ドキュメント
SF研隅田川花火大会侵攻作戦


7月25日零時。
そのとき私は「対コミケ対策チャットルーム」に接続していた。
相手は珍さんだけであった。2人して2台のマシンでチャットしながらエロゲーをやっている。

u-ki「あのね
珍「ぐわー、だから澪はまだやってないんだから言うなー」
u-ki「俺の七瀬に手をだすな」
珍「おーれーのーなーなーせーだ?」
u-ki「うなるよ、ぐるるるる、獣のようにうなるよ」
珍「ケッ、こいつら踊ってやがるよ。このまま怒涛のようなHシーンへ突入か!」
u-ki「いや、まだまだ。脱ぐなよ」
珍「パンツははいている」

という感じ。いやはや、すさまじい内容だ。西川口のふすまで仕切られた風俗店に友人と踏み込んでしまったノリに近いぞ。それをサイバースペースで…なにやらサイバーエイジを生きてる感触満載だ。
そこへ乱入者。マイ・サイバードッグ・1号、ジョン川西である。

ジョン「うわー、すごくT−ZONE前に人がいるよー」

そうか、今日は死すべきOS、98くんの発売日か。まぁ、死んでくれ。俺は95発売日には秋葉原にベトコンのような格好で潜入し、(冬だったな)運良く日テレの(TBSは避けた)インタビューに捕まったっけな。
「今日は何を買いにきたんですか?」
無論、Mac用のアプリです
絶句。気を取り直して、
「はぁ、マックですか、いいですよね。で、なぜマックユーザーの貴方がここに並んでいるんですか?」
敵情視察です。まず、敵のことを知らねば戦えませんからね」
絶句。まぁ、まちがいなくカットかな?こりゃ。(でも流れたらしい)
一応、目的は達成したのであとの時間は、Macアカデミーの「今Macが安い!」というプラカードを持ったお兄さんと意気投合して夜の秋葉原をねり歩いていた。
思えば苦い敗戦の始まりであった・・・そして、インターネットが爆発したのも95くんのおかげかと思うと「これが時代か」という気もするのだった。

u-ki「どこのチャンネルだ?ぐわ、ミスター・ビーンだ。勘弁しろ」
珍「どこもニュースなんてやってないよ?」
ジョン「今、T−ZONE前です」

なにぃ!馬鹿かこいつゥ!ってゆうか勇者だよ、勇者。
しかも、歩きながらチャットしてんのか・・・サイバーだな。モバイラーだな。

ジョン「私だけじゃないですよ。けっこういますよ、ソレらしいの」
u-ki「ソレらしいのじゃなくて、そーゆーのばっかが集まるイベントに参加してんだろーが!」

しかし、勇猛果敢、時々刻々と生々しい98発売イベント中の深夜の秋葉原レポートが続く中、我々はONEプレイに没頭していたのだった。
アップグレードしないと死ぬ、ってゆうか、殺します
とでもパソコンが警告してこないかぎり無縁なOSである。95にIE4くっつけたのと何が変わるというのか。

ジョン「はっ!活動限界です!」

「男の戦い」のシンちゃんみたいな顔しているのか、奴は。と思いつつ我々はチャットしながらONEを進める。

珍「犯人は、おまえかもしれないぃ!」ビシッ!
u-ki「それ、東鳩で委員長いじめてたやつだよ
珍「こ、これは…確信犯か、タクティクス!」
ジョン「ふぅ、今、ソフマップで電気盗んでます。あぁ、もう蛍の光が・・・」
u-ki「どーすんだお前?どうでもいいが明日の花火、遅れるなよ」

そうなのだ。明日(ってゆうかもう今日)25日は久々のSF研の野外イベント、隅田川花火大会なのだった。

u-ki「もう3時だし、明日もあるから寝るぞ」
珍「もうすぐ七瀬クリアだ。じゃあね」
u-ki「じつはこれからキビチイ試練が待っているんだけどね。じゃあな」

チャット終わり。

実は火曜日に第13独立機動艦隊所属のRから作戦概要の説明を聞いてはいたのだが、土曜日は会社に寄りたかったのですべて奴のお任せにしておいたところ、「すでに陣地を確保しています。ネットに告知してください」との無線が入った。偉い。
「エライ気合の入れ様だな。一人で大丈夫か?」
「現役2、3名の応援を呼んでいます。明日まで頑張ります」
ということだった。うーむ、若いってのはいい。とか思いつつ寝る。

