DASACON5
─今回は箱根で温泉だ!─



<<開始前・箱根観光>>
のださんが立案してくれた箱根観光ツアー、ほんとうはエヴァンゲリオン・ツアーがよかったのだが、ちょっと時間的につらいかな、ということでスタッフ一同は地学・科学コースあたりを選択。
値段的に本当にお得だったがどうか、いまだに正確に勘定してないので不明だが、新宿でいちいち切符を買う煩雑さから逃れるために「箱根フリーパス」を買って小田急で急行でGO!2時間近いから本でも読むかと思っていたが、うとうとしてたらあっさり着いてしまった。10時チョイ過ぎに箱根湯本に到着すると、旗の台組、かつきさん、のださんとあっさり合流。
フリーパスを持ってる人だけでとりあえず宿に挨拶&偵察に行くと、女将に仕切られまくる。な、なるほど。これがのださんとヒラノさんがかなわなかった女将か、と納得。今回のダサ5の勝利ポイントはこの宿の発見にあるのだが、一番手こずったのが宿との交渉でもあった。この押しの強い女将に電話で挑もうというのは確かに無謀であるよなぁ。ブレード・ランナーのうどん屋のオヤジなみの融通のきかなさである。が、彼女の仕切は「そっちの方がイイっか、」と納得させられてしまう部分もあり、じゃあもういいよ、全部お任せだよ、という気になるのであった。んで、荷物を置かせてもらって「15時に帰ってきたいのだが」「もっと遅くていいわよってゆうか15時半から16時にしろ」という女将命令に従って行動する。
「かっぱ天国」は看板だけ見て、強羅防衛戦まで箱根登山電車で。スイッチバックというギミックがいかすぜぇ〜。強羅から早雲山まではケーブルカーで。一番前に陣取って「電車でGO!」状態である。早雲山から大涌谷までロープウェイ。かめさん号、うさちゃん号もなかなかイカしたが、高速モッコなどに興味を引かれていた我々であった。「ここでの会話の内容、盗聴されてたらおもしろいよね」というような話をしていた気が。
大涌谷に到着。『黒い仏』ならぬ「黒い卵」を喰ったり、エビが紅生姜になってる焼きそばパンなどを食す。黒いコートに赤シャツの俺と、坊主頭に黒グラサンの太田さんの二人が並んで歩いているのを傍目から見るとかなりヤバイ感じだったらしい(笑)。
大涌谷遊歩道へ。ああ、高い所へ登ると息切れが。歳はとりたくないねぇ、とか云ってたら「総統は最近鍛えてるんじゃ」とのツッコミが。いや、こうならないように鍛えてるんだけど、所詮付け焼き刃の悲しいところよ。花粉で鼻がもっとやられるかと思ったら、どうも反応する花粉の種類が違うらしく、硫黄の匂いがわかるくらいだった。
大涌谷自然科学館「サチコ地獄」を味わったりする。そうか、「地獄谷」という呼称だったのが明治天皇が来たときに「地獄があってはおそれおおい」というので名前が変わったのか。その他、「地震かるた」などが個人的にはウケた。ば、バカすぎる。
箱根細工やワサビアイスなどを堪能し、そろそろ帰る時刻に。

<<受付開始>>
元来た経路をそのまま逆行して、ニセ心霊写真を撮ったりしながら宿へ戻ると「歓迎ダサコン御一行様」に書き変わっており、時刻も16時チョイ過ぎ。荷物が結構集まってるのを見てあたふたと部屋割り、受付などの準備を開始。
女性客御一行様が到着してしまったので、急遽露天風呂は男性用から女性用へ変更して先に入ってもらうことになる。
風呂から出てきたのださんは完全に猿人ゴリーのコスプレをしており、TVにも出たことがあるというお客様お迎え犬の「龍二」とバトルになるのでは?と一瞬緊張が走ったが、龍二はまるでやる気がなく、戦闘は発生しなかった。きっと色々なお客さんが居るから猿ぐらいじゃびびらなかったんだよね。
しまった、客が来る前にひとっ風呂浴びたかったのだが……と思ったが、なんとかオープニング前に露天風呂は男性用にもどり、露天風呂「ままね湯」につかることには成功する。でも露店部分は狭くて、【RIKI】さんが一人入ったらいっぱいいっぱいって感じだったよな(苦笑)。温泉の時はカラスの行水はしないでゆっくりするタイプなのだが、色々あって気分が落ち着かないので今回ばかりはカラスの行水。着替えて受付で客の入りなどをチェックする。うーむ、ゲストも企画もないのでやることないといえばないのだが、どうも落ち着かなくてねぇ。
自己紹介で「抜き打ち所持本テスト」をやろうということになっていたのだが、荷物を大広間に持ってきてもらうのもなんなので、ヒラノさんに伝令をしてもらう。
