■■SPAIN四方山話■■■   2000■■■




スペイン在住=勉学中の
[(またの名を)ゴンサレス兼作]から、
気が向いた時に送られてくる
メールによる「SPAIN四方山話」2000年版

せっかく異国にいるのだから、
何か「ものおもう」こと書く?
ってことで、このコーナーははじまった。

異国にいる日本人から観た日本、日本人。
色んな話しが聞けることだろーと楽しみにしている。

かなり手厳しいが、「なるほどねえ」な異国からの便りだ。

別地点に立って、今までいた地点を眺める。
それが、どれだけの批評性を生むのか。

これもひとつの「見方」として。



     6月13日[独裁者フランコ]
     6月24日[欧州選手権]
     7月17日[サンフェルミンの牛追い]
     7月20日[時間]
     9月26日[オリンピック・サッカー]
    10月 2日[オリンピック・柔道]


6月13日(火)

[独裁者フランコ]

どうもゴンサレス兼作っす。

この間、学校のインタビューで
スペイン内戦以降の独裁者フランコについてきいたんだ。
そしたら、いろんな意見がかえってきたんだ。

なかでも興味深かったのが、
フランコが死んでから25年しかたっていないから、
まだフランコについて善悪を判断するのは
早すぎるっていう意見が多かったことだよ。

なぁんだ。
例えば日本では、一般には、
東条英機に代表される軍国主義者を
たいした理由もなしに、実際どのような政治をして
世の中を動かしたのかもしらずに、
絶対的悪とみなしちゃうよね。
僕もフランコに対して同じことを考えてたんだ。
つまりスペイン人にとってフランコは
絶対悪の象徴だとおもってた。
でも違ったよ。

例えばナポレオンがフランスでは英雄であって
スペインでは侵略者なように。
角度をかえれば、
フランコもスペインになんらかの利益をもたらしたって
考えてる人が多いのだ。

なんかスペイン人っていうのがちょっと好きになったのと、
日本人の危機感のなさにはあらためておどろいたけどね。
やっぱり一人のひとに対していろんな意見が
スペインではきけて、健全な社会だなって感じたよ。

ではまたかくね。


6月24日(土)

[欧州選手権]

どうもゴンサレス兼作っす。

欧州選手権でヨーロッパはもりあがってるよ。

優勝候補のドイツとイギリスが敗れて、
同じグループのルーマニアとポルトガルが
決勝トーナメントに進んだ。

ユーゴスラビアとかも決勝だよ。

現在ヨーロッパの8強は
ルーマニア、ポルトガル、スペイン、ユーゴ、イタリア、
トルコ、フランス、オランダ。

スペインは最後の試合でロスタイム(後半)に2点いれて
奇跡の決勝リーグ進出。
僕もみてたけど、まさかロスタイムに2点もいれるなんて、
アゴがはずれた。

ところでこの8強の中のプレーヤーに
唯一日本でプレーしてるのがいる。
そう我らがストイコビッチ。凄いよね。
ほとんどのメンバーはさ、
イタリアとかスペインとかプレミアムリーグにいるのにね。
ユーゴの試合の時の最初のメンバー紹介のとき、
ミハイロビッチ(ラッチオ)、ミヤトビッチ(インテル)
とか所属するチーム名も一緒にでてストイコビッチだけは
(Grampus Eight)だからね、笑っちゃうよ。

なんか凄く親近感抱いちゃった。


7月17日(月)

[サンフェルミンの牛追い]

ゴンサレス兼作です。

スペインの北部を
以前同じ会社にいた友達5人とレンタカーでまわってきた。

今回の旅は、笑い興奮して、
時にはいろいろなことについて考え、
そして時には今までの人生が走馬灯のように
駆け巡ったりした。

最高の旅だった。
スペインが地方によって全然違うことはしっていたが、
知っていることと実際、目にしてみることとは全然違った。
バスク人はテロリストばっかりだと思ってたら
いい奴が多かった。

