勇者王ガオガオガー情報

下半身勇者王u-kiより、若干最新でない情報を公開しよう!

今回紹介されるのはPSのゲーム「トゥルーラブストーリーR」
Windows95上で動作するゲーム「Piaキャロットへようこそ!!2」だ。
前者は1作目があり、会話パターン、発生イベントなどに若干の改良を加え価格を押さえたアンサーバージョンだ。基本的な部分に変化はない。
後者は1作目と設定、キャラクタ配置などはそのままに、制服を3バージョン用意、操作性などに改良を加えたシリーズ第2段だ。
ネット上でも人気の高いこの2ゲームに登場する全女性キャラに関するコメントを公開しよう!このコメントを見てやりたくなったら、Let's Begin!!
とにかく始めてみよう!そして俺と熱く語ろう!
(ネタばれ、ゴメンだ)


「トゥルーラブストーリーR」


**ゲーム全体の感想**



ネット上では「せつなさ炸裂!」とかいう別のゲームの売り文句を連発してる輩が多いが、実際切ない気分にさせられたシナリオは少ない。感情移入度が高ければどんなゲームでも「おれって何やってんだろ、ゲーム相手に」という感じで切なくなるものだ。このゲームはハッピーエンドで、主人公は相手の女の子に思いを告げ、相手も肯定の返事を返してくれて、それで引越ししてしまう。つまり物理的な距離が愛し合った二人を隔てるという部分でシナリオが終わる。多くの安直なゲームが、Boys be ... 的な「告白してはい、終わり。よかったね」で終わりなのにくらべて、「二人の関係は始まってもいなければ終わってもいない」という印象を明確にするのに非常にうまい手法を使ったといえるでしょう。18禁ゲーの場合は「告白」の前段階でHイベントという、「SEXで芽生える愛もある」がスタンダードパターンという一点を除けば基本的にときメモがゲームの目標として定めてしまったルール「告白OK」から抜け出せずにいるわけです。
ゲームを進める上で主人公=プレーヤーは妹のみさきから、1ヶ月後に転校するというシチュエーションを叩きこまれ、「よし、ひとついなくなるまでの1ヶ月間、積極的に生きてみるか」という非常にわかりやすい行動原理にもとづいて行動を開始します。したがって、ゲームを進めるうちに転校というイベントを忘れて「そうだった、彼女と仲良くなったのに、俺はここからいなくなってしまうんだ」とアンビヴァレンツな感情に襲われることはまずないはずです。(でも実際はそういう人が「せつなさ炸裂」を連呼してるのかもしれませんが)
というわけで俺がこのゲームで感じたものは、「やれることはやっておこう」と思ってそれを好きな女の子への告白という形式で達成できたという達成感でした。
ときメモは「自己育成」という形式が恋愛に結びつくところが非常に楽しかったわけで、一生懸命運動すると勝手に清川さんが好きになってくれるとか、カッコ良くすれば鏡さんの対応がよくなるとかそこらへんに快感を覚えていたんですけどね。トゥルラブは1ヶ月間というふうにスパンが短く主人公のパラメーターも自分で最初に設定するのでゲーム性の面でも「ときメモとは違ったモノを」という意気込みが感じられるというものです。自己育成ではなく、イベント発生条件を探す、アドベンチャー的な要素が強いともいえるでしょう。従って「愛のシナリオ」的な部分はいまいち弱い気がします。
そしてこのゲーム最大の特徴は「下校リアルタイム会話バトル」でしょう。俺はこのどきどきのためにこのゲームをしてきたといっても過言ではない!
まず、女の子は最初、下校時に出会いもしない。それが挨拶をするようになって、誘えるようになり、誘いに乗ってくれるようになって始めて一緒に下校、会話ができるのである。で、ここで好感度を一気に上げないと週末デートできないのだ。そりゃーもー必死ですよ。「あぁああ!金曜日なのにXXさんが現れない!!」といって何度じたんだを踏んだことか。
で、うまく一緒に下校できて、そのときから既にスタンド合戦は開始されているわけです。
「それじゃ、わしからいくよ、バービーくん」
「私の名はダービーだ!今度間違ったら殺ス!!」
とかいう心理合戦を体験できるというわけです。
いきなり「握る」をしたりすると、あまり仲良くない場合は逃げられますし、逆に思われすぎていると「心臓スタンドで握ったような状態」になり、やっぱり頬を赤らめつつ逃げられてしまいます。逃げられたらデートできないわけです。(告白時OKといわれてもだ、思い出がないわけだよ!)つまり、適度に話を盛り上げてラブラブメーターをマキシマムまで引き上げる、というまさにフライトシミュレーター並みの臨場感が味わえるシミュレーションというわけです。一回のチャレンジでランディング不能と判断した場合はタッチアンドゴー!一週間には6回もチャンスがあるので分割払いでときめきを上げていく作戦にもでられるわけです。だが、多くの男女関係がそうであるように、「その場の雰囲気で一気にまくしたてる」ほうが全然楽です。だって、同じ話題じゃ次回もりあがらないわけで、でもゲームだから選択肢以上には会話のネタがないわけで。というわけで、某西川くんのような「女とろくすっぽ会話したことがねー!」というやからにはぜひチャレンジしてほしいバトルシステムなわけですね。ハイ。
主人公も地味、イベントも地味、女の子もスタンド使いもいないしロボ子もいないし淫乱な子もいませんのですべてが地味です。SF映画ではなく大竹まことの一人芝居を見ているように地味ですが、リアリティというか深い味わいがそこに横たわっていることも事実です。
「あれから半年がすぎた。今となっては青空高校でのできごとはいい思いでになってしまった。柳沢も奈良も塩田も今思うといい友人だった。智子とは今も連絡をとりあっているが、正直、離れてしまえば終わり、と思うこともある」
これはハッピー、バッドにかかわらずに出現するエンディング時の主人公のモノローグである。この台詞が出てきたとき、俺は「このゲーム、やりやがったな」と思ったのだ。


