■■■AYAの舞台評■■■



宝塚星組

WEST SIDE STORY

=ウエストサイド物語=

観劇日:1999年3月 9日(火)
      11日(木)
劇場 :宝塚大劇場

       ジェローム・ロビンスの原案による

       脚本:アーサー・ロレンツ
       音楽:レナード・バーンスタイン
       作詞:スティーブン・ソンドハイム

    演出・振付:アラン・ジョンソン
      演出補:正塚晴彦

          トニー/稔 幸
          マリア/星奈優里
        ベルナルド/彩輝直
          アニタ/羽純るい
           リフ/絵麻緒ゆう
        アクション/音羽椋
         A−ラブ/朝澄けい
               星組一同






亜矢さんからの感想文だ。

更新がとっても遅いのは、
私が3/8〜4/13まで文学座本公演「女の一生」の旅公演に参加していてずっと東京にいなかったからです。
許してね。
でも5/8〜6/12も、後半の旅公演でいなくなるけど。
そういうことで、更新遅れてすまんっっっっ。

私は「ウエスト・・」は旅公演を終えての6月中頃過ぎに
1000daysで観れればなと思っている。
私はこの作品が好きなのだ。

ああ、でも「CHICAGO」東京公演は素晴しかったなあ。
観劇が旅公演行く直前だったので感想の更新はしていないけれど。
ボブ・フォッシーは素晴しいよ。大好き。

もちろん宝塚も好きさ。

亜矢さんからの観劇文をどうぞ。




[亜矢の観劇評]

 星組大劇場公演 『ウエストサイド・ストーリー』
 観劇日→3月9日・11日

 観終わっての月組を観なかった母との会話。
母「なんてことなかったね、これ」
私「そう…。ま、こういう演目だから」

やはり、最後に「一発逆転フィナーレ」がついていても、
私としては今の宝塚向けの演目ではないと思う。
やはり、宝塚の魅力はショーであり、
その中の人海戦力や、ラインダンス、羽根、
また、日本物の総踊りといったものが必要不可欠の要素であるし、
精神的に観る人に夢を与えることだと思うのである。
こう書くと
「でも、この公演ラインダンスも羽根もあるじゃない」
と言われそうだが、
「希望は見えても、夢はみられない」と答えるしかない。
なにか「ロマン」に欠ける気がしてならないのだ。
あくまでも私見であるのでご批判もあると思うが。

 さて、内容のことは終えて、出演者の方に話を向けたいと思う。
新トップの稔。
安定している。
だから、如何にトニーの思春期の爆発力・脆さがでるか、
と思って観ていたのだが、勢いがあってあって、また安定したできであった。
とくに「マリア」の歌は危なげがない。
前作・今作・次作ともに、すっきりとした2枚目の役なので来年は虚無感を漂わせた大人の役など観てみたくなった。
フィナーレの星奈とのデュエットダンスは今までの麻路・星奈のときはポーズで決めて行く感じだったが、稔・星奈のコンビだと流動感に溢れるダンスに明らかに変わった気がした。

 マリアの星奈。風花のマリアが
「情熱的なプエルトリコの血が流れ、一本芯が通った」
感じであるのに対し、
星奈のは「純情一途」という感じで、また別のマリアであった。
歌は少し風花より弱いが、最後の場面などみていると、
歌も芝居も随分お上手になったと思った。
ダンスの身のこなしは、今や宝塚一であろう。
つぎの万姫が楽しみである。

 リフの絵麻緒。
声が甘えた感じの時はぴったりで、稔との相性もよさそうである。
なによりも踊っているときに爽快そうなのがいい。
見せ場の「クール」は、上手く息づきが出来ていたと思う。

 アニタの羽純。
いつのまにこんなに上手になったのかな、と思ってしまった。
ダンスは樹里にはもう1歩であったが「アメリカ」の歌など思い切って歌っていて小気味よかった。

 ベルナルドの彩輝。
やはり、この人は現在の宝塚一のフェアリータイプの人なので迫力不足であった。
ミスキャストというしかない。
いつか、この人で『PUCK』が観て見たい気がいつもしている。
今回はちょっと…であった。歌は益々の研鑚を。

 アクションの音羽。
もう少しキレまくったほうがいいと思うのだが、
「クラプキ巡査どの」などは無難にこなしていた。
もう少し、客席までのパワーを。

 あと気になったのが、エニボデーズの美椰。
元気があって、男役さんかしら、と思ってしまった。
「サムホエア」のダンスは変わって可愛かった。

 今回は新人公演も拝見したのだが、
本公演でも新人公演の主役の朝澄はその美しさで目立つ。
かっての紫苑を思い起こさせる。
新人公演はパワー全開で、
若いメンバーにはこの作品は向いていたと思う。
また、「サムホエア」のカゲソロの秋園は、エトワールも定着してきたが、新人公演のマリアの「トゥナイト」は聞き応えがあった。
星組の歌姫、という感じである。

 本公演に話を戻すと、
アンサンブルはさすが宝塚だけにまとまっており、
いつ聴いても、一部の全員の「トゥナイト」は迫力がある。
また、フィナーレのパレードの「アメリカ」のアレンジは
ちょっと違和感があった。
一言で言うと、もっともっと「宝塚化」できる作品であったらいいのに、
とファンとしては思ってやまない、
というところで感想を終える。


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