9月26日SF者オフ会レポート


0.準備

オフ会の経験はほとんどない。
X−BANDで知り合った方とバーチャロンの大会に行ったのと、6月のBook-MLのオフだけである。
で、そのBook-MLのオフでは図らずも半数以上が「SFを読む」人たちだったこともあり、知り合った方達と俺のスキャナー掲示板で色々と雑談を交わしていた。「次はSF者だけのオフでもやりたいね」などとささやきあっているうちに、スタンドなエッセイに抜粋されたような内容で盛り上がる。まぁ、かつき@ファンタジア領さんの「オールタイムベストに関する発言」あたりで火が点いて、「業界への大愚痴り大会になる可能性もあるけれど、いっちょオフでもやって直に話でもしようか」という運びになったわけですな。それが7月末のこと。
で、一応今回発起人となり、参加者の募集を溝口@書物の帝国さんにお願いする。
参加者が10人確保できたら実施という考えだった。
まぁ、俺が個人的に巡回しているヤマナダ@KOMさんなど、遠方の方にも会いたい気持ちがあったので、そういったかたの準備期間も考えて開催の一ヶ月前告知を目標にまずは開催日の希望日のアンケートを募る。9月の土曜日にしようとは溝口さんと話していたので、希望日を申請してもらったところ、26日ということになった。関東の人だけではなく全国から人を集めようか、という意図もあったのだが、あまり大袈裟にしたくないという話もあって、場所は東京に決定。こちらに出てこられる方を参加者に、という方針になる。俺は時間を気にせず色々な人と話ができればいいということで、花見みたいなのならあまり場所とか考えずに済むと思っていたが時期外れだし、ということで、森さん、溝口さん、ジョニイたかはしさんにお知恵拝借。昼夜二部形式、昼は公民館、夜は喫茶店か居酒屋という線に落ち着く。俺はコミケで多少忙しく、溝口さんはサーバーが死亡していてこの線が決定したのが8月中旬。
8月末に9/26オフ会開催を告知。参加予定者は10→15→22名と増えて行く。
9月に入り、会場を昼・夜とも溝口さんに押さえてもらう。俺は何もしていませんでした。(アリガトウゴザイマス)
さらに、『ダブ(エ)ストン街道』でメフィスト賞を受賞された作家の浅暮三文さんが夜の部に参加されることが決定。ダブが課題図書の様相を帯びる(笑)
ここで昼の部の企画を俺がやります、と云い始めてしまったようである。
そもそも俺の「コンベンション」への参加経験はというと、大学生の頃SF大会と地方コンに数回参加しただけで、それも「××を語る部屋」とかの企画にはほとんど参加せず、もっはら上映会や歌を歌うコーナーや展示系の部屋ばかり回っていたという有り様。唯一参加したそれらしいのは「SF青年の主張」という奴で「アジモフのロボは死ね!」という話をして矢野徹さんに一等賞をもらったことがあるくらい。「SFセミナー」とか「××討論会」の雰囲気がどうもイメージできなかったんである。(ここが敗因ですな)
まともな企画なんて思い付きやしない。というわけで、掲示板等で企画募集するもなかなか良いのがでてこない。
この時点で参加予定者は昼22名、夜30名であった。Book-MLのオフは十人前後でもっとこじんまりとしており、メインディッシュは小笠原さんの「ヴァーチャル読書会」。あとはSFな方たちと雑談だったんである。「地方コンベンション級」の人数になった時点でもっと詳細な企画・計画が必要だったと思う。
で、苦し紛れに参加者全員強制協力、ということで
「昼の部としてアンケートなんかを事前にメールして集計結果発表&討論なんかしたいので一応現段階でわかっている参加者の一覧とメールアドレスを教えていただきたいです」というメールを溝口さんに送っている。
これがあの昼の部の発端であります。あああぁ、好意的なご意見も頂戴しておりますが、個人的には色々反省が多かったあの昼の部です。詳しくは後述。
で、9月17日に参加登録とアンケートメールを配布。
参加登録、というのは予想外の大人数になったため、参加者管理をキチンとやろう、という意図の他に、実は「森さん」「林さん」「森山さん」の区別がついていなかった、という個人的に恥ずかしい理由もアリ(苦笑)。あとはお給仕犬さんのつてで参加が決まったNiftyの「冒険小説フォーラム」の方々や夜だけ参加の東洋大SF研の方々の参加確定をしりたかったし、メールは本名・web上はハンドル名の方の認識をしたかった、というのがあったわけです。
23日にはほぼ全員の回答が集まる。が、企画ネタはやはり集まらなかった。ううむ、他力本願はイカンですな。とりあえず、ダイジマン@銀河通信さんが希少本を結構もってきてくれるという話もあり、アンケートでも希望が多かった「ダブリ本交換会」の実施を決定。手持ちのダブリ本を持ちよってくれるよう、依頼メールを流す。(そう、オークション形式ではなく、単なる「交換会」の予定だったのだ!)
個人的に仕事が火を噴いてアンケートにキチッと目を通せていなかったがザッと見てもなかなか個性的。うーん、ここで面白そうな意見をピックアップして回答者中心に俺がネタをふっていく形式にするか、と考えを固める。
前日(25日)になってようやく仕事が収束。定時後にアンケート編集&印刷を開始。これが意外と面倒だった。メールの内容がもっと簡単にテキストファイルになればいいのに、と思う。印刷してみてあまりの分量に俺自身驚く。あああ、無駄にアホな質問並べすぎたぜ。これも反省事項だが、オールタイムベストなど、フリーフォーマットにせず、ある程度縛りを入れたものにして事前に結果が確定できるようにしておけばそれが充分肴になったのではないか、と思う。結果も残せたしね。
会社のコピー機が壊れるのではないか、と思うほどぶん回して一応40部ほど両面でアンケート結果と参加者一覧を印刷。紙袋に参加者の方々の協力の重みを感じつつ帰宅。
溝口さんと最終打ち合わせ。
「かつきさんの案ですが、参加者が選ぶ「××ベスト」みたいなのをやりましょう。結果も残ってwebで公開できますし」
「あと、SFが弱ってると感じてるか?がYesの方がほとんどなんで、そこから切り込んでみましょう。最初のネタフリは私がやります」
「SFというレーベルの問題っつーか、ライトノベルについて考える、みたいなのもやりたいですね」
「あと、増えてしかたのない本の整理方法とかも聞き出しましょう」
ということを話した。
が、その電話で軽く溝口さんとSF談義になってしまい30分ほど話し込んでしまう(笑)イカン、イカン。明日までとっておかなきゃ(笑)。
個人的には「SFとのファーストコンタクトは?」という溝口さんの案も盛り込みたい、と思いつつ、「名札」の作成に入る。プリンタがごねて意外と時間がかかってしまい、そーゆーもろもろの案を紙にまとめることができなかった。(これも敗因)
そして朝を待つ。


