ENDOR/ジェダイの復讐
ゲーム概略

 まずは、貴重な資料を提供して下さった 真島さんに感謝の言葉を捧げます。m(_._)m


■ゲーム概略

 本ゲームは、1983年にツクダ・ホビー社より発売されました。映画『ジェダイの復讐』における衛
星エンドアの地上戦闘を扱った作戦級 "ボード"・シミュレーション・ゲームです。

 同盟軍プレイヤーは、ゲーム・ボード中央にある帝国軍地下発電所施設へユニットを侵入させてサ
イコロを振って1が出れば勝利となり、帝国軍プレイヤーは、3分の2の同盟軍ユニットを撃破すれ
ば勝利となります。


■ボード

 ゲーム・ボードは計3枚から構成されています。中央にあるのが帝国軍の地下発電所への入口で、
上の画像からは分かりにくいのですが、その周辺の赤い太線で囲われたエリアには、同盟軍は初期配
置でトラップを仕掛ける事が出来ません。

 本ゲームでは、「メガ・ヘクス」システムを採用しており、ボード上には、7ヘクスをひとまとめ
とする「メガ・ヘクス」ごとに区切り線が描かれています。

 上は、地形の小ボードです。左が「しげみ」、右が「森」です。本ゲームのゲーム・ボード自体に
は地形は描かれていませんが、プレイ準備に際して、双方のプレイヤーが、上の地形小ボードを25枚
ずつ、交互にゲーム・ボード上の任意の位置に置いて行く事により、プレイ・ボードを完成させます。

 こういったやり方でマップを形成するゲームは見たことがありませんが、デザイナーズ・ノートに
よると、このシステムを採用する事により、プレイする度に地形が変わるので、ゲームのマンネリ化
が防げるとの事でした。

 ちなみに、「しげみ」と「森」は、移動および後述の「ユニットの隠蔽」に関して影響を与えます。


■ユニット

 上は帝国軍のユニットです。左からAT−ST、ストゥームトルーパー、スピーダー・バイクです。

 上は同盟軍のユニットです。左からハン・ソロ、レイア姫、チューバッカ、C−3PO、R2−D
2、同盟軍兵士です。

 上はイウォークのユニットです。左から投石、弓、槍でそれぞれ武装したイウォークです。

 上はイウォーク "お家芸" のトラップ・ユニットです。左から「ロープ引っかけ」、「丸太落とし」、
「丸太つぶし」、「落とし穴」、「投石器」です。

 投石器は、いちおうトラップに分類されていますが、攻撃力を持っており、射程内に入って来た帝
国軍ユニットを攻撃する事が出来ます。

 上はダミー・ユニットです。左から同盟軍ダミー、トラップ・ダミーです。帝国軍プレイヤーにと
ってはいまいましい事に、ゲームでは、登場ユニットと同数のダミー・ユニットが配置されます。


■登場ユニット数

 デフォルトの登場ユニット数は下記の表の通りです。

◆帝国軍
AT−ST 5 
ストゥームトルーパー 30 
スピーダー・バイク 6 
 
◆同盟軍
ハン・ソロ 1 
レイア姫 1 
チューバッカ 1 
C−3PO 1 
R2−D2 1 
同盟軍兵士 7 
イウォーク(投石) 10 
イウォーク(弓) 10 
イウォーク(槍) 10 
投石器 4 
トラップ(ロープ掛け) 10 
トラップ(丸太落とし) 10 
トラップ(丸太つぶし) 10 
トラップ(落とし穴) 10 
 


■ゲームの進行

 1イニング(野球で言う「回」に相当)の構成は下記の6フェイズから成っています。

 1.帝国軍移動フェイズ
 2.帝国軍索敵フェイズ
 3.帝国軍攻撃フェイズ
 4.同盟軍移動フェイズ
 5.同盟軍隠蔽フェイズ
 6.同盟軍攻撃フェイズ

 「隠蔽フェイズ」と言う、聞き慣れないフェイズがありますが、これについては、後述致します。


■ユニットの移動

◆AT−STの移動
 AT−STは、ヘクスからヘクスへ移動する場合は、機体が向いている方向にしか移動できません。
旋回する場合は、「次のヘクスに進んでから」ヘクス内で向きを変えますが、同一のヘクスでは60度
(つまりヘクスの "辺" ひとつ分)しか旋回する事が出来ません。

 60度以上の旋回を行いたい場合は、次のヘクスへ移動してから向きを変える事になります。

◆スピーダー・バイクの移動
 スピーダー・バイクもAT−STと同じく、ヘクス間を移動する際は、機体の向いている方向にし
か進む事が出来ません。

 同ユニットの場合は、現在いるヘクス内で向きを変えてから進む事が出来ますが、同一ヘクス内で
の旋回は60度までで、さらに1イニングで2回を越える旋回は行えません。

◆その他のユニットの移動
 上記の2種類以外の移動可能ユニット(主に歩兵)は、方向規定が無いため、自由に移動する事が
出来ます。


■隠 蔽

 本ゲームでは、同盟軍ユニットを裏返して配置するブラインド・システムを採用しています。さら
に正規ユニットに加えてダミー・ユニットが大量に配置されるため、帝国軍は同盟軍ユニットの正確
な所在が把握できないようになっています。

 帝国軍ユニットは、索敵フェイズに自軍ユニットの視認範囲にいる同盟軍のユニットをチェックす
る事により、正規ユニットかダミーかを識別します。

 識別された同盟軍ユニットは、それ以後、表に返されて正体を明らかにされてしまいますが、「隠
蔽フェイズ」でサイコロを振り、隠蔽表に記載されている数値以下の "目" が出れば、再び裏返す事
が出来ます。

 ちなみに、ダミー・ユニットは、識別された時点でボードから取り除かれ、再配置する事は出来ま
せん。


■トラップ

 同盟軍は、衛星エンドアの土着エイリアンであるイウォークを味方に付けている事から、イウォー
クのお家芸であるトラップを大量に使用する事が出来ます。

 エンドアはイウォークの "地元" である事から、トラップは、ボード中央の帝国軍支配地域を除い
て、自由に仕掛ける事が出来ます。

 トラップは、ボード上のメガ・ヘクス1つにつき1基を配置する事が出来ます。各トラップ・ユニ
ットには、対人、対スピーダー・バイク、対AT−ST値が記載されており、それらユニットがトラ
ップのあるメガ・ヘクス内で移動を終えたらサイコロを振り、出た "目" が数値以下であれば、問答
無用で帝国軍ユニットはボードから除去されてしまいます。

 ちなみに、メガ・ヘクスを通過する帝国軍ユニットに対してはトラップを使用する事は出来ません。
トラップが使用出来るのは、トラップがあるメガ・ヘクス内で移動を終えた帝国軍ユニットに対して
のみです。

 トラップの中で、投石器と「落とし穴」は、何度でも使用する事が出来ますが、それ以外の3種類
のトラップは、1度使用されるとボード上から取り除かれます。

 トラップについても、"実物" と同数のダミー・ユニットが配置されるため、帝国軍プレイヤーに
とって、裏返されたユニットで埋め尽くされたボードの眺めは、さぞかし気が重くなる事でしょう。


■AT−STへの攻撃

 同盟軍プレイヤーにとってはいまいましい事に、帝国軍のAT−STは、イウォークの投石器によ
る攻撃か、トラップでなければ破壊する事が出来ないようになっています。