超時空要塞マクロス


 テレビ・シリーズ・アニメ。舞台は未来の地球。月軌道の内側で亜空間から突如現れた所属不明の
巨大戦艦が地球の孤島に墜落した。

 人類は10年の歳月をかけてこの戦艦を分析すると共に人類の技術を用いて修復をも行い、この艦を
『マクロス』と命名した。

 『マクロス』進宙式の当日、島で盛大なイベントが催されているさ中、月軌道の内側に正体不明の
艦隊が出現した。

 地球軍は警戒態勢を取りつつこの艦隊の動静を伺おうとしたが、艦隊から出た偵察艦が地球に接近
した時、突如、『マクロス』の主砲が自動的に砲撃準備に入った。

 砲撃を阻止しようとするクルーの必死の努力も虚しく主砲は強制的に発射され、偵察艦を撃破して
しまった。

 『マクロス』のグローバル艦長は、『マクロス』が実は謎の艦隊の敵対勢力が残して行ったブービ
ー・トラップであった事に気づいたが時すでに遅かった。

 謎の艦隊の反撃の切っ先を制するべく地球軍は直ちに攻撃行動に入ったが、戦力で圧倒的に勝る謎
の艦隊は瞬く間に地球軍の宇宙防衛ラインを突破し、『マクロス』に向かって降下部隊を放った。

 ロイ・フォッカー少佐率いるバルキリー隊は激戦の末にこれを退け、『マクロス』は宇宙へ向けて
発進した。

【コメント】

 可変戦闘機VF−1『バルキリー』の秀逸なメカ・デザインもさる事ながら、放映前からアニメ雑
誌で非常に前評判が高かった作品です。

 本作の完成度がいかに高かったかは、スタッフとして携わった監督の石黒昇、キャラ・デザインの
美樹本晴彦、メカ・デザインの河森正治、宮武一貴、作画監督の平野俊弘、板野一郎などが本作をき
っかけにアニメ界で一躍有名となったのを見ても一目僚然です。

 当初、物語はゼントラーディー軍のボドル基幹艦隊の撃破でハッピー・エンドとなるはずでしたが、
余りの人気に引きずられるような形で急遽延長されました。

 ところが、延長された部分の物語は、いかにも急造らしくストーリー構成がまったく煮詰まってい
ない上に作画も多くの話数において劣悪であり、ファンになっていた私としてはすっかり興ざめして
しまいました。

 延長は私も望むひとりではありましたが、あれほど慌てて前半より質の落ちるものを作るぐらいな
らば、例え半年ほどかけても、もっと良いものを作って欲しかったものです。

 テレビ・シリーズが終わった後、1994年には劇場版の『愛おぼえていますか』が制作されましたが、
これはテレビのベスト・テン番組入りした主題歌も合わせてすばらしい作品でした。


■所有メディア

劇場版『超時空要塞マクロス』ビデオ
(小学館ビデオ:VBG42:1984年)


『超時空要塞マクロス・サウンドトラック』LPレコード
(ビクター音楽産業:JBX-25008:1982年)


『超時空要塞マクロス・サウンドトラックVol.2』LPレコード
(ビクター音楽産業:JBX-25013:1983年)


『超時空要塞マクロス・サウンドトラックVol.3/MISS DJ』LPレコード
(ビクター音楽産業:JBX-25016:1983年)


『超時空要塞マクロス・サウンドトラックVol.4/遙かなる想い』LPレコード
(ビクター音楽産業:JBX-25023・1983年)


『超時空要塞マクロス/ジャム・トリップ』LPレコード
(日本コロンビア:CX-7120・1983年)


『超時空要塞マクロス/シンセサイザー・ファンタジー』LPレコード
(日本コロンビア:CX-7098:1983年)