U-kiの読書日記(99/11/20～99/12/18)

U-kiの読書日記(99/11/20～99/12/18)

ジョルオフ＋読書系忘年会に参加。 - 99/12/19 00:00:00
本日の調子: シーザーとシーサーは似ている。（後者オキナワン）

コメント:
＃１２月１８日
そうか、カレーオフは読書日記に、カロリーオフはメモ帳に。やっぱ自分でも混乱してるな。これにスキャナー掲示板もあるんだから。書き場所統一しろよ！＞俺。
さて、かわかみさん命名＆仕切りの「ジョルオフ」という名目の昼の部はカレーオフの冬版という感じ。
そういえば最近のかわかみさんはひらがな表記がオフィシャルなのか。カナザワさんとカワカミさんが紛らわしかったからかわかみさんはひらがなへ、kanazawaさんはローマ字表記へ流れたと記憶するが。じゃあ俺がユウキというカタカナ表記をもらおうか。＞意味不明。
早起きはできたものの、やはり体力限界な感じ。行きの電車の中の暖かさにうとうとしてしまう。
かわかみさんからの２度目のメールが届かなかったので１３時にハチ公前に来てしまう。不達の予感はしていたので、携帯に電話してとりあえず集合場所が同じなことに安心して時間を潰すためにシブ地下にもぐったら巨大ツタヤに潜り込むことに。
スゲーよ、ここ！って感じの空間でした。まさに「未来世紀ブラジル版ビデオレンタル屋！」って感じ。なんでもありそうだけど、広大すぎて目的のブツにたどり着けないのでは？！って感じ。ＤＶＤレンタルもどかっとあったし。で、そこに『ローラーボール』のＤＶＤを発見。売ってくれ！（超懇願）しかも最近個人的にお気に入りの「スターバックス」と合体してるし、何故か雑誌コーナーがあって、「ａｎａｎ」から「本の雑誌」とかまで取りそろえてあってなんでこんなに種類豊富なんだ？！と疑問になる。そうか、ＡＭ６：００までＯＫなのか、これならイイかも、って思うが、ＧＷくらいまでは見る暇自体がなさそうなんだった。
うがっ！映画生活強化したくなるザマス！アンソニー・パーキンスとアンソニー・ホプキンスを混同してしまうなぞ、弱りまくりもいいところだ！
で、３０分後にハチ公（『蜂工場』にあらず！）付近に集結。参加者は青木みやさん、雪樹さん、お給仕犬さん、りなりなさん、かわかみさん、kanazawaさん、溝口さん、わし。おお、スバラシイ男女比だ。女性陣には新型携帯電話のデザインの好みについてのアンケートという非常に楽しそうなものがやってくる。くそぅ！男子の意見もちゃんと聞けよ！俺にはカップラーメンのアンケートしかこなかったのに。（これは「俺はラーメン食べないから」と丁重にお断りした）
で、りなりなさんの見つけてくれたパエリアを喰わせてくれるお店へＧＯ。「パエリアってあのカラス貝みたいなのが満載のやつ？」「ムール貝です」おお、奥が深い。まぁ、魚介類が嫌い、といっても食べて嬉しくないだけで食べられない訳ではないということを話して店へ向かう。
渋谷は殺人的な人混みだなぁ、などとおもい、Ｒ２－Ｄ２のインテリジェント・ｌｅｇｏが欲しいなぁ、とか思っているとお給仕犬さんが「総統！アンミラありますよ。一人で行って来てください」って俺はどーゆー人間だと認識されているんだ？！と思い「ちはらさんもお友達の誕生会でアンミラを使ったと書いてあるではないか！」と反撃すると「総統の場合はそれと違うでしょ」とかなり正確な指摘を受けるが、うぅむ。なるほど、人間、あまり本当のことを云われても腹が立つというのはこーゆーことか、と一人納得。
着席し、なぜか「食事が出る前にジョル(jornada680)を出す」ということになる。そういえば我々ジョルナダ同盟員のマシンには各自固有名詞が付いている。
u-ki=ジョルノ
kanazawa=ジョルジュ
かわかみ=ジョリイ
である。当初はこれで野郎が３人赤外線やらコンパクトフラッシュやらでちまちま情報を交換し、電脳機械談義をするだけの集まり、というコンセプトだったのだからはたから見てかなりヤバイ集会になるところだったのだ。（ホントか？）
「総統、ジョジョにしないんですか？」という質問もあったが、ジョルノ・ジョバーナのことを誰もジョジョって呼んでいないのでジョジョとは呼びません（苦笑）。
かわかみさんのＨＰ純正レザーケースを見せてもらう。おお、何か巨大なシステム手帳のようでカッコイイ。クッションも入ってなんか丈夫そうだ。フロントのカード入れはＰＣカード入れだったらいいのにー、とか思う。俺はエクストリーム・リミット製のレザーボディスーツを見せる。やはり穴が開きすぎだよね（苦笑）。
かわかみさんはカロリーオフ（別名：第一回ジョルナダ同盟集会）後、ハードリセットして全部自分で設定をし直してkanazawaさんが施したカスタマイズやTipsを全部自分で覚えたそうで、その進歩具合はスッキリとしたデスクトップを一瞥してわかった。「俺、何もわからないんですー」と云っていたかわかみさんはもうそこには居ない。やはり人間進歩が必要だ。ウチの上司なんか未だに自分でＯＳインストールできねぇんだもんな。
kanazawaさんは200LXを買ってしまったという。うぐぅ！若松通商に山積みになってる在庫はこーゆー人のために！と驚きつつもやっぱ小さい機械はイイ、と思う。しかもキーボード付きの奴は特に。俺も最近１万円でPC-110を入手した人のページとかジオブリを見てウルトラマンＰＣが猛烈に欲しくなったり、日経モバイルの記事読んで200LX欲しくなったり。最近はカシオペアforDoCoMoとかが激安で売っているが音がモノラルなので買わなかった。あれで出力がステレオならＰＭ３プレイヤー実験マシンとして買ってもよかったのに。ワークパッド+片手キーボードとかいまだに欲しいけど、ザウルス型のキーボードのない電子手帳型マシンって今は携帯電話がインテリジェントになってきてるのでもはや不要なんだよなぁ。
kanazawaさんは「Morphy One(仮称)」も予約したそうで、心底モバイルマシン野郎なんだなぁ、と感心する。モバギもたくさん持ってましたもんねぇ。kanazawaさんはメインディッシュが出る前にお仕事をするため一旦離脱。うーん、なんかやっぱ今年は俺の周りは忙しい人ばかりなのだなぁ、と再認識。俺も愚痴ってはいられないなぁ。
シーザーサラダとうぐいすパンの話とタコスとパスタの話なぞをして「食」に関する知識を深め、Ｙ２Ｋなぞ糞喰らえだ、と云っていると超巨大な円形鉄板に乗ったパエリアが登場。俺は驚いた。普段、飯は貧弱な店でしか食わないのでこーゆーのを見ると「食文化」という割と生活に密着したトコロにまだまだ未知のものがあるのだ、とおもわず感動してしまったりする。というわけで、人生の役に立たない知識満載の俺が１円の価値もない雑学のお話を山盛り聞かせてあげるのでそのかわりに普通の人が知っていて俺が知らないであろうこーゆー食い物とかを食わせてくれる店に誘い出して欲しいではないかっ！と強く意識する＝デートしたい＆デート仲間募集！、と思う俺であった。
そういえばリベンジの誤用の話も。リベンジなんて俺の常套句だったのに、松坂が使っただけで今年の流行語になってしまうとはＦｕｃｋ！しかも「復讐戦＝２度目」の意味で使ってるよなぁ。でも誤用だの駄洒落だのはわかってて使うのが楽しいのだ。ビバ、低冗長度of人類。
青木さんのカンドーの後輩との再会がここで発生。カロリーオフの時は溝口さんだったのでちょっと世間の狭さに恐怖を覚える。次は俺かも（どきどき）。
カレーオフの時と同様、飯後はBook1st.になだれ込み、あれこれ本のうんちくを垂れ流しながら店内をうろうろする。俺は久々のまともな本屋だ！とうかれつつもどうせ買っても読む暇がないので唯一のターゲット山形浩生先生の『新教養主義宣言！』だけだぜー、といいつつもなかなか見つからず、バイトの兄ちゃんに聞くと社会学のコーナーにあるので３Ｆだと云われる。で、それだけだぜ、と云っていたのになぜか手には紙袋が。買ったのは深町真理子先生の翻訳業エッセイと三省堂から消えていた神林の『魂の駆動体』（本当は『言壷』もほしい）あとはやっと出たって感じのホールドマン『終わりなき平和』。どーれ、と思って後ろの紹介文を読んだら「遠隔歩兵戦闘体」という謎の単語がッ！もーダメ。即購入決定！
で、「このミス」のコーナーで「このミス２０００」とか「本の雑誌」とか「ダ・ヴィンチ」とか今年のベストもの企画の本を物色してやっぱ買うのは「このミス」だけにしよーと思って手にするとお給仕犬さんに「総統はミステリ読まないからこんなの必要ないでしょ」と云われる。いいの、『カムナビ』の評価とかやっぱ気になるじゃん！「このミス」のミステリ以外の評価が気になるから買ったの！ということにしておく。
Book1st.は普通の本屋には「今月の分」しかないハルキ文庫が大量にストックされていたりして良いですな。お姉さま方、頼むから「クラニーの本だわ！」「そういえばアズレーのところで…」とかなにげに云うのはやめてくれぇ。俺内部で何かお耽美な世界が広がってしまう～。
しかし、本屋の棚に並べられた本を見ながらあれこれ話をしているだけであっというまに時間が過ぎてしまう。ってゆうかこのしゃべる形式での本屋巡りはこの手のオフにおける最も楽しい行為の一つ。うーむ、本好きのギャルとデートとかをするとこーなるのでは？という妄想が膨らむ。メカフェチの娘とアキバを巡ると……とかこの手の妄想は始めるときりがない。