午前中、私は新宿である。無線が入る。
「私だ」碇ゲンドウも真っ青の応対である。
「Rです。ゆうきさんは今どちらですか?」
「新宿である」
「お茶の水に私が増援部隊を牽引しにいきます。この場はナカムラ、ナカス、ダイチに任せます」
「そうか、俺も15時には茶水へ向かい、しんがりをつとめるつもりだ」

で、あっというまに15時。俺は少し遅れ気味である。
駿河台の部室前にはわんさかと人が・・・ってアレ?部室が閉鎖されている。
その前にはマリックのようなコスプレのジョン、人間狩猟機3号、R、の3名しかいないではないか。
「これはどうしたことだ!もう集結時間は過ぎているぞ」
「うーん、人が全然集まりませんね」
「もう少し待つか。珍もここにくるはずである」
時間は刻々と過ぎ行く。カードキャプター・ヤマザキが合流するも、我が地球人類艦隊はわずか5隻である。
「ナカムラより、緊急入電!」

・・・ハラヘッタ。凄イぷれっしゃーデス。殺ラレマス。三隻デ現状維持ハ不可能、応援求ム・・・

「何!どういうことだ?」
「今回、かなりいい場所をかなり広範囲で押さえているんですよ。しかも立ち入り禁止区域とかなんですよ。けっこうあの場所を3人でっていうのはツライはずです」
「すぐに応援を派遣しよう」
「しかし、場所は私しかしりません」
分散するほど戦力がないことは目に見えている。決断を迫られていた。
「よし、あのジャンプポイントは死守せねばならん。全地球人類艦隊はただちにジャンプポイントへ集結。戦艦ナカムラの援護に向かう」
こうして急遽、クレージーSF研隅田川中心殴り込み艦隊を編成した私は立場上提督として浅草橋の先、隅田川のほとりにある「ジャンプポイント」を目指して発進したのである。
お茶の水駅で新型巡洋艦チンと合流。艦隊は6隻のV字フォーメィションで浅草に向かった。

「ナカムラの状況はどうか?」
「ナカムラはバリアを展開しているので、まだ一次装甲はもっているようです」
「ふぅむ。そのバリアをラングストンフィールドと呼称しよう。奴の装甲は最新の56段積層装甲だ。そう簡単にやられはせん」
とはいうものの、心配ではある。
護衛艦のナカスとダイチも燃料がつきかけている。それに経験が浅いのだ。
「くそう、ヤマダを配置しなかったのは俺のミスだな」
SF研が誇る、人型最終決戦兵器ヤマダゲリオンを配備しておかなかったことを悔やみ、俺はひとりごちた。アレ一騎で大抵の人畜の侵攻は防げるというのに・・・
そのとき、また無電が入る。
「私だ」
「サカモトです」
そう、それはSF研が誇るグレーティストOBサカモトさん、その人であった。
「状況を報告せよ」
「ただいま我々、隅田川中心殴り込み艦隊は6隻で新鋭戦艦ナカムラが死守するジャンプポイントへ向け、移動中です」
「場所どこなの」
「不明です。Rのみが知っています。方面としては浅草です」
「では、俺もそこをめざせばいいんだな」
「今どこです?」
「強襲揚陸艦の中」
この人の凄いところはこの場合の発言が嘘ではなく、ほんとうだ、ということだ。
この人の発言の80%は嘘である。だが、残りの20%は誰もが「うそだぁ!」と思う内容にもかかわらず真実なのである。今、潜水艦の中だとか、香港だとか、いわれても俺は信じたであろう。そしてそれはほんとうなのだ。
「場所的には?」
「横須賀」
やはり、米軍基地のオープンハウスにでも潜り込んでいるのだ。
「今、本当に強襲揚陸作戦をUSマリーンの皆さんと海軍の皆さんが実演中で、俺も参加しているんだよ」
「では現地に直行してください。浅草近くからは電波誘導します」
「了解」
つい最近まではどの部隊にも携帯電話やPHSを持った通信兵が必要であり、それは限られた人材であったが今や部員総通信兵時代である。便利になったものだ。
おっと、群集の中などではPHSは使用不能になる。危険である。

