オレの記憶自慢も兼ねて17の第1話のオレ番ダイジェストをお送りしたいと思う。
LDを買う人は見比べて、あまりの正確な記憶力にせいぜい感嘆してください(笑)。

大鉄人17
第一話『見知らぬ鉄人』

サブローくんは小学生だ。石森作品に必須の丸顔でアホの「まさるくん」と違って、ちょっと理知的な顔つきの少年だ。
サブローくんは、近くの未来科学技術研究所の門を顔パスすると、彼の啓蒙するハスラー教授(日系ロシア人2世)の元へ向かった。
「ハスラー教授!ブレインは完成したの?」
巨大なぷっちんプリンの容器の前に居た三島平八のような出で立ちの人物に話かけた。
「オー、サブロー!もう99%完成さ!ハードがもう組み上がったから明日電源を入れてソフトをインストールしてセットアップウイザードの糞みたいな質問に順次答えていけば『スーパーコンピュータ・ブレイン』さまの誕生さ」
「ひえー、楽しみだなぁ」
ハスラー教授は映画「二百三高地」の中であおい輝彦に銃剣でめった突きにされてしまう偉いロシア軍人役で名演技を見せた大月ウルフそっくりの容貌の持ち主で、彼の両親は思考制御の研究をしていたがソ連政府に悪用されるのを恐れて日本に亡命してきたのだった。しかし、幼い彼を待ち受けていたのは日本人の外人迫害ビームだった。それを一身に受けて育った彼だが、頑張って努力して日本の公僕になることができたのだった。
彼は今、この未来科学技術研究所の南武博士の元で「スーパー人工知能AI」内蔵のとってもグレート&リッチフルなコンピュータの開発をしていた。世界規模のビックプロジェクトだ。
世界は今、様々な問題を抱えてとっても困っていた。環境破壊、絶え間ない戦争、南北問題、経済危機などなど。もう人間どもが好き勝手やりすぎてもーどうしょーもないってことに気がついたんだけど、テッカマンの世界みたいに第二の地球を探す技術力も金もないから、んげー賢いコンピータを作って、そいつに地球人類が抱えている色々な悩み事を相談したあげくに解決させちゃおうってーむしのいいことを考えたんだね。それがこの人工知能AI「ブレイン」計画なんだ。
無論、生まれついてのメカフェチで、塚本肛鬼もけつまくって逃げだすほどの機械オタクのサブローくんはハスラー教授の奴隷になることでこのブレインのそばをうろうろして、「ああ、ブレインの処理能力は何メガフロップスなのかな」とか「ああ、早くBe−BOX買って並列処理プログラミングがしてー」とか年中さわいでいたんだ。まるで科特隊の星野少年みたいにうざってーガキだったんだね。
「ちなみにサブローくん、このブレインには最新のRISCチップ、スプラッシュ17を人工知能回路として使っていてだねぇ、しかも超自家発電能力でもの凄いかってに気持ち良くなるとかも・・・」
突如、ララーシュタインも逃げだすほどのすごいえらそうな髭を生やした人物が説明をはじめた。彼こそがこのブレイン計画のリーダ、かつこれから始まる物語のすべての元凶ともいえる人物Dr.南武だった。科学忍者隊レッドインパルスを組織したあの男と同一人物を想像してください。ちなみにこの作品でもレッドマフラー隊という自衛隊マニアのド外道集団を組織しています。
ソー、ビッチ、ジャップ!うるさいんだよ、さ、サブロー向こうで私とイイコトしよう」
「う、うん」
そんなわけでブレインはいよいよ電源投入を待つのみという感じになったのだ。

・・・その夜、
巨大なぷっちんプリンに怪しく一つ目が光り、丸い玉がぽこぽこと飛び出てきた。
びっくりして腰を抜かした警備員を踏み潰して、ぷっちんぷりんは移動して行く・・・
そしてそれを見つめるハスラー教授の姿。