1.昼の部

当日。ぐおー!またしても遅刻である!なんたるちあ!俺の人間的に駄目な部分──時間を守らない──が炸裂である。ダブリ本の選定を始めたらとまらなくなってしまったのだ。(みぐるしい言い訳です>皆さん、スミマセン)
本当は30分は前に来て、腹に朱色の文字で「SF」と書いた紙を貼りつけ、目黒駅の改札で参加者に速やかにその存在をアピール、出席確認と名札・アンケート配布を行い、「人がそろうまでの間、目を通しておいてくださいねー」という予定が!!
約3分遅れ。すでにそれらしい集団は出来上がっており、溝口さんは別の改札口へ様子を見にいっておられた。あああ、駄目駄目じゃん。>俺。(大&超反省)
遅れて来た分際で出席確認。重いのでアンケートはその場で配布。うーん、名前と顔を一致させようとするもやっぱ人の顔覚えるのは苦手なようで失敗。まぁ、会場で名札を渡すさいに覚えればいいっか、という楽観的な考えをする。
俺の補佐役として呼んだ後輩のじょん川西の姿がない。電話すると「…今、茅場町です…」ああ、師弟そろって遅刻王かい!まぁ、やつは電波誘導で自力到達させるとして、森さんと小笠原さんを待つことしばし。13時になり、自分も遅刻したくせに非情にも移動開始を宣言。雨の中を20数名のSF者が進軍する。うーん、同人誌即売会なんかとは別の独特の怪しいカラーをふりまいてるな、とか思いつつ会場へ。
「まさか森さん、既に会場にいたりしてねー」といいつつ会議室へ入ると、本当に森さんが、まさにネットダイブをしようとしていたところであった(笑)。詳しくは森さんのレポートをどうぞ。
見事な畳の部屋である。タニグチさんの日記に写真があるのでそちらを参照されたい。Book-MLのオフのときには怪しい詠が聞こえていた部屋である。
で、ソフトドリンク買出しのため、200円徴収。てのひらに200円づつめぐんでもらう様はまさに『スペインの物乞い』である。そこへ八重洲ブックセンターでダブを買おうとして、サイン本の収集をしてしまうという業の深い行為(笑)をしてしまったために遅れた小笠原さんが到着。一緒に近くのコンビニにてソフトドリンク、スナックを買出しに行く。帰ってくると後輩のじょん川西も到着しており、参加予定者の全員がそろった。
す、すごい。の一言である。キャパ22人の部屋に27人がずらりと円陣を組んでいる。
で、俺が軽く今回のオフの経緯を説明して、開始宣言。
アンケート見ながら顔をみてください、という感じで軽く自己紹介をしてもらう。
「自己紹介だけで2、3時間経ってしまう」という森山さんの指摘もあったが、それではもったいないので参加者のプロフィールガイドになればと自己紹介時間の短縮になろう、という意図もアンケートには含まれていたのだ。webページ持ちの方が自己紹介しているときは森さんがノートパソコンでその方のホームページを表示して見せてくれた。これは正解。ってゆうか助かりました。俺もただ印刷しただけだったのでようやくページと作成者本人の顔が一致しはじめる。「いつも画像はダウンしないんで始めて絵つきでページを見た」という声もあがる。
約20分くらいで一通りの紹介が終わる。既に時計は14時を回っている。
うーん、既に俺内部のタイムスケジュールが大幅に狂っている。ま、最初は思った通り話を進めていこう。
「えー、皆さんのアンケートで、SFが弱っていると回答された方がほとんどなんですが、」
いきなり硬い話題を振られて一部の人の顔が強張るのがわかる。うーん、でも最初はこうやろうって思ってたからなぁ、このままいくぜ。ってわけで俺の思いを語り、意見を聞き始める。
以後のやり取りは安田ママ@銀河通信さんメモを取り、要点をまとめて非常に良くわかる形式でレポートをアップされているのでそちらを参照されたい。
本当はじょん川西にそれをやらせたかったのだが、失敗。どう考えても銀河通信さんのレポートの方が出来がいいです。
今になって俺が書ける内容は銀河通信さんのレポートに詳細を肉付けしたような内容になってしまうだけであり、あまりセンス良くないと思うので割愛。
かつきさんのレポートも参考になると思います。

まぁ、俺の記憶する場の雰囲気というのを表現すると、
みごと、
俺の怒りが炸裂!!
さぁ、同意する人、反論する人、よってらっしゃい見てらっしゃい、よしきた、どすこい状態。
くぅ、要猛省です。

