帝国軍の厳しい監視のせいで大規模な兵器工廠を構える事の出来ない同盟軍は、戦力不足を補うた
め、ありとあらゆる帝国軍兵器を捕獲使用していましたが、戦闘機だけは独自に生産したものを使っ
ていました。
そのため、戦闘機に関しては同盟軍と帝国軍でそれぞれ独特の設計思想を見る事が出来ます。
『同盟軍パイロットは、常に数において3倍以上の敵機と交戦し、かつ、生きて戻って来なければ
ならない』
これは同盟軍のパイロット候補生が初めての訓練に先だって訓辞される言葉であり、同時に同盟
軍の苦しい現状を現しています。
物量面で圧倒的に帝国軍に劣る同盟軍は、これに対抗するため全戦闘機にシールドを装備して生
存性を高めました。
ただし、Z−95に代表される初期の戦闘機では、搭載している原子炉の出力が充分でなかった
関係上、ある程度の飛行速度を稼ぐためにシールドの強度を犠牲にせざるを得なかったようです。
しかし、この設計思想は結果的に戦闘機損失の増大を招いたようで、後に登場したYウィング以
降の戦闘機では、逆に飛行速度を抑えてシールドの強度を稼いでおり、損失の低減化が図られてい
ます。
また、同盟軍戦闘機は当初から全機種にハイパー・ドライブ・ユニットを装備しており、母艦に
依存する事なく長距離移動出来る利点を生かして奇襲攻撃およびヒット・アンド・ウェイ戦法によ
るゲリラ戦を行い、帝国軍を苦しめました。
◆帝国軍戦闘機
技術的に同盟軍より立ち遅れていた帝国軍は、初期のTIE戦闘機にはシールドもハイパー・ド
ライブ・ユニットも装備されていませんでした。
シールドの未装備は損失の増大を招きましたが、帝国軍は、これを物量で補うべく、機体強度を
含めて機体の設計を徹底的に簡素化する事により量産性を高めていました。
しかし、ハイパー・ドライブ未装備については長距離移動に際して母艦を必要としたため、前線
への戦闘機投入戦力は母艦の搭載機数により制約を受け、同盟軍の縦横無尽なる奇襲攻撃に即応出
来ずにいました。
やがてシールドとハイパー・ドライブ・ユニットを装備したアサルト・ガンボートが登場し、こ
れ以後に開発された帝国軍戦闘機にはすべてシールドとハイパー・ドライブ・ユニットが搭載され
るようになりましたが、量産性の問題から配備はなかなか進みませんでした。
この上級戦闘機の不足から、帝国軍では戦闘での功績に応じて随時上級機種の搭乗が許されるよ
うなシステムが確立されていました。
そのため、パイロットの基礎訓練を終えたばかりの新人は、まず帝国軍パイロット達(および
『TIE FIGHTER』ゲーマー達)から "棺桶" と呼ばれている防御力をほとんど持たないTIEファ
イターで出撃させられ、その時点で多くの新人パイロットが失われて行きました。
その代償として帝国軍は慢性的なパイロット不足に陥っていましたが、帝国軍ではパイロットも
消耗品のひとつだと考えられていたのです。
要撃/制空戦闘機=対戦闘機戦を主目的とする戦闘機で、主に攻撃作戦における制空戦闘や攻撃部
隊の護衛、防御戦闘における要撃/迎撃機を務める。飛行速度が速く小回りが
効くのが特徴だが、反面、防御力が弱い機体が多い。また、艦艇を含む重目標
を攻撃する武装は持っていない。
汎用戦闘機=そこそこの武装、そこそこの飛行速度、そこそこの機動力にそこそこの防御力を持ち、
あらゆる目標に対応出来る戦闘機。
戦闘攻撃機=攻撃用の武装に重点が置かれた戦闘機。重武装で防御力が高いのが特徴だが、小回り
の効かない機体が多い。いちおう対戦闘機戦も行える能力を持つが、あくまで付加的
なものに過ぎない。