「今日はお姉ちゃんの結婚式だからめでたいぜ。だからめずらしくネクタイにブレザー姿だぜ」ってー感じのサブローは未来科学技術研究所に来て驚いた。昨日までブレインがおいてあったところが破壊されていたのだ。
「誰がいったいこんなことを・・・」
「ブレインが盗まれちゃったよ。悲しいねぇ。そーいえばハスラーくんもブレインと一緒にいなくなっちゃったんだよねぇ。怪しいねぇ」
髭をいじりながら、南武博士は困った顔をするばかり。
「そんな!博士はハスラー教授をうたぐっているんですか?!」
ホモだちのサブローはハスラーが疑われて、南武につめよった。
「いやいや、あのブレインは単体でも総重量百万トンだからねぇ、一夜にして持ち去るにはハスラー君とて無理だよ。何か大規模な組織でもないとね。しかし、どの組織も犯行声明はおこなっていないんじゃよ」
「ふうむ」
サブローは推理しようと無い知恵を絞ったが、今日はお姉ちゃんの結婚式に行く前にブレインの起動を見ようと思っただけだったので、とりあえず家に戻ることにした。

サブローの姉、トシコはもう30で、ようやく見合いで田舎の農家に嫁ぐことになったのだった。だからサブローは山道で車酔いでげーげー吐きながら、式場へと向かうはめになった。
おえ、オエー、、、げろゲロ
「サブロー、まだなの?ンもぅ、式に遅れちゃうわ」
眺めのいい峡谷で吐いているサブローは目の前の岩肌がやけに光沢を持っていることに気がついた。
「おや?なんだろう?金属みたいだなぁ」
すると見よ、山がガラガラと崩れだし、そこから巨大な金属の塊が。
「う、うわぁ!巨大ロボット?」
グランドをならすのに使うローラーのようなものを前面に突き出したかっこうのその巨大メカはまっすぐサブローたちをめがけて突進してくる。
「うぎゃ−!!!」
ぷち。
車ごとサブロー一家は引きつぶされ、ミンチになった。

ハッ!
サブローが目を覚ますと見知らぬ天井がそこにはあった。
「お目覚めかね、サブローくん」
「ハスラー教授!」
自分は悪い夢をみていたのだろうか。
「残念だが、助かったのは君だけだ」
「えっ、それじゃやっぱり、とうさんとかあさんとねえさんは・・・」
悲しみにくれるサブローにハスラーは優しくいった。
「しかたがないよねぇ、サブロー。君たちは生きていてもしょうがない存在なんだから」

「サブローくん、地球人類は愚かだよ。このままじゃ自滅してしまうんだ。だから偉大な頭脳に指示を仰ぎ、その教えに従って行動せねばならぬのだよ」
「その頭脳って・・・」
「そう、ブレインさ」
ハスラーの言葉にサブローは戦慄を覚えた。
「教授、あなたがブレインを盗んだんですか、ここにブレインがあるのですか」
「ちょっと違うな、サブロー。私は予定よりちょっと早く電源を入れただけだ。ブレインは自ら考え、あそこから抜け出したのだ。
人類は愚かだ。自ら起こした問題も解決できぬまま滅びの道を歩んでいる。このままでは、地球が、地球が大ピンチなのだよ。ブレインは回答した。地球のあらゆる問題を解決するには無用な人類の抹殺が必要、とね。
どーだ、サブロー。君には見込みがある。私と一緒に愚かな人類を統率するのに協力するのだ。完全な頭脳によって統治されたエリートだけの新国家。『新帝国ギア』のまったく新しい政党、ブレイン党に入らないか?君はグレイトなメカフェティだ。みこみがある」
サブローとの関係に執着するハスラーがとった行動はサブローを仲間にする説得だった。
「いやだ!断る!」
当然である。大好きだったハスラー教授。だが今は家族のかたきなのだ。
「残念だ・・・一晩時間をやろう。ゆっくり考えるんだな、サブロー。死か、協力かだ」
サブローはひったてられていった。

