『TIE FIGHTER』護衛ミッション・リプレイ


 はっきり言ってこのバトル3−3は、『TIE FIGHTER』でもトップ・クラスの難易度のミッション
であり、私も2度目のキャンペーン・クリアに挑戦した時ですら、十数回はこのミッションをやり直
すハメに陥りました。(^^;

 ともかく敵機の登場パターンが毎回毎回変わるので、ろくな戦術を立てる事が出来ず、結局、行き
当たりばったりに戦うしかありませんでした。

 ちなみに、このミッションでは、『TIE FIGHTER』におけるミサイル迎撃戦の真髄を見る事が出来
ます。

 これは『X-WING』には無かった要素であり、プレイをなかなかスリリングなものにしてくれます。

 『TIE FIGHTER』における空対空ミサイルは、敵機の攻撃用だけでなく護衛対象へ向かう敵のミサ
イルを撃ち落とすのにも使うものであると言う事を教えてくれたミッションでありました。


【TIE FIGHTER バトル3−3戦闘記】

 

『フリゲート艦 "ルドウィック" は、惑星 "パクーニ" 近辺の前進基地プラットフォーム建設予定空
 域に先行し、建設船団が到着するまで同空域を警備すべし』

 "私の" 戦闘機小隊を搭載したネブロンB-II級フリゲート艦『ルドウィック』は、艦隊総司令部か
らの命令を受けて惑星パクーニの見えるプラットフォーム建設予定空域に到着した。

 前ミッションでパクーニ海賊の拠点となっていた宇宙基地掃討は完了したので、続いてこの空域の
秩序維持の拠点とすべく帝国軍のプラットフォームを設置する事になったのである。

 ブリーフィングにおける艦長からの説明では、プラットフォーム建設を阻止するため同盟軍および、
場合によってはパクーニ海賊の抵抗が予想されるので充分に警戒せよとの事だった。

 前任務において活躍が認められた私は、今回の任務では、4機のTIEファイターから成るアルフ
ァ小隊の指揮を取るように命令を受けた。

 中佐に昇格してからこのかた、たとえTIEファイターと言えども、ついに "自分の小隊" を持つ
事が出来たのである。

 小隊長として飛ぶのは初めてだが、今まで小隊長補佐として何度か指揮を取った経験はあるので何
とかなるだろう。

 今回のミッションでは、機体に特別な改装が施され、衝撃ミサイルが8発搭載されていた。

 従来の要撃戦は、TIEファイター/インターセプター隊と衝撃ミサイル装備のTIEボンバー隊
がチームを組んで行うが、TIEボンバーが不足しているとの事で、我々がそれを補うのである。

 空域到着後、第1波のCAPとして出ていたTIEインターセプター・デルタ小隊およびTIEフ
ァイター・ゼータ小隊と交代すべく、左後方に "アルファ2"、と "アルファ4"、 右後方に "アル
ファ3" を従え、私は『ルドウィック』から発進した。

 前方にCAPを終えて帰投して来るデルタおよびゼータ小隊所属機、そして左には我が隊と共に先
の2小隊からCAPを引き継ぐべく発進したTIEインターセプター・ガンマ小隊の2機が見えた。

 ガンマ小隊の2機は、『ルドウィック』から少し離れた所でCAPのループ・パターン飛行に入っ
たが、私は艦のすぐそばで停止して待機する事にした。

 ほどなく、艦からさらに、TIEファイターのベータ小隊が出撃して来た。おかしい・・・、CA
Pにしては数を出し過ぎだ、敵が来るのか?

『敵フリゲート艦1隻探知!』

 おいでなすった! CMDで敵艦を捕捉すると、センサーの反応特徴から同盟軍のネブロンB級フ
リゲート艦『ハントレス』と判明した。

 直ちにT/I・ガンマ小隊とT/F・ベータ小隊が全速で迎撃に向かうのが見えたが、まだ早すぎ
る。 我々の役目は敵機の迎撃だ、いま向かっても敵艦の対空砲火にやられるだけだぞ。

『Z−95 3機、距離3!』

続いて

『Bウィング3機、距離3!』

さあ出番だ! 私はフル・スロットルで敵機へ向かった。

「アルファ・ワンよりアルファ隊各機へ、敵Z−95を攻撃しろ!」
『ラジャー、アルファ・ワン』

 私は僚機にBウィングを攻撃させようかとも思ったが、先行したT/I・ガンマ小隊が叩いてくれ
るはずなので、僚機にはZ−95を攻撃させてT/F・ベータ隊を支援する事にし、私のみがBウィ
ング隊に向かう事にした。

 が、しかし、よりによってガンマ小隊の連中は、敵艦からまだいくらも離れていないBウィング隊
に正面攻撃をかけ、敵艦の対空砲火をまともに食らって "ガンマ2" が撃ち落とされてしまった。

 馬鹿野郎っ! 俺よりましな機体に乗っているくせに、戦術と言うものを知らんのかっ!