**各キャラについて**


桂木綾音
・「藤崎詩織を倒すのだ!それが綾音、君の死命だ!」そんなスタッフの思いを込めて作られたのが彼女ではなかろうか。
成績優秀、運動神経抜群、眉目秀麗、花を愛し、ピアノをひき、テニスをこなす。これでお金持ちの令嬢だったら完璧である。最初は卑屈に「彼女、柳沢とお似合いだよな」なんて思った挙げ句に果敢にアタックする大須賀を「アホなやつ」と冷笑していた俺だ。
だか究極のアンチ藤崎詩織として生まれた彼女は接していてけしてイヤミでなく、限りなく優しく、美しくい。そして親しくなるごとに確実に彼女も「ただの普通の女子高校生」ということがわかってくる。ただ、おしなべて性能がよいだけなのだ、と。
音楽室での友人との会話を偶然聞いてしまったときなど、かなりどきどきしました。そして音楽室で一緒にピアノをひいたときはおもわずさみしんぼを思い出し、「俺も高校生の時は真剣に大林映画を見ていたよなー」とか思い出しました。そして嫌々詩織をクラッシクコンサートに誘った屈辱を思い出し、それにひきかえ綾音ちゃんはなんていやみじゃないいい娘なんだと見直したものです。昔好きだった娘もピアノを引いていたっけな。
ラストで彼女は実は主人公に前々から好意を抱いていたことが判明して、告白されたこっちがびっくりしたもんです。実力テストで彼女を負かしたりしているとこの告白も結構なっとくがいくのですが、そうでない場合「なぜ、俺なのだ」という自問に陥ってしまいあまり楽しくない気がします。そこの設定がちょっとツメが甘いかな、という気がしました。

広瀬のぞみ
・実はあんまり好きなキャラじゃなかった。でも、シナリオ上、一番「せつねぇ」と思わされたのは彼女でした。幼なじみの二人が怒涛のようなHシーンを経て恋人に、というToHeartの完全なアンチテーゼに映ってしまったからかもしれません。
「ずっと好きでこれからもずっと一緒だと思ってた。せっかく思いが通じたのにどうして?!」泣きながら迫る彼女に俺は思わず言葉を失ってしまいました。柳沢に忠告も受けていたのに、俺は、どうすることもできなかった。だが、ただ別れてしまうのも嫌だった。だから好きだといった。だが、どうだ、結局二人ともどうにもならないことでお互いに傷ついてるだけじゃないか、と。
学生の自分というのは無力なもので、そしてその無力である事に散々反発したあげくにやがて自分のモノとして受け入れてゆくようになり、人は大人になる。そんなことをゲームごときに再確認させられちまってせつなくなったのでした。
あと個人的にはスケッチブックを拾うイベントで「中見た?見たんでしょう?」と攻めまくられるシーンでやけにリアリティを感じてしまいました。落とすってことはないけれど、人目に付くところに置き忘れて同様のイベントはけっこう発生するものなのだ。

