ピーター・シェパード


◆『原潜サターンの作戦』(新潮文庫・各520円)

  個人的ハマリ度:A(AA、A、B、Cの4ランク評価)

  イギリス情報部がソ連海軍の軽空母『ハリコフ』に驚異的な探知距離を持つウルトラ・ソナーが
  装備された事を察知した。イギリス首脳部はただちにこれに関する情報の収集を海軍に命じ、試
  験航海中だった最新鋭の攻撃型原潜『サターン』がバレンツ海に派遣された。ソ連は実弾対潜訓
  練の実施を宣言し、バレンツ海の一部を事実上立入禁止海域とした。そこに侵入した『サターン』
  は高い静粛性を持ち、探知される事はないと英海軍上層部は考えていたが、ウルトラ・ソナーは
  『サターン』を捉え、ついに対潜ロケットが発射された。『サターン』の艦長は原則的には戦闘
  を禁じられていたが、明確さに欠ける命令書の記述により自衛戦闘は可能であると判断し、ソ連
  艦隊に対し反撃してしまう。ソ連艦隊は全力を上げて離脱する『サターン』を狩始めた。

  【コメント】
   西側=善玉、善玉=勝つ、と言う常識がいつも通じるとは限らないと言う作品でした。多くは
   語りませんが、非常に面白い小説でした。