うーん、で、話が色々拡散した挙げ句に「コレ」といった結論が残せないまま、「16時にはオークション開始しましょう」溝口さんの耳打ちでタイムアップだと知る。
ぐぁ、2時間近く、俺は演説をぶってしまったのか…。この時の俺の「しまった感」は筆舌にしがたいです。(超反省)そーだよ、俺の思いなんてどーでもいいんだよ、皆の思いを引き出して、「なんらかの結果」を残したかったのに。終始「俺が」「俺は」になってしまった。
時間は戻せない。やむなく強引に話を打ち切ることとなり、最後に「皆さんあふれる本の整理をどうしてますか?」と質問。
意外や意外。誰もコレ、といった対策はとっておらず、ただ増えるに任せているのが実状のようだった。「僕は化粧ケースに入れてます」「実家に送る」「貸し倉庫借りようかしら」(>これ、俺も同意)などの意見が出た。で、結局ここでも「あー、俺、もうパソコンと本と別の部屋で寝たい」という俺の意見が炸裂してしまった。(まったく反省の色ナシ)あと俺はハードカヴァが文庫落ちしたときに「ダウンサイジング」とかいって文庫を買ってハードカヴァを売っぱらってしまうんだが、それやってますか?と聞いたところなんと実施者0。「ハードカヴァはそれなりの覚悟をして買うので、それなりの思い入れがある作品であって、無論文庫も買うが売ったりはしない」そうである。うーん、やはりハードカヴァはそれなりの「重み」があるんだなぁ、と知る。
というわけで、なーんだか反省マークだらけになってしまったが、結構貴重な意見交換はできたので、ま、一回目としては良し、と勝手に自分を納得させる。
積極的に発言していただいた方々に熱く・厚く御礼申し上げます。
特に森山さんは俺がかなり暴走入っていたときに「本屋さんの方もいらしているので、そのへんの現場の事情なんかを聞いてみては?」と方向修正をしてくださって、本当に助かりました。あのまま俺がルサンチ万太郎になってたら、と思うとぞっとします。
やはりジョニイたかはしさんの参加が必要だった気が(個人的に)します。(苦笑)
そして非常にわかりやすく本屋と本の流通についてのお話をしてくださった、安田ママさん、中藤さんにも感謝・感謝です。
SF読みでない人への本の勧め方について貴重な意見をくださったお給仕犬さん筆頭のNifty冒険小説フォーラム関連の方々、『グリンプス』を例にロックな人にSFを読ませるという「本読みな人」以外へのアプローチについて語ってくださったOkkoさん、「シルヴァーバーグ」を例にした出版社への意見が結構効きますという話をしてくださったのだ@のだなのださん、「京極にSFを書かせろ」の小笠原さん、適度にネタをふってくださった玉野さん、そしてわたくしめの愚痴同然の発言を最後まで聞いてくださった参加者の皆さんすべてに大感謝です。
というわけで、次回は私は司会に徹するか、誰か他の方に仕切りをお願いしたいかなぁ、と思う。(おお、逃げ入ってるな(^^;)

で、16時よりオークション開始。(この準備中に夜の部のゲストの浅暮さんが昼の部の会場へ登場)
いや、ホント、当日、会場に移動する途中で溝口さんと「ダイジマンさんが結構貴重な本を大量に持ってきてくれたし、それ以外にも結構ダブり本持ってきてる人いますからオークション形式でいきましょう」という話になったのだ。もうホントにその場で決定。