一度ついてしまったイメージっていうのは
なかなか拭いとることは出来ない。
しかし実体験と想像力がそれを解決する。
つまり大切なのは体で得る情報と想像力だ。

サンフェルミンの牛追いでは、本能のまま逃げ惑い、
自分のことだけで精一杯だった。
また走りだす寸前まで仲良くしていた他の国からの旅行者も
僕らを押し倒してでも自分をまもろうとした。
そしてみんなと一緒にいたはずなのに、
いつのまにか一人になっている。

全力で走っていると前方で誰かが転ぶのが見える、
その瞬間その後ろを走っている10人ぐらいが
その人間につまずいて将棋倒しのように転ぶ。
後ろからは牛が迫ってきてる。
必死でそいつらをかわす。
一頭の牛がその集団につっこむのが見える。
周りは観衆の歓声や一緒にはしっている人々の叫び声で
かなりの騒音のはずなのに、なにか他人事のように感じる。

突然うしろから「牛だ!」と声がする。
振り返ると群れからはぐれて少しおくれて走ってきた牛が
すぐ後ろにいる。
慌てて右によける、転ぶ、
すぐ隣を牛が走り抜けた。

牛達は全長900メートルの最悪コンディションのコースを
2分少々で走りきる。
牛の前を走りつづけるのは不可能だ。
だから結果的に”牛追い”になる。
息を切らしながらゴールの闘牛場に滑り込む。
目の前ではまだ一頭の牛が出口を探してうろうろしている。
なんとか他のランナー達と一緒に追い出す。
その瞬間超満員の観衆たちからの
スタンディングオーベーション。
両腕を突き上げる。
もうヘトヘトだった。

結局その日の怪我人は26人、病院送り5人、(重体2人)。
一人は僕がみた集団のなかから。
僕の転んだときにできた、擦り傷をいれると怪我人27人。

その後例えばあの牛追いを
”戦火の中逃げ惑う状況”と考えた場合。
何をするべきなんだろうか? と考えた。
大切な人がいたとする、
その人を守ることは可能なのだろうか?
もちろん状況にもよるが
ケースによっては一緒に逃げるよりも
お互いの安全を祈りながら
別々に行動しなければならない時もあるということを感じた。

牛たちを追い込んだあと
満員の闘牛場で拍手喝采で迎えられるのは最高だった。
そして一緒に走った友達と無事再会したときの
あの感じはなんか、
今まで感じたことのないような感じだった。
でも、どういう状況に同じような体験できるかは想像がつく。
現代社会であんな気持ちを感じることができるなんて、
そんなないと思うけど。

5月にレアルマドリード優勝の際、
ファンたちがマドリードで暴れて、
それを静めるため警察隊が僕と友達にむかって
威嚇射撃をしながら迫ってくる時も、
少し違った意味で精神の高揚を感じた。
こういうことはテレビの中や異国
(スペインは異国だけど)
で起こることじゃない。
現実に存在する。

一緒にいった友達とは更に仲良くなった。
なかなかあーいった体験を共有することは出来ない。


7月20日(木)

[時間]

日本は地方でもおいしいフランス料理が食べれるのが
凄いって思う。
スペインではきっと
マドリードかバルセロナのホントにわずかなレストランでしか
フランス料理の旨いのは食べられない。
それはイタリア料理にも何料理にもいえて
マドリードで有名なイタリア料理屋さんでも
やっぱりそこそこの味しかでていない。
ナポリにいけば500円も払えば美味しいピザやパスタが
食べれるというのに。

これはどうしてなんだろうか?
どうして日本はこれだけ欧州の料理が
しかも本物に近い味で食べれるのか?
日本人はグルメとかいうけど、これはそれだけじゃないね。

日本っていうのはご飯を楽しむっていう習慣が
昔なかったからだね。
最近ご飯をゆっくり時間をかけて
楽しむことが出来る人もでてきた、
でも何百年とかけて洗礼された日本料理は
そういうふうにできていない。

