デス・スター要塞戦
ゲーム概略

 まずは、貴重な資料を提供して下さった真島さんに感謝の言葉を捧げます。m(_._)m


■ゲーム概略

 本ゲームは、1982年にツクダ・ホビー社より発売されました。映画『スター・ウォーズ』のクライ
マックスである第1デス・スター上空の戦闘をシミュレーションした作戦級 "ボード"・シミュレー
ション・ゲームです。

 同盟軍プレイヤーは、帝国軍プレイヤーの操る戦闘機とデス・スターの対空砲による防御を突破し
てトレンチの排気ポートに魚雷を撃ち込めば勝利となり、それを阻止すれば帝国軍プレイヤーの勝利
となります。

 映画では、Xウィングで編成されるレッド中隊とYウィングで編成されるゴールド中隊のみしかス
クリーンには登場しませんでしたが、本ゲームでは、おそらく "史実" が再現されているのでしょう、
Xウィング2隊、Yウィング2隊で計30機の同盟軍戦闘機が登場します。


■ユニット

 戦闘機およびミレニアム・ファルコンは1ユニットで1機、デス・スターの対空砲は1ユニットで
1基となっています。

 ちょっと補足しておきますと、映画でルークが所属していたのは「レッド中隊」でしたが、本ゲー
ムでは、ルーカスの原作小説での設定に則り、ルークの所属隊は「ブルー隊」になっていました。

 登場するユニットは下記の通りです。

◆同盟軍
Xウィング ブルー隊12機
レッド隊9機
Yウィング イエロー隊9機
ブラウン隊3機
ミレニウム・ファルコン 1機
 
◆帝国軍
TIEファイター グレー・ワン隊9機
グレー・ツー隊9機
ダース・ベーダー隊所属2機
TIEアドバンスド・
プロトタイプ
1機(ベーダー卿)
重対空砲 26基
軽対空砲 61基
トレンチ側壁対空砲 16基
 
 シナリオによると、ゲームに登場するユニットは上記ですが、ユニット・シートには、カスタム・
プレイ/予備用を含めて全部で下記のユニットが付属しています。

◆同盟軍
Xウィング レッド隊12機
ブルー隊12機
グリーン隊12機
Yウィング イエロー隊6機
ブラウン隊6機
パープル隊6機
ミレニウム・ファルコン 4機
 
◆帝国軍
TIEファイター グレー・ワン隊16機
グレー・ツー隊16機
グレー・スリー隊16機
TIEアドバンスド・
プロトタイプ
6機
重対空砲 30基
軽対空砲 66基
トレンチ側壁対空砲 20基
 
 各ユニットには、下記のパラメータが設定されています。

◆プレイ・レベル初級
 1.最高移動力
 2.最小直進距離
 3.火力
 4.射程
 5.射界
 6.耐久力
 7.爆撃成功値
 8.士気値
◆プレイ・レベル中級
 9.増速力
 10.命中修正値
 11.機動修正値
 12.減速力
◆選択ルール
 13.偏向スクリーン値
 14.偏向スクリーン発生数
 15.操縦練度


■ゲームの進行

 1イニング(野球で言う「回」に相当)の構成は下記の8フェイズから成っています。

 1.同盟軍移動フェイズ
 2.同盟軍戦闘フェイズ
 3.帝国軍戦闘フェイズ
 4.帝国軍被害確認フェイズ
 5.帝国軍移動フェイズ
 6.帝国軍戦闘フェイズ
 7.同盟軍戦闘フェイズ
 8.同盟軍被害確認フェイズ

 要約すると、同盟軍移動→同盟軍攻撃→帝国軍の反撃→帝国軍側破壊ユニットの除去→帝国軍の移
動→帝国軍の攻撃→同盟軍反撃→同盟軍側破壊ユニットの除去、と言った具合になります。

 攻撃フェイズの後に相手が反撃するフェイズがあるのは、相互の戦闘が同時に行われた事を意味し
ます。


■ユニットの移動

 個々のユニットが移動力を消費しながらヘクスを移動するのは当然ですが、本ゲームにおける戦闘
機ユニットは、機体が向いている方向までが規定されており、旋回するのにも移動力を消費します。

