SF映画ショック情報!
「あるまげ丼」
計測ギルド員シノーペ氏の報告
u-ki隊長殿、「アルマゲドン」についての計測報告
去年観ておいて、いままで忘れていた
『アルマゲ丼』についての報告です。
結論を先に書いてしまうと、
「1998年、最悪のバカ&手抜き作品」death!!
これが「傑作」なら『ゴジラ』はアカデミー賞確実!
内容がショボイのは誰もが予想できるのだが「残された
希望」ともいうべき視覚効果が昨年製作作品のなかで最
低レベル。どんくらい酷いかって、も〜今日日テレビ映
画の方が上!ってくらい駄目。
冒頭にして最後の見所、隕石落下シーンでは(予告に
あるニューヨーク壊滅シーン)、隕石が迫撃砲のごとく
「ひゅるる〜」と音を発てて飛来し(音速以下かいっ!)、
ビルや地面に「激突してから」爆発!(空中爆発しない
かぁ?)その迫力たるや、ガメラのプラズマ火球と同レ
ベル……か、ちょっと劣る程度。だって直撃しなければ、
至近距離でくらっても死なないんだもん。あのサイズで
音速以下なら、ビルの壁に跳ね返されそうだ。十数発落
ちましたが、被害としては「『ガメラ2』の仙台」ほど
には至りません。……余談ですが、去年だけで「クライ
スラービル倒壊」を何度観ただろう……。
そもそも衝突するという小惑星のデータで、公に発表
されている「テキサス州と同程度の大きさ」というのが
解らない。「テキサス州の大きさ」って、基準が面積で
しょう? どうしてそれが小惑星の大きさを示す目安に
なりえるのだろう。『ディープインパクト』の「マンハ
ッタン島と同程度」という表現は、まぁ、納得できるん
だけどねぇ……。
SF的な描写なんて期待してなかったが、あそこまで
嘘(ってか手抜き)だと、嘘をカッコイイとも感じられ
ない。全て「新型シャトル」で誤魔化すつもりだろうか?
ちなみにドコが新型かっつーと、機体の上部に2基の
「加速用ブースタ」が設置されていた。このブースタ、
見た目は打ち上げ時に使用してる、固体燃料ブースタを
ふたまわり程小さくしたカンジ。打ち上げ時の映像は実
際のシャトル打ち上げのモノに、CG加工して、加速用
ブースタを「書き足して」いるのだが、ロングショット
では手を抜いているので「現用のスペースシャトル」以
外の何者にも見えない。
この後、連続で展開するのが
- ・打ち上げ当初から、ニアミス状態でミッションを組まれてるシャトル! なにしろ2機のシャトルが同じフレームに収まる(*1)んだから。
- ・大気圏外に出てから(遅くない?)、固形燃料ブースターと「同時」に、液体燃料プロペラントを捨ててしまうシャトル!(こらこら)。
- ・給油作業のために「謎のロシアステーション」とドッキングするシャトル! 給油しなきゃいけないような状態で、先述の「加速用ブースタ」が打ち上げ時から固定されてるのは、デッドウエイトなのでは……?
- ・謎のロシアステーションの中は、普段は無重量状態を保ってるらしいが、給油作業をやりやすく(*2)するために「ステーションを回転」させて重力を発生!……しかも「シャトルがドッキングする直前」に……(ミッションが100倍困難になる気がするんだが……)
- ・「謎のロシアステーション」、突然の爆発!(ロシアだから)不明瞭な画面で展開する、男たちの阿鼻叫喚の脱出劇! そして……ロシア人(*3)がパーティに参加した!(最近のお約束)
- ・戦闘機でも「ニアミス」扱いになるような距離で飛行しつつ、加速用ブースタを排除してしまうシャトル(寮機に当たるだろうが!)
