事を決意する。
やがて、づくなしが重傷を負いながらも服を手にして帰って来た時には、お ときは既に去った後だった。
 

NOTE

続くCOM版「望郷編」のプロローグとして発表された短編です。
主人公おときは核被爆者という設定のもと話が語られますが、 実在の被爆者への配慮から、その後、設定を変更した物が再発表さ れました。
 

(オリジナル版の単行本化は無し)


 
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Last Update 9,Jan.1996  takeboh@gem.bekkoame.ne.jp