だからもともとそういう食事の仕方をしている
イタリア料理やフランス料理を食べようということになる。

だから今日本料理は今変革の時期とみた。
例えば和風パスタなんていうのもあるけど、
まだ洗練された高級料理としての地位をえていない。
やはりそういうのは時間がかかるんだ。
逆にスペイン人がイタリア料理を食べないのは、
自国の国の料理がうまくてゆっくり食べれるのに、
なぜわざわざというのもあるんじゃないだろうか?
でも僕は個人的にはやっぱりイタリア料理の方が好きだ。

あともう一つ発見したのは、
日本料理にはアツアツ料理が多い。
ハフハフやってあっつぅって食べるのが多い。
それはウドンとかラーメンとか、
味噌汁とか鍋ものとかそういうので。
そういうのはイタリアとスペインにはほとんどない。
っていうかスペイン料理とかでは思いつかない。
パエーリャにしても、別にあつくない。
多分2時間かけて食事するから
ちょっと冷めるぐらいで味が変わるようじゃいけないんだ。
その熱さも日本人の食事時間を少なくしている要因の一つだと思う。
3分ぐらいでメシ食べちゃう人も日本にはいるからね。

そこまでして食事の時間を少なくして
はたらいてるフリをしている人は沢山いる。
日本の首都圏の平均通勤時間は確か1時間ぐらいだったと思うけど。
それはスペインの30分以上多い。
往復にすると、毎日1時間以上だ。
確かに電車の中とかの時間を活用している人もいる。
でも大部分はボケ−とすごしているよね。
その一時間を、友達と過ごすなり、
食事をゆっくり楽しむなりすればまったく違うのにね。
そう簡単なことではないけど。

フランスの平均労働時間は日本人の半分ぐらいだ。
でも所得は、同じぐらい。
しかもフランス人が本当に働きはじめるのは30近くなってから、
つまり10年近い差がある。
だから実際一人あたり一生に働く量は本当に日本人の半分以下。
つまり平均日本人は40歳になった時点で
フランス人の一生分働いているっていうことになる。
こうなってくると世界一の長寿大国がバカラシイと思わない?

よく外国のスポーツ選手は超一流選手でも、
現役引退したあと医者とかになったりする。
日本ではそんな奴はいない。
絶対不可能なことだと思う。

例えば野球で言えば一年目は球拾い。
それが小学校、中学校、高校とあるから3年間そうなる。
その3年間、勉強するなり、
優秀なコーチのもとで練習をするなりしたらどうなるだろう。

日本の医者になるにしてもドイツ語が必須(日本だけだと思う)
この勉強がなければ少なくとも1年は医者になるための
勉強が少なくなるはずだ。

英語の勉強ももうちょっとマシな授業すれば
もっと少ない時間で英語がうまくなるし。
日本のビジネスにしてもFAXを送るだけのことを
3日間もかけて学んだり。

そういう時間を活用すればそもそも一流になる人は
頭がよくて才能があるわけだから。
医者をやりながらスポーツ選手っていうのも
充分考えられるってもんだ。

大体ヨーロッパでは特にサッカーでは日本でいう
「今のはうまいプレーですね。」
って言う表現は、
「今のは、インテリジェント(頭のいい)プレーですね。」
って表現する。
サッカーをみてるとそのインテリジェントっていう言葉の連続だ。
というよりチームに貢献できないプレーをする奴は
いかに個人技術に優れていても「下手」となる。
日本でいう「彼はうまいんだけどねぇ」ではない。
「下手」なのだ。
話がずれていく。

つまりこちらではスポーツ(特にチームスポーツ)は
インテリジェンスをともなわないと、うまいとみなされない。
話がどんどんずれていく。

たまにこちらで日本人は時間を大切にしていて凄い、
みたいなことをいわれるが、まったくそうは思わない。
逆にもっとも非効率な時間の使いかたをしている国の一つだと思う。


9月26日(火)

[オリンピック・サッカー]

カメルーン対チリはなんかつまんない試合だったね。
スペインは決勝に進んだというのになんだか、もりあがってないよ。
本当にヨーロッパの中では、
オリンピックのサッカーなんてどうでもいいって雰囲気がある。

