デビッド・メイスン


◆『バビロンの影』(早川文庫・上・下巻各700円)

  個人的ハマリ度:A(AA、A、B、Cの4ランク評価)

 イギリス海兵隊特殊舟艇部隊(SBS)を退役したエド・ハワードは、SBSやイギリス陸軍特殊
空挺連隊(SAS)、アメリカ海軍特殊部隊(SEAL)などを退役した元特殊部隊員の精鋭たちを集め
てXF警備社を設立し、要人警護の分野で業界の名声を勝ち得ていた。ある時、XF警備社の顧客で
もあるイギリスのダーコン・インターナショナル社の社長であるダーティングトンが非公式な依頼の
ためにハワードを呼び出した。ダーティングトンが打ち明けた依頼内容は要人暗殺の可能性の検討。
その目標は、イラク大統領サダム・フセインだった。

 【コメント】
  なかなか面白いテーマの作品でした。デビュー作と言う事もあってか、一部の技術的分野の説明
  が要約不足で詳細過ぎるきらいがあり、多少の稚拙さも見られたものの、全体のストーリー展開
  としては決して近道や回り道をする事なくしっかりとステップを踏んでおり、非常に面白い作品
  でした。個人的には、トム・クランシーやデイル・ブラウンに比肩し得る実力を備えていると感
  じさせられた作品でした。