後藤育美
・どうせ誰も俺の過去を知る者はいないので正直に言っちゃうが、俺は中学の頃密かにあこがれてた陸上部少女がいた。でもゲーム中の俺とごっちゃんのように仲良くはなれなかったのでとても思い出して寂しいような、切ないような気持ちになった。ごっちゃんはいい女友達である。ごっちゃんと学校で会うとなんか楽しいし、女の子として好きというよりはこんな女の子の友達がいたらいいな、って感じだ。挨拶ひとつにしてもなんとなくフレンドリーな感じがする。
万年ジャージ娘で「安永航一郎のキャラかお前は!」と突っ込みたくなったが、体育会系の連中は実にその通りの行動をするのでリアルだ、と思ってしまった。そして好感度があがるにつれてごっちゃんは「着替えてくるから待ってて」というようになり、次第に制服姿で登場するようになる。これほどわかりやすい心情の変化があるだろうか。俺も所詮は目で見える部分に感動する男なのだ。デートで私服のごっちゃんを見られた時はもう感動の嵐だったのよ。
ラストで彼女は新聞記者が群がるような名選手になっていきます。一人だけ蝶になって自分とは違う世界に旅立っていく少女。そうです、長岡志保、彼女に対して思ったのと同じ苦みが口の中に湧き起こりました。このゲームではせめてうまくいってくれ、と俺は願うのでした。ときメモの清川さんもごっちゃんのような落ちにできれば良い話になったのにーとか思ってしまいました。

本多智子
・「お仕置きよ〜!スクルド・ボマー!Kikuko Inoueの演じるベルダンディにひけをとらないメカフェチ娘、スクルドのイメージしかない久川綾の声の智子。もう思わずぞれだけで「と、智子ぉ〜」とか叫んですがりつきたくなりますが、地味なこのゲームの中で最も地味な彼女。「俺は本や花の好きな地味な娘が好きなんだ」とかたわごといってた高校時代ならいざしらず、今のケモノと化した俺には智子ちゃんのエピソードはどこをとってもいまいちなのでした。したがって「智子」に「本をとってやる」イベント以外は一番印象に薄い好みでない娘、ということになってしまいました。
お互いに詩の交換でもすれば奈良時代にタイムスリップした感覚でふわふわできたのでは?と思ったりする。

南弥生
・愛すべき忠犬少女、弥生ちゃん。彼女は主人公へのあこがれが強いタイプなのでこちらからフレンドリーに接すれば愛と友情を意外と簡単に構築できます。雨の日の傘イベントの時はなんとけなげな、と感動し、お見舞いイベントでちょっとあかりイベントを思い出し、そしてとどめくらえといわんばかりのお弁当イベントでもう、「めっちゃかわいいやん!」と思ってしまいました。虹野の弁当以来の感動です。由美っぺの弁当イベントと基本的には一緒だがなぜかこちらは感激してしまった。うーむ、やはりキャラの違いだろうか。のぞみも弁当くれたがそれはあかりの弁当と同じで感動のないものだった。「日常」になりさがっているからだろうか。予想外の出来事、それを人間は求めているのだ。
弥生ちゃんは極度のはずかしがりやさん。よって会話バトルはそれなりの難易度で「な、なにぃ〜一度に5枚じゃと〜」って感じでハートがどきどきして去っていってしまいます。一度意識しちゃうと恥ずかしがって近寄ってきてくれないのも困ったもんです。
会話の端はしに「子供だよ〜」と思わせる部分が多すぎな気もしないでもないが、実は中学や高校の時の1年と3年てなぜかすごーく年の差があるように感じられるもんだよな、とか懐かしい感じもしたんでまぁ、許しましょう。人間は成長する生き物なのだ。

春日千晴
・まさに意外な伏兵だったのが彼女。横山智佐の声が委員長声だということにも初めて気づいた。どう考えても最初は「やかましい、うっとおしいぞこのアマ!がるっ!」ってしか思わなかったけど、執拗に「いやーん、眼鏡が」イベントによって眼鏡外した素顔を連発され、「な、意外にかわいいじゃん」というラブコメの王道にみごとにのせられてしまった自分に気が付いたとき、やられたという感触はすでにあったのだ。そして、話をするうちに堅実で誠実な生き方をよしとする彼女を知るにつれ、「ああ、いるよな、こういう娘。そして婚期を逃すんだよな・・・」そう、俺の頭にはある女の姿が確実に形成されていった。「いいぞ、がんばれ姫野!」「ダーマスさん、姫野じゃありません、彼女は春日ですよ!」そしてとどめの「あたしってかわいくないでしょ」イベントでもう愛しさ炸裂!んなことない、んなことないよ千晴ちゃん!俺と一緒に帝国華劇団に入ろう!そうやって俺の妄想ワールドは広がっていったのだ。
つんつんした態度がしだいに柔らかくなってゆく。それも俺に対してだけ……という表現は良く出来ていたと思います。まじめな娘は会話の内容を選ぶのに苦労する、というのはこのゲーム内にも通用する法則でした。あー、やっぱ下ネタOKの娘がいいね。