- ・小惑星に着陸してみると、そこは「未知の金属」で構成されていた。……って見ただけで判るのか? そもそも「未知の金属」で構成されていたのに、誰が質量計算したんだ? 穴の深さは当初の予定通りでいいのか? 持参した核の威力は足りるのか? 等々……。
本来、作戦の根本に影響するであろう、この場面は「やぁ、未知の金属だ」の一言で流されてしまう(IMAIさんは「タダの合金なのでは……」という、鋭いツッコミをしてたが)
- ・シャトルの1機は墜落! 小惑星上は大気がないはずなのに、「メラメラと燃え上がって」いるシャトルの残骸。しかも「炎は上を向いている」。地表の砂をつかむと、指の間から「ザラザラと流れ落ちて」ゆく。トラブルが起きた時、人が「ドサッ」と倒れ込む……。……どぉ〜見ても1G以上あるんですケド。あれじゃ「微少重力」じゃなくて「微笑重力」だ。ちなみにこの後「思い出したかのように」0Gになる場面がある。
- ・小惑星の遠景(CG)からズームしてゆくと、あからさまに「スタジオ内のセット」というショボイ雰囲気の掘削現場に……。
後はどぉ〜こが最高のスタッフなんだか全然判らない、
自称「掘削のプロフェッショナル集団」が、唐突な事故
&トラブルと闘いながら……闘っていたらしい。薄暗い
不明瞭な画面で、ひたすらブルース・ウィリスのわめき
声が響いていただけのような気がするが(←ここ、マジ
で眠くなりました)……穴を掘りまくり、核でピカドン
しようと思ったら、さらなるトラブルが……。という、
お約束&予想通りの展開になります。ラスト(*4)も
予想通り。全体に、どっかで観たような話のツギハギな
ので、「唐突なトラブル」以外の展開は、10分前には確
実に読めます。
まぁ、最近の毛唐映画だから、ストーリー展開が唐突
なのは許すしかない! しかし! 「掘削のプロフェッ
ショナル集団」が、完璧に素人集団だったのが許せない。
「オヤヂたちのプロ根性」がテーマではなかったのか?
それすら描かれないのでは「エッチな姉ちゃんの半裸
(*5)」しか観るものがなくなってしまうじゃないか。
ちなみに上映時間は約2時間半。長い〜! その大半
はブルース・ウィリスが、怒鳴るか叫んでいるシーン。
こんなゴミを観る暇があったら『機動戦士ガンダム/逆
襲のシャア』(*6)と昨年最大の偽善映画『ディープ
インパクト』を連続で観ることをお勧めします。
(ちなみに、必ず先に「逆襲のシャア」を観ること!)
*1 正確には「同フレームに収まるように、ニアミス状態にしてる」んだろうケド。
*2 もちろんシャトルは、ステーションの回転に同期してから、ドッキングしなくてはならない。やりやすくなるのは「映画の撮影」だけだろう。ステーション内の無重量状態表現が面倒くさいから……というのが本音? とりあえず、ステーション内の施設は「床」と「天井」がハッキリしていた(あう……)。
*3 彼の「アメリカの機械だろうが、ロシアの機械だろうが、中身は全部台湾製だ!」というセリフは、本作品中でも数少ない、好感の持てるセリフだ。
*4 どう考えても「核の起爆」はシャープ大佐の任務だと思うのだが?
*5 映画全体の1/50程度の時間なので、これを目当てに行かないように。後の49/50には、オッサンしか出てきません。
*6 ど〜も、小惑星破砕直後に「池田秀一の笑い声」が被るような気がして(笑)。
しかも、こんな状態でパンフレットには「可能な限り
正確な技術考証」なんてミダシがあって目が点。「可能」
のレートが他作品に比べて、エライ低く設定されてるよ
うですねぇ。
以上、優秀なSF研ギルド員から貴重な情報が得られた。
やはりスキンヘッドでないブルース・ウィリスは駄目ということか?
『フィフス・エレメント』も駄目だったし…。
我々SF研部員はこの恐るべきバカ映画を見るか否かの決断を迫られている。
果たして1800円払って見る価値(馬鹿さ加減)があるだろうか?
採決を取りたいと思う。
個人的にはすごく見たい度が上がっていて、誰かがただ券くれるなら非常に見たいね。だって、TVCMで「スッゴイ、感動しました」とかすげー幸せそうにカップルとかで報告しやがってんだもん。しかも「タイタニックより、良かった」とも云ってるし。なに?!タイタニック・エースよりもイイだって?!って気になるじゃないですか、ねぇ。