それよりもレアルが2位にあがったとか、
チャンピオンカップがどうのこうとか、
そういや今日はバルサが確かACミランと対戦するはず。
っていうことがズーット関心高い。

スペインの代表チームには
レアルマドリードの正ゴールキーパー(19歳)、
とかラウル(23歳)とかもでてない。
なのにオリンピックではもう決勝までいっちゃってる。
そのスペインのフル代表は今年会った欧州選手権には
ぎりぎりベスト8までいったって感じ。
このスペインがもし30日の決勝で優勝したとしたら、
スペイン国民は喜ぶと思う。
でもスペインA代表が
今年の6月の欧州選手権でベスト8進出を決めた時に比べたら
間違いなくその度合いはずっと低くなる。

日本対アメリカ戦はダイジェストでちょっとやったよ。
中田が本気で頭かかえてるのをはじめてみた。
中田が外したのは結構こっちでも知ってる人はしってた。
でもスター選手がPKをはずすことはそれほどめずらしくなくて
欧州選手権でもラウルがフランス戦はずした。
そしてこの間もレアル対マラガ戦ではずしてた。

スペインのメンディエッタという選手は、
PKの時走り出したら一回もボールを見ない、
ホントにずっとキーパの重心をみていて、
足がボールにインパクトするコンマ何秒の世界で
キーパーがもう山をはって
左右どちらかに動きはじめなきゃいけない状況になってから
キーパーの動きと反対方向にボールを蹴る。
だから絶対外さない。 
もちろん彼もスペインオリンピック代表にはでていない。

ちょっと話がずれたけど、
つまりヨーロッパには伝統あるリーグがあって、
そっちのほうが大切みたいだ。
大体オリンピック開催年にはサッカーでは
ワールドカップの次に大切な欧州選手権大会がある。
この大会は重要でスペインでも
国営放送で予選から決勝まで全試合中継した。
この欧州選手権のすぐ数ヶ月後にあるオリンピックに
欧州列強国がベストチームを組むのはちょっと難しい。
オリンピック予選もヨーロッパリーグと重なるし。

でもイタリアはリーグを一ヶ月遅らせたという話だけど。
もちろんヨーロッパチャンピオンリーグやUEFAリーグは
もう始まっていてその中の主力選手は当然オリンピックにでれない。

オリンピックっていうのは大きなイベントであることはまちがいない。
でもオリンピックのサッカーっていうのはW杯や欧州選手権、
そしてヨーロッパプロリーグにくらべて
レベルの低い戦いであることも事実。
それをスペイン人も当然知っているから、
今、決勝にのこったことに対してそれほど盛り上がっていない。

基本的にクラブチームは代表選手として
国際A級マッチに招集された場合、その選手をとめる権利はない。
だからアフリカとかがオリンピックサッカーで結構強かったりする。

もちろんこの事実が日本代表のオリンピックでの活躍の価値を下げるものではまったくない。
日本代表がアジア以外の国と攻撃的サッカーで2勝をあげたっていうのは本当に素晴らしいことだ。
ただ大切なのは、サッカーファンならば、
(サッカーファンじゃなかったらどうでもいいけど)
これからの日本代表をみまもっていくうえで、
今の日本代表がどういうレベルの大会で
どこまで通用したかってことを正しく認識することだ。

日本代表の活躍はダイジェストで少ししかみれなかったけど。
その中だけでも脳裏に焼き付いてはなれないプレーがいくつかある。
日本代表は成長している。
そして結果も出した、
そういう意味で日本にとって素晴らしい大会だった。


10月2日(月)

[オリンピック・柔道]

最近はヨーロッパはガソリンが値上がりしてて、
今日も運転手のストがあり手紙は配達されないし、
海は海で漁船がストをおこして(これも石油)港を閉鎖してるし。
結構みんな大変だよ。
この漁船の海閉鎖に対しては政府は妥協案をだして、
それを漁船組合の人がのんでちょっと収まった。