今回はお酒の持ち込みは持ち込んだ分だけ料金を取られる制度だったのでそんなになかった。恒例と化していた電報もなし。しかし、森さん・のださんの友人であるところの竹田さん&小嶌さんからの浅草土産の差し入れが届いていた。
女将の発する注意事項が「総統挨拶」と書かれた紙にどんどん追加されてゆく。こりゃ大変だ。オープニングで云うことがどんどん増えていく。例によって挨拶なんてまだ考えてないのに。注意事項がふくれあがったために挨拶・乾杯・注意事項・の運び方で悩むが、案ずるより産むが易し。

<<戦闘開始>>
カラオケマシンの素敵な起動音と共に簡単に挨拶。注意事項を読み上げまくり、乾杯。
自己紹介開始。俺的には一人一冊で良いと思ってたのだが、中には「せっかくなので東京に寄って買ってきた」という本の束を全部披露してくれる人も居たのだった。
それが終わってからワシは飯を喰い始めたので食器を下げ始めている中で喰っていた。
で、満腹になったところで食器類全下げ、机を畳むなどで全員総立ち。
ヤニが欲しくなり部屋へ戻って、大広間に来るとすでにあちこちで会話の輪が出来ていた。しまった乗り遅れたぜ!って感じ。
エロゲー、ロボゲー、SF小説の話ができるこじまさん周辺の「最も濃いゾーン」への侵入タイミングを逃す。
そこで逆サイドでSFっぽい話をしてたので無理矢理混ぜてーとMZT&πR&安田ママさんあたりがたむろしてるところへ突入。河出の20世紀SFのアンソロジーをネタに「やっぱ60年はぶっ飛んでるよね。ほら、ディッシュ、餌やるから小説書きな」という感じでどこでも評判の良い名作「リスの檻」を揶揄った後、MZT氏に他のディッシュ作品はどうですか?バラードはどうですか?などとふられて、「うーん、70年代はティプトリーとかヴァーリイになっちゃうのか」と60年代ニューウェーブの威力について語る。
そしてそのままそのテーブルは『黒い仏』を語る場に。読んでる人のほとんどがOK、肯定派なので議論にならんじゃん!といいつつもジョニイさんや湯川さんに必死に否定的意見を求めるが、まぁ、「あのラストを肯定した上で駄目な点をあげてください」といわれても無理だよなぁ、というのが俺の感想であり、ミステリ読みというか、メフィスト賞作家でようやくまともそうな人が出てきた!という感じの人の期待を見事に裏切った点が駄目なのだろうというジョニイさんの説は説得力があった。あと、加藤さんによるいかに上手くクトゥルーの名前のもじりを行っているかの解説が大変ためになった。東雅夫編集長の手による学研M文庫『クトゥルー神話事典』を『黒い仏』の副読本にして、「あー、やっぱり『アーカム計画』くらいは読んでおくんだった」と思った俺だが、「阿久浜ってアーカム=あーく・はむのモジりなんですよ」という所には気が付かず、身近にクトゥルー通が一人欲しいわ、と思った俺であった。
そのあとヒラノさんが「山田正紀って面白いんでしょうか?」となかなか良い感じの発言。加藤さんも『エイダ』があんなベストに選ばれるほどの作品じゃないのではと疑問を提示。俺も山田正紀どれがオススメか?と問われると一瞬ひるむよなぁ、という感じ。どれもイマイチ突き抜けてない、中庸な作家な気がするよなぁ、ということになる。
森さんが新潮文庫のYonda?マーク集めゲームを始めると宣言。「あー、月曜になれば姫野カオルコの文庫が新潮から出たのに」というところから、あやうく俺のもてない系ルサンチマン炸裂ゾクフー話とかに突入しそうになるがおっとまだ日替わりもしてねぇぜ、やめやめ、と自己にブレーキ。
そこでのむのむさんから「ウチの社で作ってる本を総統に謹呈します」と紙袋を渡される。なんとそれはッ!『HAND MAID MAY プロジェクト・ファイル』だった。こ、これは嬉しい!「ありがとうございます!今おれのオカズこれだけですから!」と余計なことを口走る。
そしてトイレに行って帰ってくると巨大な『かめくん』話の輪が出来ており、そこから「ヒガさんとミギタさんはどーなのよ!」というのむのむさんの絶叫を聞きつけ、輪の中心に飛び込み「それは『愛』です」と意味不明な台詞を吐いて唐突に輪に加わる俺。
そして「ゆうき・ザ・ワールド」という名のスタンドを発現させて皆の思考を数秒止めてみたり。「今はほんの数秒しか止められないが、やがて5秒、10分、1時間とだんだん長く止めてみせるぞ」と変な野望に取り憑かれる。確か3、4回は世界を止めたなぁ。