 ともかく、重ロケットを積んだBウィングは『ルドウィック』にとって脅威である、最優先で撃破
せねばならない。

 私はガンマ小隊の攻撃で編隊を乱したBウィング隊の "ブルー2" を補足してレーザーを浴びせた
が、強力な防御力を持つ同盟軍のBウィングはなかなか落ちない、もたもたしていると、他のBウィ
ングがロケットか魚雷を『ルドウィック』へ発射してしまう。

 焦る気持ちを抑えつつ、やっとの事で "ブルー2" を撃墜。 次のBウィングを探すと、"ブルー1"
には "ガンマ1" が食いついているのが見えたので、私は "ブルー3" を補足して撃墜した。

 よし! 次は "ブルー1" を・・・、と思った時、『ルドウィック』へ向かう2発の魚雷が見えた。
くそっ! "ガンマ1" の野郎は、いったい何をやってやがるんだ!!

 直ちに2発の魚雷を撃ち落とすべく、魚雷を追いかけてロック・オンし、各魚雷に向けて衝撃ミサ
イルを発射した。

 1発目の魚雷には衝撃ミサイルが追いついて爆発するのが見えたが、2発目の撃墜を悠長に見守っ
ているヒマはない、私はすぐにBウィングの "ブルー1" を追尾して攻撃を加え始めた矢先・・・、

『Bウィング3機探知!』

 新手かっ! いささかアテにはならないが、敵の "ブルー1" は "ガンマ1" に任せるしかあるまい。

 私は直ちに敵艦方向へ取って返し、編隊で出て来た敵Bウィング・レッド小隊の3機へ向かい、ロ
ケットの発射を妨害するためレーザー砲火を浴びせた。

 すれ違いざまに、散開した敵機の "レッド2" を補足して撃墜。 次だっ!と・・・、またしても
『ルドウィック』へ突進する重ロケットが2発!!

 くそっ! すぐにロックして衝撃ミサイルを発射。だが、さらに重ロケットと魚雷が1発ずつ向か
っているのを発見!

 魚雷の方は間に合わなかったが、重ロケットはミサイルで撃墜した。忙しくて『ルドウィック』が
何発被弾したか確かめるヒマもない!

『Xウィング3機、距離3!』

くそったれ! まだBウィングも片付いちゃいねぇぞっ!!

 とりあえず手近にいたBウィング "レッド1" を撃墜し、すぐさま反転して『ルドウィック』へ突
進するXウィング・レッド小隊へレーザーを浴びせた。

『Xウィング3機探知!』

何いぃっ!? これからXウィング・レッド小隊をやろうってのに、もう次が!?

 しかし、敵のXウィング・レッド小隊は今にもロケットを発射するかも知れず、無視するわけには
行かない。

 私は新手のXウィング・イエロー小隊にかまわず、"レッド3" を追撃して撃墜した。

 そこへXウィング・イエロー小隊が編隊で目の前を横切った!

「やらせるかっ!」

すぐに "イエロー2" をロックして撃墜したが、『ルドウィック』へ何発かの重ロケットが向かって
いるのが見えた。 くそっ! 間に合わない・・・命中!