スペインだけじゃなくてフランスもドイツもかなり激しくストしてたよ。
トレーラーが幹線道路を封鎖して何十キロっも渋滞したりしてた。
こういうのは非常に面白い。
まぁ他人事なんだから面白いんだけど、
でも、そうやって国民が力を合わせればどんなことでも出来るんだぞ
俺達をなめるなっていうメッセージが伝わってくる。
こういうときストをする人たちのメッセージは明白だ。

今回の場合は
「ガソリンにかかる税金を下げろ」である。
政府は「ガソリンにかかる税金は絶対下げない」とくる。
どちらも引かないから交渉や妥協案がうまれる。

それは例えば、
貯蔵用ガソリンを市場にだして
ガソリンの供給を増やして
ガソリン自体の値段を下げる
とかいろいろあるんだけど。

現時点ではこの問題は解決していない、
ひょっとしたら政府は武力行使でくる可能せいだってある。

ストするほうだって、
「多分なにも変わらないかもしれない」
とわかっててやってると思う。

例えばサッカーの試合とかでも
スペインには毎週2回ゴールテンタイムから
3時間ぐらいかけてその日の試合や、
その週の試合を振り返る番組がある。
オフサイドやPKとかのきわどい判定は、
なんどもスローモーションでみせて、
今のは正しかったとか審判の判断ミスとかを指摘しながら徹底的にチェックする。
もちろん試合中も一度出たら判定なんて絶対かわりっこないのに、
選手たちは結構しつこく抗議する。
多分ヨーロッパの厳しい歴史が関係してるんだろう。
つまり納得しないかぎり権力者のいうことを受け入れない。

日本の柔道の選手が内股スカシ一本で勝利しているのに、
誤審のため逆に有効をとられてしまいそのまま優勢負けてしてしまったという話をよんだ。
それに対して日本柔道協会みたいなものは、
その優勝した異国の選手に柔道精神にのっとり
金メダルを返上しろとか要求してるみたいだ。

このエピソードはまさに現在の日本を代表している、
まず明らかに誤審だと感じた場合は選手もコーチも
その時点で抗議すべきだった。
柔道にタイムをとるシステムがあるかどうかはしらないけど
選手やコーチがあきらかに、その意向をしめせば
なんとか試合は中断できたはずだ。
柔道って確か主審が副審の意見を聞いたりするシーンってよくあったような気がする。
それでもどうしても判定が変わらない場合のみ、試合を続行する。
その後負けてしまった場合、
判定は変わらないとわかっていながらも、審判の誤審だとし、
優勝した選手に対してわけのわからないことをいってないで、
正式にオリンピック委員会に抗議すべきだ。

あと柔道精神とかいう話だけど、
そんなものは日本内でしか通用しない。
柔道は世界中の人間が楽しいと感じる素晴らしいスポーツで
一度日本の外へでたら、存在するのはスポーツとしてのルールだけだ。

だいたい一度も日本に住んだことない選手が、
一度も日本に住んだことないコーチに柔道をおしえられて
日本の精神なんてわかるわけないし、
理解する必要もない。

それはサッカーがイギリスの紳士のスポーツだといわれてるが、
サッカーをしている日本人やブラジル人が
楽しい一つのスポーツとしかみていないのとまったく一緒だ。
野球だってベースボールとは違う。

例えばワールドカップでイギリスが、
ブラジルと戦い誤審でオフサイドがみとめられず、
ブラジルの得点が認められ、そのせいで試合に負けてたとする。
それでもイギリス人は、ブラジルに対し
「ジェントルマンシップにのっとり勝利を返上すべきだ」
という恥ずかしい言い訳は口が裂けてもしないだろう。
責めるべき対象はブラジルの選手でなく、
審判でありワールドカップの役人だ。
試合内容は変わらないとわかっていても絶対抗議はつづく、
そうやってサッカーの審判をはじめ全体のレベルがあがってく。

まず自分が何を要求しているか、
そしてその要求は誰にすればいいのか?
その要求が相手の利益と対立する場合に、交渉がはじまる。
基本的なことだと思うけどな。

日本がとった態度は美談にもならないし、
世界からみて、
「あーそれでいいんだ」と思われてすぐわすれさられるだけだ。





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