サブローは独房に移動させられた。その途中、洞窟に半ば封印されるように据えられた巨大な鉄の塊を発見した。
「ハスラー教授、あれは?」
「あれは「ワンセブン」。ブレインの作った破壊兵器だ。ブレインと同じように考え、自分で行動するようプログラムされていた」
「いた?」
「ああ、愚かにもヤツはブレインの命令に逆らったのだ。だからほれ、」
顎をしゃくるハスラー。その先には怪しげなデザインのヘルメットが。
「私が造ったBIGRATだ。ブレイン・インパルス・ガルバノスコープ・レコード・アンド・トランスファー。思考伝達ヘルメットというべきものかな。あれで人が操るように改造した。恐らくは私が被って操ることになるだろう」
−−−破壊兵器。
このとき、サブローの心に一つの考えが浮かんでいた。

ハスラーくん、どーやら少年の説得には失敗したようだね」
総裁Xそっくりの声で巨大な目玉はハスラーに云った。
「ブレイン。少年は今、家族を失って興奮状態です。どうか一晩の猶予をあたえてやってくないか」
ハスラーはずっと日本で外国人として迫害を受けてきた。今回のプロジェクトでブレインの思考設計の最も重要な部分を担当したのはハスラーだった。だが、所詮ロスケ。プロジェクトの最重要ポストの座は変態の南武にとられてしまっていたのだ。
だから今回のブレインの計画に一枚かんだのは地球人類、というよりも「おろかな日本人」に対するハスラーの個人的復讐心からの行動だった。だが、そんな日本人のなかで唯一ハスラーが心を許したのがメカフェチのサブローだったのだ。彼がいなかったら今頃は『死ね死ね団』に入って、もっとちんけな活動をしていたかもしれない。それをしなかったのはサブローのおかげだった。だから彼はサブローの命を奪いたくなかったのだ。
「ブレイン?ハスラーくん、君はまだ自分の立場がわかったいないのではないかな?」
バチッ、と青い電撃の火花が巨大なプリン容器の周りにおこる。
「オー、ミスタ・ブレイン。申し訳ない。以後、気をつけるざんす」
頭を垂れながら、ハスラーは思った。
−−−サノバビッチ!このキチガイ電卓めが!いつか再教育して、マイ・スレイブにしてやるざんす!
そう、ワンセブンの制御権を握ることはハスラーのブレイン封じの切り札でもあったのだ。

さて、サブローだが、脱出を試みていた。幸い彼を拘束しているのは大人用の拘束具でゆるゆるなのだ。
なんとか拘束具を外し逃げるサブロー。

びー、びー、び、
突如、洞窟内のブレイン党秘密基地に鳴り響く警報。
「ハスラー様、子供が逃げました」
「ガッド!ブレインに見つかる前に逮捕しろ!」
−−−愚かな。サブロー、ユーは自分の寿命を縮めるつもりか・・・

サブローは小脇にハスラーが示したヘルメットを抱えていた。
それで先ほどの破壊兵器を起動させ、大砲でもなんでも打って奴等に一矢報いるつもりだったのだ。だがしかし、ヘルメットの起動方法がわからずにいた。
「いたぞ、小僧だ!撃て!」
自動小銃の弾の中を逃げるサブロー。
ハスラーはサブローが「ワンセブン」のヘルメットを持っているのを見て顔色を変えた。そう、それは最初に使用した者の脳波を記録し、唯一のワンセブンコントロールキーにしてしまうよう、彼が設計したからだった。そして、一度設定されたワンセブンとの交信チャンネルは何者にも変更ができないのだ。そう、ブレインにすら。ヘルメットが壊れるのを恐れてハスラーは銃撃をやめさせた。
「やめろ、サブロー。逃げられはせん。おとなしくこちらにこい。ヘルメットを返すんだ」
どうせ引き返しても待っているのは死。そう思ってサブローはヘルメットを頭部に装着し、岩肌を鉄の塊へとはいよっていった。
「サブロー、最期の警告だ。今なら命だけは助けると約束しよう。ワンセブンはお前には動かせない!おとなしくヘルメットをよこすんだ」
その言葉にメカフェチのサブローはピクリと反応した。そして、頭に触れた岩が偶然ヘルメットの起動スイッチを入れていた。
ガイバー?あれ、ガイバーって言うのか?」
「違うぞ、サブロー。だれもそんなこといってないぞ」
サブローは思い切り息を吸い込み、叫んだ。
「転身・ポリマー!」
違う、違う、自分が変身してどーすんじゃ。気をとりなおして、
「電人ザボーガー、GO!」
先生、それもちゃいまんがな。
「ワン・セブーン!!」