で、その後喫茶店になだれ込む。ここのケーキセットは何故か「お好きなもの２個」とあり、「小さいやつが２個なのかな？」と思いつつ注文すると、すげー普通サイズ、ってゆうかむしろでかいケーキが２個付いてきてぐったりする。こんなん食べたら夜の部食えないよぉ。あげくに俺の注文したものはことごとく品切れ、と云われる。「ツイてねぇよ、アニキぃ！」という気分になるが、本日休めているだけでツキは使い切ったと思っているのでくじけない。「この店はギャルと二人できて、野郎がケーキセットを注文、女子は飲み物のみ、とかで利用するのが正しい」といったら「別にギャルとじゃなくても」と云われる。みんな、ロマンがねぇよ。
で、本の読み方の話や古本鉄人の話や俺だけがプレミスコン不参加メンバーなので色々ミスコンや若ミス３人衆のことを質問したりする。うーん、やっぱ大変そうだなぁ、ミスコンは。
溝口さんから『漂着神都市』『百万年後の世界』『腐食の惑星』『永遠へのパスポート』を譲ってもらう。前者３冊は溝口さんの感想を読んで読みたくなった本なのでちょっと期待。しかも『漂着神都市』は「ロボ・ゴッド・シティ」というルビがついていてかなり期待度大。
なぜ急遽夜の部の会場が変わったのか、詳しい顛末を溝口さんに聞く。原因は人数の肥大化にあるらしい。確かに１８人は多いよな。昼の部は７、８人でカレーオフと同等。やはりこの程度の人数の緩いオフが定期的にできるといいよね、とかわかみさんとちょこっと話す。曜日と場所を決めて適当に集まる。…ってそれはまさに部活動ですな！（「偽ユタ」という呼称は皆に嫌がられた）是非この計画を詰めていって欲しいもんである。
気が付くと１８時をとっくにすぎており、夜の部の会場・新宿へ移動する。ここでお給仕犬さんと青木みやさんは一旦離脱。ＪＲ渋谷駅の券売機前はもう何か異常事態が起こったのではないか？と思うほどスゴイ人で、くらくらする。
ＪＲ新宿駅西口改札にぞくぞくと参加者が集結。別れたkanazawaさんも復活している。で、西口を出たところにあるというチーズフォンデュ屋「ヨーデル」へ。そーいえばチーズフォンデュは学生時代、初めて札幌に行った時に食して以来だなぁ、と感慨にふける。
西口といえば「おもいで横町」の火事があったばかりだし、デパートしかないイメージだったのでいったいどこに店があるんじゃ？と思っていたのだが、大変わかりやすいトコロに店があった。
店に入ってから安田ママさんとニムさんと寮美千子さんが合流。結局こられなかったのは【RIKI】さんだけ。
とりあえず乾杯してもりもり食べて歓談。
参加者差分は、wimさん、小笠原さん、ジョニイたかはしさん、森太郎さん、森山さん、矢田貝さん、七沢透子さん、ヒラノマドカさん、安田ママさん、ニムさん、寮美千子さん。
wimさんが誰ともお初。
七沢透子さんはミスコンの人なのでダサコニストの方とお初。
小笠原さんはダサコンには来ていなけど、面識はある。
りなりなさんはカロリーオフで会っている。
という感じなので、一応自己紹介をする。形式はwimさんのところに遠く離れた席の人が挨拶をしに来る形式でなかなか異様。wimさんは恐縮していたご様子（笑）。wimさんはてっきりミスコンに参加してる系の人かと思ったら「ＳＦ過激派な人なので違います（by溝口さん）」と云われる。そうか、日記は読んでいたんですけどね。しかも年上の方だと思っていたらずっと若い方だったのでびっくり。うーん、ダイジマンさん以来の年下ショックだ（笑）イーガンの話で「Ｐ３モッドが欲しい」と云ったり俺と谷田貝さんのグリーンマンほか特撮オタ話にも追従できていたので是非次回ダサコンには参加していただきたく思った次第。出版・編集のお仕事、ということで寮さんが売り込んでいました（笑）
七沢さんはミスコン参加系、というか女子集中席（遠い）ところにいたので一つもお話できなかった。かわかみさんが「七沢くん」とくん付けで読んでいたのでもっとボーイッシュな学生さんを想像していたのだが全然違うかわいらしい感じの女性だったのでちょっとときめいたが、全然お話できなかったので残念。ＳＦは読まなそうな方ですな。
笑うとおなかの傷がまだ痛い寮さんを世界名作劇場ネタで笑わせたりしていたのだが、「今日で外出歩いたの２回目～」という予想以上の寮さんの病み上がりぶりにびびる。そしてネット上で作品を公開したり、ネットで作品（本）を個人で通販する計画などを聞かせていただく。しっかり養生して来年はインターネット作家としてぶいぶい云わせていただきたいですな。
隣にいたジョニイたかはしさんとはＢＳデジタル放送のunicodeの規格について愚痴る。郵政省、殺すぜ～。恨むぜ～。
隣にいたヒラノさんはすっかり脳がオキナワンになっているというので、思い出の沖縄映画『ベストキッド２』を薦めるが、嫌がられる。なぜ？！すごいぞアレの沖縄像は。見もしないで嫌がるのは駄目ッ！というわけで好き嫌いの話。今回店を選ぶにあたってのアンケートで「魚介はイヤ。カニはさらにイヤです」といちゃもんつけたのは俺なのだが、魚介は嫌いなだけであって食えないわけではない。どうせ喰うならイヤじゃないものが喰いたいと思っただけである。さらに経験上、カニはみんなカニを分解して喰うことに夢中になり会話なしでもくもくとカニを喰う姿が予想されたので嫌がったのだった。で、ヒラノさんは好き嫌いはないのかと聞くと「特に好き嫌いはないけどカボチャだけ駄目」という。何？！カボチャといえば「冬はカボチャ！」というくらい俺の好物のものではないか、と思ったが、よくよく聞けばもさっと甘いものをご飯と一緒にたべるのが嫌いだという。俺の先輩に生のトマトだけが嫌いという人がいて、なぜ？と聞いたら食感が嫌いといっていた。俺の死んだおばあさんは牛乳が嫌いで、匂いが嫌いだったので牛乳臭いものは料理しても駄目であった。波平さんはシナチクが嫌いで理由は確か、好物だったのだが、ある時山盛り食べ過ぎて腹痛を起こして以来駄目になったという。うーむ、食べ物の好き嫌いって人それぞれ理由があるんだよなぁ。というわけで、ヒラノさんのカボチャだけ駄目も納得しそうになるが、寮さんが「じゃぁ、煮豆とかも駄目なわけ？」「駄目です」って、全然カボチャだけじゃないじゃん！「まぁ、大阪人なので納豆はちょっとなぁ」というので「全然カボチャだけじゃないじゃん」とツッこむと「まぁ、アレは喰わず嫌いだから」。却下だッ！それは立派な好き嫌いではないかッ！ってゆうか喰わずに嫌いなのは本を読まずに「カム○ビは駄目！」とか云ってるのと同じなくらい駄目ッ！批判したり悪口云ったり嫌いとか云うためにはソレを経験しなきゃ。たとえ生理的に体験する前からイヤだとわかっていても！
好き嫌いの話の後、「『鉄男』でどうしても眠ってしまう」という衝撃の告白とかで塚本晋也談義をして、森さんに『デッドオアアライブ』を猛烈にプッシュされ、林さんとの邪悪スタンスの違いを聞いて理解を深めたあたりでお開き。
店を出て例によって「西武」（「みんないい加減場所覚えろよ！（byかわかみさん）」）へ行くとやはり１７人という人数は受け入れてもらえず。以後、小一時間ほど流浪の民と化して気温６度の新宿の街でジプシーと化すも、安住の地は見つからず。コーヒー買ってきてそこらへんで車座になって語るという話もあったが、もうおぢさんの仲間入りをしたと自覚している俺はちょーっとそれは遠慮したく、猛烈に西方面のファミレス行きを推奨するが、森山さんに「行ってもどっちにしろ混んでいて入れないでしょう」と問題の根っこを指摘されてようやく我に返る。で結局、各自解散ということになってしまった。俺的には体力限界でかなり眠まっていたので丁度良かったけどね。
うーむ、しかし、安田ママさんやニムさんとＫａｎｏｎの話ができなかったし（ママさんとはジプシー中にちょっと話した）、誰かに柊あおい先生の「サイレント・ベル」を読ませて反応をみたりしたかったのに実施できなかったし、雪樹さんとヒラノさんのお誕生会も兼ねているはずだったので途中でなんかプレゼントでも買おうかとか思っていたのもすっかり忘れるし、なかなか消化不良であった。今年はなかなか有言実行力が復活してきて良い年だったのだが、口にしないことは実行できないもんだなぁ、と改めて実感。俺の場合はなんか宣言とか公約とかしてしまえばいいのかもー、と思う。（うぐぅ、そういえば「Ｋａｎｏｎのレビュー」と「もてない男・総括」が未ではないかッ！）
とはいえ、ひょっとしたら以後、１月４日まで休みなしかもしれない俺にとって今日はマジで今年最後の休日になったかもー、と思うと感慨深い＆かなり悲しい。
ダサコンスタッフが全員忙しくてひとつも「ダサコン３」の話が進んでいないけど、来年中には必ず実施するので（半年に１回だと誰もが思っている定説をいきなり覆すことはありうる）焦らずにお待ちください。まぁ、最悪、「企画」はおまけというか、チーズに生えたカビみたいなもんだと思っているのでいざとなったら思いつきで一晩「朝陽館」を借りて宴会、とかやってもイイと思ってますんで。
というわけでまだ今年を忘れるわけにはいかんのだが、忘れたことにして、皆さん来年もよろしくぅー。ということでおしまい。