表紙やイラストやデュアル文庫というレーベルはどうよ、みたいな話をしてるとき、もっと売れるには「カメクンゲリオン」みたくすりゃいいんでしょ、と投げやりに云ったら思いがけず森山さんが「そうだよ、つまるところかめくんとガメラは同じ生物兵器でガメラがあんだけキャッチーだったんだからガメラ化すればいいんだよ」という援護射撃を受ける。SFの人は表層に見えないところを深読みしたがるってんでFSSを引き合いにだしたら今度はサイトウマサトクさんが援護射撃。「FSSのインターフェースはわかりやすいんだよ」。ヒラノさんが『クラゲ』『火星』『エンジン・サマー』を引き合いに出そうとするも読んでる人があまりに少なく色々苦戦しながら話の構造について語る。
それをタバコを吸うために後ろに一歩退いて見ていると、横ではノートパソコンが3台くらい展開されてサイバーな世界を展開していた。こじまさんのVAIOが激しくロボ系MADムービーを流しまくっていて、しばし見入る。
すると向井さんから「今日は総統とガオレンジャーの話がしたかったんですよ」と唐突に云われて、「えっ、ガオ?あれはなー、普通でしょ。俺的にはアギトのG3のしょぼさとかについて語りたいのだが」とあまり乗り気でない返事をしたのだが、ガオレンジャー第4話のブラックとブルーのホモ話はどうよ?みたいな話になり、そのとたん七沢さんが飛んでくる(苦笑)。そして特撮でホモと云えばやはりクウガの一条×五代だろう、という話になり、森山さんも加わって「クウガはホモ抜きでも大人向けのイイ話だった。だけどやっぱホモだった」という話になり、最近特撮界における(や)の動きはどうなのよ?と七沢さんにつめよるシーンも。ああ、オビ・ワン×クワイガン・ジンとかで驚いていてはいかんのだね。
途中なんどか時を止めそうになったので、サイトウマサトクさんのオサレな黄色い色眼鏡を突如かけたりして話をごまかす。コアグルーヴでマサトクさんの名前を出せば1万円キャッシュバック。ADSLコアグルーヴヨロシク!
それから安田ママさんに「万引き」ってどのくらいあるの?って聞いたところ、スゴイらしいことがわかる。その話から「オンラインとオフライン書店の違いは何か?」「万引きがないことです」って話が出て、そのあたりから『誰が本を殺すのか』あたりをネタにして森山さんを中心に本の流通とか本そのものの話になる。やはり本の価格を上げるしかないんでしょうかね?わりと白熱した話が続く。bk1に入ってからやはり森山さんの目の輝きが違うと恥ずかしがり屋の匿名希望さんと話したりする。
【RIKI】さんにふられて俺が「リアル・改蔵」だって話をしたり。「俺、『不発弾』(過去にやってしまった恥ずかしい行為の遺物)<自分だけで交換日記>以外全部やってるよ!」とか「反抗期や思春期は一定周期で回ってくる」とか。無論ガンダムはファースト以外認めねーよ!(思春期らしい発言)とか。あとはおきまりのビルOSの悪口。最近のださんがWindowsを使い始めて色々困っているのを全部「それはビルの呪いです」でかたづけたりとか、「MacOSX、これでこけたらマジでAppleまずいよね」とか「DUOが失敗だったとか云ってる時点で所詮ジョブズは日本人の気持ちわかってねぇよ」とか「iMacって以外と奥行きがあるんでマジで邪魔。高価な卓上DVDプレイヤーとしてG4ノート買ってもいいかな」とかとか。
0時前後、せっかく湯川さんが遠いところから持ってきてくれたビデオデッキが、大広間にあるテレビには接続不可能であることが判明し、色々ジョニイさんが動き回ってくれた結果、「竹の間」にあるテレビには端子が付いているので接続可能であることが発覚。その部屋を時間を決めてビデオ上映ルームにすることになる。『キャプテン・フューチャー』『カーレンジャー』『アルジュナ第1話』『怨念戦隊ルサンチマン』などが上映されることになった。なんだか最後のヤツは妙に見たいぞ!と思っていたのだが、なんか話をしているウチに見たい人は見に行ってハー良かった良かったとか云ってる状態になっていた。無念。
ディーラーズの端の方では着物姿の太田さんが志村さんを師匠に折紙に熱中。「このキングギドラは太田さんが折ったんですか?」と訊くと、「いえいえ、私はまだ『本』を折るのにも手こずってますよ」とのことだった。
んで俺は色んな方と立ち話、座り話。俺は顔を覚えてもらえるのだが、俺は相手の顔を覚え切れていなくて申し訳なく思ったり。(人の顔覚えるのって苦手なのよね)