きゅぴぃーーーん!
サブローの叫びで鉄の塊にマトリクス状のランプが明滅し始めた。
そう、開けゴマといっしょだ。叫び声が起動のキーだったのだ。同時に彼の脳波パターンが記録される。もう、その思考パルス以外、「ワンセブン」との交信チャンネルは開かれない。
ヘルメットの起動はイコール、ワンセブンの起動だった。

ゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴ・・・・

鉄の塊は変形を始めた。光るイデオンゲージ
オオッ、ワンセブン!目覚めてしまったかぁ!
フクロウ男爵もパンツ一丁で逃げ出すみごとな発音でハスラー教授は発音した。
崩れてゆく天井。
「うわー」
サブローの上にも容赦なく瓦礫がふり注ぐ。そして、それを遮る巨大な手。黒い鉄の掌。

ハッ!
気がつくと、サブローの目の前には見知らぬ天井があるのだった。
・・・夢だったのか・・・
しかし、サブローの頭には痛々しく包帯が巻かれ、傍らにはあの奇妙な形のヘルメットがあるのだった。
・・・夢じゃなかった。

サブローは山道に倒れている所を偶然発見されたのだった。彼の家族は依然行方不明扱いのままだった。
「えー、巨大ロボぉ?、あんたばかぁ?」
「サブロー君、頭打っておかしくなったんじゃないのか」
「ブレインが世界征服?あれは人間のための機械じゃよ」
「ちなみに君が倒れていた所にはご家族の死骸もみつからなかったよ」
あーっはっはー、、
南武をはじめ見舞いにきた大人は誰もサブローの話を信じなかった。幼なじみのアスカさえ。
−−くそー、大人なんか嫌いだ、きっと将来レッドマフラー隊に入って、隠密ストーキング技術を身に着けて、ハスラーと奴の一味を殺ス!ここにいるやつらも殺ス!
サブローは自閉症になってしまった。

一方、ブレイン党の秘密基地では。
「ハスラーくん、そろそろやってオシマイ!ってー気分なんだがねぇ」
オー、ミスタ・ブレ〜イン!わたしもそう思っていました」
時代劇の越後屋が大名にこびへつらうようなねこなで声でハスラーは答える。
「もともと君のミスなんだからね、きっちり責任はとってもらうからね、でないと
おしおきだべ〜
おしおきという言葉に、ハスラーの額には脂汗がふきでた。尻の穴につららをつっこまれた気分だ。
「わかっております、ミスタ・ブレイン」
ナチみてーなポーズをとってハスラーは命令した。
ローラーロボ、出・撃

「なんだか外が騒がしいですねぇ」
「ああ、あれはなんだ?」
外を見れば、強大なローラーが町並みを平らに慣らしながら真っ直ぐ病院へ向かってくる。
「あれは!とうさんとかあさんとねえさんを殺したロボット!」
驚愕のサブロー。
「ガッド!このちびっこの言ってたことは本当だったのか!」
驚愕の南武博士。
「しかし、あれだけの破壊兵器・・・ロボットを造るのには相当な科学力が必要だ。
・・・まさか、ギャラクターか?!
「ちがうよ」
サブローはさめた声で冷たくいい放った。
「博士、あんたが造ったブレインさ。超生産能力。あれで造ったんだよ」
冷や汗が頬を伝う南武。病院はもう大パニックだがサブローも脱出しないわけにいかなかった。病棟を出ると、巨大ローラーは目前にせまっていた。
「いや〜んな感じ!」
まさにサブロー危機一髪!

どどどどどどどどど・・・・・

そこへ飛来する四角い物体。
「あれは?」
「あれは?」
あれはぼくらのマシンマン?
「ちがうよ、僕が見た、ブレインの破壊兵器・・・・ワンセブンだ!