ジョジョ＜６＞　第２話、読む。 - 99/12/14 00:00:00
本日の調子: 走れジョリーン、とぅるるるるるる……もしもし、こちらドッピオｄｅａｔｈ。

コメント:
＃１２月１３日
思いっきしはめられてますな、ジョリーン。
しかし、日本の少年漫画でこぉーんなハリウッド映画の脚本のような内容の漫画を描いてしまうというところにやはり荒木飛呂彦という漫画家の才能をズガァーンと感じますな。ってゆうか、荒木センセ、法廷モノたくさん見過ぎたんでしょうか？脱走はクリント・イーストウッドかショーン・コネリーなみにやってくれることを希望！刑務所内は「あしたのジョー」のねじりん棒シーン以上を希望！
うーん、極めて個人的な思いなのだが、いくら漫画とはいえ、はめられてるのを見るのは精神衛生上よろしくない。特に冤罪モノは見ていてつらいので早く話が展開してくれるのを望むのみである。
オヤジの云うとおり、「だますな、だまされるな」。これが人生の鉄則だね。
他にもなんで離婚したのに空条なんだよっ！とかあるけどね。楽しみは楽しみである。

『未来のゆくえ』（YOUNG KING COMICS）やまむらはじめ、読む。 - 99/12/13 00:00:00
本日の調子: 「あんたなんか最低よぉ！」って云われたあげくにビンタされたあの日なみ。

コメント:
＃１２月１２日
くぅ、吉祥寺のまんがの森にいけば手に入らねぇってさわいでいたもんが平積みだもんねぇ。やはりオタクはオタク専門店へ行け、ということか。しかもＢＧＭにえんえんとアニソンがかかっているしー、まさにオアシス状態。やはり有線付きのマンションに住んでもよかったかもなぁ。
この登場人物の「目」。もう「バードミサイルをぶち込むッ！」って状態のコンドルのジョーしか思いつかねぇぜ。しかし、都会に住んでると時々自分もこんな「目」してるんじゃねぇのかって思うことがある。
表紙の様なオンナノコの話をもっと書いて欲しいとは思うけど、アワーズで読んだこの収録作たちのなんかヒリヒリるすような感じもまぁ、好きといえば好きなわけで、だからこうして金出して買ってきているわけで。
ちょっと前のアワーズを読んだ感想でも触れているが、「まつりの景色」は『海がきこえる』ハード版、といった感じでかなり引きつけられたものの、話の締め方が救いがなさすぎてちょっとなぁ、と思っていたんだが本人にも自覚はあったらしくあとがきで触れられている。うーん、一応作者のもくろみ通りらしい。踊らされたってわけですか。
陸上部の話も、故郷に帰ったら別れた彼氏と友達が結婚して子供ができてたとか、昔テーマは違えど、似たような話で似たような何かを描きたかった季節を思い出してちょっと胸の奥がちりりとする。
うーん、最新号で「カムナガラ」っつー伝奇ＳＦっつーか、『痕』系なお話に走ってしまったようなので、ま、それはそれで期待しつつもこの作品集、結構貴重な存在になっちまったかなぁ、と思ったりするわけで、はい。

『タカラＳＦランド大全集』（講談社）、読む。 - 99/12/12 00:00:00
本日の調子: 自由の女神の前で血涙流したらレディ・コマンドがでてきたあの日なみ。

コメント:
＃１２月１１日
 『テレビマガジン70'S』の時に思ったことは大体書いたはずなのだが読み返してみると感想らしいことはほとんど書いてねぇな。やっぱ９８年のこの日記はこなれていない感じだ。
やはりテレマガとのタイアップで進められたタカラのＳＦ玩具企画に俺はいいように踊らされまくっていたという事実が判明。ってゆうか確定。
しかし、この本、というか付属ＶＣＤ、ある意味パーフェクトである。「変身サイボーグ」「ミクロマン」「マグネモ」「ダイアクロン」という４つのカテゴリに分かれて６０本以上のＣＭが収録されている。ＶＣＤって先日実験用に買っただけだったんだけども、最近はパソコンですいすいこの程度の画質が再生できちゃうのか～と感心してしまった。ＣＭって基本的に１５秒だし、ビデオクリップコレクションの対象にしやすいとは思っていたんだがこうやってもらえるとその威力にめろめろって感じですな。（俺はちゃんと内田有紀の胸寄せＣＭもデジタル化済）変身サイボーグの「変身、変身、へんしーーーん！！」にはもうパソコンの前でへたれてしまいました。「ミ～ク～ロマンー！」も俺の記憶に良く残ってたのはガンロボ以降の新しい版で（これはボトムズのビデオとかに入っていたため）「そうだよ、昔のはこんな発音だったよ！」と唸りまくる。しかし残念なことにマシン・ザウラーのＣＭは入っていなかった。（そのかわり円谷の着ぐるみが出てくるデスマルクのＣＭは２本も入っている）まぁ、ここで収録されると俺の記憶の価値がまた下がるところであったのを思えばコミックスとレコードの情報が得られただけで良しとしよう。（コミックスは持っているのだ）そうか、あれは「きょうりゅうサイボーグ　マシンザウラー」というまんまな歌だったのか。やっぱ聞きてぇ～（涙）
東鳩学園のトップページで「ミクロマンｉＭａｃ基地完成！」とやっている元ネタのＣＭが見られるというのも俺の時代が～って気がして勝手に盛り上がってしまうのだった。
だがしかし、レアアイテムというかマイナー指向が炸裂する俺の、お気に入りアイテム「タイマニック」について触れられていないのが残念だった。やはりこれは失敗作品なんだろうかね？ｉＭａｃ基地に座っているのはタイマニック３号。高校生の時駄菓子屋の隅で見つけて購入したもの。両さんとかが駄菓子屋で古いおもちゃを漁っている回などを読んで「ああ、こうしてマニアによって埋もれた玩具が略奪されていくんだなあ」などと自分のやったことは捨て置いてあきれかえったりしたものだ。タイマニックの漫画は実は聖悠紀で、すっかり俺内部で聖悠紀＝「ズバット、キャプター、タイマニックの作者」のイメージで固定されている。タイマニックのＳＦ設定は今思い出しても超燃えで是非もう一度読みたいのだがなぁ。
鋼鉄ジーグは同世代のオトコノコならば誰しも一度はマグネット関節に砂鉄をつけてしまった思い出があるはずだ！（ってゆうか、最近再販されたんですけど）やはりパーンサロイドかっこよすぎ！（血涙）ロボットマンとサイボーグライダーと共に再販を要求するッ！どう考えても再販ミクロマンとか変身サイボーグって「オトナのおもちゃ」だもんね。（現役のミクロマンはちゃんとお子様のお小遣いで買える値段になっているのだ）だったらとことんやったってくださいよタカラはん！俺も自分の誕生日に密かに自分のシャツよりも高価な変身サイボーグ用の服買ってたりしますからねッ！！
そういえば、テレマガの漫画「ミクロマン」の最終回で俺は初めて泣いたのだった。そう、自分の好きなものがいくら自分が好きでも永遠に続かない、という簡単な真実をそのとき思い知ったのだった。
（ミクロマンのコミックスもいまだに探求中。状態の良いロボットマンも買い取りマス！）