天野みどり
・脳天気エビテール(髪型)娘、としてネット内で人気の彼女。俺は最初ぼけぼけーっとしててレスポンス悪い彼女を見て、「そっか?そんなにいいとこあるか??」と思っていたんだが……好感度上げるとイイ、実に良い反応をするんですな、彼女。「能天気なあたしが最近悩んでるのはキミのせいだっつーの!」と言葉でなく毒電波で伝わってくるんだよね。そーいや、彼女のお気に入りの場所は屋上。夕日を屋上で見るイベントでは思わず雫のるりるりシーンを思い出してしまいました。
しかも実は格闘ゲーマーでもあり、ネット上の人気もそこらへんに起因するのかもしれない。聖コスプレ学園にも格ゲーできる女の子が意外にも多かったりするのだ。また夏娘にふさわしく、デートののりはかなり朝日奈ちゃんに近いのりがあって後半は朝日奈ちゃんのことを思い出しながらプレイしていたいけない俺。

草薙忍
巫女さんはやっぱ処女じゃなきゃ駄目!という生っ粋の巫女ファンにも安心してお勧めの草薙先輩。ただ彼女うまく攻略できてなくて一番CG達成率が低いのよ。そのせいかいまいち巫女好きの俺でも気分が盛り上がらなかった。やっぱ巫女さんといえばおきぬちゃん、という頭があるのでこーゆーボーイッシュでしっかりものの先輩、という設定になじめなかったのかもしれない。
巫女で格闘家、という地味なトゥルラブ内で唯一異彩を放つ彼女。しかし、出会い頭に「モードB47・アリゲータースナッパー!!」といって(一部表現は異なります)地面に叩き付けられたのでは育つ愛も育たないのでは・・・

水谷由梨香
・このゲーム唯一のお嬢様キャラ。だが、結構おまぬな面を見せてもらえるので鏡さんのときのように「ケッ、どーせあたしゃ庶民ですよー」という卑屈さをこちらが出す前に仲良くなれてしまう。冬のキャラのくせに水泳をやってる、というのもひねりがきいていて良いですな。今回は主人公の通う共学の学校に淡い期待を込めてやってくる女子校の生徒という設定で、話を聞いていると、男子校だった俺は「そうだよ、やっぱそう思っちゃうよな、女子校だと」とか思わず相づちをうちたくなるセリフが満載でした。
焼きいもイベントは自らのダンディズムが試される機会です。って、勝手に進行してしまうので男子諸君はここらへんの態度に注意してもらいたいものだ。

みさきちゃん
・トゥルラブで最も改善されたのがこの愛すべき妹、みさきちゃんのイベント発生だったというから世の中間違ってるとしか思えない。ホンモノの妹がいるからなおさらそう思うぜ。みんなクリームレモンの亜美ちゃんからぬけだせていないのではないか?どうすればそうなるのかわからんが俺も一時みさきの好感度があがってしまって非常にあせった覚えがある。俺はデートしたことないが、会話バトルのコツをつかむため一緒に帰ったことは何度もある。ま、フツーにしてれば年子の妹なんてこんなもんだね、と思えるので結構リアルな妹である。基本的には良夫のかわりなのだが、弥生ちゃんのときは弥生ちゃんの親友である面が見えてきてなかなか良い。良夫は由美っぺを犯そうが殴ろうが、「おまえー、由美に気があるのか?」ぐらいの反応しかなくてつまらなかったんだけどねー。

冴子先生
Hitoshi Doi先生と俺のアイドル、Kikuko Inoueを声優として配置した無敵のおばさん。じゃなかった、あこがれの冴子先生ダヨ。もはや喜久子さんも「おねえさん」から「おかあさん」役の方が多くなってきたんじゃないかと思ってしまう。で、「冴子先生が食える落ちはないんですか?」といってると駐輪場でばったりであっておまぬけぶりを披露されたり、プールに子連れできてたりしてショックを受けたりとなかなかいい配置でした。「寿くん、そろそろ授業ですよー」とか「よくできたわね」とかいわれるとなぜかほんわかした気分になれた。このゲームでなぜか授業クイズがあるのは冴子先生の英語の授業だけで正解でも不正解でもゲームの進行になんら影響はあらわれないのだがつい誉めてもらいたくて一生懸命答えてしまうのだった。