実際にはダイジマンさんの他に風野さん、溝口さん、中野さん、かつきさん、Okkoさん、それに俺が提供者となった。
ずらりと並んだ本を見ると、うーん、やっぱ俺の持ってきたのってあんまレアじゃないよなぁ、とか思う。
「これの売り上げって、めぐまれないSFへの基金とかになるんですか?」
という質問があったが、結局何も考えていなかったため、提供者へ売れた金額がそのまま渡ることとなった。うーん、ナンカ違う気もしたが、ま、それなりに異様な盛り上がりを見せたのでそれなりに成功な企画だったといえよう。
オークションに出された本とその落札価格は森さんがパソコンに入力してくれて、レポートページにアップされているのでそちらを参照されたい。
まぁ、普通100円あたりから開始して、欲しい人が2人以上現れるとセリが始まるわけだが、なぜか「謎の300円ライン」があって個人的には「そ、それが300円程度でいいのかぁ?!」という理不尽な気持ちでいっぱいになり一人でのたうっていた。
森さんのリストを見ながら、特に思い入れのある作品についてコメントをたれておく。
『ささやかな叡智』→結構良い本。な、なぜこれが300円未満??
『緑色遺伝子』→調度溝口さんの日記を見て読みたいと思ったし、某書店で4千円くらい付けているのは知っていたが、なぜかこの場で千円以上は出したくない気分だったので降りる。それ相応の値段で売れました。
『戦闘マシーン・ソロ』→今でも古本屋で安価で入手可能な本。なつかしきおマヌケロボSF。価格はいくらでもいい。だがね、誰も欲しがらないのは何事?!(かなり騒いでようやく引取られた(笑))これはこの種の「愛すべき屑SF」のオススメを書かねば!と思わされた一冊であった。
『奇人宮の宴』→宗教に走った恋人求めてレッツゴーサティアン!ま、それなりのお値段でしょ。
『影のジャック』→通常価格千円。ああ、なのになぜ?なぜ300円サンリオ・ゼラズニィ?!皆もっと血を流して奪い合うべしよ!
『新しい太陽の書、2冊』→なんと落札せず。みんなそろいものの背負う業を知ってるからなのか?(俺はかつきさんのおかげで手持ちの「不揃いのシリーズもの」は揃いになってしまった。確かに修羅の道ではある気がする)
『戦時生活』→新潮の海外作品はなぜすぐ消える?再評価されるべき作品。最近までかなり探した本。400円は安いぞきっと。
『エドガー賞全集(下)』→エリスンの「鞭打たれた犬たちのうめき」を収録。さんざんあおったが100円(;_;)ま、俺も100円で拾ってきたんだが、お金が欲しかったわけじゃなくやはり血を流して奪い合って欲しい作家である。
『東欧SF傑作集(上・下)』『ロシア・ソヴィエトSF傑作集(下)』→現物初めて見た(笑)でも溝口さんの意志が強そうなのであっさり降りる。弱々しいぞ、俺。
『世界SF大賞傑作選1』→ざーんねん。俺が欲しいのは2。収録作品よりもアジモフの漫談が非常に買いな一冊。順当な値段。
『コンピュータ・コネクション』→超美本。2千円はするな、と思っていたが一応それを越える値段が付いた。この頃になると開始時の「300円ライン」は消失して一種異様な熱気が漂うようになっていた。
『SFイズム7冊(非揃い)』『NWSF10冊(非揃い・1巻含む)』→不揃いとはいえ、かなり貴重な雑誌である。マニア垂涎。値の付け方は難しいがそれなりの値段で落札。いい見せ場であった。