『ロボットの未来』（別冊宝島４８１）、読む。 - 99/12/11 00:00:00
本日の調子: やはり実写ロボといえば「丸出だめ夫」でしょー。

コメント:
＃１２月１０日
森山さんが「見た目と同様、内容も薄っぺら」と云っていたので購入する気はなかったが、ぱらぱらとめくってみて購入。ま、人生の大半をロボットだのサイボーグだのに突っ込んできた男の業の深さと云えよう。
会社で「ＡＩＢＯが超欲しい！」とか云ったら変人扱いされたのだが、こーゆー本がでるところを見るとだいぶ「ロボ」も市民権を得てきたといえるのではないか。ホンダＰ３もＴＶＣＭに出演する時代だしね。
まぁ、メイドロボの実用化が云々と俺自身も熱病にうかされたように云っていた時期もあるけど、やはり介護ロボとか岩田光夫がいうように高性能ダッチワイフロボがまず最初に出てくるだろうね。（『プロジェクト・ゼロ』！）ダッチワイフはコメディ洋画でしか見たことなかったけど、確実に進化し、需要が増えてくるものの一つだと俺はにらんでいる。テクノロジーを進化させ、また普及させるのは金を持ってるオヤジのエロリビドーだ。それを忘れてはいけない。（そろそろ本家・電脳独房の下品なコーナーもリニューアルしたいんだけどね）
まぁ、個人的には矢野徹先生のお言葉が載っているのが大収穫。お元気だったんですね？最近とんと姿を見かけないので密かに心配しておったですよ。ロボットＳＦといわれて『トゥルーパー』と自らの著作『ロボット』を出してくるあたりがやっぱり好きです。（俺だったら『戦闘マシーン・ソロ』は外さないね。）
早稲田のロボ研究とかロボコンとかロボカップとか、知ってる人にはほとんど価値のない情報が満載なあげくに、「未来の米兵」とかゆーまさにロボットと無関係のトゥルーパー記事は載ってるし、空想ロボット珍ベスト１０とかゆーオタクにもオタク以外にもどうでもいいランキングにページをさいているのを見るとやはり好きこそものの上手なれ、愛のないものの書いた記事というのは腐れ以外の何者でもないと感じる次第。第一ここに載ってる記事のほとんどを俺はスクラップしていたりするし、それは最近の記事でなかったり（学生時代のだから１０年くらい前の記事もある）もーなんだかなぁ、という内容ではある。逆に俺は自分の資料の集大成的に使えるのでま、あってもいいかな、と思ってしまったが。
やはり、「ロボット・サイボーグ」を語る上で青弓社の『肉体のヌートピア』(永瀬唯)は必須なので、日本でロボを語りたいモノは最低これを読んでおくべきだと思う。そういえば、読書日記にかきそびれたが、ＮＨＫ人間講座『ロボットから人間を読み解く　バーチャルリアリティの現在』、というのもあって、ＴＶは見ていないのだがこのテキスト自体もかなりおもしろい内容なのでまだ書店で購入可能ならば一読することをオススメする。

『けんぺーくん』（幻冬社アウトロー文庫）ならやたかし、読む。 - 99/12/10 00:00:00
本日の調子: おれは憲兵君ＲＸ・ロボライダーでいいや。

コメント:
＃１２月９日
影郎ぅ～っ！！って友達みたいに呼んでますが、例によって面識はありません。
最近、陸月影郎のプロフィールでやたらと「漫画家ならやたかしとしての一面もある」とか書かれているので気になっていたんだが、ならやたかし名義の作品を拝むのはこれが初めてである。（そうか、本名が奈良谷隆なのか）
男も女も節操なく交わりあい、学生は勉強もぜずに遊んでばかり。この乱れきった日本を叩き直すため、過去の憲兵・特高の記録の中から最も危険な人物が選ばれ内閣総理大臣の手によって現代に蘇った。それが南部十四郎。通称けんぺーくんだ。
「世の中には処女と人妻と売女しかいない」という陸月影郎の偏った思想が炸裂しながら、『覚悟のススメ』より過激にけんぺーくんが行く。アホ大学生を殺し、アホなサーファーを殺し、暴走族に怒りの機関砲が炸裂する。三八式歩兵銃でゴルゴの真似をしたり、浜辺で暴走族軍団と戦うシーンでは思わず『星の陣』を思い出してしまったッス。
まぁ、右だの左だののネタは好きなので俺は気に入りました。不良というか、ちゃらちゃらした若者に腹を立ててすぐ「自衛隊に入隊しろ！」とか云うのは『マカロニほうれん荘』のきんどーさんを彷彿とさせたりしますな。よしよし。
エロ小説研究家の立場から云わせてもらうと、陸月影郎の作品は館淳一や綺羅光ほど「ステレオタイプ」として円熟していないが、安心して楽しめる小説である。よって「ヘンなもの」を求めている俺的にはかなり食い足りないのだが、冷静にみればかなり良くできたポルノ小説量産工場であると云える。展開が安直すぎるし、むっちゃ興奮するエロスもない。が、破綻していないし、読んでいてとにかく安心な作家なのだ。というわけであまり本数は読んでいないが、連載を持っていたり、出版点数があまりに多いので自然と読んでいたりするのだが。
吉野純雄先生に出会った頃、渡辺淳一先生のエッセイなどをを読んで「こーゆー内容の小説を書く人の実像に迫りたい！」という欲求があって、色んな作家についていろんな作者像を想像したりしたもんだが、最近は陸月先生は色々露出していて作者像が見えてしまっているのでなんかちょっと残念である。まだ「謎の人」の頃、この漫画の存在を知っていればもう少し読み込んだかもしれないのに。（コミケにいけば生の陸月センセが同人官能小説を売っている姿を見ることができるしね）
で、この『けんぺーくん』と同時に売ってるのが『聖水伝説』かよぉ～（泣）。しかし、団鬼六とかも幻冬社のおかげで市民権を得たというか、うーん、いや時代がそーゆーものを求めているんだろうかね？一般民間人ですら「デブ専」だのって口走ってる時代だもんな。お前らデブ専雑誌の内容の凄まじさを体感してから口走ってみろって感じですな。「サムソン」の私書箱６６号の投稿内容の凄まじさが今も脳裏に…。
うーん、この『けんぺーくん』とはからずも時を同じくして俺はオリジナル同人漫画『戦え！ヒロヒトマン』を書いて、サイボーグとして蘇った昭和天皇にロシア人宣教師をオラオラさせたりしてたわけだが、もっと過激にこれくらいやっても良かったのかもしれんなぁ、とか思ったり。俺の生涯で一番売れた同人誌だったのでちゃんと毎年やってればこーゆー風に日の目を見ることもあったんだろうか、とちょっと後悔。
けんぺーくんの様に「世の中には処女と人妻と売女しかいない」とかはいわないけどさぁ、まだ純だった頃には「青い山脈」みたいな清い男女関係真っ盛りの頃に生まれたかったなぁ、とか真剣に思っていたのでけんぺーくんの行動をあまり笑えなかったりする。まぁ、今じゃ俺も充分乱れた世の中にどっぷり生きているわけなんですけどねぇ。ダ・カーポに連載中の「サイボーグ・サラリーマン　メカ★アフロくん」とどっこいなくらい気に入りましたよ。ええ。

