『X-WING』捕獲/奪取ミッション・リプレイ


 具体的にX-WING/TIEシリーズのゲームがどのようなものか雰囲気を掴んで頂くため、捕獲/奪取
ミッションのひとつである『X-WING』本編のヒストリカル・シミュレーションの中で最も大がかりな
『Xウィング_6』のリプレイを例に上げてみます。

 このミッションは、惑星トゥルカーナ付近の空域に停泊中の帝国軍コルベット艦『タロン』を奇襲
して積んでいる機密書類を奪取すると言った作戦です。

 作戦に参加する同盟軍部隊は、

◆主攻撃部隊

 レッド小隊(Xウィング×4機)
 ゴールド小隊(Yウィング×2機)
 トランスポーター(移乗攻撃コマンド部隊搭載)×1機

◆陽動部隊

 フリゲート艦『リベレーター』
 ブルー小隊(Xウィング×4機)

全部で戦闘機10機、兵員輸送機1機、フリゲート艦1隻の戦力になります。

 プレイヤーはXウィング戦闘機に搭乗し、4機のXウィングから成るレッド小隊の2番機として作
戦に参加します。

 本作戦において、プレイヤーおよびレッド小隊に与えられた任務は、敵コルベット艦『タロン』を
攻撃して行動不能にする役割を担ったゴールド小隊と、『タロン』が行動不能となった後、ドッキン
グして攻撃コマンド部隊を移乗させ、機密書類を奪って離脱する味方のトランスポーターを援護する
事です。

 では、始まりぃ始まりぃ。(^^;


【X-WING ヒストリカル・シミュレーション・Xウィング_6】

 

 コクピットから見えていた放射状に流れる星の光が消え、私のXウィングは作戦空域にハイパー・
アウトした。閉じられていたS-FOILウィングが自動的に展開される。

 すぐさま戦闘準備に入る。 パワー・コンフィグレータを操作してレーザーへのエネルギー配分を
最大に設定し、同時にレーザーのチャージ済みのエネルギーをシールドに回す。

 コクピットから前を見ると、左前方に攻撃隊であるゴールド小隊所属のYウィングが見え、遥か右
前方では陽動を担って先発した味方フリゲート艦『リベレーター』が敵機群と交戦している事を意味
する赤と緑のレーザーの光芒が見えた。

 CMD(Combat Multiview Display)に手を延ばして近接敵機をチェックすると、『リベレーター』
の攻撃に向かわず敵艦の直衛に残った敵TIEファイター・デルタ小隊の1機を捉えた。

 さすがに帝国さんも馬鹿じゃない、護衛機全部を『リベレーター』の攻撃に投入して『タロン』を
丸裸にするようなマネはしなかったのである。

 私はスロットルをフル・パワーにし、Yウィング・ゴールド小隊を追い越して編隊の先頭に出た。

 それにしても、コクピットから見える光景では『リベレーター』は敵機の猛攻を受けており、プロ
トン魚雷の飛翔を示す青い航跡すら数本見える、大丈夫だろうか・・・?

 私の心配を察した訳ではなかろうが、もうひとつの陽動部隊であるXウィング・ブルー小隊がハイ
パー・アウトで到着し、手はず通り『リベレーター』の支援に向かった。頼むぞ・・・。

 さて、こっちだ。『タロン』直衛敵機との距離はみるみる詰まって来た。敵機もこちらに気づいて
向かって来ているのだ。

 距離2キロリーグを切り、敵機を視認した。敵機は2機、その内の1機が私に向かって突っ込んで
来る。

 手間取っている暇はない、シールドのチャージはまだ済んでいないが、ヘッド・オン射撃で落とす!

 真正面からの一騎討ち、敵機が先に発砲した。機の前方シールドにレーザーが命中して火花が散る
が、かまわずこちらも撃ち返す。

 敵機の機体に命中の光が瞬き、CMDに映る敵機の表示に "HULL DMG(大破)" が灯いたが、撃墜
は出来ずにすれ違った。

「ちいっ!!」

 こちらは機体そのものにダメージは無かったが前方シールドの大部分を失った。完全に再チャージ
している余裕は無いので、いくらかエネルギーをレーザーから回して最低限の補充を行うと直ちに敵
機を追った。

 XウィングとTIEファイターではそれほど飛行速度差が無いので迅速に追いつめるのは容易では
ない。

 だが、敵機は離脱せずに旋回してこちらを攻撃しようとしていたため、これを再捕捉し、今度はレ
ーザーの1撃で葬る。

 すぐにもう1機の敵機を探すと、味方のYウィングを追い回しているのが見えた。

 機動性の悪いYウィングは、かなりレーザーの命中弾を受けている。敵機の後ろからはレッド小隊
の僚機が敵機を攻撃していたが命中していない。

 私は速度を上げるためコンフィグレータを操作してエンジンへのパワー配分を上げ、敵機にやっと
追いつくと後方から攻撃してこれを撃墜した。

 敵デルタ小隊を撃破したところでシールドの再チャージを行いつつCMDで再び近接敵機をチェッ
クすると、さらに敵TIEファイター・ガンマ小隊の2機が向かって来るのが確認された。

 またしても正面から接近して来るため、今度は魚雷攻撃を試して見る事にした。 敵2機の内、Y
ウィング・ゴールド小隊へ向かおうとしていた1機をロック・オンし、プロトン魚雷を発射した。