オークションの終了が丁度17時。逃げるように退散。何か、本当に時間との戦いでした。
溝口さんが利用手続き。人数超過、ゴミの扱い、そして私の傘間違い(これ、ホントまぬけでした)などで散々文句をたれられた模様。損な役回りをさせてしまいました。ご苦労様&スミマセンでした。
うーん、やはり会場選びは難しいなぁ、と思いしらされました。次回は時間的・空間的制限がないところを是非是非考えたい。
で昼の部完了。雨の中を渋谷へと移動する。そういえば雨は俺の普段の行いが悪いせいだったんだろうか?と密かにレインマンを自覚。


2.夜の部その1

天狗には18時の10分前だったがあっさり入れてもらえた。ハンズ前に夜からの人を拾いに行く。東洋大SF研の方谷田貝さんは天狗に向ったようで、俺の先輩と合流して天狗に戻るとうひゃ、やっぱしスゲー人数だった。ジョニイたかはしさんも登場。
大森望氏の姿を認め、(来ることは溝口さんに聞いていた)「うひゃー、プロだよ、プロ」とか思いつつ、まぁ酒の席だし何か多少の無礼も許されるであろう(おそらく酒が入ってさらに業界人へ激しく愚痴る可能性を予感していた)と思いつつ着席。俺は習性上、隅に陣取る。隊列ではしんがり。そう、見渡せる位置が好きなのだ。
「じゃ、乾杯の音頭を、ゆうきさんお願いします」
へ、俺ですか?と思いつつもまぁ、そうだろうなと思って適当に挨拶。夜の部の開始を宣言。
しかし、立ち上がってみたときに改めてその見事な人数、見事な隔離空間(天狗さん、ナイス(笑))を実感。こりゃどうやって全員と会話ができるように進めたもんか、と当惑しつつも、まぁ、飲み会だし、その場の雰囲気でなんとかならぁ、とやはり無計画。かなり反省
30分後、夜のみ参加の方のためにもう一度軽く自己紹介。大森センセは「webページとwebマスターの顔を一致させたい」とのことだった。【RIKI】さんもいっていたが、今回のオフの一番の目的はそこらへんにある、という人も多かったのではないだろうか?
どうやら俺のテーブルの反対側のテーブルが大森センセの居た席でかなり濃かったようである。(他の方ページ参照)俺のテーブルには安田ママさん&ダイジマンさんの銀河通信コンビ、日大SF研の身内、東洋大SF研の若い方、と、かなり平和な感じであった(笑)。
東洋大のSF研はSF-Onlineの大学SF特集でその活動実態が詳細に報告されており、かなり感心があったので「そっちのSF研はどんなんですか?ちゃんと本読んでます?」みたいなことを正直に聞く。
「ある年の新人が入って最初の読書会のお題目が『ドクター・アダー』で、サークルの連絡ノートにはブーイングがびっしりでした」などという生々しいかつ微笑ましい話をうかがうことができた。「本を読む人」を引き入れてSFを読ませる、というアプローチがうちの(日大理工SF研)にも必要だよなぁ、と思っていても、所詮おいらは遠いOB。なんとかなるわけでもないが、「いーなー、オンナノコの会員が居て」とだけ云ってはいられない(笑)。2、30名の人数を毎年確保しているというのはうらやましいかぎりであるが、「毎年、来年は駄目かも、って話はでますよ」ということだった。
俺が現役だった年は我がSF研もたまたま勢いのある年だったので、俺は実に幸福だったのだが、会員数の確保は毎年安定していなかったのを思い出す。消失していく大学SF研もあるようだし、今も、他大学でも、状況はあまりかわらないのかもしれない。SF=よろずサークル的な懐の深さもウリだと思うのでなんとかならんかなぁ?とこれまた俺が思案しても仕方のないことを考える。