最近読んだ続き物のコミックスとか。 - 99/12/09 00:00:00
本日の調子: やはり執事は「バトラー」と呼べ！（三原さ～ん）

コメント:
＃１２月８日
 『ＨＥＬＬＳＩＮＧ２』（YOUNG KING COMICS）平野耕太
いや、記念すべき平野耕太の初２巻目。こうして質の良い紙で質の良い印刷でまとめて読むとやっぱりおもしろいではないか、ＨＥＬＬＳＩＮＧ。結構正統派な吸血鬼モノ＋宗教・イデオロギーもの＋トンデモ系＋銃火器マニア系として立派にエンタテイメントしてるではないですか！『バスタード』なんかよりもよっぽどおもしろいぞ。しかし、ハルコンネン、長すぎ（笑）。ってゆうかこのシーンどういう空間でどういう戦いしているのかちょっち不明なところが惜しい。アーカードの犬変化は少年漫画屈指のホラー戦闘シーンと云えよう。もう少し毎月連載してくれると嬉しいし、『大同人物語』も休まないでくれるともっと嬉しい。

『ＡＲＭＳ１０』（少年サンデーCOMICS SPECIAL）皆川亮二
丁度この巻で第三部完。
恵と隼人の関係が良くなってきたのでちょっと注目（笑）。
恵とカツミの関係は当たらずとも遠からずだったので良しとする。
しかしここまで読んでいながら未だにＡＲＭＳが生み出された意味とジャバウォックの能力の検討がつかん。（くやちぃ）
最近解説本みたいのも見かけたがこーゆーのは自分でやるから楽しいのであって無粋の極みだと思った次第。

『ああっ女神さまっ２０』（アフタヌーンCOMICS）藤島康介
後輩が、「昔は理系の大学生向けのネタが多くて楽しかったのに」とこぼしていたがまったくその通り。個人的には「宇宙の紐」の話あたりからもーつまんねーって感じなのだが、うふぅーんなペイオース様やロボ子ネタやスクルドのピュアラブや異次元空間で歌を歌ったクジラの話があったりするので買ってチェックしないわけにはいかんのである。というかラブコメを超越してもはや熟年夫婦のようなデキ具合の蛍一とベルちゃんの関係を見てハートウォーミングになる、というのもあるので、もう少しこの二人のエピソードも描いて欲しいと切に願うですよ、藤島センセ！（あと怪しいメカ描写も希望）

週間少年ジャンプ２０００年１号「ジョジョの奇妙な冒険第６部＜ストーン・オーシャン＞」読む。 - 99/12/08 00:00:00
本日の調子: 花京院のメッセージを確かに受け取ったジョジョ爺ィなみ。

コメント:
＃１２月７日
いやぁ、第４部の時、既に承太郎が妻子持ちだったとは……。特に矛盾がないので許すと云えば許すけど、いやぁ、やられたって感じ。まぁ、シーザー・ツェペリが出てきた時とかも「大人は嘘つきだぁ！」っと読者からの激しい突き上げを食らったようだし、虹村（兄）のバッド・カンパニーが出たときも「スタンドは一人一体のはず！」とか猛烈に突っ込んだりしたんだけどねぇ。いや、それはもういいです。
偶然にもカビでやられた２９巻は第４部の冒頭であり、買いなおしたついでに再読したんだけれども、うーむ、同じテイストだ。第３部の開始の時も何が起こってるのかさっぱりわからなかったが「スタンド」っていう今までに前例のない大ローカル・ルールを描いてしまいにそれなしじゃいられなくさせちまったんだからやっぱし荒木センセは凄いのだ。今回も久々にハートが震えた。ここまで第１話で色々なものを期待させながら先が読めない漫画ってやはり荒木飛呂彦にしか描けないよなぁ、とうなずくことしきり。
ジョリーンのスタンド発現シーンで思わず第３部の「スタンドとは、その本人の精神力の強さで操るもの。闘いの本能で行動させるもの！」というアヴドゥルの解説シーンが脳裏に浮かんでしまった。さりげなくスタンドとはいかなるモノであったかをおさらいさせられたわけである。これだけのことをセリフでなく「絵」で説明できる人っていないんじゃないかな？
ジョリーンのスタンドは接近パワー型でない模様。トリッシュすら接近パワー型だったので久々の正統派ハイエロくんスタンド能力に超期待。
しかし、本当に久々にジャンプを買った。「ハンター・ハンター」もどんな漫画かわからない俺にとっては「ヒカルの碁」以外はほとんど謎の漫画だったりする。「るろうに剣心」って終わっちゃったの？
「ハンター・ハンター」って初めて読んだので設定がさっぱりわからないが、バショウさんの読んだ俳句の内容が実現する能力ってのもすげーよな。今の漫画って面白いほどスタンドしてるのね。「シャーマン・キング」も何か出したり引っ込めたりしながら戦っているし。「遊☆戯☆王」はもとより「魔少年ビーティー・スタンド合戦篇」だし。「北斗の拳」があらゆる格闘漫画の基本形になっていた時代は終わりを告げ、スタンド漫画が跋扈するようになったというわけか…。うれしいやらなさけないやらである。「ゾンビ・パウダー」は全然話がわからんが、巨乳のお姉さんと鬼の手を持つチェーンソーお兄さん、戦ってるのが男爵ディーノというなんだか俺の魂をブレイブさせる内容で絵の線のちょっとズレた感覚なんかも含めてちょーっといいかも。というわけでギャグは「世紀末リーダー伝たけし！」の番外篇的な内容がちょっと俺的にヒットだったかな。でもジャンプ、これじゃ売れねぇよなぁ……。
「ヒカルの碁」と「ジョジョ６」があれば俺はそれでいいのだ。ＧＩＯＧＩＯからＪＯＪＯに戻ったというのもめでたし！