途中、「スターシップトゥルーパーズ」の皆さんのような、蒼い服の頑強そうな雄がすし詰め、というか格納されている、金網のついたバスに何台も遭遇する。
「降下だよ!降下準備だよ!」
円錐形の尖ったモノが小さいタレットにのっている戦闘車両
などにも遭遇し、興奮しはじめる。
「あれで、俺を撃つつもりだぜ、あれで俺に凄い勢いでただのきれいな水をかけるつもりだぜ!」
いよいよ士気が高まってくる。
「ドリンク・スカウターに注視せよ!」
「は!提督。すでに、ジュースが130円を示しています!」
「なに!」
それは予期されていた超自然現象とはいえ、唐突だった。我々はジャンプポイントに付く前に、安価で適量の酒・ドリンク類を確保する必要があった。しかしまさか、駅から数十メートルですでにジュースが10円上がっているとは。
「そりゃぁ、祭りの中心地では『これでもか、これでもか!』といわんばかりの値段になっているにも関わらず群集どもは我先に『クレクレ!』ということになるんだから、恐ろしいよ」
「まさに不可侵宙域ですな」
我々はコンビニで適当に飲料とビールをGET。しかしどうにもすぐマンガや雑誌のコーナーへいってかごにそれらをつっこみたがり、なかなか普通に買い物もできない。
途中、タオル問屋に巨大東鳩のバスタオルを発見したり、けしてばら売りしないプラモデル屋を発見したり、なかなか浅草問屋街のおもしろいところを歩いていることに気が付く。そして、
「くお?なんじゃこりゃ?」
その小さな看板にはこう書いてあった。
『台湾に関する一切のこと、応じます』
「なんだこれは?」
「台湾防衛のためのミサイルください、とかもOKなのか?」
「台湾のマザーボードください、とかもOKなのか?」
「台湾で核実験したいんですけど、とかもOKですか?」
「ジョン、デジカメだ、デジカメ!記録しろ!」
とか、ますます辺境宇宙に来たらしく、怪異な現象や人物が待ち受けていた。
「うわ、ルリルリとゲキガンガーの人だ」
「げ、デブのスレイヤーズの女だ」
彼女らはいつかのサンケイ新聞の3面ぶちぬきナデシコ特集を体現している人たちだった。熱いので彼女らのくばるうちわをもらう。ジョンにはデジカメで記録させる。
「ヤマダが大喜びしそうな感じだな」
「映画館の人なんでしょうか?」
ようやく道端に、蒼い服の皆さんが整列してブリーフィングしている光景が目に付きはじめる。茶色い衛生兵みたいな人たちや二次対戦中の内地の人のような姿も見え始める。戦闘宙域に近づいているのだ。
すでに道端に座り込んでいる者もめだちはじめ、交差点には人間がひしめきあっていた。
「ユカタのお姉ちゃんがいっぱいいて嬉しい」
ONEの主人公のように
思ったことを口にしてしまう体質の私がふとつぶやくと、周囲の視線が痛かった。周囲、といっても艦隊の皆ではなく、一般民間人のだ。
ユーキさん、はずかしいのでそーゆーこと口にださないでください」
「だってなぁ、今そうゆうフェアやってる時期だなぁ、とか思うとついうれしくなってなぁ。だーたでそういうお店の雰囲気が味わえると思うとな」
「そーゆーお店・・・・」
「そーゆーお店ですか?」
「ああ、やはり娑婆の空気はうまい。ただだし。赤坂では空気代は1時間8千円くらいだぞ
歩きながら社会科の講義をしてしまった。
だが、ジュース類を安く買うためとはいえ、少々距離がありすぎるのではないか?と思いながら歩いているとビールはすでに350円になっていた。これで正解か。
と思うと、
「は!ビールが300円に戻ってる!」
「ジュースも120円!」
「やきそばもたこ焼きも普通だ」
「うーん、ドーナツ化現象ですねぇ
そうなのだ。
花火見物の中心区域では熾烈な過当競争のため、不当な値段の吊り上げは死を意味していたのである。ここはリングワールドなのか?不思議な現象が多すぎるぞ。