大須賀
・説明書いわく、「主人公の愛すべき悪友」だそうだが、ときメモの良夫が死ぬほど愛すべき悪友だと思っている俺は夏にプールに誘ってくれること以外では「頭の悪い奴」くらいの印象しかなく、「良い奴」には思えなかった。良夫の役目をみさきが引き受けている以上、もっと笑えるキャラにでもしなければ大須賀は本当に存在する意味のないキャラになってしまう。ときメモのように主人公が部活に入れれば、運動部=大須賀、文化部=柳沢、という配置ができたのにな、と思う。常設イベントである体育祭で大須賀に助けてもらうこともあるが、ここでもっと「ありがたい奴」にしてほしかった。

柳沢
・いわゆる「伊集院」キャラかと思ったが、そうではない。クラスに一人くらいいる落ち着いて頭のいい、しかし委員長やるほど固くない、そういう奴だ。いうなれば「出来杉」キャラだ。中学時代の科学部の部長を思い出してしまった。今思い出してもいいやつだった、というのは俺にとってはこういうキャラのことだ。
いっけん完璧そうに見える柳沢も恋愛に関しては俺と同程度、というエピソードがあってなお親近感が増す。もっと同じ娘好きになって取り合うイベントとかがあってもよかったのでは?とか思ってしまう。






「Piaキャロットへようこそ!!2」


**ゲーム全体の感想**


「みーじかいスカートひらひら〜、なんだーかフワフワしてきちゃうー!」
このゲームのオープニングテーマ、GOGO!ウエイトレスの1フレーズだ。
はっきりいって、俺はこの一節がこのゲームのすべてを体現しているといっても過言ではない、という気がする。
きゃんきゃんバニーというすばらしいゲームでうぶな俺をエロゲーに目覚めさせたという経歴を持つ老舗、カクテルソフトのリーサルウェポンである。
エロゲーは、明るく脳天気でなければいかん」そうスタッフの方々が思って作られたのかどうかはしりませんが、18禁ゲーについてまわる危なさというか、淫靡さというか、隠しきれない下品さといいますか、そういうものが感じられないんですよねー、このゲーム。ま、実際エロ画像も少ないんですけどね。(たぶんToHeartより少ないぞ)結合してる絵がないのってなんだか健全な感じがしちゃうんだよね、あくまで個人的な意見だけど。コンシューマ機への移行も楽なんじゃないか?って営業戦略的な部分にまで気が回ってしまいますな。
最近のギャルゲーにありがちな、「複数同時攻略不可」な律義タイプのゲームになってます。詳しい感想は別所にも書いてあるのでここで繰り返し書かない事にするが、一応全キャラ制覇が終わって思うことは、「2才児から人妻、男色まで味わってしまえる、オールレンジ攻撃ってすばらしい!」と思ってしまったことだ。万太郎、お前の気持ちが少しだけわかった気がするぜ。
俺はこのゲームでは達成感というものを感じる事はできなかった。シナリオやシチュエーションの甘さから心底主人公とシンクロして世界に入り込むことができなかったのである。だが、このゲームは「ゲームをゲームとして楽しむ」という本来のスタイルを俺に思い出させてくれたのである。何も俺はヴァーチャル空間Aptiva!!で死にもの狂いで恋愛の訓練をしたかったわけではないのだ。失われた青春時代に味わえなかったものを必死に求めることだけがギャルゲーをやる意味ではないのだというあたりまえのことをこのゲームは俺に教えてくれたのだ。
登場する女の子はみんな少しアホ目だが、元気でキャピキャピで、会話をしていて楽しくなる女の子ばかりだ。女の子がそばに居るだけである種の潤いが感じられると思うのだが、このゲームはその潤いを芳香剤のように振りまいてくれるゲームなのだ。
最初は「買っちまった以上、消化するぜ」的な思い出やっていたのだが、しだいにしだいに彼女らのペースにはまりこみ、いつしかモノホンのファミレスにまでいりびたるようになってしまった。
正直、俺はこの手のアルバイトといえば、大学4年の時、マクドナルドで掃除のアルバイトをしただけだ。だから昼間のバイトをしていればこんな雰囲気だったのか、などと錯覚できたりしてそれもなかなか楽しかった。とてもリアルに思ったのはマネージャーである涼子さんのパートだったけどねー。
おまけだと思っていた神楽坂と山名親子の話が意外といいできだったので、「うーん、すこしゲームバランス間違ってるのでは?」と思ってしまった。とにかくヒロインのあずさの部分をもう少しなんとかすればもっと面白かったのにと思う。
ま、レギュラーは6人だけど10人とも(おっと留美は除くね)シナリオやイベントの分量は同じなので結構食い応えのある料理でしたー、っと。

