電脳戦機バーチャロン



もう、かれこれ1年くらい、ゲーセンでやるゲームはこいつと決まってしまっている。
 今から思えば、1995年の12月末。この壮大な『バーチャロンプロジェクト』レールの上に自分がまんまとはまっていることに私は気づいてもいなかったのだ。

 初めて見たときは、ロボットデザインのセンスのよさと、アニメチックな動きと武器の攻撃がアーケードマシンでしっかりとポリゴン描画されているとことにひどく驚いたのを覚えている。秋葉原でメックウォーリア2を買った日に見て、みんな遠巻きに見ているだけだったのでやってみたのだ。ファランクスという武器の名と見た目の無骨さで思い切りドルカスを選んだ。むろん、テムとバイパーは倒せて、CPUドルに負けた。
 殴れると思っていたハンマーは射出され、視界の外のテムジンを攻撃する。敵がすぐ視界から外れる。ダッシュというわりにのびがない。ま、こんなもんか的な気分で見切りをつけた。「きれいだけど、ロボットに乗っている気がしない」そう思ってゲーセンを出た。そう、その日は一刻も早く家に帰ってメックに乗りたかったのだ。
 何のノウハウもない人がいきなり2本のスティックでロボット(バーチャロイド)を操ってみろ、というのはやはり抵抗があるのかもしれない。
 友人に勧めてはみるのだが、「よくわからない」と首をひねられてそれきりプレーしてくれないケースがままあった。
 僕も近所のゲーセンで(当時)うまいと思う人のプレーを見て、初めて「あ、やれる」と思えたのだった。ゲーメストなんかを読んでいないとあのデモでは使いこなせないのではないか。(特にしゃがみの解説がどこにもないのには驚く)
 デモを見ているとジャンプで敵の方を向くと云っているが、2本スティックから戦車ゲームを連想してしまうと、敵を見つけるのにジャンプするロボットの行為に必然性が見つけられなくなる。やはり、ジャンプとしゃがみ入力によるキャンセル、ダッシュ攻撃でも敵の方向を向くことはデモでも、操作説明書にでも記述すべきではなかったか。
 さて、まず自分好みの機体を一機絞り込み、(テムジンがやはり基本)一通りゲームの操作に慣れ、ゲームの世界にはまりこんでいっぱしのバーチャロイド乗りになってみる。すると、そのゲームバランスのすばらしさが身にしみてわかってくる。飽きがこないのだ。
 そしてCPU相手に一通りクリヤー。別の機体を試してみる。そこで、各機体の個性の豊かさ、そして各機体VS各機体を経験するとき、各々の機体の絶妙のバランスに気づくのである。
 そして対戦。強者はその機体の特性を最大限に拡張し、挑みかかってくる。CPU相手には通じた戦法が通じなくなってくる。そこでまた自分も自分の機体の特性を活かす努力を強いられる。そしてついに理解する。バーチャロイドVSバーチャロイドの戦いに相性はほとんどない。そこにあるのは強いものが勝つというシンプルなルールだけがあることに。Dr.ワタリは天才だと思うのもやり込んで一年以上たった今にいたってである。
 オペレーション・ムーンゲートというサイドストーリーも他の格闘系のゲームに比べても世界観にぐっと奥行きを持たせることに成功している。

 詳しくは本を読んでもらうなり、他の方のページを読んでいただくなりして、私は私なりに感じたことだけを書いてみたつもりだ。すでにやっておられる方がうなずく部分があればよし、未だ未体験の人に少しでも興味を持っていただけたらこれ幸いである。

 もはやVO2の登場がささやかれる昨今。さすがに今は並んで対戦待ちをする光景にはあまり出会わなくなったが、着実にファン層を形成し、サターン版の売り上げにつながっている。セガサターンをもっている方はサターン版からでもすばらしいロボット対戦ゲームバーチャロンの世界に入門することをおすすめする。



各バーチャロイドの解説


私のコックピット

・一時、私の専用席になっていた、西荻AMUSEUMのデラックス筐体。
 今は100円でレバー、ボタンもけっこう傷んでおり、シートも穴が空いているが、一年前は200円払っても座りたくなるきれいな画面映りとよく整備された操作系がウリであった。
 特に2P側は私が青いフェイ・イェンを操るのに使っていたため、操作もソフトだったので(笑)、1P側より常に傷み具合が少なかったという気がする。(うん、気のせいかも)



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