＜アワーズ２０００年１月号＞、読む。 - 99/12/01 00:00:00
本日の調子: お姉さんと露天風呂に入る妄想に浸るサキさんなみ。

コメント:
＃１１月３０日
「ドキドキ・ロコモーション」幸田朋弘、自分で猛烈に薦めておいてなんだが、やはり１回目に感じていた絵の構図の悪さがなんとも目に付いてきてちょっと我慢ならない感じ。全体的に見てこれでは誰が何をやっているのかよくわからんではないか。
しかし、風力発電型Ｖ－ＭＡＸ内蔵とは…。まぁ、話はどうでもイイ、とはいったもののこれからどうころがしていくのかだいぶ心配になってきたので暖かく見守ろうと思う。
そーだ、ロボ子といえば「鋼鉄天使くるみ」のアニメ版はイイ。介錯の漫画版は屑だ、ということに気がついている人はアニメを見てる人には少ないと見た。よってコミックス１、２巻は書店で売り切れていて３巻が大量に余っているという事態が起こっているような気がす売る。「ＴＨＥビッグオー」のＲ・ドロシー（Ｒ付きとはなんと正統派！）もかなりイイとみたので２月発売のＬＤだかＤＶＤだかは買ってしまいそうである。（どうせ優しくない女子ならこーゆータイプでないと）
「カムナガラ」やまむらはじめ、にはちょっと期待。でかい剣に前世の記憶の中の少女。覚醒モノは基本的に好きなのだが、描いてるのは「まつりの景色」のやまむらはじめなんだよなぁ。ろ、路線が違うだろ？それとも彼も本来こーゆーのが描きたかったんだろーか？短編集『未来のゆくえ』欲しいのだが少年画報社のコミックスを扱っている店は少ないあげくに神田をうろつく暇はなし。果たして買えるのはいつの日か。
「エクセル・サーガ」は結構イイ話であった。アニメ版は俺の意に反してうちのＳＦ研部員のツボにはまったらしく皆どっぷりこん。アニメで気に入って漫画を買いに走るのはアニオタの場合、漫画もグッズ＝亜流の一種とみなすからだろうか？六道神士も同人の頃から目をつけていたんだが。赤松健先生の「ラブひな」の売れ具合といい、目をつけた作家が売れるのはうれしかなしで複雑～。
「山を魅る子」宇河弘樹、ネタ的には好きだが絵柄がそぐってないのがちょっちねぇ。しかし「カムナガラ」とあわせて伝奇特集か今回はっ？！て感じですな。
「ジンクホワイト」小泉真理、はなかなか面白い４コマ。美大を目指して画塾に通う女の子が美術科がある学校に転校するも美術科は満員で普通科に入学して四苦八苦する話。共通一次の自己採点後、進路相談にて急遽国立大学の二次試験はすべて教育美術で受けることになったという楽しい過去がある俺にとってはなかなか懐かしい雰囲気。美大目指してずっとがんばってきた連中の中にぽっと普通科の俺が入ってきた、というシチュエーションなので主人公の女の子とは微妙な立場の違いはあるものの、どこへ行ってもアウトサイダー的な感覚は通じるものがあっておもしろい。連載だそうなので楽しみにしよう。
「迷彩君」竿尾悟、こんだけ連載しているということは人気があるんだろうか？やはり俺の着眼点に狂いはないのか？！
平野耕太先生の相棒、山田秋太郎は電撃の連載も終わったが着実に相棒の後を追ってメジャー化してますな。毒がないぶん、芽が出るのは遅いだろうけど…。
「泥棒猫」大石まさる……だから、ハドソン夫人でも可能だって俺が云ってるそばからこんな漫画をッッ！！！
やはり先月の「ＨＥＬＬＳＩＮＧ」「トライガン」「ジオブリ」「うさＣＵＥ！」全部そろいなんて１２ヶ月のうち１回か２回なんだよな、アワーズ。でも毎回それなりにおもしろいと感じる様になってきたので平野耕太が載っていない号でも買うようになってしまった。
うーんやはりこうなってくると死んで欲しい連載は「ブルヴァール」だけということに…。

『天才は作られる』（角川文庫）眉村卓、読了。 - 99/11/27 00:00:00
本日の調子: ノブちゃんに映画化希望！（ブギーポップに対抗）

コメント:
＃１１月２６日
ぐぇ、今週は全然本読んでないざんす。困ったざんず。
こーゆー時は既読の本を再読するか短編でごまかすのがいいんだけどもね、今は脳がそれすら拒んでいる感じ。とほほ。
カロリーオフのときカワカミさんと盛り上がったので即座に古本屋で入手してほかしておいたのだがハルキ文庫なんかでまた眉村卓が盛り上がっているようなので思いだしたように積んである本の山からＧＥＴ。読み出したらマッハのスピードで読了してしまった。
うーむ、中学生向けの話とはいえ……おもしろいから早かったのだろう！
そして読んでいる間中、大林宣彦監督のへっぽこな映像や素人まるだしの中学生役者の顔がフラッシュバック。ＮＨＫ少年ドラマシリーズとかを引き合いにださないのがそれ相応の年齢だと思ってくだせぇ（笑）。
しっかしなぁ、最近のヘンにまだるっこしい＆冗長な展開の小説どもに比較してみよ！
１５ｐ目にしてスタンド能力発現！！
３５ｐ目にしてスタンド合戦開始！！（しかも高度！）
や、やべぇ。やべぇおもしろさだ。そうだよ、最近の小説にないのはこの展開のスピードだよ！いつももったいつけやがって。最初っから出しっぱなしにしろっつーの！
そもそも日常から離脱するのには『読むだけで君もスタンド使い！』（ライフスペース社刊行）を読んだとかゆー設定だけで充分じゃろがっ！って気がしてきますな、これ読むと。
同時収録された「ぼくは呼ばない」は四十二年に「高２コース」に載った作品。まじめな柔道部員がある日突然、殺人的にモテるようになるという、今では３流エロ漫画かお安いエロゲーの基本設定に使いそうなネタである。モテ人間になった人に触れた異性は思考エネルギーを吸い取られフニャフニャになってしまうというのだが、エロゲーなら当然アレがナニしてフニャフニャ、という風にすればいいだけですな。でも昭和四十二年で眉村卓だから、当然微塵もエロには至らないわけで（苦笑）。まぁ、内容は「ヒドゥンねた」なんだけども。「内省的でまじめな、翌年からは受験生という微妙なお年頃の人にだけとりつくマインド・ヴァンパイア」ってーのがもうまさに「高２コース」狙い撃ちって感じで失笑を禁じ得ない（笑）。
こーゆー古いＳＦとブギーなんかを比べてみると、当然ながら同じトコロと違うところが見えてきてなかなかに楽しい。そうだよな、俺が生まれる前の時代の高校生や中学生は「松山さん（男子）、あなたはどう思って？」とか「橋本くん（女子）、君のしようとしていることは間違っているのだ！」とか云っていたはずなんだよな。「もータカシのやつってばチョベリバ！」とかじゃねぇんだよな（涙）。
今読むと古くさくて、ノスタルジーを感じられる人以外にはあんあまり進められない気もするけどね。俺は充分堪能できました。ビバ！清い男女！　ビバ！真面目な中・高生！
（エロゲーのやりすぎでただれた中・高生像が定着していた自分に反省）

『巨人たちの伝説』（JUMP SUPER COMICS）星野之宣、再読。 - 99/11/26 00:00:00
本日の調子: 野球漫画じゃねぇんだぜ。

コメント:
＃１１月２５日
で、星野之宣である。
彼の最近の作品以外は好きなので結構再読の頻度も高い。特にこの作品は俺のお気に入り度が高いので再読率も高い。未だにジャンプスーパーコミックス版を愛読しているが他の出版社からも単行本が出ているはずなのでそろそろ買い換えてもいいかもしれない。
アニメ「ムーの白鯨」が死ぬほど好きな俺だが、この第一部「燃える第五惑星」篇の巨人の国タイタンの描写にしびれまくる。
第四氷河期の初め、超能力を持つタイタン族はせまりくる氷河期を乗り切る対策としてその超能力を結集し、火星と木星の間に太陽の一部を用いて燃える第五惑星を作ろうとする。
光瀬龍の「アトランティスは今」とかもいいんだけどね。とにかくＵＦＯ、超能力、古代超文明、巨人伝説、そーゆーものでわくわくして育ってきた俺にはこの漫画たまんねぇくらい整合性がとれてるってゆうか説得力があったんですな。今ならこーゆーのはサイフィクト系っていわないのかな？
俺は人間というのは基本的に醜い生き物だと思う。性悪説の人である。どんな聖人君子だろうとどんなにすました顔した女性でも利己的な部分や嘘の部分があり、夜は醜いケダモノ同然の行為にふける。まぁ、それを理性で覆い隠せるところが人間の素晴らしいところなんだけども、俺は誰しもその醜さの上に生きていることを暴いてやりたいという衝動に駆られるのだ。んで、他人をターゲットにするのは気が引けるから自分を題材にしちまって結果露悪趣味に走る、と。
第二部「木星爆発」篇はやはり何度読んでもイイ。人間は醜い。しかし、それを補って美しいと思える瞬間がある。立ちふさがる困難に対峙するという行為は人間にのみ許された行為だ。たとえ他者を傷つけても自分は生存しなければならない。ブッディズムに乗っ取れば飢えた虎の前には己が肉体を投げ出すことが美徳らしいが、そんなものは糞喰らえである。右の頬をぶたれて左側を差し出してくるようなヤツもな！たとえ利己的であろうとも、目標点へ到達しようと努力する人間の姿は美しいのである。
１９８Ｘ年。地球は異常寒波に襲われ、各地で燃料・食料を巡るパニックによる被害は増大していた。実はこの異常気象は一時的なものではなく、今後数百万年に渡って続く新たな氷河期の始まりであった。北極に設けられたポーラベースでは木星を太陽化するための極秘プロジェクトが推し進められていた。木星を爆発させるための奇想天外な計画は果たして成功するのか？
この第二部、主人公の野部がこの計画に協力する理由を吐露するシーンが印象深い。

「氷河期というせっぱつまった状況ではどんな罪も許されてしまう！ちょうど暗闇の中ではけがれたものがめだたないようにね。木星爆発はそこに光をあびせかける！
極限の状況が去っていくとき、人間は野蛮で愚かな自分たちの姿を見せつけられる事になるんだ。裁きの光…！おれはそれを見たい！」