**各キャラについて**


日野森あずさ
・エヴァのアスカとか、ああいう万年生理中女がいい、という人もたまにいますってゆうかオタクは好きな人が多いようですが俺ははっきりいって怒ってる人は男女問わずに嫌いです。怒るという態度は実はその人の人格にはなんら関係のない事象なのですが、そこから「なんとなく仲良くなりたくない」という先入観が発生するからだと思います。そんなわけでヒロインとの関係をそんな設定にされてしまったので、海行って、遊園地デートしたあたりでせっかく「けっこうカワイイじゃん」と思ったのに後半のシナリオはトレドのどろどろ路線で、さらに俺の嫌悪感を煽ってもうまったく立たない状態にまで追い込まれてしまいました。自分が根に持つタイプなのでさらに駄目です。
しかもあずさはバッドエンドで冷め切ったHしかできません。この能天気なキャロット世界で唯一のダーク要素がヒロインだなんて・・・と思うとやっぱ失敗だったのでは?と思います。あくまで俺個人の意見ですが。エヴァでアスカとシンジはやっぱオタクの妄想世界以外ではラブラブなシチュエーションがなかったのでやっぱこの性格の女はタクの妄想の中でだけ幸せになれるのかなー、とか思いました。

日野森美奈
・どうしてゲーム中の年下キャラというか、妹キャラはこう、アホにせっていされてしまうんだろう。子供っぽいこととアホなことは違うんだけどね。たとえば妹というのは姉に依存して臆病に描かれることが多いが実際は姉の行動を「見る」とこで学習しているので姉よりも慎重にならず、大胆、やんちゃ、積極的になるのが普通、というか従姉妹を見ていても実際にそうだ。男兄弟でも当てはまる。で、行動的なのにいざ問題発生となると年上を頼ってくるのだ。そして年上がしっかりしてないとしっかりした年下ができあがるようになるのだ。(例:梓)残念ながらも美奈ちゃんもご多分にもれずアホな年下キャラになってしまっている。ただ、このように作られたキャラは「守ってあげたい」タイプとして非常に男心をくすぐるのも確かで、攻略も一番最後の方にまわしたけれど、攻略中はしっかりはまってました(苦笑)。
ゲーム中に子犬が出てくるが、こいつがイギー並みのスタンド犬で、人語を解します。アホな犬と子犬のようにアホな美奈ちゃんの組み合わせはたまらなく俺をハートウォーミングな感じにさせてくれました。単なる貧乳・ロリ好き用キャラではなかったと、思わず熱くさせてしまいました。

皆瀬葵
アオイさんはお姉さん、というのはウイングマンの記憶が脳に焼き付いているからかもしれない。某氏の言うように彼女にミサトさんの影が見え隠れするも僕は基本的にミサトさんが好きなのでまるで問題無かった。胸も、というかスタイルも抜群だしねー。ただ、実際の経験からいうとあんまりプロポーションの良い娘の横に居るとしり込みしちゃって落着かないんだけどねー、ま、ゲームなら見目良い分にはいっこうにかまわないやね。ToHeartの志保ほどではないが、葵さんはゲーム中の明るさを保つムードメーカ的な配置なんだろうけど、欲望のままに真っ先に攻略したのでそーゆー印象は薄い。あと無理におやじギャルさせてるけどこんなカワイイおやじギャルは実在しないのでま、あまり気にしないことにしよう。
周りから明るくて悩みのないうらやましータイプ、といわれる人に限ってそこに裏打ちされたふかーい悩み等があるわけで、そこに関しては葵さんはよくできていたと思います。主人公と関係を持ってからの展開も一番らしい、というかハッピーに見えました。

双葉涼子
・僕はできあがってしまった涼子さんがたまらなく好きだ。葵さんと仲良くいつも一緒にいるくせに「自分は葵の引き立て役だわ」とか思っちゃってる涼子さんが好きだ。放課後恋愛倶楽部の椎名も親友の早苗に対してコンプレックスを持っている。人間とは弱い生き物だ。そういう弱さをうまく表現できてるとゲームのキャラクタでもかわいく思えてしまう。「人の弱さに関してはエキスパートだからね」とケイオスみたいなことを思ってしまう俺。
酔っ払った涼子さんは服を脱いでくれちゃうのだけど、服を脱いでくれる事もうれしいが大切なことは裸の心を自分の前にさらけ出してくれたことである。「私って嫌な女ね、葵に嫉妬して・・・」と彼女が心中をさらけ出してくれたところで、「お願いです、涼子さんそれ以上いわないでください」という無粋な台詞。男だったら無言でがばーっと抱きしめてやらんかい!って不満な点はそこだけ。ラストももうちょっと感動がほしかったかなー。

