ウォルフガング・ゲーテ

 1749年〜1832年。ドイツはフランクフルト生まれ。ライプチヒ大学、シュトラースブルグ大学など
で法学を学び、1771年に法学取得士となり弁護士登録。

 1774年に小説『若きヴェールテルの悩み』を執筆。その他、代表作として、叙事詩『ヘルマンとド
ロテーア』、戯曲『ファウスト』、小説『親和力』、科学論文『色彩論』などを著作。1819年には
『西東詩集』を出版。

 1832年、83歳で肺炎で死去。


タイトルヘルマンとドロテーア
出版社岩波文庫
コードISBN4-00-324055-3
定 価460円
コメント ゲーテが1797年、49歳の時に執筆した叙事詩です。ドイツの片田舎に住む、比較的裕
福な家の息子ヘルマンが、フランス革命で住んでいた街を追われて来た避難民達の中
にいた、心の清らかな女性ドロテーアに一目惚れし、彼女を妻に迎えるために苦心す
る様を描いたフィクション作品です。本作は、平たく言うと恋愛物ですが、現代の恋
愛ドラマばかりを見続けてきた私には、エラくあっさりしたストーリー展開に感じら
れました。こう書くと、単なる恋愛物作品のように思えてしまうかも知れませんが、
さにあらず。人間のエゴや醜さに対する思想などもしっかり見取る事が出来た作品で
したし、特に作中に登場する牧師さんが語るコメントには、個人的に学ぶところ多し
でした。ひょっとしたら、本作は、現代で言うところの「トレンディ・ドラマ」に相
当する作品なのかも知れませんね。