『攻撃を受けている! 援護してくれ! 攻撃を受けている!』

悲痛な叫びの通信が聞こえたが、どうする事も出来ない。

 もはや『ルドウィック』は満身創痍の状態である、あといくらもミサイルの被弾に耐えられそうに
ない。

 戦況は混乱の極みであり、敵の残存機がどうなったのかも、味方が何機残っているのかも、僚機が
何処で何をしているかもさっぱり分からない。

 とにかく、敵をやるしかない! 私は『ルドウィック』へレーザーを浴びせていたXウィング "レ
ッド1" を補足して撃墜、続けてXウィング "イエロー1" を撃墜した。

『Aウィング2機探知!』

げっ!! ついに天敵が出て来た! TIEファイター対Aウィングでは、かなりこちらの部が悪い、し
かも2対1になったりしたら逃げ回るだけで精一杯だ、こうなれば・・・。

「アルファ1よりアルファ隊各機へ、Xウィング "イエロー3" を攻撃せよ!」
『ラジャー、アルファ1』

 応答があった! 何処にいるのかは知らないが、ともかく僚機は生きていた、頼むぞ〜〜〜。

 CMDで『ルドウィック』の状態をチェックしたところ、あと1〜2発の魚雷を受けると沈んでし
まいそうだ・・・。

 他の敵機の生き残りを確認しようとしていると、『ルドウィック』から敵艦攻撃部隊であるTIE
ボンバー・テータ小隊、続いて第2のT/I・ガンマ小隊が出撃して来た。

 どうやら、例の "ガンマ1" 野郎は撃墜されたらしい、今となってはどうでも良い事だが・・・。

 ともかく、T/Iに敵のAウィングを何とかしてもらうしかない、たぶん無理な話しだろうが・・・。

 とか何とか考えている内に、レーザー被射撃警告灯とミサイル照準警告灯が一挙に点滅を始めた!
来たか・・・。

 この距離でミサイルを発射されたら一巻の終わりだ。 私は機首をAウィングが来る方向に向け回
避運動を始めた。

 急速に距離を詰め、ドッグ・ファイトに持ち込む事により敵機にミサイルを発射させないようにす
る為である。

 2機のAウィングはレーザーを撃ちまくりながら突っ込んで来たが、必死でかわす。1発でも食ら
えばたちまち大破だ。

 シールドを装備したアサルト・ガンボートみたくヘッド・オンで撃ち返せないのがTIEファイタ
ーのみじめなところだ。敵機とすれ違った。

『味方コルベット艦3隻到着』
『味方カーゴ・フェリー3隻到着』

おっ! 建設船団の先頭部隊が到着した、あと少しガンバれば・・・。

 だが敵のAウィングはしつこく私を狙い、ミサイル照準警告灯は、ほとんど間断無く点滅しており、
必死で逃げ回るだけだった。

「やろ〜〜〜、頭に来た!」

やってやる! 攻撃は最大の防御じゃっ! 私はAウィング "ゴールド2" を追撃し始めたが、後ろか
ら片割れのAウィングがミサイルの照準を付けて来る為にすぐに回避行動をとらねばならず、ろくに
撃つ事も出来ない、くっそ〜〜〜。

『敵フリゲート艦、ハイパー・イン』

 どうやらT/B・テータ小隊は敵のフリゲート艦を沈められなかったようだが、Aウィングに追い
回されている今の私にとってはどうでも良い事だ。

『Yウィング2機探知!』

何だと!? いまさらパクーニ海賊の攻撃隊が!? くそっ!Aウィングに追われながら、こいつを迎え
撃つのは不可能だっ!

『味方バルク輸送船6隻到着』
『味方モジュラー・コンベア船3隻到着』
『スター・デストロイヤー "ストルワート" 到着』

『アルファ1へ、任務は完了した。帰投せよ!帰投せよ!』

 建設船団は全部到着した。これで私はお役御免だ。後は『ルドウィック』に逃げ込むだけだが、A
ウィング2機はまだしつこく付いて来る。

 とにかく少しでも直進飛行をしたら即命取りである。回避運動をしまくりながらで大いに手間取っ
たが、何とか生きて『ルドウィック』に飛び込んだ。

 くそっ! せめてアサルト・ガンボートにでも乗せてもらえりゃ、Aウィングに好きにはさせない
ものを・・・。

 結局、この作戦で味方はT/Fが2機とT/Iが2機撃墜され、私の小隊も "アルファ2" を失っ
たが、我が隊は私を含めて3機が生き残った。

 余りの混戦に、ろくな指揮が取れなかったのが心残りだが、初陣にしては、まあまあ巧くやった方
だろう。

 母艦である『ルドウィック』は大損害を受けたものの何とか生き残り、建設船団護衛部隊の強力な
援護の元でプラットフォームの建設も始まった。ほどなく、この空域も我が軍によって制圧されるで
あろう。

 さあ、少し休もう。次の任務はすぐにでも始まる・・・。

FINE...