〜かーわるんだ、変わるんだ、無敵のロボにぃ・・・〜
愉快なBGMと共にそれはみるみる展開し、巨大な人型ロボットに変形した。
「きょ、巨大ロボットがもう一体!もうだめだー、、」
絶望にかられる大人たち。だがしかし!
がっしぃいいいいん!
それはローラーロボの突進を妨げるように立ちふさがったのだ。
「あいつ・・・僕を助けてくれてるのか?」
「ばかな、偶然だよ」
しかし、サブローの話からすれば、彼が小脇に抱えているヘルメットの所有者こそがあとから現れたロボットの操縦者ということになる。
「ふうむ、、いや、わからんぞ。ハスラーはあれで優秀な男だったからな。そのヘルメットの持ち主である君を守りにきたのかもしれん。かぶってみたまえ、サブローくん」
うなずくサブロー。果たして彼の命令は届くのか?
よし、ロボ!ミサイルだ!

シーン。
ここで当然「ま゛っ!」とかいってラジオ体操第二を踊りだしてくれると思っていたがその期待は見事に裏切られた。
ワンセブンにはミサイル等の火器は装備されていなかったのだ。(のちに自己増殖)
「ほら、やっぱりいうこときかないじゃないか」
「ちがうよ、きっとそーゆー武器がないだけだよ」
しらけた雰囲気の周囲に向かっていいわけじみた台詞を吐くとサブローは気をとりなおして命令した。
「いけ、ロボ!パンチだ!」
巨大なアームをローラーロボにたたき込むワンセブン。
よーぉーし、いいぞ、いいぞ!チンだ、ジョーだ、テンプルだ!右だ!左だ!ワン・ツー、ワン・ツー!
ローラーロボにがしん、がしんとパンチがめり込む。
一見、命令通りに動いているようだが、ちょっち違う気もする。
「やっぱし、嘘臭いなぁ」
そう、ワンセブンは音声コマンディング可能なOS搭載ではなかったのだ。だが、サブローのかぶっているヘルメットからの「思考」。それだけが、RS−232Cもついていないワンセブンと外界とをつなぐ唯一のインターフェースだったのだ。ワンセブンは自分で考え、行動している。だが、そこにはサブローの意志も反映されているのだ。
サブローもしだいにワンセブンの出す信号を感じとれるようになってきた。
「くっそぉー、とおさんとかあさんとねぇさんのかたきぃ!とどめくらえやぁ!!
ワンセブンの攻撃ぶりを見てエキサイトしたサブローの思考はぶち切れていた。

−−−−右ですか、
NO NO NO
−−−−左ですか、
NO NO NO
−−−−ひょっとしてグラビトンですか、
YES YES YES

「うらああああああ」
サブローの叫ぶ声と同時にワンセブンの正面装甲シャッターが上がった。
きらめく、とげとげの突起物群。

ぐら〜う゛ぃ、とぉ〜ん

エメラルドスプラッシュとみまごうばかりの閃光の火球がほとばしり、ローラーロボに直撃した。
きゅーん、きゅーん、きゅーん
全高40mくらいあったローラーロボは身長110cmのダッチワイフ・ゆうこちゃんぐらいの大きさにまで縮みあがると、広島級原子爆弾の炸裂とみまごうばかりの大爆発を起こして粉々に砕け散った。
当然、付近にいた住民の皆さんも原子レベルで分解されていた。

きゅぴぃーん!
その爆発を見て南武博士の眼鏡が輝く。
「あ、あれはまさかグラビトン?!」
「ぐらびとん?」
「ああ、電力には電子、磁力には磁力子、という関係と同じように、重力にもその力を引き出すものとして重力子というものが存在すると考えられている。まだ発見されていないが、あれはその重力子グラビトンを発射しているのだろう。恐ろしい破壊兵器だ」
とかなんとかいって「その破壊力に、しびれる、あこがれるぅ」とか思ってる博士の横で、
HER、HER、HER・・・・
サブローくんはまだ興奮状態のままだったが、
「オレ、なんだか恐くなったよ」とか弱気になったりしてるのだった。
そしてブレインは、
超人機・メタルダー。もっとも恐れていたことが・・・」
と別の番組の第一話の台詞をつぶやいているのだった。

果たしてなぞの大鉄人は敵か味方か?
つづく。(嘘)