ダイジマンさんがかなりツワモノ、と溝口さんから聞いており、「もっと年上の方かと思ってました。お若いのでビックリです」みたいな話をする。××さんや○○さんもwebとかなりギャップがありますよねー、という話をする。ちなみに俺は大森センセに「君はそのまんまだな」と云われる。おお、意図通りだ(笑)
うちのSF研OBがかたまっていて内輪話になりちょっとマズイ感が漂うも、「時間はいっぱいあらーな」(5Hは粘る予定だった)と楽観視していたのだ。(これが命取りになった)
で、浅暮さんのサイン会風の動きが始まったので俺も参加。順番待ちのとき、発端になったかつきさん、ジョニイさんと顔を合わせたので、「最近のSFは」の話をする。(ジョニイさんのレポート参照されたし)俺は「評価」については甘ちゃんなので、昼の部の森山さんやジョニイさん、かつきさんなどの意見を聞いて「シビアな評価」をしていることに驚く。俺はきっと単純なので「好き=良い」にという構図になってしまっているのだな、と自己解析。ここらへんはまた別途エッセイで書こう。とか思っていると順番がやってくる。
浅暮さんはいきなりぶっとんだ自己紹介をされて、なんだか溝口さんの掲示板で思っていた印象が120%崩壊。気さくで明るい方なのでびっくり。あとこれは勝手な想像だったんですが、もっとお若い方だと思ってました。(どこかで年齢のプロフィールあがってたかもしれませんが、すっかり忘れていたもので)
サインをいただく。
「ゆうきは結城だよね?」「いいえ、ひらがなでゆうきです」「でも、それ本当の名前じゃないでしょ?」「いいんです。会社以外ではゆうきとしか呼ばれませんから」
良く考えると、サイン本ってこれが始めてかな?若気の至りで高河ゆんセンセのサイン会で彼女のパロディ同人誌渡したことはあったが、サインはもらわなかったし(笑)
席へ戻ると先輩のHOBBESさん復刊した『六番目の小夜子』の話と『ウォレスとグルミット』の話で盛り上がっている。
大森センセに「みのうらさんに反論しないの?」と云われるも、この時点で23日の風虎日記を読んでいない俺は22日の掲示板のことかな?と思って「あれで終わりです」と云ってしまった。(会話がかみ合っていない)まぁ、でも論争するほど戦闘経験ないし、ロボットゲーム以外対戦したくないのが正直なトコロ。でも、まぁ、ああいう書かれ方された以上はちっとはマシな回答せねば、とは思ってますけどね。(無理?)
森さんが「京フェス」で使用された「SF共通一次」の試験問題を見せてくれる。
昼の企画で「SFクイズ」というのも候補であったのだが、出題者が俺一人だと偏ってしまうので「実行委員型」の運営陣でないとクイズは難しいなぁ、と思ったのだ。で、見ると出題傾向というか、選択肢のヒネリ方のセンスが我々のSF研と非常に近いので大喜び。というか、やっぱ「SF」って「共通言語」なんだなぁ、と思う。
と、ここでいきなり「2時間で退場」勧告。えー、聞いてないよ!(ダチョウ倶楽部)といいつつも「そういう決まりです」といわれて延長もできないのでは仕方がない。(スーパー反省ポイント)
で、「あー、もっと色々な人と話したかったよぅ」と後悔し、「もー、次どうしようか」と途方に暮れながら、デザートのティラミスをほおばり、退場。
雨が重くのしかかる…。