Hasterさん持参の同人誌、『おじゃ魔ジョジョれみ』を腹抱えて笑って見たり、「バギ&シスプリの漫画の切り貼り」=「バキコラ」を米田さんにお願いしてモバイルを駆使して見て爆笑したり、こじまさんのVAIOがスーファミ・エミュレータを起動してゲームコントローラーを接続した凄いことになってるのに関心したりする。
あとは普通にオススメ本の話をしたりとか、映画『バトルフィールド・アース』の話をしたりとか。ちょっと待て!なんかその映画のストーリーは原作と大分違うような気がしてきたぞ!?家に帰ったらせっかくサンリオ版全6巻を集め直したので読み返して見ることにしようと思いつつ、ビデオが出たら絶対見ようとか誓う俺であった。
そしたら、「ゆうきさん、ガンパレの話しましょうよ!」と云われるも、「は?何それ?」と周囲をずっこけさせるような反応しか出来ない俺。いやー、冬コミで同人誌まで作ったんだけどねぇ、攻略本はいくら待っても出ないし、もはや忘れかけているガンパレなのだった。でも話を始めたら結構盛り上がって、イワッチ踊りの話とかスカウトでキック一発でスキュラを倒す快感について語ったりしたのだった。うーむ、最近ゲームを全然やってないことに気が付いてイカン、イカン、と思ったり。『月姫』『誰彼』もやってないし、燃えるロボゲーもないしねー。そこから今度の夏コミ、何が来るかわからんねーとかいう話になる。ホント、予測不可能だ。ガンパレも完全に隙間だったしね。でも今秋葉の同人誌屋に行くとガンパレの本ばっかりらしい。うむむ、いつの間に。
で、ようやっと西の方で起こった地震のニュースを今頃知ったりとか。これではまるでバスジャックのことを知らなかった去年のSFセミナー状態ではないか。
そうこうしてるうちにセーラームーンRが始まってしまい、もはや完徹覚悟。
生でガオレンジャーを見て、これまたタイミング良くブラック&ブルーのモーホーネタでギャフンおち、という話で鼻血がでそうになる。アギト嫌なオヤジがG3の装着者になって完全無欠にアンノウンを倒していてアンビヴァレンツな気分になる。
で、そろそろ帰り支度。

<<戦闘終了>>
某氏の命令でやむなく『Kanon』舞のウサ耳を付けたまま壇上に上がる俺。
京フェス、SFセミナー、IFCONの紹介をしてもらい、無理矢理SF大会の説明を阪上さんにしてもらう。
んで、俺のお終いの挨拶はスーパー投げやりな感じで、「」は何もかも未定だけどまた東京でいつものパターンに戻したいという個人的希望を云って幕を閉じたのだった。
正直、マジでしゃべりっぱなしで疲れた。ダサ1あたりの雰囲気に近かったかな、人数的にも。企画無しでまったりしゃべりたおすにはこの程度の人数が限界か、と思った次第。
オークションとゲスト企画がなかったのでかなり特殊だったので初参加者はどう思ったかな?温泉でのオフ会ってこんなもんだよという感じか。toraboさんの「オフ会って初参加でしたけど楽しかったです。また参加したい」というお言葉と匿名希望さんの「これぐらいのまったりさ加減が丁度良かったです」というお褒めの言葉にちょっと感動を覚えた俺であった。

<<帰り道>>
裏方話になるけれども、会計的にはやや赤字。ウーロン茶がそんなに高いだなんて……。
準備&片付けは今までで一番楽だった。時間通りに撤収できたし。なによりも、毎回余ったり足りなかったりして大変悩み所な飲み物と食べ物の供給が多すぎず少なすぎず丁度良かったことは特筆に値する。なにもかも女将のおかげか。あと参加者諸君の動きもきびきびしていたようにも思う。
とてものださんについていって遊ぶ気にはならず、ルノアールにも行く気にならず、小田急に乗ってまっすぐ帰ることにする。年齢の近い匿名希望氏と帰りの電車でお互いの将来についてマジに語ってしまったりして。匿名氏と別れてからは電車の中で爆睡。新宿に着く寸前で丁度目が覚めた。で、家に着いてからも夜までしっかり眠ってしまったとさ。
大きなトラブルもなく、結局「温泉で企画無しでただひたすらダベる」というコンセプトのダサコン5はその通りに機能して成功だったと云えるのではないか、と個人的には思っている。もっと参加人数が増えたらまたゲスト呼んで企画立てて、ってのも必要になってくると思うけど、ただまったりとしゃべり倒して、好き勝手にお湯につかる、という今回のようなダサというかオフ会があってもいいんじゃないかと思ったのであった。
そんなところで俺のレポートはお終い。次までは絶対やるので、また次回お会いしましょう。


2001/3/31.