榎本つかさ
・多分、購入したユーザーに最も受けているのが彼女だと思う。それはそうだろう。多分彼女はユーザーに媚びるように作られたキャラクターなのだ。
Piaキャロ1では店長の妹であり、2の隠しキャラでもある留美がコスプレーヤーとして登場し多くのオタクどもを魅了してきたと思われるが、いかんせん主人公(現店長)の妹という設定上、健全なキャロットは彼女と結ばれるシナリオを用意しなかった。それがかなりオタクからのニーズがあったようで(トゥルラブのみさきと同じだ(^^;))彼女の属性を受け継いだ、攻略可能な女性、それがつかさという形で具現化したと思われる。1をやっていない以上これ以上力説しても説得力がないのでやめておく。
ただ、俺もコスプレーヤーの彼女が欲しくなるくらい、彼女はカワイイ。しかしアホである。アホな娘ほどカワイイという言葉とおり彼女は誰がなんといおうとカワイイのだった。そしてオタクどもの心無い一言に傷つき、それを慰めるというお約束的な愛の導入部も個人的には非常に感情移入しやすかったので好感度大ですな。
そういえばつかさちゃんも格ゲー得意で、女の子と対戦してーとかも思っちゃいました。(実は一度VSシティ筐体でやったことがあるが、たいして楽しくはなかった。家でコンシューマ機でやると楽しいのかもしれない)

縁早苗
・早苗さんはめずらしく姉御肌でない年上。来栖川先輩みたいなもんか。ちょっと母性を感じさせるところもね。ただ、彼女ゲームの攻略上はToHeartの葵ちゃんと同じで、彼女を一本気に攻めていくとほとんど別のゲームになってしまいます。ジョギングして厨房で働いてってゆー地味ーな一夏になってしまうのです。でも早苗さんのコンプレックスや高校時代のバスケットの思い出話などを聞くうちに、他のキャラクタよりも感情移入しやすい事に気が付いてくるのです。それは「性格の良いキャラ」には自然と気持ちが傾いてゆくものなのだ、といういうなれば「マルチの法則」、みたいなことを気づかされてしまったのでした。
早苗さんとはケダモノのように愛し合ったあげくに最後はダイエット後の姿が見られます。ラストはウエイトレス姿の早苗さんが見られるのか!とだいぶ興奮して進めたのですがあっさりその落ちは神楽坂くんにもっていかれるのでした。その分神楽坂シナリオ、ショック大だったけどね。

篠原美樹子
・どうもタクどもは自分の姿を鏡で見せつけられているという気がするためか、はたまたおしゃれでもなく、顔にそばかすがあり、性格もかわいらしいとはいいがたい彼女に対して好感度メーターを上げる事ができなかったのだろうか?俺が繰り返し言うように見た目というものはさして重要ではないはずなのだが。ま、こーゆーゲームをやる輩にはキャラデザインこそ命なのかもしない。
ミキはオタク、ってゆうか漫画家志願の女の子だ。昔、うちの妹がまるで同じ状態だったのであまり洒落になってない。主人公は成り行きで彼女の臨時アシスタントになって関係を深めてゆくわけだけど、自分の描こうとしてる漫画の実践をしてしまうというのは一種漫画書きにとっては理想の理想ではなかろうか?少女漫画家志望の彼女の語りは柊あおいの漫画を読んでいる時のように俺をふわふわした気分にさせる。Hもケダモノのようで非常に評価が高いんだけどねー。世間はそうは思ってくれないらしい。

