シリーズの構成は、以下の通りです。(発売順)
『X-WING』本編(FD) | ('92) |
X-WING 追加ミッション『Imperial Pursuit』(FD) | ('93) |
X-WING 追加ミッション『B-WING』(FD) | ('93) |
『TIE FIGHTER』本編(FD) | ('94) |
『X-WING COLLECTOR'S CD-ROM』 | ('94) |
TIE FIGHTER 追加ミッション『Defender of the Empire』(FD) | ('94) |
『TIE FIGHTER COLLECTOR'S CD-ROM』 | ('95) |
『X-WING vs TIE FIGHTER』(CD) | ('97) |
XvsT 追加ミッション『BALANCE OF POWER』(CD) | ('98) |
『X-WING COLLECTOR SERIES』(CD) | ('98) |
『X-WING COLLECTOR'S CD-ROM』(CLASSIC) | ('98) |
『TIE FIGHTER COLLECTOR'S CD-ROM』(CLASSIC) | ('98) |
『X-WING ALLIANCE』 | ('99) |
供給メディアは、『X-WING vs TIE FIGHTER』以降はCD-ROMのみの供給になっていますが、旧来の
『X-WING』、『TIE FIGHTER』は共にFD版とCD-ROM版の両方があり、FD版の場合はゲーム本体と
追加ミッションはそれぞれ単独のパッケージになっていて、個別に購入する事になります。
当然の事ながらFD版の追加ミッションは単独ではプレイする事は出来ないので、それぞれのゲー
ム本体が必要となります。
CD版の方は、ゲーム本体と追加ミッションがすべて収録されているので、個別に購入する手間も
インストールする手間も省けますし、お買得にもなっています。
尚、FD版とCD版の相違点については、シリーズ紹介コーナーの方で解説してありますので、そ
ちらを参照下さい。
X-WING/TIEシリーズにおけるプレイヤーは、『X-WING』の場合は反乱同盟軍、『TIE FIGHTER』の
場合は帝国軍、『X-WING vs TIE FIGHTER』の場合はいずれかの陣営の1パイロットとなりますが、
プレイヤーは一騎当千ではあるにしても決して無敵でも特別な存在などでもなく、搭乗する戦闘機も
通常の量産機に過ぎません。
ゲームでは、プレイヤー単機、またはプレイヤーが指揮をとる戦闘機1個小隊程度の小戦力で行う
ミッションもありますが、他の味方機部隊や艦艇が参加するミッションも多く、中、大規模なミッシ
ョンでは、プレイヤーの行動は戦況全体に影響を与えるほど重要なものであり、いちばんしんどい役
割をさせられますが、プレイヤーひとりでは勝利する事は出来ないようになっています。
例えば、重武装の敵艦船捕獲任務部隊を援護するミッションとかでは、援護そっちのけで敵戦闘機
を追い回すのに夢中になっていると、任務部隊が殲滅されてミッションは失敗してしまいますし、護
衛ミッションでは、敵機の撃滅より護衛対象を生き延びさせる事を最優先に考えなくてはならないと
言った具合にです。
時には、味方の任務部隊の攻撃を支援するため、プレイヤー機がオトリとなって牽制攻撃を掛け、
敵艦の対空砲火を引き付けたりする事が必要な時もあります。
つまり、優先されるのはあくまで "任務" の完遂であり、敵の撃滅は二義的な目標に過ぎない。こ
れがフライト・シミュレータたる由縁であり、単に敵の撃滅と自分の身を守る事だけ心配していれば
済むシューティング・ゲームと決定的に違うところなのです。
敵味方の多数の戦闘機や艦艇が参加するミッションでは、ディスプレイのいたる所でレーザーやミ
サイルが飛び交い、まさに "戦場" にいる気分に浸れます。(それはもう、私はゾクゾクしましたね(^^;)
ゲームの全体的な構成は『X-WING』、『TIE FIGHTER』に関しては共通で、
◆パイロット適正ステージ(基礎練習)