 本来は対艦/固定目標攻撃用である魚雷は機動性が悪く、当たるかどうかは定かではないが、少な
くとも敵機に回避行動を取らせ、Yウィングへの攻撃は妨害出来るはずだ。

 残りの1機は私に向かって撃ちまくりながらまっすぐ突っ込んで来たが、今度はレーザー4門リン
ク射撃の1撃で撃墜した。

『ナイス・ショット!』

 僚機からお褒めの通信が入る。もう1機の敵機は脇目も振らずゴールド小隊へ直進したため、追い
ついた私の魚雷をまともに食らって爆散した。

 これで直衛の敵機はいなくなった。見ると、ゴールド小隊のYウィング2機は、すでにイオン・キ
ャノンで攻撃を始めており、敵艦も対空砲火でこれに応戦していた。

 コルベット艦1隻程度ならばYウィング2機とレッド小隊の僚機3機の攻撃力で充分撃破出来る、
後は任せておいて大丈夫だろう。

 そこで私は、受けた命令には無かったが、『リベレーター』とXウィング・ブルー小隊の支援に回
る事にした。同盟軍にとってフリゲート艦は大変貴重な戦力だ、ここで失う分けには行かない。

 『リベレーター』までの距離は6キロリーグと離れている。急ぐためにコンフィグレータを操作し
てレーザーのエネルギー配分を0にしてその分をエンジンに回し速度を絞り出す。

 CMDで『リベレーター』の状態をチェックすると、相次ぐ魚雷の被弾で防御シールドが破壊され
ている、何とか持ちこたえてくれよ・・・。

 敵機の方は少なくとも4機が残っており、『リベレーター』へ反復攻撃をかけている。

 『リベレーター』の対空砲火に加えてXウィング・ブルー小隊の4機も敵機を追いかけてはいるが
、小回りの効くTIEファイターやTIEボマーに手こずっているようだ。

 ようやく交戦空域まで2キロリーグのところまで到達し、直ちにコンフィグレータのレーザーを最
大にしてレーザーのチャージを始めると同時に、最寄りにいた敵TIEボマーをロック・オンして魚
雷を発射し、続いて視界に入ったTIEファイターを捕捉し、追撃してレーザーで撃墜した。

『目標のディセーブル完了!』

 ゴールド小隊から通信が入った。敵コルベット艦『タロン』を行動不能にするのに成功したのだ。

 私はさらに、『リベレーター』へレーザーを浴びせて離脱するTIEファイターを追撃したが、こ
の機は後ろから『リベレーター』の対空砲火を食らって爆散した。

「次だっ!」

 CMDでチェックすると、機体が大破して『タロン』へ帰還しようとしているTIEボマーを1機
捕捉した。直ちにこれを追撃して撃墜。

 これで空域に敵機の姿はなくなったので、私は『タロン』の方向へ向かい、レッド小隊の僚機と合
流する事にした。

 すでにYウィング・ゴールド小隊は引き上げており、入れ替わりに移乗攻撃コマンド部隊を乗せた
トランスポーターが到着していた。

 行動不能にされた『タロン』の所に戻ると、味方のトランスポーターが同艦に強行ドッキングする
ところだった。

 空域に敵の姿はまったく無かったが、レッド小隊の僚機3機は『タロン』の周囲に駐機して警戒体
勢を取っていたので私もそれに加わった。

 ほどなく、任務を終えたブルー小隊機が1機、また1機とハイパー・インで空域を離脱して行った。

 艦の外からは何も分からなかったが、今ごろ『タロン』の艦内では壮絶な銃撃戦が繰り広げられて
いるのだろう。だが私にはどうしてやる事も出来ない、味方のコマンド部隊がうまくやってくれるの
を祈るのみである。

 トランスポーターがドッキングしてから約4分が経った時・・・、

『ドッキング・オペレーション完了!』

 成功だ! トランスポーターは『タロン』から離脱した。私は帝国軍がこの艦を再度使用しないよ
うにレーザー攻撃で『タロン』を撃沈すると、トランスポーターと僚機の後を追った。

 やがてトランスポーターがハイパー・インし、司令部から作戦成功の知らせと引き揚げ命令の通信
が入った、やれやれである。

 味方を1機も失わなかったのは何よりだ。私は母艦へ帰還すべくハイパー・ドライブのスイッチを
押した・・・。


 ・・・、とまぁこういった具合にミッションは進みます。

 今回、例に上げたヒストリカル『Xウィング_6』は、このゲーム・シリーズのミッションの中で
は中規模に分類されます。

 登場した敵機はTIEファイター8機にTIEボマー4機。この内、プレイヤーである私が7機撃
墜し、陽動部隊が5機撃墜しました。

 今回のプレイでは味方に損失は出ませんでしたが、ゲームに慣れない内にプレイすると、Xウィン
グが2〜3機撃墜され、フリゲート艦『リベレーター』が沈められてしまう事でしょう。(ま、それ
でも機密文書の奪取に成功すれば、ミッション・コンプリートとはなりますが・・・)

 このミッションは敵機の登場機数が少なく、増援部隊も現れないので比較的楽な方であると言えま
す。配属任務の護衛ミッションでは、味方1個小隊の戦力で敵機を数十機も撃墜しなければならない
ようなものもあるのです。