SFショック画像!「バーサーカー最初のバカさ」


<コメント>
…この2作品が同一のものだとは、タイトルを見なければ誰も気づくまい。
ってゆうくらいショッキングだったですよ、この『皆殺し軍団』の古い表紙を発見したときは!
実は<バーサーカー>シリーズって俺が手に取ったハヤカワ文庫では古い部類に入る。
笑っちゃうかもしれないが、あのボトムズの外伝『青の騎士ベルゼルガ物語』&北欧伝説あたりからバーサーカーってキーワードの一つだったのよね。
そーゆーわけで、「あらゆる生命を滅ぼすために作られた殺戮機械vs地球人類」という設定だけで俺が飛びつくのは当然!
…当然なんだけどねぇ、この古い表紙だったらターザンだのペルシダーだのみたいな話を想像しちゃって当時の俺は絶対手に取らなかったね。(今でも怪しい)
で、ちなみにこの白い背表紙のハヤカワ文庫には中にイラストが付いていたりして、無論そのイラストも違います。
新版はマスター・スレイヴ戦闘ユニットの兵器庫のイラスト。超イカスっ!!


新しい加藤直之版がこぉーんなロボロボしいのに対して、旧版は


こぉーんな感じ(笑)
いやぁぁあああ…。絶対同じ話に思えないよ!!ドラゴンランス戦記かこれはっ!!!
でもね、この『皆殺し軍団』は3部構成になっていて、1部の絵は新版、2部の絵は旧版でかなり正しいのである。
しっかしなぁ、ベルゼルガから入ってきたロボフェチさんにはちときついよこの差。
当時、海外SFって意外と本格的なロボット兵器やサイボーグの話が少ねぇ、と嘆いていた俺にはかなりうれしい本だったのだけど。
で、この旧版についていた80年のハヤカワのSFフェアの帯の文句が、

「感じるかSFスピリット」
感じねぇよ!この絵じゃ!!
というわけで、ひょっとして<バーサーカー>だから『皆殺し軍団』ですか?みたいな謎のタイトルの付け方はおいといて、表紙とタイトルは人々がその本を手に取る取らないというレベルにひじょーにかかわってくるのでハヤカワさん、一つヨロシクお願いしますよ!なんか最近出てる新手のスペオペシリーズもえらく表紙とタイトル不評ですからねぇ。 ホンキで商売するならもうちょっとここらへん考えてくれないと。
野田大元帥が「SFは絵だ!」といって、SFハンドブックとかでもスタジオぬえ(加藤直之ら)の描く絵がSF文庫を変えたといっておられる。まったく正しい。
ハヤカワSF文庫20周年でスターウルフ復刊時の表紙を横山宏に変えていて、これは大成功だと思ったものである。いきなり宍戸錠の顔を出して「キャプテンジョー」とかやられるよりは、百倍マシ!

高校生になり立ての頃、ハヤカワSF文庫に目がいくようになったんですが、当時から表紙は加藤直之か横山宏で超決定です。『アレフの彼方』もロボット兵器みたいなのが描かれててカッコイイなぁ、と手に取った作品ですが、やっぱり旧版と新版では大違い。「ひょっとしてそのワンちゃんがイーグルですか?」みたいな旧版の表紙を見た時のショックは忘れられない。表紙を加藤氏に切り替えたばかりの頃出会ってたみたいでなんともラッキーだったわけですな。
ちなみに、日本SFはハヤカワではなく、角川文庫で読んでいたので生頼範義が当たり前だと思っていた。(『超革中』とかも永井豪ではなくこちらで覚えていた)

これを書くきっかけになったのは銀河通信のダイジマンさんの記事を見てだけど、確かに『終わりなき戦い』だって『宇宙の戦士』よりもかっこよさげなこの表紙だから手に取ったんであり、アメリカのペーパーバッグにありがちな、へんな宇宙服とか軍人さんのイラストだったんじゃ手に取る人はもっと少なかったのではなかろうか?
調度90年7月に出たSFハンドブックの宣伝を兼ねたハヤカワのチラシがカッコ良かったので今でもとってある。


ちなみに、パワードスーツが『宇宙の戦士』の宮武パワードスーツ、というイメージが広がっていったように、バーサーカーは『赤方偏移の仮面』の加藤氏のイラストが広まって定着したようで、「究極超人あ〜る」とかで見られるのはこのタイプですね。


というわけで、『皆殺し軍団』が重版されたというのでボロボロになってしまってたオイラハは喜び勇んで買いにいこうと思ってます。未読の人はこれを機に買いましょう。(ホントは神田で確認してからアップしたかったんだけど、我慢できなかった)
ついでに『赤方偏移の仮面』や『星のオルフェ』も痛んでいるので重版して欲しいなぁ。


──1999/3/6.