 具体的には、3ヘクス直進した後で右斜め方向に進もうと思えば、3ヘクス目で止まり、移動力を
1消費してヘクス内で向きを変え、それから進んでいく事になります。

 ちなみに、ヘクス内での進行方向の角度変更は左右60度(つまりヘクスの "辺" ひとつ分)までし
か行えないので、60度以上の旋回を行おうと思えば、次のヘクスに直進移動してから旋回すると言っ
たやり方をします。

 対空砲は移動する事が出来ませんが、重対空砲は1イニングに120度(ヘクスの "辺" ふたつ分)、
軽対空砲は1イニングに180度(ヘクスの "辺" 三つ分)までの旋回が出来ます。

◆プレイ・レベル中級
 中級のプレイ・レベルになると、「高度レベル」と言うパラメータが加わります。高度レベルは、
トレンチの底がレベル0で、"表面" がレベル3、ターボ・レーザー砲塔の最上部がレベル6となっ
ています。

 高度レベルの追加により、移動に際しては「上昇」や「下降」と言った立体的な機動が加わる事に
なります。

◆選択ルール
 下記の機動が可能となります、

 1.横転
 2.宙返り
 3.スライド&120度旋回
  →機首の方向を変えずに機体を横滑りさせたり、横滑りを利用した120度旋回などが可能となり
   ますが、それに合わせてスピン判定が加わり、旋回に失敗すると、機体があらぬ方向に向いて
   しまいます。


■射 撃

 機体方向が適用されている関係で、当然、射界も制約を受ける事になります。各ユニットは、自分
の正面の射程距離内にいる敵ユニットのみを攻撃する事が出来ます。

 攻撃力は、ユニットの火力値と標的ユニットまでの距離によって算出されます。この攻撃力とサイ
コロを振って出た数字とで射撃結果表を参照し算出された数値が標的ユニットのダメージとなります。

◆プレイ・レベル中級
 「高度レベル」が適用されるため、上下の射界が生じます。これにより、デス・スター表面の対空
砲はトレンチを飛ぶ同盟軍戦闘機が見えなくなり、攻撃できなくなったりします。


■ダメージ

 攻撃によって受けたダメージがユニットの耐久力を上回ると、そのユニットは破壊されます。

◆選択ルール
 1.偏向シールド
  →これを展開する事により、被弾時のタメージを軽減できるようになります。展開方向は、機体
   の前後および左右のどちらかのみで、毎イニングごとに変更出来ます。

 2.R2−D2による機上応急修理
  →同盟軍戦闘機に限り適用されるルールです。毎戦闘フェイズ終了時にサイコロを振り、1が出
   れば、すでに被っているダメージをひとつ減らす事が出来ます。


■排気ポートへの爆撃

 これは当然、同盟軍プレイヤーのみが行える攻撃ですが、排気ポートに至るまで最低でもトレンチ
を20ヘクス直進しなければならないと言うルール上の制約があり、これはトレンチ側壁に設置される
対空砲の砲火の中を突っ切らなければならない事を意味します。

 さらに、排気ポート上空にたどり着いても、排気ポートの周囲に設置されている4基の対空砲の
「特別射撃」に生き残らなければ魚雷を発射する事が出来ないようになっています。

 トレンチ側壁対空砲の砲火を突っ切り、排気ポート直衛の対空砲の砲火をかわせば、ようやく爆撃
にかかれます。サイコロを2個振り、その数が爆撃成功値以下であればデス・スターは破壊されます。

 爆撃成功値がどの程度かと言いますと、スタンダード級のXウィング・パイロットの場合、爆撃成
功値は12に設定されています。(ちなみに、ルークは43)

 2個のサイコロは黒と白の2色になっており、黒いサイコロが十の位、白いサイコロが一の位とな
っているため、爆撃成功値が12だと、成功率は出目11〜66までの54パターンで僅かに11と12の2パタ
ーンのみ。つまりたったの4パーセントとなってしまいます。

 しかも各戦闘機は、ゲーム中で1回しか排気ポート攻撃が行えないようになっているので、ルーク
以外の戦闘機が排気ポートに魚雷を命中させるのは至難の業と言えます。

◆プレイ・レベル中級
 「高度レベル」の追加により、排気ポートへの爆撃航過は、より複雑になります。排気ポート手前
20ヘクスからは高度レベル3以下に降下せねばばらず、排気ポート手前7ヘクスからは、さらにレベ
ル1に降下します。

 そして排気ポート手前1ヘクスでレベル2へと上昇しながら魚雷を発射する事になります。