いよいよ川沿いに歩いてナカムラが死守するポイントに向かおうとすると装甲化された警官隊が作るフィールドによって進路は塞がれてしまった。
「ここは通れません」
「ここで花火を見ることはできません」
とたんにナカムラが心配になる。
「アール!奴等は大丈夫なのか?国家権力に全滅させられているんじゃないのか?」
「多分大丈夫です。こちらから回り込んで侵入しましょう」
われわれは危険の多いイゼルローン回廊を避けて、というか無理矢理シールドされてしまったので、大回りに回避行動を取った。果たして中村くんほか、現役の連中は無事ジャンプポイントを確保しているのだろうか?

みごとな川縁の広大な領域を新兵3名は確保していたのだった。大の字に転がっている。
「ハラがヘリマシタ」
「ご苦労。任務交代だ。飯でも食ってこい」
時計を見る。16時半である。
「いやー、もう昨夜から暇で暇で死にそうでしたよ、、」
「ファイブスターでもやってりゃよかったのに」
「風でカードが飛んじゃうんですよ」
ファイブスターは私が現役のときのゲーマーとファイブスターマニアが協力して開発したSF研のオリジナルカードゲームだ。開発されてもう8年になると思うと自分がいかに年をとったかを思い知ることとなる。マンガが進むたび進化改良が加えられ、いまだに卑怯なカイエンやユーパンドラ使いを生み出している。コミケでも買えるかもしれない。

昼ごろは晴間も見えたというのに今は雨が降っている。
果たして、打ち上げは実施されるのであろうか?
日頃の行いを呪いつつ、空をにらむ。
花火大会実行委員会よりオールチャンネル放送があった。

本日の隅田川花火大会は決行。繰り返します。本日の隅田川花火大会は決行。

「よぉーし、みんな、喜べ。打ち上げはとりあえず決行だ。若い連中はよく頑張ってこの観測ポイントを死守してくれた。みんな打ち上げまであと2時間、もう少しがんばってくれ」
オネアミスの翼みたいですねぇ
「ああ、雨が冷たい。せめて気持ちだけでもそんなふうでいようぜ」
突然私の声は森本レオになった。

「サカモトさん到着!」
「なに!川の上には何も見えんぞ!」
「って、歩いてきたんだよ」
「あれ?強襲揚陸艇は?」
サカモトさんは絶対腕組みして水上から現れると思ったのに
そんな不満が漏れる。雨も強くなる

「みんな、打ち上げまであと1時間半だ。それまで各自馬鹿な話でもして気を紛らわせるんだ」
開始一時間前。まだ第二ジャンプポイントを占拠してる連中は合流の気配を見せない。
「ここまできて警官が立ち退きを要求しても俺が前面にでて断固戦うぞ。数は多い方が良い。第二ポイントを撤収して直ちに我々の第一ポイントに合流せよ」
しかし、無線に応答はない。
ようやく、奴等もあきらめがついて第二観測ポイントは放棄。合流してくる。
雨の中、水の溜まったビニールシートで大富豪をやっている。たいしたものである。
「ありがちだな。目的と手段が逆転してしまったのだ」
「いわゆるひとつの逆転世界なわけですな」

いよいよ打上げ間近、というとき、上空をヘリが飛交う。心なしか、上空を通過するとき雨が多く降るような気がする。
「だれかあのヘリを落とせ!」
そんな叫びを上げていると、
どどどっどど!
ついに打上げが始ったのである。
「おおおおおおおおお!」
いっせいに叫ぶ人々。
もうここからは花火に夢中である。