山名春恵&かおる
・「あんね、かある、2さいなの」とかくりくりした目でいわれたら塩さんじゃなくても「俺がかおるちゃんのパパになってあげるよ」とかいいつつパンツを脱いでいるはずです。きたねーよ、子供をだしにつかうなんて。やり方がまるでエホバの証人だよ。
かおるちゃんは2才という設定だが、一応すべての言語に対応しており、電話にも出る事が可能で数字も5までは正確に数えることができる。「このレベルの人工知能が作れたらかわいいだろうな……」などという危険な妄想に途中ふけってしまった。イカン、いかん。かおるちゃんはあくまで春恵さんの豊満なボディのおまけにすぎないのだ。だが名称を「春恵&かおる」と記述せざるをえないほどかおるちゃんの存在は大きい。
最初、「まるで間男みたいだな」と主人公がいうとおり、不倫っぽい話だなとか思って居心地悪い感じだったが、次第に夫の存在が見えないことに気が付き初め、「健全なキャロット世界で不倫なんて後ろめたいことはありえん!」と自信をもって進めたところみごと幸せなオチで安心。途中「こいつ、夫はもう死んでるのに生きてるって妄想にとりつかれたかわいそうな人なんじゃ・・・」と何度も思ってしまいました。
最後、悪いスタンド使いを倒してハッピーになるのですが、全ゲーム中で「これからいったいどうなちゃうのか」一番心配なシナリオといえましょう。これに比べたらトゥルラブの主人公は果たして故郷に帰ってくるのか?なん疑問はチーズに生えるカビみたいなもんです。やはり子供の存在は大きいよな、と思わされました。
しかし、Hシーンで「ここからかおるちゃんが・・・」って台詞はなしだよな。思っても言っちゃ駄目だよ。思わず吹き出してしまったじゃないか。お前は天王寺きつねか!

神楽坂潤
・「ジュン!止めても無駄だぜ!」……ジュンというと田中邦衛コンドルのジョーが叫んでるシーンしか思いつかないんであまり素敵な名前とは思えませんな。
で、潤くん、カヲルくんかと思いきや、じつはオスカル的存在で、主人公があまりにもわざとらしく最後まで男と信じて疑わないシナリオはあきれるのを通り越してコントとして笑ってしまいました。それにひきかえときメモの伊集院は完璧でした。ってまだおとしてないんだけどね。
でもH後のシンクロ率は結構最高値を記録したかもしません。早苗さんシナリオで期待してたオチがまわってきたからです。
「神楽坂って良く見るとかわいいよな」最後の方、主人公と共に混乱してました。間違いなく。男とデートの時も楽しいときは楽しいと言ってやりましょう。

木ノ下留美
・Hができないエロゲーキャラ。まさに存在意義がみあたりませんね。
2になって主人公と血縁関係がなくなったにもかかわらず、主人公とHができないという十字架を背負わされており、1からのファンの中には血の涙を流したものもいたという。いつまでたっても綾香シナリオを求める某ゲームのファンと一緒ですな。しかし俺もキャロットのゲームの中でHシーンがないというのはかなり致命的に愛情を注げない理由になるな、と思いました。かわいいし性格もいいんだからお兄ちゃんとばかり仲良くさせないでさっさと脱がせればよかったのにねー。あずさと同じで凝りすぎてキャラが生きなかったという感じでしょうか。一応ハッピーエンドありですがファンには生殺しですな。

木ノ下祐介
・祐介店長はいつもダンディだ。前作の主人公、ということだが、どのシナリオでもダンディである。婚約者の姿が思い浮かんでこないのでやはり1もやらねば、と思ったりする。葵さんシナリオでは完全に、じょうろでスイカに水をやりながらシンジくんじゃないか」とか言ってる姿しか思い浮かばなかったです。
温泉でのぞきを敢行するときもそのダンディさにいささかもゆるぎはない。
「いうなれば浪漫だよ。男の浪漫を追求しにいくのさ」
どこまでもお供します!」を迷わず選択だ!

矢野真士
・「シンジくん!」って涼子さんじゃなくて葵さんに叫ばせたかったくされ親友です。
バッドエンドのとき微笑んではくれませんが、あずさシナリオではそれなりに「友達だよねー(死ね!)」を体感できます。どうしてもシンジではなくマサシと読んでしまうのは俺の脳内FEPのせいですな。シナリオによってはけっこう味のある脇役になってます。
あずさシナリオのGOOD、最後に出てくる手紙が泣かせます。「桂木・・・俺だ・・・」って感じです。(もうこればっか)


##最後に

この二つのゲームをあえて同時に紹介したのは、単に両方とも全キャラ制覇したからってわけではなくて、実は両方とも期間が一ヶ月という点が一緒だったからなのだ。また各キャラの解説を見てもらえればギャルゲーにおけるキャラの「配置」のパターンが見えてくるような気がする。どのキャラがどのキャラに相当するか、注意してみたい。ときメモとToHeartがたくさん引き合いにだされているのはやはり両ゲームがそれぞれ完成度が高いことを示すものである。
この二つのゲームのおかげで俺は仮想的に約2年間はゲームの中で何度も同じ夏を、冬を過ごした。で、現実では一ヶ月というのは平等に過ぎてゆくわけで、二つのゲームを通して「人間、平等な時間の中で何ができるか、必死にあがくもの」というジャシュガン先生の教えにたどりついたのでした。

おわり。