ゆうきのスタンドなエッセイ

##オレとファミレス


今、例のデニーズキャラメルサンデーをはみながらこれを打っているわけだ。
俺もバーチャルなファミレスで約半年分位すごしているんで他店の接客態度や店員のつぶ揃いなどが気になり、今までとは違った目でファミレスを観察するようになった。
ここで俺はある重要な記憶を思い出した。
確か、男子校だったあの頃、唯一接点のある女がいた。便宜上彼女をカヲリと呼ぶことにする。カヲリは春休みだか夏休みだかの間、間違いなくデニーズでバイトをしていたのだ。それと大学生になってまもないあの頃、中学の時の科学部の同期の女の子(好きな漫画『北斗の拳』)、便宜上彼女を宇津木と呼ぼう。宇津木も夏休みの間スカイラークでバイトをしていたのだ。
うちの田舎の町に最初にできたファミレスがスカイラークであり、物心つくまではスカイラーク=ファミレスだと思っていた。また、隣接する都市、宇都宮にデニーズはあった。カヲリは高校生の時に俺のいる町に引っ越してきたので、バイト先は土地感のある自分の通う女子校の近くということでデニーズだったんだろう。
今、目の前をうろうろするデニーズギャルの制服は赤坂のジョナサンの制服よりはかわいいが、確か俺が学生の頃のデニーズはアンミラまではいかないまでもなんかHっぽい制服だった気がする。
カヲリもいまでいう「セクハラ」を客からされたことがあるという話を聞いた覚えがある。
その話を聞いたことを思い出している俺は今、かなりエキサイトしているわけだが、話を聞いているその当時は鋼の心だったためエキサイトどころか、「そんなナンパなバイトやめちまえ」ぐらいの感想しか思っていなかったと記憶する。
大学1年のとき、宇津木がスカイラークでバイトしてると同じ科学部の同期に聞いた俺は奴と一緒にひやかしのためにスカイラークへ乗り込み、もくろみ通り彼女に注文をとりにこさせ、「肉は良く焼け!味は濃くしろ!」とか全然型にはまらない注文をして笑いをとったあげくにセクハラまでしてたような気がする。彼女は俺の人生で数少ない、本当の女の友達だったのだ。
両方とも非常に些細な事だ。セクハラされて傷ついているカヲリをなぐさめるうちに二荒山神社の境内でHシーンに突入・・・なんてことがあったわけじゃないし、「俺もこの夏はこのファミレスでバイトだぜ」とかいって研修旅行で怒涛のような情欲シーンへ突入なんて可能性は他の惑星から宇宙人が飛来する確立並みに小さいわけだが、そうはいっても宇宙人はやってきているわけで、「確立論からいけば凱隊長にはあてはまりませんね」とか思ってしまうわけだ。じゃなくて、こういう記憶の狭間にうもれてしまっていた些細な思い出をたかがエロゲーのくせに俺に思い出させるとは、やるなPiaキャロット2!あなどれないぜ、ということである。
よくよく考えると俺も健全なオスである以上、「俺の人生に女との接点なんて0だぜ〜」とかいっててもちょこっとはほのかな恋心が芽生えたり、寅さんのように振られたりはしてるわけで、まったくときめき度0ってわけじゃなかったんだという当たり前の事をエロゲー、あるいはギャルゲーによって思い起こされてしまったのだ。
最初ときメモをやったときも「失われた青春(とき)を求めて・・・」とかいって、開発スタッフの「俺、男子校だったっすから、男にとってなるべく幸せな環境を作りました」という発言に笑いをこらえつつやってたわけだが・・・所詮ときメモは人の作りしまがい物の桃源郷。トゥルラブや他のゲーム等の幾つかの試練を乗り越えなければ「本当の自分」を再発見することはなかったのだろう。
で、いったい何が自分の再発見なんだか、というつっこみは置いといて、田舎者の自分にもファミレスでバイトする女の友達が実在したという記憶が戻った今、「なーんでぇ、こんなんあるわけねーよ」とか「俺ならマシーンつっこんで中でウィンウイン言わせてやるよ」とかいう投げやりな発言をしていた自分が恋愛に対してまるで積極性がなかったというか「そーゆーの目的で色々なことをするのってアホじゃん」とか思っていたこと自体が何かとり返しも付かないアホな状態だったんだなーとか反省するわけです。
反省は重要だが、それは人生になんの役にもたってはくれないのだ。まさに誰かがいったように「反省だけならサルでもできる」のである。人間に必要なのは反省を生かして改革を行ってゆくことなのだ。
レ〜ボリューショ〜ン!
自己を革命する力を!!
というわけで「5人女がいりゃー、一人くらいはいいやって思う娘がいるもんだよな」とかいう不謹慎な思いで店内を見回している俺にはいったいどんな革命が必要なんだろ?とか思いつつ。
「人間のようにセンチになったわけではない」