彼がここまで人類を憎むのにはそれなりの理由があるのだが。それに対して木星太陽化の立案者にして最高責任者のサハロフ博士は云う。

「確かに人間にはまだまだ野蛮で愚かなところがある。しかし我々は原始人にとどまってはいない！何かが変わってきたはずだ。少しずつ自分を変えていこうとする意志を人間はずっと持ってきたということだ」

単行本一冊という短い中で人間の弱さ、愚かさ、同時に勇気と賢さが描かれる。俺的にはコンピュータ「パンドーラ」のメタファーとかは絶品である。
まぁ、出てくるネタとしては大地軸穴（地球の極北に穴が開いている写真のアレですな）＝ブラックホール説、というトンデモ系のネタを駆使しているのでそこらへんが駄目な人には薦められませんけどね、俺は大好きですから、こーゆーネタ。第一部の巨人たちとの伏線もバリバリで因果ってなに？カルマってなに？という感じがして大変ＧＯＯＤです。
『さよならジュピター』もこれくらい楽しければなぁ。って、アレはどーゆー話で木星太陽化しようとしてたんだかさっぱり覚えちゃいねぇことに気が付く。（だってジュピター教団とブラックホールの話になっちゃうんだもんねぇ。読み直さないとダメか？）
こーゆー古いＳＦ作品読んで思うのは、今ってソ連はもうないし、「宇宙飛行士の訓練を受けた日本人」はもう何人もいる世の中なのに宇宙ステーションはおろか、火星に無人探査機もろくに送り込めていないし、恐怖の大王がもたらす大厄災も来なかった世界なわけで、俺は今、どこかでこうあるべきだった未来から改変されてしまった未来に生きている、そんな不思議な違和感の中に生きているのを感じるのだった。

『惑星を継ぐ者』（JUMP COMICS）戸田尚伸、再読。 - 99/11/25 00:00:00
本日の調子: ホーガンのアレとは違うのよ。

コメント:
＃１１月２４日
『エイリアン９』の最後の敵「ひまわり」の武器が単分子ワイヤーっぽいヤツで人体をスパスパ切り裂く描写がドリル族の「チキチキ」した動きに対して「天敵」っぽくていいなぁ、と思っていた。漫画だの小説だののクール系な戦闘キャラだと結構この手の細い鋼繊でスパスパを武器にしている人が多かった気がするのだが、手元には『魁！男塾』もないような状態なので確認できず。とか思っているとこの漫画が目に付いたので再読してみる。
ちょっとグロテスクで違和感のある絵柄、見えない話の展開、ド迫力で炸裂する必殺技。
中学２年の体育祭の日に出会った『北斗の拳』もこぉーんな感じであったような気はするんだが。うーん、全体に漂うノリの暗さみたいのはあるな。やはり絵はバタ臭く、どーしてこれが週間少年ジャンプに連載となったのかいまだに理由がわからん。昔ならフレッシュジャンプとかの読み切りが関の山だと思うんだが。
しかし、星野之宣や諸星大二郎の漫画を彷彿とさせるのも確か。でもスペオペ漫画というのなら『コブラ』の領域にはほど遠い。
自在剣（スパイラル・ナイフ）は少年漫画界に轟く伝説の武器にはなれなかったし、進化した人類の姿が蟻の触角付き人間というのもなんとも陳腐だけれども、復讐に生きた男ナイブズの孤独、かつて宇宙を席巻した種族の最後の生き残りメロウスの高潔さ、タラちゃん風刈り上げの花京院という風袋の宇宙海賊スピッドロウとか、出てくるキャラの設定はかなり好きだったんだけどなぁ。やはり今風じゃないんだよね。うーん、ずばり云えば単に俺はこーゆー骨太というか古くさいスタイルのＳＦ漫画が好きだってことだろうな。
最後の方、本当の神を出しちゃうあたり興ざめなんだけど、ナイブズとメロウスの「種としての滅び」を目の前にしたもの同士の掛け合いは良い。ここを「ＳＦやロックといったカウンターカルチャーの寿命」についての会話に読み替えたりするとなかなか趣深い。
ラスト、宿敵を倒し人の住めない砂漠の惑星に新しい人類の可能性を見てナイブズは云う。

「この宇宙は常に力強く動いている！俺もそんな風に生きよう…。少しずつでいい。強い心で生きていけるように…！」

こーゆー恥ずかしい台詞がサラリと云えてしまうのもＳＦ漫画の醍醐味だよな。
そう、人間は神の前では無力だ。だが、袋小路にはまったと感じていても少しずつ変化していけるものなのだ。とかうなずきつつ結構再読してしまう作品なのであった。
なーんか最近の本だったと思ってたが９６年の作品だった。ま、思えばエヴァももう過去の作品なんだよなぁ。

『順列都市』（ハヤカワＳＦ文庫）グレッグ・イーガン、読了。 - 99/11/22 00:00:00
本日の調子: 定説ネタももうミイラ化してしまったッスね。

コメント:
＃１１月２１日
だ、駄目だ。この主人公の名前の第一印象から離れなれない。
妙に丁寧すぎる態度。自分が抱いている野望に対する揺るぎない態度。何もかも理解しているのだという確固たる自信。バックに巨大な財源が控えているという感じ。何か一丁やらかしてやろうという感じ……。
駄目だ。どう考えてもオールバックの湖川友典のあのキャラの姿しか思い浮かばない。
そう、ダラム・ズバである。
そうするとどうしてもマリアの顔がシェリル顔に。パニックやヒステリーを起こして叫んでいるシーンとかで「ダラムの仇ぃ～！」とか血涙を流してイデオンにバイラル＝ジンを突っ込ませている時の声とお姿が脳裏に～。ああぁ、こんなんじゃ冷静な感想なんて書けないザンス。
最近出たハヤカワ文庫の『飛翔せよ！閃光の虚空へ！』（キャスリン・アサロ）でも＜キャラの実際の年齢と印象の差＞があるようでなかなか興味深いのだが、この小説もヒロイン・マリアが３１歳で「もーお肌の曲がり角どころか肉体の衰えもばっちしこんよ！」とか云っちゃってて、主人公ダラムも回想シーンで４５歳、実働時で５０歳。他の電脳世界の＜コピー＞人間たちもおおかたよぼよぼの爺ィ。
駄目だ。なんてときめかねぇ設定なんだ。フツー物語が「老いについて考える」テーマとかじゃねぇ限り（映画で云うと『八月の鯨』だったけ？）こぉーんな高年齢だけのキャラ配置なんて認めねぇ。アニメとかＹＡの主役が対象年齢層に合わせた「ガンダム年齢」なのも自分が年取ってからは実はよぉーく考えるとかなりイヤンだったりするのだが（ミライさん、１８歳で「ホワイトベースのお袋さん」ですぜ？！）その逆もかなりイヤだなぁという感じである。いや、単に今の俺が難しい年頃なだけか。
あまりに読み進まなくて「ファミレス強制収容」にて読了。いや、今回ホントに苦労したッス。ハードカヴァ以外で苦労したのって久しぶりですな。（最近の「読めないから」ってハードカヴァを買わない傾向もなんとかしたいんですけどねぇ）こぉーんなことやってんのは自分だけかと思っていたが林さんやヒラノさんの昔の日記にその手の記述があってやや安心。
『塵理論』はＯＫ、問題なし。と云ってる人を今のところ一人も見かけていないんだが、作品自体の評価が悪くないというのも一貫している。うーん、みんなうまくケムに巻かれた、ということだろうか。ま、ＳＦってのは「正しさ」「正確さ」「緻密さ」ではなくいかに「説得力」を持たせるか、まぁ、簡単な日本語で「如何にソレっぽく見せるか」が命なんである。（ソレは映像的でも文章的でも理論的でも共通して云えることなのだが）したがって、イーガンはその術に長けていると云えよう。
『セル・オートマトン』世界の話が興味深かった。で、まさかそれを動かすまでを上下間の半分以上を使ってやった後に「それが動いちゃった後の話」が来ることは当然予想できてよかったんだけど、あまりにも動いた後の世界のお馬鹿さが「ギャー！（笑）」って感じだったのでなんどもファミレスのソファの上で転がっちゃったですよ。うーむ、これは他人になかなか薦めづらいのでは…、と俺は思ってしまうなぁ。
『宇宙消失』は「懐かしいＳＦのダイナミズム」みたいなもんが味わえるし、細部の設定も個人的に気に入ったので薦めたけど、これはなぁ、正直俺も読みづらかったし、意味わかんない、って云われても説明できないし、まさにここに出てくる古い倫理観に縛られた人々の様に「コピーの人格」というか＜電脳空間に構築された人間の脳のふるまい＝現実の肉体を持った人間のソレ＞、という公式のイコール部分をニアリィ・イコールではなくどれだけ真実にイコールなのか受け入れることができる度合い、というのが異なってくるわけで（そう、まさに実際にこうしてネット上に投影された＜俺のコピー＞に接しているあなたが、だ）従って、これだけインターネットが発達し、コンピュータ利用人口が増えた西暦２０００年一歩手前の現在でさえ、この本で描かれていることの一般性は非常に薄いのではないか、という気がするのだ。この敷居の高さの違いは『マトリックス』と『ＪＭ』くらいの違いがあるように思える。（前者が『宇宙消失』ってことですよ）
で、俺個人としてはここで描かれている『塵理論』までは飛躍しなかったが、＜電脳世界に構築されるバラバラな自分の写像が持つ意味＞というのに非常に興味があって独自の理論も持ってたりしたので非常におもしろかったんだけどね。（映画『マトリックス』を見た後、一緒に見た後輩には思いっきし力説済み）
でもなー、前回といい、量子宇宙論が絡んでくるとなーんかうまくごまかされている気がするのも確かである。前にオフ会で「一連の量子理論モノって山田正紀の『エイダ』とかに通じるものがあるじゃないですか」なんていわれたときも、「えっ、そうなの？」って感じで俺が読んだ個々の「量子宇宙モノ」は個々に独立したネタとして捕らえており、その根幹理論が同一であるってことにすら気がついていなかったんである。うう、つまりいつもの「わかんない部分は即スポイル！」読法により、毎回量子論の部分が脳内に記憶されずに終わっていたために個々の量子論ネタの作品が個々に見せようとしていたオリジナリティの部分だけ抽出されてしまい、根幹にあった「粒子と波動」から「多元宇宙」へ至る下りは「なかったこと」になっていたらしい。一般相対性理論とかについても様々な側面があるわけだけど、結局はその代表である「ウラシマ効果」とニアリィ・イコールだと思っているわけで、それについても昔科学雑誌などで詳しく読んで一旦は他人に説明できるレベルまで理解したんだが、今はすっかりウォッシュされまくって「光速に近い速度で移動してる人は移動してない人より年を取らない」というきれいさっぱりな因果関係だけが脳内に残ってる、という感じなわけで、量子論が持つ様々な側面についても「シュレディンガーの猫」についてはどう、というイメージはあってもその他にどういう考えたがあるか、とかについて非常に弱い知識しかないので「えっ、ああ、量子論的に見るとそーゆー解釈もありなんだ」みたいな一言で終わってしまうんだよね。いや、だから「科学」な面からＳＦに接している人には良いけれど、「Ｆ」方面であるとか「ワンダー」な面からアプローチしてる人にはつらいのではないか、と思うんである。（いや、単に俺が頭悪いだけかもしんないですけどね）
しかも読んだ時期が悪かったので頭の悪い俺にはこのように解釈されてしまった。
（まぁ、ネタバレだが、読んでもあまり損しないと思うぞ）

