■■■マイケル舞台評■■■



宝塚花組

夜明けの序曲

=マイケル、初日を1000days劇場で観る=

観劇日:1999年4月3日(土)
      15:30〜
      B席15列36番

劇場 :TAKARAZUKA1000days劇場

            作・監修:植田紳爾
              演出:酒井澄夫
               同:三木章雄


           川上音次郎:愛華みれ
               貞:大鳥れい
           高浪定二郎:匠ひびき
                 花組組生




=マグノリアの会=

文学座宝塚愛好会の名称であります。
このメンバーで、誰よりも宝塚を愛している
マイケルからの投稿だ!
彼は、私の「女の一生」旅公演先のホテルに、
以下のFAXを送信してくれたのだ。
爆笑!
旅公演先の金沢のホテルで、
私が仕事の疲れを癒した瞬間でしたね。
そのFAXを原文のまま掲載いたします。
もちろん、マイケルの承諾済。




=マイケル、花組「夜明けの序曲」初日を
1000days劇場で観る=

 初日、新公、楽の当日券は、
抽選によって決められることは私も承知のことであります。
宙組「エリザベート」の楽には
1000人が数少ない当日券を求めて集まったとのこと。

やや不人気とはいえ初日のこと、
「夜明けの序曲」にも200、300の人は集まるでしょう。
駄目でもともと、という気持ちで、
初日の当日券を求めて劇場まで9時少し前に行きました。
「エリザベート」の当日券を求めて朝の4時半や5時に
3回も並んだことを思えば実に楽なものです。

しかし、劇場前は閑散としていました。
時間を間違えたか。
いやいや、いましたいました。
切符売り場の前に数人の人たちが・・・。
キャトル・レーブ方向への行列ではなく、
向こう、と思いきや・・・居ません。
あれっ、係りの劇場の皆様も、見慣れた顔が総出なのですが、
お互い顔を見合わせ困った様子。

結局、40枚の当日券を28人で抽選しました。
私、5番目。B席15列36番。前途多難な新生花組の出発です。

初日のロビー。
初めての経験です。
そして、さすが初日。
「夜明けの序曲」作詞者、公文 健こと小林公平会長、
植田紳爾理事長、演出の酒井、三木の両先生、
そして演技指導の美吉左久子先生がお客様をお出迎え。
長年の宝塚ファン、桜内義雄元衆議院議長の元気なお姿も
(ちなみに私の学校の先輩なのだ)。
というわけで、初日の幕が上がりました。
内容について、こまごまとお話しするのはやめましょう。
一言で申せば「楽しめます」ということ。
もう一言いえば、
「いいじゃん。いい。意外にいいじゃん」ということ。
私ばかりの感想ではなく、
終演後の劇場のあちらこちらから聞こえてきた声です。

愛華みれと大鳥れいの新コンビがかなり健闘しています。
愛華みれ、歌がうまくなり、なかなかの貫祿で、
二人とも見事合格点。
芝居自体も、植田先生の作品によくみられる説明的台詞がなく、
すっきりとまとまっていました。
そして、何より思ったことは、
ふんだんにショー場面が出てくるので、
「楽しめる」ということです。
「エリザベート」ですっかり芸術的になってしまった頭を
心地よくほぐしてくれます。

日本物あり、歌舞伎あり、アメリカあり、パリあり、タンゴあり・・・。
言い方を変えれば、初めて宝塚を観る人に、
「エリザベート」や「ウエスト・サイド・ストーリー」は薦められなくても、この作品は薦められます。

『わぁー、楽しい、きれい、宝塚のお芝居ってこういう感じだよね』
と喜んでくれるのではないでしょうか。

そして、これこそ初日、と思ったのはカーテンコール。
磯野千尋組長のご挨拶がまずありました。
と、その時、開演中も2、3度あった子供の泣き声が
待ってましたとばかりにワァー。

ガキうるせい。

磯野組長のご挨拶もいったん中断。
しかし、険悪にはならず、むしろホノボノ。春ですものね。

愛華みれもご挨拶。
「お陰様で、こんなおおきな羽根を付けることが出来ました
(確かに大きい)。
お花見にはぜひ1000days劇場へ。
お好きなお花をお持ち帰り下さい」
などと、冗談をいう余裕。なかなか、かわいい。

いつものことかもしれませんが、
いったん降りた幕が3回(2回かな?)上がって大熱狂の中、
初日は終わりました。
そうそう、組長、お話しの中で、
オオカイダンのことをダイカイダンといって、
皆の失笑を買いました。
もちろん、すぐ言い直したのですが・・・。
こういうことって、ありますよね。

さて、出待ち。
6時30分に終わって、出が終わったのが8時30分。
最後は水 夏希(と思うのですが、似た顔がいるので確信持てず)。
もっと早く出てこんか。

タモさんはじめ、皆、なかなかすがすがしい「出」でした。
宙組のだれかさんと違って。
一番印象に残ったのは、大鳥れい。
まるで普通の人みたい。
いや、いい意味でです。
なにか、申し訳ないみたいに、伊織直加の後から出てきました。
でも、かわゆい。
私、今後、彼女を注目したいと思います。

もう一言。さゆ里様。
「たみ」さん、沙加美 怜(さがみ・れい)さん、ご存知ですか。
「おとめ」のランクでいうと19番目なのですが、
公演パンフでの扱いは決して高くない方です。
お声もほとんど聞いたことがありません。
その方が、水 夏希よりちょっと前に出てきたのですが、
誰も無視。
気の毒。有楽町駅の方へ、寂しく歩いていかれたのですが、
その時、向こうのほうから、一人の女性がかけよってきました。
すると、続いて3、4人が近づき、彼女の周りに暖かい雰囲気が・・・。
私、なんとなく気になり、その集団の側へ。
たみさんのほとんど聞いたことのない声を聞こうと思ったのです。
しかし、あの人はもともと無口なのでしょうか。
ファン(もしかすると親戚!)の前でもしゃべりません。
ああ、よかった。
あのまま、寂しく去られたのでは、夢見が悪い。
がんばってね、たみさん。

春。
楽しい一日を過ごさせていただきました。
そして、つい1000days劇場近くの居酒屋へ。
高田馬場でも、もう一軒。
ああ、宝塚、楽し、楽し・・・。

というわけで、駄文をお届けいたします。恐縮です。

  春の夜に花咲き乱れ酒うまし夜明けの序曲も耳に高鳴る
                 槍吉郎(マイケルこと)


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