「たまやー!」
「?なぜ『たまや』なのだ?『松屋』とか『吉野屋』でもいいではないか?」
「えーと、それはですね、昔、『玉屋』と『鍵屋』というのがありまして・・・」
とにかく、普通の掛声ではつまらん。
そこで私は考えた。

ひゅるひゅるひゅる・・・
「せつなさ!」
炸裂!
どどぉーん

新しい日本の花火鑑賞方法の確立であった。
ナチュラルハイ状態の我々の騒ぎようといったら一般民間人にはそーとー異様に映ったに違いない。だが、それをはねつけられるのが集団行動の強みだ。

で、赤と青の明滅が我々を襲う。
「よし、あれをピカチュウ玉と命名するッ!」
部屋の明かりを明るくすることを要求する
そんな感じでそりゃもう大騒ぎ。

そこで緊急電文入電。
「ヤマダがすぐそこまで来ているそうです。どうしますか?」
「馬鹿野郎!今ごろ来ても遅いんだよ。この人ごみの中、誘導できるか!」
しかし、後輩連中はうだうだ云っている。
私は携帯電話を持つ3号に向ってするどく命令した。
「こう伝えろ。ヤマダ、地下(ドグマ)に降りて槍を使え
「・・・」
時間がない、急げ!
というわけでヤマダに対する処置は済んだ。奴を地上に上げてはさっきのルリルリお姉さんになにをするかわからんからな。

30分遅れで第二開場でも打上が始る。
場所の関係からそれは見えないが、実はビルに反射して見えるのだった。
「なーんか、あそこらへんでゴジラvsスーパーXが展開されてますな」
などといいながら反射光を楽しむ。

しばらくして、新作花火コンテストが始るという。
「コンテストが一番面白いですよ」
「新型か」
「新型といえば、正面装甲が傾斜している」
「落ちて爆発する」
「ゼリー状のオイルが満載」
「核反応物質含有」
「多段階式に加速してゆく」
「第一宇宙速度を超える」
我々の想像は果てしなく続く。

というわけで、『花火画像』はこちら。デジカメでも結構撮れるものだ。
・『花火1』
・『花火2』
・『花火3』
・『花火4』

風がない、湿った空気のせいか、ぜんぜん爆煙が消えない
「ぐわー真白だぁ!」
「硝煙の匂いが俺にはにあってるぜ」
「ってゆうか、ここら一面、煙がたちこめはじめてますよ」
ほんとにもーしょうがねーなー、って感じである。
客もほとんど残っていない。

とどめくらえ!といわんばかりの最後の連発は口をポカンとあけるぐらいみごとであった。爆煙がなければな・・・

というわけで我々も帰路につく。
すんごい人だ。
警官も死にものぐるいだ。
「あ、なーんかすげーサーチライト」
「うーん、サーチライトの逆光とこの群集、となれば、あれしかあるまい。ジョン、カメラを用意しろ!」
パシャ。
というわけで『偽・盗まれた街』(ハヤカワSF文庫)の表紙の出来上り。
結局我々はその後、上野まで歩いてしまった。
で、居酒屋『庄屋』にてべとべとの足のままあぐらかいて酒を飲む。
そこでなんやかんやでSF談義。
「ゆうきも来年はSF大会、復帰しろよ」
そうだなぁ、なんかSF熱も再燃してきたし、いっちょやったるか、と決意。
で、かばんをなにげに漁る。
げ、貸出し用の『スターシップと俳句』がぁ〜!ふやけているッ!!
泣きながら水抜きをしました。

まぁ、というわけで、久々のSF研団体イベント、なかなか大成功だったのであった。

完!

「ところでゆうきさん、今思い出したんですが、あの時、ヤマダに『槍を使え』って命令してからほったらかしだったんですけど・・・」

「そ、それはうかつだったな。浅草駅周辺で警官がぎゃーぎゃー云っていたのはそのせいかもしれんな・・・明日の朝刊をチェックだ!」
で、次の日の新聞に、アラブ人が下半身をむき出しにして暴れた、とか、死人が出た、とかいう記事は載っていなかったのでひとまず安心したのでした。

<劇終>