登場する機種それぞれに搭乗し、飛行、射撃、その他戦闘に際しての基本操作を習得し、機体の運
動性を把握するための練習ステージ。アメリカ人らしいと言うか何と言うか、操作を体で憶えさせ
るためか比較的単調な訓練を延々とやらされるため、まともにやるとかなり長時間かかるが、確か
にこれをクリアし、その中に含まれる "実戦" に必要な要素が理解できればやって見る値打ちはあ
る。だが、これをやらずともヒストリカルを戦えば、必要な技能と知識は得る事は出来る。私の場
合、全配属任務を戦い終えた後でこのステージをやって見て、この練習の言わんとする事がようや
く理解出来た有様であった。(^^;
◆ヒストリカル・シミュレーション
練習の一環であるが、こちらは過去の戦闘記録を使用したものであり、実際に敵機との交戦および
味方との連携作戦を習得するための実戦さながらのミッションを体験する。いやがおうにも、セン
サーを含む機体に備えられるほぼすべての装置を駆使させられる。ヒストリカルをクリア出来なけ
れば、配属任務を戦い抜く事は困難である。機種別にその機の特徴を生かせるような内容のミッシ
ョンが幾つかずつ用意されている。
◆配属任務(『X-WING』=TOUR OF DUTY、『TIE FIGHTER』=BATTLE MISSION)
いわゆる "実戦" で、連続したキャンペーン・ミッションを戦って行く。ヒストリカルと違い、こ
ちらは撃墜されると "戦死"、"捕虜"、または "味方による救助" かの判定がなされ、戦死か捕虜
の場合はそのパイロットの記録は抹消され、始めのミッションからやり直しとなってしまうため、
1ミッションをクリアするごとにパイロット・ファイルをバック・アップしておかないと大変であ
る。また、配属任務では、ミッションごとに搭乗機種が割当てられるため、プレイヤーは自分で好
きな機体を選ぶ事は出来ない。
上記の3つに分かれています。(『X-WING vs TIE FIGHTER』では、ミッションの構成は異なってお
り、全部で5種類に分類されています。詳しくはシリーズ紹介コーナーの『X-WING vs TIE FIGHTER』
を参照して下さい)
この中でゲームのメインとなるのは配属任務であり、各ミッションごとに任務に応じて、
『〜を破壊せよ』
『〜を護衛せよ』
『〜を捕獲/奪取せよ』
等の複数のコンプリート条件が与えられており、これらをすべてクリアしないとミッション完了とは
認められません。
配属任務の各ミッションのシチュエーションは、だいたい以下のようなものに分類されます。
◆攻撃ミッション
敵艦や補給基地等を攻撃する純然たる攻撃任務。
1:攻撃機タイプの戦闘機に乗せられた場合は、プレイヤー自身が目標を攻撃する。ミッションに
よっては軽快タイプの戦闘機が援護に付く場合もある。
2:軽快タイプの戦闘機に乗せられ、他に重武装の攻撃機隊が参加している場合は、プレイヤーは
目標を攻撃する攻撃機隊を援護する。
◆護衛ミッション
護衛対象の艦船や輸送機等を敵の攻撃から守る。地味で神経をすり減らされる任務。(だが、『X-
WING/TIE FIGHTER』シリーズ・ゲームの真髄とも言える)
◆奪取/捕獲ミッション
敵艦や敵機、補給物資を奪ったり、敵の将校や政府要人を捕虜にしたりする攻撃的任務。攻撃ミッ
ション同様、プレイヤー自身が攻撃する場合と援護する場合とがある。
第1段階:敵護衛戦力を撃滅し、捕獲目標を行動不能にする。
第2段階:後続で現れる味方の目標奪取部隊を敵の反撃から守る。
上記のように攻撃ミッションと護衛ミッションの両方の性格を合わせ持つため、ミッションの難易
度としては一番難しい。
と言ったところです。
ミッション開始前のブリーフィングにおいて、任務の内容、目標、作戦空域の状況およびプレイヤ
ーが成すべき事柄については説明がありますが、いかにしてミッションを完遂させるかの戦術面につ
いてはプレイヤーに一任されます。
プレイヤーは、敵の配置、敵増援部隊の出現状況、自らの指揮下に置かれた味方機、他の味方参加