『定説都市（ライフスペース）・イシュリオン』

「ちょっとあんたいい加減にしなさいよ！＜コピー＞と生身の人間の区別もつかないの？」
「いいえ、定説によればですね、コピーと生身の人間は全く一緒です」
で、原子レベルからのシミュレーションを積み重ねて「シム・バクテリア」をやってそれを大きくしてシム人間にしてシム・シティにしようってことです。そして、しまいにそれはシム・アースでシム・宇宙になってしまうわけです。定説では。というわけで、その定説をお金持ちで年寄りでよぼよぼのコピーの皆さんにわかっていただくために簡単なシム・アース作ってくれ。ってゆうか＜どこでもいっしょ＞ぐらいの動きのヤツでいいです」
「そんな、ペテンの片棒担げるわけないでしょ！」
「信じるか信じないかはあなたの勝手です。ただし、私の定説ではこのシャクティパッドでコピー人類は不死を手に入れます。長く生きて死ぬのではない。文字通り無限の生です」
「あなたの定説とやらにつきあってる暇はないけどお金が必要だからやるわ」
一晩経って目が覚めるマリア。
「おっと、気がつきましたね。すでにあなたは私の定説に従って生きていますよ。我々の世界は既に７千年経っています」
「ああ、なんか知らないけど、反論できない感じ。だって私も＜コピー＞だもん。ってゆうか体温が１２度でも生きている人が百万人居たらちょっと誤りを証明できないわん」
「ところがあなたに作っていただいたシム・アースを、ちょっと野放しにして３０億年ほど時間を進めておいたら、なんか勝手に虫宇宙人が誕生したあげくに、我々のコンピュータよりも正確に計算したりして困っているんです」
「何よ、虫でしょ。殺虫剤でもまくか、スターシップ・トゥルーパーの皆さんでも派遣すればいいでしょ。ってゆうかプログラム止めれば？」
「ダメなのです。虫なあげくに性格がコンピュータより几帳面で妥協しないあげくに演算能力がコンピュータ並の生き物になってしまったんで、彼らの定説に我々の定説がかなわなくなってきているんです。我々は、彼らとコミュニケーションを取り、我々の定説を彼らに受け入れさせないといけません。だって我々、電子計算機の中の世界で生きているわけですが、あの虫宇宙人も同じ電子計算機世界に存在しているわけで、彼らの定説が勝つということは我々の存在が負けるということになるわけで……」
「猿助がっ！（どかっ！）あーもー、頭痛ぁーい！！このお猿の世界でアタシを目覚めさせたオトシマエはつけてもらうわよっ！ってゆうかイヤです～。ここから出してぇ～」
「さぁ、くじけてないで、虫宇宙人にレッツ、シャクティー・パーッド！！！」（５０代男性のダンディズム炸裂！）

という風になってしまったッス。はうあう。
ま、思いっきりネタバレですが、本業が忙しくて更新サボってる間にすっかりライフスペースねたもタイミングをはずしてしまったのでいいんじゃないでしょうか？ってわけでイーガン、いいかもしんないけどね、諸手を上げての大絶賛には至らない感じですね。ＳＦ者にはススメて良し。ＳＦ度低めの人にはソウヤーの方が進めやすいかな、と思うぞ。

『死刑執行中　脱獄進行中』（集英社）荒木飛呂彦、読む。 - 99/11/21 00:00:00
本日の調子: じゃあ俺はスタンド修行中。

コメント:
＃１１月２０日
正直に言うと、ここに収録されている作品はあまり好きなモノではなかったりする。
荒木飛呂彦の「整合性がとれてない面」がちょっと見えすぎかな、という気がしてしまう。
「ゲームセンターあらし」の読み切りとかの方が「短編」として切り出した場合の整合性のなさといったらない、って感じになるのは目に見えているのだが。
表題作と「ドルチ！」はジョジョを読んでいない人にも楽しめる。それ以外はジョジョの外伝っといった感じで、うーむ、どうせ買うのは荒木飛呂彦ファンだし、ま、いいっか、と思いつつもどうせだったらやっぱりニコラ・テスラの読み切りも入れて欲しかったなぁ、と思うのだった。
「岸辺呂伴は動かない」はさすが第４部でジャンケンだけでここまで人を熱くさせることができるのかっ？！と感動させられた呂伴を使っているだけあって一番テンションが高い気がする。でもオチがわかりにくいんだよなぁ。
「デッドマンズ・Ｑ」はこの日記に感想を書いているので再び感想を書く気はない。幽霊の世界にもルールがあってそれを描こうとした、という点はおもしろかった。しかし、これで終わりってのは消化不良だよなぁ～。（単に食い足りないのが不満なのか？（苦笑））
ってわけで、荒木センセ自身の作品解説＋箱入りってのはどう考えてもファンサービスたっぷり。来年にはでかい画集『ＪＯＪＯ　Ａ-ＧＯ！ＧＯ！』も出るようで、ジョジョのゲーム化ですっかり勢いに乗ってる荒木センセ。俺もバシバシ応援していきたいところだ。
（１７年前、ビーティーやバオーを読んで騒いでいたころはこんな風になるとは夢にも思わなかったがな……）

過去の日記(99/11/9～99/11/19)を見る

私のホームページへ