オスカー・ワイルド

 1854年〜1900年。アイルランドはダブリン生まれの小説家、劇作家、詩人、批評家。 代表的な作
品には『幸福な王子』、『ドリアン・グレイの肖像』、『ウィンダミア夫人の扇』、『サロメ』、
『獄中記』などがあります。


タイトル理想の結婚
出版社角川文庫
コードISBN4-04-211903-4
定 価457円
コメント 本書は小説ではなく、劇の台本のような「戯曲」と呼ばれるものであり、登場人物の
セリフと舞台上の動きが綴られている書物です。舞台はロンドン社交界。将来を有望
視されている外務次官ロバート・チルターン准男爵の元に、妖艶な魅力を持つ女性チ
ェヴリー夫人が現れ、ロバートが犯した過去の不正を暴くと脅して自らの利益になる
ようにロバートを操ろうとします。地位と名誉と愛する妻を失う事を恐れたロバート
は、この事を誰にも打ち明けられずに苦悩し続けると言うストーリーです。ストーリ
ー自体は、サスペンス物にありがちなありふれた展開ですが、登場人物同士の会話が
実に "ウィット" な作品でした。本作の登場人物の中では、「傾き者」のゴーリング
子爵が気に入りました。