3.夜の部その2

天狗の外へ出て、溝口さんに大人数入れる喫茶店等があるか相談したところ、どうも近くに「海外SFに親しむ会」の例会で使用されるルノアールが存在するとのこと。この時点で34名残っていたので個人的には絶望視しており、次、次、と考えながら移動。
一瞬店内見ると、「あー、2つぐらいに分かれればOKかな?」と思っていると地下が空いているとのこと。ス、スバラシイぞ!神様ありがとう。ってゆうか店員さんもアリガトウ。
そう思いつつ、地下に降りるとなーんかプリズナー状態の個室が満載。で、通されたのは、どう考えても「教室」(笑)。「今日の日直」とかを白板にかきこみたくなるような雰囲気である。
で、その場の勢いで、大森望氏と浅暮三文氏の特別セッション開始。
おおおぉ、全然突発だがホントのコンベンションみたいだ!とここは一参加者となって御二方の談義を楽しむ。意見交換にも参加する。
新人賞の取り方、選考の仕方、などが明かされてゆく。作家志望の谷田貝さんが積極的に発言をされていた。自分も昔はちょっと作家志望だったので興味深く拝聴。
浅暮さんはコピーライターをやっていらして、それで家も建てたそうです(笑)。そこで「物書きだけでどうやって食っていくか」への話が出て非常に興味深かった。俺も脱サラしてー、とか思っている昨今だが、やはり物書き専業で食っていくのは並み大抵のことではないのだなぁ、とひたすら感心。
浅暮さんは簡単なイラストなんかもさっさっと書いてしまって、そういえばダブの各章の扉のイラストも御本人画だったなぁ、と思い起こしてみる。
次回作の構想の発表や、草稿の一部の朗読などが入り、何か参加者全員浅暮ワールドにはまりこんでいく感じ。
で、浅暮さんは自分の原稿を縦3段組でプリントアウトしたものを常に持ちあるっている様子だったので「浅暮さんは紙に書かないでキーボードに打ち込んで、推敲は印刷する人なのかしらん」という自分が気になっているそこらへんを質問。俺の場合、今でこそ直打ちがほとんどだが学生の頃、ワープロは「清書機械」だったし、先輩は推敲しやすいからといって機械を使っていたが自分は絶対に印刷してみないと駄目なタイプだった。プロ作家の浅暮さんはどうなのかと思ったのだ。すると衝撃の回答が。
「僕は全部Macのカラークラッシック2。エディタはSystem Soft Editerで、PageMakerに流し込んで段組して印刷しているの」
ええっ、カラクラ2で!というオドロキの声が各所で炸裂!つられて各所でエディタやワープロの話が勃発。さすがサイバー者の集会であると実感(笑)
ダブの販売促進キャンペーンをここに集まったネット者の各ページで展開したらどうか?などすごい話になってきたところでタイムアップ。
非常に充実した時間でございました。
この集まりの名前が決まってない!などと雄叫びを上げつつ退場。
とりあえず次回もやるぞ!と約束をしてめでたくお開き。解散となりました。


