COM版「乱世編」

Book of Civil War("COM" Version)

初出 COM 1973年8月号

未完に終わった「乱世編」オリジナルバージョンです。

ストーリー

平安時代末期、とある山奥で一匹の傷ついたボス猿が仲間を追われ彷徨っていた。
そのボス猿・赤坊主はボスの座を狙っていたハンニャとの権力争いに負けて群れを追われたのだった。
瀕死の状態の赤坊主を偶然見つけたのは猟師のまきじだった。
まきじは自宅に赤坊主を連れて帰ると手厚く介抱した。
まきじは両親と妹のおぶうとの4人暮らしだったが、猟師である父は3年前から病で臥せっていた。
父は長年の狩りで動物の殺生を続けてきたたたりのせいで自分は病になったと思っており、まきじが赤坊主を介抱する姿を見て、せめてもの生き物への恩返しになると喜ぶのだった。
まきじは獲った毛皮を売りに、傷も癒えすっかりまきじになついた赤坊主を伴って京の町に降りた。
夜須礼祭(やすらいまつり)で賑わっている都で、まきじは些細なことから六波羅の武士と悶着を起こしてしまうが、その場を通りがかった明雲という高僧に助けられる。
ある日、まきじが山で親にはぐれて泣いていた山犬を拾って連れ帰って来た。
一緒にされて、始めは反発しあう犬と猿だったが、歳月が流れ、いつしか二匹は兄弟の様に深い絆を結んでいくのだった。
ある夜、赤坊主は山犬の白丸を伴って山へと入って行った。
二匹にはある企みがあったのだ。
それは赤坊主が再び猿の群のボスに返り咲く事。赤坊主は白丸の協力を得た作戦で見事ハンニャを倒しボスの座に返り咲く。
翌日、家来を伴った赤坊主がまきじの家の前に姿を現した。
赤坊主はこれまでのお礼として果物の山を差し出し、また川に落ちていた物だという高価な扇をおぶうに渡した。そして白丸との友情を確かめ合い赤坊主は群と共に山へと戻って行くのだった。
まきじの父親の病状は一向に回復する兆しが見えなかった。訪れた薬商人によると、父の病気は「にえふ」という高価な薬で治るという。
おぶうは以前赤坊主から貰った高価な扇の事を思い出し、これで薬が買えるかと商人に差し出し薬を譲ってもらうのだった。
しかし、このことが二人の兄妹の運命を思わぬ方向に変える事になる。
いつもの様に狩りに出かけたまきじは家の方から煙が立ち上るのを発見する。
家へと戻ってみると、家は焼かれ両親は殺されており、おぶうは何者かに連れ去られていたのだった…。

NOTE

望郷編の連載2回目で休刊していた雑誌「COM」の復刊1号では、未完の望郷編は取りあえず保留のまま、先に乱世編が発表される事となりました。
しかし復刊したCOMもこの1号のみで再び休刊となってしまい、この乱世編も未完を余儀なくされてしまいました。
さて、COM版での主人公は後のマンガ少年版の主人公である弁太のような飄々とした風貌ではなく、好青年と言った感じのおぶうの兄、まきじが主役となっています。
まきじのキャラクターは手塚治虫の作品『どろんこ先生』(『ブラックジャック』ではブラックジャックの友人の医者、辰巳医師として登場しています)のキャラクターに似た風貌を持っています。(頬の”渦”はありませんが、、(^_^;))
このCOM版乱世編はその後改めて発表されたマンガ少年版乱世編とは細かな設定の差異はあるものの基本的なプロットはそのまま後のバージョンに引き継がれており、2匹の犬と猿のエピソードなどは、このCOM版のオリジナルの原稿がそのまま流用されています。

現在手に入る単行本

 なし


 
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Last Modfied 14,Sep.1997 takeboh@gem.bekkoame.ne.jp