部隊の任務および動向などの要素を元に戦術を立ててミッションに臨むのですが、多くの場合、この
戦術は実際に何度かミッションを戦って見て、失敗しまくりながらその経験を元に立てる事になるの
で、ぶっつけ本番の1発でクリア出来るミッションはそうそうありません。
また、ミッションによってはプレイヤーが戦闘機小隊(2機〜4機で編成)を指揮する場合もあり、
通信により、「目標を攻撃せよ」、「目標を無視しろ」、「私を援護しろ」、「回避行動を取れ」、
「待機せよ」、「任務を続行せよ」、「帰還せよ」、「遂行中の行動を報告せよ」などの命令を与え
る事が出来ます。
プレイヤーの指揮下にない他の戦闘機小隊や輸送機などは与えられた任務に沿って自動的に行動す
るため、これらに対しては攻撃や援護を命令する事は出来ませんが、「回避行動を取れ」、「待機せ
よ」、「任務を続行せよ」、「帰還せよ」、「遂行中の行動を報告せよ」などの副次的命令は出来る
ようになっています。また、味方艦艇に対しては、「遂行中の行動を報告せよ」のみが使えます。
『X-WING/TIE FIGHTER』シリーズのゲームでも、敵機/敵艦や味方の増援、後続部隊の登場パタ
ーンはだいたい決まっていますが、プレイヤー機の行動位置や敵味方の損失状況等によってこれらの
登場タイミングがずれたり、また、味方の任務部隊が損害大で任務遂行が困難になった場合にプレイ
ヤー機がそれをバック・アップしなければならなくなったり、援護機が予定外に早く撃墜されたりと
同じミッションでも毎回プレイする度に状況が変化するため、従来のシューティング・ゲームのよう
なオン・ザ・レール的なパターン・プレイが難しく、ケース・バイ・ケースで不測の事態にも対処し
なければなりません。(戦闘とは、万事予定通りには行かないものなのです)
総じて、『X-WING/TIE FIGHTER』シリーズのゲームは、自分の事だけを考えていては勝てない造
りになっていると言う事ですね。
シューティング・ゲームとかでは、登場するメカの種類による違いは、せいぜい装備している武器
と耐久力程度ですが、シミュレータである『X-WING/TIE FIGHTER』での各メカはそれぞれ用途に応
じた機能と能力を持っています。
ゲームをプレイする上では各メカの機能をある程度把握しておく必要があるのですが、私の経験か
ら言っても購入されたばかりの方々はメカの多さに戸惑う事と思います。
『X-WING/TIE FIGHTER』は、メカのスペックがしっかり反映されているゲームなので、ぜひメカ
紹介のコーナーで予備知識を得てゲームに臨んで頂きたいと思います。
ただ映画を見ていても、巨大なスター・デストロイヤーの手強さなどは、"大きいから強ぇ" と言
う程度にしか理解出来ませんが、『X-WING/TIE FIGHTER』では、スター・デストロイヤーを始め、
"実際に" 映画に登場したメカと戦い、それらの強さを実感する事が出来ます。
馬鹿馬鹿しく思えるかも知れませんが、『X-WING/TIE FIGHTER』をプレイした人が、「俺、スタ
ー・デストロイヤーを7隻も沈めたんだぜ」と言えば、まさにその通りであり、その人はスター・デ
ストロイヤーの本当の手強さを知っているのです。
ルークやハン・ソロ、レイア姫たちの冒険めいたド派手な活躍の影では、大勢の無名戦士たちが銀
河のいたる所で己が大儀のために戦っていました。私は彼らこそがスター・ウォーズ世界の戦いを支
えていたのだと思います。
『X-WING/TIE FIGHTER』では、あなたはその大勢の戦士の中のひとり、1パイロットとしてこの
戦いに加わる事になります。
あなたは大勢の仲間と共に戦って敵を撃破し、そして多くの仲間を失う事でしょう。それが戦争で
あり、真の "スター・ウォーズ" の世界なのです。
1パイロットとしてレーザーやミサイルが飛び交う最前線に出れば、そこは殺るか殺られるか。自
らが砲火の中に身を置いた状況下においては、陣営の優劣などは何の意味も持たなくなります。
同盟軍、帝国軍のどちらであろうと、ひとりの宇宙戦士として戦いに臨むあなたの健闘を祈ります。
グッド・ラック!!