4.夜の部番外篇

ルノアールを出るとサイトウさんあたりが「次、どうするんですか?俺、まだまだOKです。ってゆうか24時間タタカエマスカ?」という感じでささやいてくる。そんなヤル気まんまんな感じの集団がルノアール前に漂っている。この時俺は見ていないのだが、唐沢俊一御夫妻と接近遭遇。「我々の発する電波に引き寄せられたか?」という恐ろしい発言が飛び交う。
やがてカラオケJOY SOUND二部屋を確保、2H組と1H組に分かれる。
俺が居たのは1H組。u-ki、じょん川西、おとみ、平野、溝口、小笠原、Okko、サイトウ、ジョニイたかはし、浅暮(敬称略)といったメンバー。
こ、このメンツのアノ選曲で「隣は薄かったらしい」とは?!一体大森センセ側のBOXはどんな状態だったんでしょう?(笑)
2H組の部屋の様子などはかつきさんのレポートを参照されたい。
溝口さんとジョニイさんのソプラノボイスというか、カラオケの芸風にかなり衝撃を受ける。ジョニイさんは「ジェニイたかはし」扱いされてしまう始末(笑)。おおお、キングズリイ・エイミスの世界だよ、とか思ってる俺はかなり駄目入ってます。
会社人の前で歌って−4度温度が下がった「俺版:残酷な○師のテーゼ」はSF大会版もあったようで普通扱い。これが同時多発性というやつか、星々に架ける橋!(意味不明)。ガガガでビルゲイツとかも複数ヴァージョンが存在するようだし、世の中おそるべし。俺はオセンチ系で「今日もどこかでビル・ゲイツ」とか歌って後は他の方の歌を一緒に歌っていました。おとみさんの「アイアンキング」は自分以外の人が率先して特撮ソングを入れるのを見たというそれだけで感動。無論俺は歌詞なんて見ずに3番まで歌えるぞ(自慢)。小笠原さんの「宝島」も他人が歌うのを聞くのは始めて。弱い、弱いぞうちのSF研!隣で大森センセがブロロロローの擬音系を攻めてる時にサイトウさんのゲッターがガンガンいっていたのであろう。それと鋼鉄ジーグが擬音系対抗ですな。平野さんの「借金大王」の「貸した金返せよ」でなぜか向かいにいたサイトウさんの気分がオセンチ系傾倒というか奈落行き。Okkoさんの「ディバイディング・ドライバー!」の絶叫は俺を「是非ファイナル・フュージョンをその勢いで承認してくれ!」という気分にさせるものであった。そしてとどめくらえ!といわんばかりの浅暮さんのタイガーマスクエンディング。「これが俺の時代だ!」そ、そうだったんスか。温かい他人の情けも知らないで育っちゃったわけですね。アニメ系のサウンド選曲時にバックに流れる画像が異様にマニアック。金髪のジェニーとかバルゴンとかラスカルとかカットバックしてんじゃねぇ!(はじめて見たわよ)
我々は23時半をもって解散となりましたが、2H組の方はその後さらに大森御夫妻+6名が大森センセの仕事場になだれ込み、ダブ(エ)ストン街道談義などをしていた模様。詳しくは谷田貝さんのレポートを参照してください。


5.総括

というわけで、個人的な理由からレポートが開催から1週間遅れとなった割には中身がないものになってしまいました。反省マークが多いのもうるさいですね。(反省)
本当は参加者の皆さんのレポートが出そろって一通り見ているわけですからもっと総合的なレポートにできればよかったんですが、そこは俺の力量の無さ。勘弁していただきたいです。
今回は非常に多くの方の協力に支えられ、「読書日記」にちゃっちゃと書いてオシマイ、みたいにはしたくなかったので時間を置いたんですけど結果、まぁたいしてかわらなかったですね。これも反省。

さて、当日より早くも「次回は?」という声が上がっていました。
無論、次回はあります。
今回これだけの人が集まったのも溝口さんのおかげですし、溝口さんをキーマンにまた次回が展開されると思います。本当に合宿形式のコンベンションにしてしまうか、とか色々検討しなければならないこともありますが、次回はきっとありますので、その時は今回参加してくださった皆さん、また今回参加できなかった皆さんに御声掛けすると思いますのでふるって御参加ください。
また色々な方にご協力をお願いすると思いますし、「実行委員会」みたいなものを組織する必要もあるかなぁ、という思いもあります。どうかそのときは皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
是非次回は、今回の「反省」を活かしてさらに「楽しい」ものにしたいと思います。

というわけで、稚拙ながらu-kiのレポート、終わります。

あ、そうだ、名前マジでどうしましょうかね?
ミゾコン?ショテコン?オフコン???(笑)


98/10/4 wrote.