宇宙戦艦ヤマト


 松本零士氏原作なるテレビ・シリーズ・アニメ。アンドロメダ星雲に本拠を構えるガミラス帝国が
冥王星に建設した基地から発射する遊星爆弾の攻撃により地球は廃虚と化した。

 生き残った人類は地下都市へと避難したが、じわじわと浸透する放射能によって1年以内に全滅す
る事が避けられなくなっていた。

 そんな折り、謎の宇宙船が地球に墜落した。乗員だった女性は死亡していたが、携えて来たメッセ
ージには、アンドロメダ星雲のイスカンダル星には放射能除去装置コスモクリーナーがあり、それを
使えば地球を救えるとの事だった。

 このメッセージ・カプセルには、人類が持たないワープ・エンジンの設計図が添えられてあり、人
類はそのエンジンを建造中の最新鋭宇宙戦艦『ヤマト』に搭載し、コスモクリーナーを受領すべく、
『ヤマト』はイスカンダル星へ向けて旅立った。

 本アニメは続作として劇場版の『愛の戦士たち』、『新たなる旅立ち』、それに続いて劇場版をテ
レビ・シリーズ化したものなどが制作され、現在に至ってもそれらの後年を描いたOVAが発売され
ているようである。

【コメント】

 1970年代、"ロボ・プロ" アニメ全盛期の当時において、ロボットの登場しない、いわゆる戦艦や戦
闘機などの "通常兵器" 戦闘ものである本作の登場には衝撃を憶えさせられたものでした。

 当時の私はアニメ・フリークであると共にWW2マニアもやっていて、日本帝国海軍の軍艦のプラ
モを集めたりしていたので、ヤマトの登場は諸手で拍手ものでした。

 1作目がハッピー・エンドで終わった後、劇場版『さよなら宇宙戦艦ヤマト/愛の戦士たち』が制
作され、白色彗星帝国との戦いのラストにおいて、大破したヤマトが自らの犠牲を持って地球を救う
べく帝国の巨大戦艦に突入して行くシーンには涙ものの感動を憶え、これでヤマトも伝説の名作とし
て心に残ったとひとり納得していました。

 ところが、『愛の戦士たち』の大人気に味をしめてか、なんとその後にさらなる劇場版の続作『新
たなる旅立ち』が制作され、沈んだはずのヤマトは出て来るわ、死んだはずのキャラは生き返るわと、
制作サイドはやりたい放題であり、その後もテレビ・アニメが引き続いて制作されるなど、まさに商
売っ気丸出しの傍若無人ぶりであり、入れ込んでいた私ですら『新たなる旅立ち』までは何とか見た
ものの、それ以降の作品については見るのをやめてしまいました。

 私の個人的な意見では、人気が出がらしになるまでズルズルと引っ張るのは作品の品位を下げるだ
けであり、ヤマトは劇場版の『愛の戦士たち』で完結させて欲しかったと思っています。


■所有メディア

『さらば宇宙戦艦ヤマト/愛の戦士たち/サウンドトラック』LPレコード
(日本コロンビア:CQ-7011:1978年)


『ヤマト/I adore the eternity of LOVE』LPレコード
(ポリドール:MR3162:1978年)


『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち/サウンドトラック』LPレコード
(日本コロンビア:CQ-7011:1979年)


『宇宙戦艦ヤマト/シンセサイザー・ファンタジー』LPレコード
(日本コロンビア:CX-7075:1982年)